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アロン神権


「アロン神権」『トピックと質問』(2023年)

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聖餐を祝福する若い男性

福音学習ガイド

アロン神権

悔い改めの福音と罪の赦しのためのバプテスマの鍵を持つ

末日聖徒イエス・キリスト教会において,神に従う者は救いと昇栄の業において神を助けようと努めます。神権,すなわち神の永遠の力と権能が地上に回復されました。神の子供たちが神と神聖な聖約を交わして守ることによって神のもとへ戻るのを助けるためです。

神権には二つの部分があり,それぞれ福音に従って生活するための重要な側面に対する責任を伴っています。アロン神権は「備えの神権」または「小神権」です。天使の働きの鍵と,悔い改めの福音の鍵,罪の赦しのために水に沈めるバプテスマの鍵を持っています(教義と聖約13:1参照)。アロン神権者は聖餐のパンと水を準備し,祝福し,聖餐を執行します。また,会員を見守り,断食献金を集めるなど,教会の物質的な面におけるミニスタリングも行います。

アロン神権とは何でしょうか

神権とは,神の永遠の力と権能です。神権者は,神聖な聖約と儀式を施すことによって,神の子供たちの救いと昇栄をもたらすことにおいて神を助けます。アロン神権はメルキゼデク神権に付属するものです(教義と聖約107:1,6,13-14参照)。今日の教会では,ふさわしい男性会員は,12歳になる年の1月からアロン神権を受けることができます。アロン神権の職には,執事,教師,祭司,およびビショップがあります。

トピックの概要:アロン神権

関連する福音学習ガイド:神権の回復」,「メルキゼデク神権」,「神権の鍵

セクション1

バプテスマのヨハネ,預言者ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリにアロン神権を回復する

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ジョセフ・スミスに神権を授けるバプテスマのヨハネ

アダムの時代からモーセに至るまで,預言者たちはメルキゼデク神権を持っていました。しかし,モーセの教導の業の間,イスラエルの民はエホバの祝福を拒み,この大神権は人々から広く取り去られました。預言者たちは,メルキゼデク神権を引き続き持っていました。アロンの子孫を含め,レビの部族の男性会員にはアロン神権が与えられていました。(教義と聖約84:23-27参照)

アロンの子孫であり長子であったバプテスマのヨハネは,アロン神権を持っていました(教義と聖約68:16-1884:26-27参照)。イエスと使徒たちの死後,人々は神権の儀式と教会に対して,正式な権限を受けずに変更を加えました。この背教のために,アロン神権と,ペテロ,ヤコブ,ヨハネ,そのほかのキリストの弟子たちに授けられた大神権(ルカ9:1-2)が地上から取り去られたのです。1829年,復活したバプテスマのヨハネがジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに現れ,彼らにアロン神権を授け,この権能を再び地上に回復しました(教義と聖約13:127:7-8ジョセフ・スミス—歴史1:68-72参照)。

考えてみましょう

  • バプテスマのヨハネの生涯と教導の業は,今日のアロン神権者に霊感を与える源となり得ます。マタイ11:7-13ルカ7:24-30ヨハネ5:32-35を読んでください。これらの聖句から,救い主がバプテスマのヨハネに対してどのように感じておられることが分かるでしょうか。イエスがヨハネのことをこのように述べられたのはなぜだと思いますか。今日のイエス・キリストの弟子たちは,バプテスマのヨハネの模範にどのように倣うことができるでしょうか。

  • 説教「アロン神権—神からの賜」の中で,ゴードン・B・ヒンクレー大管長は次のように教えています。「〔執事,教師,祭司の〕責任とは,教会員を見守り,罪悪がないように取り計らい,キリストのもとに来るようにすべての人々を招くことです。」1今日の教会では,アロン神権者の多くが若い男性です。これらの若い人々は,今日のワードや支部でこれらの義務をどのように有意義に果たすことができるでしょうか。

ほかの人と一緒に学ぶための活動

  • アロン神権の回復に関するオリバー・カウドリの話から,その日に起こった出来事の背景と詳細をさらに知り,理解を深めることができます。ジョセフ・スミス—歴史の最後にあるオリバー・カウドリの話を読んでください。グループの参加者に,どの詳しい知識が自分にとって特に意義深いものかを話してもらいます。その後,グループの参加者に,その日ジョセフとオリバーと一緒にいたらどのようだったか想像してもらいます。この出来事が福音の回復に不可欠だったのは,なぜだと思いますか。

さらに学ぶ

セクション2

アロン神権は必要な鍵と務めを与える

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女性と話す若い男性たち

アロン神権は「小神権」としても知られ,聖文ではメルキゼデク神権に「付属するもの」と呼ばれています(教義と聖約107:14)。しかしアロン神権には,救いと昇栄に必要な,神聖な聖約と儀式を提供するために不可欠な力と権能があります。

アロン神権には,天使の働きの鍵,悔い改めの福音の鍵,そして罪の赦しのために水に沈めるバプテスマの鍵が含まれています(教義と聖約13:1107:20参照)。

考えてみましょう

  • バプテスマのヨハネは,この世がイエス・キリストを受け入れられるよう道を備えました。悔い改めと罪の赦しのためのバプテスマの福音を教え,さらには救い主にバプテスマを施しました(マルコ1:1-11ヨハネ1:15-34参照)。これらの原則と儀式が,キリストの来臨に不可欠な備えと見なされたのはなぜだと思いますか。悔い改めとバプテスマは,神殿の儀式を受け,関連する聖約を交わして守るために,今日のキリストの弟子をどのように備えているでしょうか。

  • アロン神権者に向けて教義と聖約13章について話したゴードン・B・ヒンクレー大管長は,次のように勧告しています。「教義と聖約を開き,この言葉を読んで暗記するようにしてください。これは,……神権の憲章であり,アロン神権が正当かつ真正であることを明らかにしている聖句なのです。」2教義と聖約13章は,どのように若い神権者の焦点と行動の指針となるでしょうか。アロン神権に関するこれらの真理を理解することは,すべての教会員がバプテスマや毎週聖餐を受けることなどの儀式や,それに伴う聖約の価値を理解するうえでどのように助けとなるでしょうか。

ほかの人と一緒に学ぶための活動

  • 末日聖徒イエス・キリスト教会のすべての会員にとって,アロン神権の務めと祝福を理解することは大切ですが,多くの教会員はアロン神権の儀式と責任がどれほど不可欠であるかを理解していません。グループで,以下の情報源を個人または小人数のグループで研究することにより,アロン神権の権利と責任について学ぶことができます。

グループの参加者が上記の参照聖句を読んだら,学んだことをグループのほかの参加者たちに話してもらいます。

さらに学ぶ

セクション3

アロン神権は備えの神権である

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クラスの若い男性

何世代にもわたって,アロン神権は,イスラエルの子らがやがてイエス・キリストから与えられる,より高い律法に備えていました。バプテスマのヨハネの使命は,キリストの来臨に世を備えるというものでした。そのため,アロン神権は「備えの神権」として知られるようになりました。聖文はまた,アロン神権は,悔い改めと罪の赦しのためのバプテスマを含む備えの福音の鍵を持つことも教えています(教義と聖約84:26-27参照)。

今日アロン神権者は,イエス・キリストの再臨に世を備えるのを助けています。アロン神権者は,人々が罪を悔い改め,バプテスマを受けることによって,聖約を交わして守り,主の宮で儀式を受ける備えができるように助けます。また,アロン神権を持つことは,イエス・キリストに従う者が生涯メルキゼデク神権で奉仕する備えにもなります。

考えてみましょう

  • アロン神権定員会のテーマは,若い男性一人一人が自らの神聖な特質と神権者としての目的を理解するうえで助けになります。『総合手引き』10.1.2にあるテーマを読んでください。このテーマは,義にかなった選択をするように若い男性をどのように鼓舞すると思いますか。アロン神権定員会のテーマのどのような側面を,あなた自身の弟子としての務めにさらに取り入れることができるでしょうか。

  • アロン神権を通して受ける儀式と聖約は,メルキゼデク神権に関連する儀式と聖約にわたしたちを備えてくれます。悔い改め,罪の赦しのために水に沈めるバプテスマ,聖餐,関連する聖約に従って生活することは,聖約を交わして守り,主の宮の儀式を受けるうえでどのような備えになるでしょうか。

ほかの人と一緒に学ぶための活動

  • アロン神権は,末日聖徒イエス・キリスト教会全体に欠かせない要素ですが,個々の神権者にも祝福を与えます。ビデオ「人は皆,自分の義務を学び—アロン神権」(3:34)を視聴してください。神権を持つことは,これらの若い男性の決定にどのような影響を与えると思いますか。神権の力と権能が自分にとってどのようなものかを話す様々な若い男性の言葉に耳を傾けながら,グループの参加者に印象や考えを話してもらいます。

さらに学ぶ

  1. ゴードン・B・ヒンクレー「アロン神権—神からの賜」『聖徒の道』1988年6月号,49参照

  2. ゴードン・B・ヒンクレー「アロンの神権」『聖徒の道』1983年1月号,76参照