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第25課 教師用資料:家庭生活における悔い改めと赦し


「第25課 教師用資料:家庭生活における悔い改めと赦し」『永遠の家族 教師用資料』

「第25課 教師用資料」『永遠の家族 教師用資料』

第25課 教師用資料

家庭生活における悔い改めと赦し

悔い改めと赦しの原則を実践することで,家族関係を癒し,強めるために主の力を招き入れることができます。本課は,悔い改めにより,家族関係をどのように改善できるかを生徒が理解する助けとなります。生徒はまた,自分に嫌な思いをさせたり,傷つけたりした家族を赦すうえで,どのように主の助けにあずかることができるかを考えます。

注:時には,虐待という形で家族から傷を負わされる場合があります。虐待からの癒しについては,次の課で採り上げます。

教えるための提案

教え方と学び方を改善する

より深く改心するために生徒が経験しなければならない事柄に焦点を当てる。生徒は,学習過程において,また福音を実践することにおいて,積極的に取り組むことで学んでいきます。教える際は,個人の啓示を招き,改心を深めるために,生徒がどのようなことを経験し,どのようなことを行う必要があるのかに焦点を当ててください。福音の知識を増し加え,知っていることに従って生活することで,生徒は救い主と主の福音にさらに改心するようになります。

個人が悔い改めることで家族関係を改善することができる。

次の言葉をホワイトボードに掲示します(生徒の必要に合わせるために,以下の言葉を調整するとよいでしょう)。

  1. ほかの家族がよく悔い改められるように目を光らせることが重要だ。

  2. 家族のだれかが自分よりも悪いのであれば,自分が変わるのは,その家族が謝り,行いを改めるのを待ってからにするべきだ。

  3. 家族を傷つけるような態度や行いを悔い改めるのは,いつだって簡単だ。

  4. 家族のだれかが自分に迷惑をかけようとしているなら,虐げても構わない。

レッスンを始めるにあたり,生徒にホワイトボードの言葉を声に出して読んでもらいます。生徒に,それぞれの文が正しいか誤りかを静かに考えてもらいます(生徒に答えを発表するよう求めない)。十分な時間を取った後,すべての文が間違っていることを説明します。

  • それぞれの文をどのように訂正すれば,正しい言葉になりますか。

  • 家族を傷つけてしまったときに,悔い改めるのが難しいのはなぜでしょうか。悔い改めようとするとき,主はどのように助けてくださるでしょうか。

準備資料にある放蕩息子のたとえの描写の一つを見せ,一人の生徒にこのたとえを要約してもらうとよいでしょう。ルカ15:17-24を復習し,このたとえから,家庭生活における悔い改めについてどのような原則を見つけたかを生徒に尋ねるとよいでしょう。

  • このたとえに出てくる父親から,天の御父についてどんなことを学ぶことができますか。その知識は,悔い改めに対する考え方にどのように影響するでしょうか。

  • 家族のだれかが悔い改めたために,結婚生活や家族が祝福されるのを目にしたのは,どのようなときでしたか。(あまりに個人的なことやプライベートな内容は話さないよう生徒に伝えます。)

主は,嫌な思いをさせたり,傷つけたりした家族を赦せるよう助けてくださる。

生徒に,家族のだれかによって嫌な思いをさせられたり,傷つけられたりしたときのことを考えてもらいます。また,生徒にその人をどれくらい赦すことができたか深く考えてもらうとよいでしょう。

  • 自分を不当に扱った家族を赦すことが難しいことがあるのはなぜでしょうか。

教義と聖約64:8-11を一緒に復習し,赦しに関する主の教えからどのような真理を学べるかクラスの生徒に尋ねます。生徒が見つける真理の中には,次のような真理があるかもしれません。「主はすべての人を赦すようにわたしたちに求めておられる。

生徒に,準備資料のセクション2にある教会指導者の言葉を幾つか選んでもらい,簡単に復習してもらうとよいでしょう。それから,以下の質問をします。

  • これらの教えは,自分を不当に扱った家族を赦すうえでどのような助けとなるでしょうか。

話し合いの一環として,準備資料のセクション2にあるマッシモ・デ・フェオ長老の言葉を提示して,生徒と一緒に読むとよいでしょう。救い主が自分のためにしてくださったことについて,生徒が深く考える時間を取るとよいでしょう。

  • 救い主の犠牲を覚えておくことは,人々を赦すうえで,どのように助けとなるでしょうか。

生徒が家庭生活における赦しに対する理解を深めるのを助けるためにヤコブとエサウの話を使うか,または,あなた自身で考えたシナリオを使って,わたしたちが傷つけた家族やわたしたちを傷つけた家族との和解に関連する気持ち,心配,および選びについて生徒が考えられるようにするとよいでしょう。

可能であれば,次の画像を見せます。

画像
「エサウの生得権」グレン・S・ホプキンソン画

生徒に,ヤコブとエサウの話について知っていることと,この兄弟の関係に影響を与えた事柄を説明してもらいます。必要に応じて,次の詳細の一部を分かち合い,生徒の理解を深めるとよいでしょう。

イサクとリベカには,ヤコブとエサウという双子の息子がいました。エサウは長男だったため,長子の特権を持つ立場にありました。これは,エサウが父親の土地について,「父親の財産からほかの者の二倍」を受け継ぎ,父親の死後,家族の霊的な指導者として管理する権能を受け継ぐことを意味していました(『聖句ガイド』「長子」「長子の特権」の項参照)。

しかし,エサウは長子の特権をあつもの(ボウル一杯のスープまたはシチュー)と引き換えにヤコブに売りました。後に,イサクが長子の特権の祝福を授けようとしたとき,エサウはそれを捨てたにもかかわらず,それを受けようとしましたが,リベカが介入し,ヤコブがその祝福を受けました。その結果,エサウはヤコブを憎み,ヤコブを殺すと誓ったのです。リベカとイサクは,ヤコブをおじのラバンのもとに住まわせるために遣わしました。ヤコブは結婚して子供をもうけました。20年後,主はヤコブに故郷に戻るように指示されました。ヤコブは,エサウが400人の男性を引き連れて自分たちに会いに来ることを知ったとき,エサウが自分と家族に何をするのかと恐れました。ヤコブは僕たちに,多くの家畜を何グループかに分け,エサウが近づいてきたら,その家畜を贈り物として差し出すように指示しました。(創世25-32章参照)

クラスを二人一組または少人数のグループに分けるとよいでしょう。生徒に,創世33:1-11を黙読させ,ヤコブとエサウが会ったときにどのようなことが起こったか見つけてもらいます。生徒一人一人に,ヤコブかエサウのどちらかの視点に立ってもらい,各視点から,これらの節に記録されている出来事を経験していると想像してもらいます。

十分な時間を取った後,生徒にヤコブまたはエサウの視点で,この再会について想像しながら学んだことを用いて,自分のパートナーやグループと次の質問について話し合ってもらいます。

  • 兄/弟に近づいて話をしたとき,どのような思いや感情を抱いたでしょうか。

  • 兄/弟と和解するために,何をしましたか。このことから,どのような原則を学べるでしょうか。

生徒がこの活動を終えたら,以下の質問の幾つかについてクラス全体で話し合うとよいでしょう。

  • このヤコブとエサウの例の中に,どのような原則を見ることができますか。この話の中で,どのように主の手による助けがあったことが分かりますか。

  • 自分が率先して対立を解決したり,家族のだれかを赦したりするうえで,神はどのように助けてくださいましたか。(あまりにも個人的なことは言わないよう,生徒に再度伝えます。)

生徒に,現在の家族関係において悔い改めや赦しの原則をどのように応用するよう天の御父が望んでおられるのか,静かに考えてもらいます。生徒に,受けた印象に従って行動に移すように勧めます。生徒が悔い改めと家族の赦しの大切さについて証する時間を取ってもよいでしょう。

次回に向けて

悲しいことに,ほかの人を虐待することを選ぶ人がいることを説明します。次のレッスンの準備資料を注意深く研究するよう,生徒に勧めます。生徒に,救い主の助けを受けて,虐待の影響からどのように癒しを受けることができるか,または虐待の影響から人が癒されるよう助けることができるか考えてもらいます。