『第5課 クラス用準備資料—現世での経験と肉体という賜物『永遠の家族 教師用資料』
「第5課 クラス用準備資料」『永遠の家族 教師用資料』
第5課 クラス用準備資料
現世での経験と肉体という賜物
肉体の奇跡や肉体ができることに驚いたことはありますか。一方，肉体のゆえに経験する問題に悩まされたことはありますか。研究する際，神の幸福の計画において，現世での経験の目的と肉体がどのように関連しているか，考えてください。
セクション1
わたしの肉体は，どのようにわたしの永遠の進歩にとって不可欠でしょうか。
わたしたちの肉体は，神の形に創造されています（創世1：26－27参照）。ダリン・H・オークス管長は次のように説明しています。「現世の生涯と，それに続く次の世での成長の目的は，神の子供たちが神のようになることです。」（「偉大な計画」『リアホナ』2020年5月号，94）
わたしたちは神のようになるために，現世の生涯で何を経験しなければならないでしょうか。家族の宣言の次の言葉の中で，二つの重要な要素が指摘されています。「前世で〔わたしたちは〕……神の計画を受け入れました。その計画によって，神の子供たちは肉体を得ることができ，また，完成に向かって進歩……〔できる〕ようになったのです。」（「家族—世界への宣言」ChurchofJesusChrist.org）
前世についての啓示の中で，アブラハムは天上の大会議を見ました（アブラハム3：22－28参照）。そのとき，アブラハムは前世について重要な真理を学びました。
クラスに備えて学ぶ
アブラハム3：24－26を読み，わたしたちが地球に来て肉体を得た目的の一つについてアブラハムが学んだことを見つけましょう。（「第一の位」とは前世を指しており，「第二の位」は現世での誕生と最後の裁きの間の期間を指すことを知ると，役立つかもしれません。）
十二使徒定員会のD・トッド・クリストファーソン長老は，肉体を得ることは，わたしたちが現世で証明をする，つまり試されることの一部であると教えました。
そして，現世の経験をする間に，「何であろうと，主なる〔わたしたち〕の神が命じられるすべてのことを〔わたしたち〕がなす」〔アブラハム3：25〕ことを選択すれば，わたしたちは「第二の位」〔アブラハム3：26〕を守ることになります。つまり自らの選びによって，神のもとから離れ，力，欲求，情熱を伴う肉体をまといながらも日の栄えの律法を実践する決意と能力を神に（そして自分自身に）証明することになったのです。わたしたちは，肉体を制御し，肉体を霊の主人とせず，霊に使われる道具とできるでしょうか。永遠にわたって生命の創造を含む神の力にあずかることができるでしょうか。個人として悪に打ち勝つことができるでしょうか。それを成し遂げた人は「とこしえに栄光をその頭に付け加えられる」 のです〔アブラハム3：26〕。 その栄光の非常に重要な側面とは，復活した，不滅の，栄光に満ちた肉体です。わたしたちがこうしたすばらしい可能性と約束を知って「喜び呼ばわった」のも当然です〔ヨブ38：7〕。（「なぜ結婚，なぜ家族か」『リアホナ』2015年5月号，51）
イエス・キリストのおかげで，わたしたちはやがて，天の御父が持っておられる，不死不滅の完全な肉体を得ることができます（教義と聖約130：22参照）。このような肉体を持つ人のみが「満ちみちる喜びを受ける」（教義と聖約93：33－34；138：17）ことができます。預言者ジョセフ・スミスも，真の幸福には肉体を得ることが含まれていると教えています。
わたしたちがこの地上に来たのは，肉体を得て，日の栄えの王国において神の前にその肉体を清い状態で差し出すためです。偉大な幸福の原則は，肉体を得ることの中にあります。悪魔は肉体を持っておらず，これが悪魔にとっての罰となっています。（『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』211）
先ほど読んだ，家族の宣言の一部にあるように，地球での経験を得ることも，完全に向かって進歩し神のようになるうえで重要です。十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は，肉体がどのように現世での経験を意義深いものとするかを説明しています。
わたしたちは肉体があるおかげで，前世ではとうてい得られなかった意義深く感動的な様々な経験をすることができます。そこで，ほかの人との関係，真理を認め真理に従って行動する能力，イエス・キリストの福音の原則と儀式に従う力は，肉体を通してさらに強められます。現世の学びの場において，永遠の生活に備えられるように，優しさ，愛，親切，幸福，悲しみ，失望，苦痛，さらには肉体的な制約という苦難を経験します。簡潔に言えば，聖文に書かれているように「肉において」学ぶべき教訓があり，積むべき経験があるということです（1ニーファイ19：6；アルマ7：12－13）。（「わたしたちは純潔を信じる」『リアホナ』2013年5月号，41）
クラスに備えて深く考える
肉体が天父の幸福の計画にとって重要である理由について，あなたならどのように説明しますか。
セクション2
自分の肉体的な望みや欲求の中にはコントロールするのが難しいものがあるのはなぜですか。
天の御父は，生命を存続させ，神の御計画を果たせるよう，ある欲求をわたしたちの肉体に設けられました。現世での試しの一つは，「肉体の欲望を内に宿る霊によってうまくコントロールできるようになるかどうかを見極めることです。」（ラッセル・M・ネルソン「あなたの体—大切にすべきすばらしい贈り物」『リアホナ』2019年8月号，53）
わたしたちはそれぞれ，生まれながらの人によって影響を受けます。この肉なる部分のために，わたしたちの肉欲やこの世的な望みが抑制されることなく，神のようになりたいというわたしたちの望みや努力に打ち勝つに任されることがあります（『聖句ガイド』「生まれながらの人」scriptures.ChurchofJesusChrist.org参照）。
クラスに備えて学ぶ
アルマ41：11と1コリント2：14を読んで，わたしたちの内にある生まれながらの人に屈している状態を説明している語句に印をつけるとよいでしょう。
べドナー長老は，次のように教えて，生まれながらの人についてのわたしたちの理解を深めています。
わたしたち一人一人の中ではある程度，……「生まれながらの人」が力を振るっています（モーサヤ3：19参照）。生まれながらの人は悔い改めず，肉欲や官能におぼれ（モーサヤ16：5；アルマ42：10；モーセ5：13参照），気ままで度を越しやすく，高慢で利己的です。……
神の息子，娘として，わたしたちは神から神聖な能力を受け継いでいますが，現在は，堕落した世に生きています。肉体が創造された源である元素はまさに，生来堕落〔訳注—英文では“fallen”。「低い次元に移行された」の意で使われている〕しており，罪や堕落，死の影響を常に受けています。したがって，アダムの堕落，およびそれが霊と現世の生活に与えた結果により，わたしたちは肉体を通してきわめて直接的な影響を受けています。（「わたしたちは純潔を信じる」42）
クラスに備えて深く考える
アルマ41：11，1コリント2：14またはべドナー長老の言葉の中で述べられている，生まれながらの人の特徴を一つ選んでください。その特徴は，デートの相手や家族との関係にどのような影響を与えるでしょうか。
セクション3
イエス・キリストは，わたしが生まれながらの人を克服するのに，どのような助けとなるでしょうか。
ベニヤミン王は民への説教の中で，イエス・キリストの教導の業と贖罪について天使から教わったことを述べました（モーサヤ3：5－19参照）。
クラスに備えて学ぶ
モーサヤ3：19を読み，生まれながらの人を克服するにはどうすればよいか見つけてください。（この文脈において，「聖徒」とは，聖くなりつつある人，すなわち神に献身する人のことであることに注意する。）
べドナー長老，および管理ビショップリックのジェラルド・コセービショップの言葉を読み，イエス・キリストは，あなたが生まれながらの人を克服してさらに主のようになるのを，どのように助けることがおできになるか考えてください。
生まれながらの人の性欲，欲望，性癖，衝動はすべて，イエス・キリストの贖いによって克服することができます。わたしたちは神のような特質を伸ばし，肉のすべての激情を制することを学ぶためにこの世にいるのです。（「わたしたちは純潔を信じる」43）
イエス・キリストは贖罪を通して，わたしたちの罪を洗い流すだけでなく，能力を授ける恵みの力を与えてくださいます。主の弟子たちはその力により，「生まれながらの人を捨て」〔モーサヤ3：19〕，「教えに教え」〔2ニーファイ28：30〕を受けて成長し，聖さを増し加え，いつの日かキリストの面影を持った完全な者となって〔モロナイ10：32－33参照〕，再び神とともに住む資格を得て，天の王国のあらゆる祝福を受け継ぐのです。（「生けるキリストの生ける証人」『リアホナ』2020年5月号，39－40）
自分の考えを記録する
あなたが改善したいと思う家族との関係について考えてください。その関係の妨げとなっている，生まれながらの人の特徴は何ですか。救い主の贖罪の祝福を受け，聖なる御霊に従って，それらの特徴を捨ててさらに救い主のようになるにはどうすればよいでしょうか。