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第26課 教師用資料:虐待に対する認識と癒し


「第26課 教師用資料:虐待に対する認識と癒し」『永遠の家族 教師用資料』

「第26課 教師用資料」『永遠の家族 教師用資料』

第26課 教師用資料

虐待に対する認識と癒し

預言者と使徒は次のように警告しています。「伴侶や子供を虐待する人々……は,いつの日か,神の御前に立って報告することになります。」(「家族—世界への宣言ChurchofJesusChrist.org)本課は,生徒が虐待が起きている状況を認識し,それに対処する方法をよりよく理解する助けとなります。生徒はまた,虐待の影響を受けたすべての人に癒しを与えるイエス・キリストの力についても話し合います。

注:生徒の中には,虐待の影響を受けている生徒もいるかもしれません。虐待は,慎重に扱うべき難しい問題であるため,この課の一部の内容は,虐待の被害者である生徒,特に虐待の被害者であることを話せないでいる生徒に情緒的な反応を引き起こす可能性があります。このレッスンに出席することに抵抗がある生徒がいれば,ほかの手段で調整できることをあらかじめ伝えておくとよいでしょう。そのような生徒のために,クラスの時間外に参加するよう勧められる有意義な学習経験について考えてください。

生徒から,自身または家族が虐待に関与していることを打ち明けられる可能性がある場合,自分には教会のヘルプラインや地域の法務顧問に電話して,あらゆる種類の虐待の申し立てを報告する必要があることを,慎重に説明する必要があります。生徒に,状況についてビショップまたは支部会長と話し合うよう指示する際には,忍耐強く,敏感で,安心させ,理解する心を持つようにしてください。虐待の通報に関する責任と義務については,地元の法律に慎重に従ってください。

教えるための提案

教え方と学び方を改善する

生徒の必要や感情に慎重に対応する。あなたと生徒が虐待についてどう話し合うかによって,苦痛を増してしまうこともあれば,希望を与えられることもあります。虐待の被害者が経験する苦痛や苦しみを理解し,それに敏感であることがなぜ大切なのかを生徒と話し合うとよいでしょう。この話し合いをどのように進めるかについて考える際,「虐待を受けた人をサポートするにはどうすればよいでしょうか」(abuse.ChurchofJesusChrist.org)を読むと役に立つでしょう。

ほかの人を虐待する人は神の御前で報告することになる。

家族—世界への宣言」の次の言葉を提示します。「伴侶や子供を虐待する人々は,いつの日か,神の御前に立って報告することになります。」(黙示20:12-132ニーファイ9:15-17も参照)。

生徒に数分与えて,準備資料のセクション1と2を復習してもらい,これらのセクションを研究する中で抱いた質問や印象を分かち合ってもらいます。必要に応じて,次のような質問をするとよいでしょう。

  • 虐待とは何でしょうか。虐待が起きるとき,どのような福音の原則が破られるでしょうか。

  • 準備資料のこれらのセクションの中で,どのような注意や提案が印象に残りましたか。

  • 虐待の一般的な兆候を確認しながら,どのような思いを抱きましたか。

  • 虐待を受ける境遇にある人が,安全に助けを求めるには,どうしたらよいでしょうか。虐待が起きている状況について把握している場合,どのように通報すれば安全でしょうか。(時間を取って,生徒が虐待を通報するためのリソースを見つけられるよう助けるとよいでしょう。例えば「危険な状況にありますか。今すぐ相談してください。」〔abuse.ChurchofJesusChrist.org〕を確認してください。)

イエス・キリストは虐待に苦しんでいる人を癒してくださる。

以下の質問をするとよいでしょう。

  • 虐待からの癒しは,どのような形でもたらされるでしょうか。(必要であれば,準備資料のセクション3にあるリチャード・G・スコット長老の言葉を読むとよいでしょう。)

  • 虐待の影響で苦しんでいるエリンのような友人に,どのようなことを伝えますか。虐待からの癒しを難しくするものには,どのようなものがあるでしょうか。

イザヤ61:1-3を一緒に読み,虐待の被害者にとって意義深い真理を見つけてください(2ニーファイ2:1-2も参照)。例えば,生徒は次のような真理を見つけることができます。「イエス・キリストは心を痛めている者を癒し,すべての悲しむ者を慰める力をお持ちである。

  • これまで,どのようなことがあっても救い主から慰めや助け,癒しを得るために,何をしてきましたか。

  • これまでの人生において,救い主は絶望や絶望感をどのように美しいものに換えてくださいましたか。

  • 癒しを得られるまでの間,忍耐強く忠実でいるために,どのようなことが助けとなるでしょうか。

数分時間を取り,生徒に本課の教えが現在の生活にどのような影響を及ぼすかを考えてもらいます。生徒に受けた印象を書き留めるように勧めます。

レッスンを終えるに当たり,生徒に,虐待の影響を受けたすべての人を助けるうえで,救い主が果たされる役割について学んだことを分かち合ってもらいます。準備資料のセクション3で紹介されているビデオ「平和の君—イエス・キリストにより永続する心の安らぎを見いだす」(2:32)を見せてもよいでしょう。

次回に向けて

生徒に,自分が目にした,サタンやほかの人々が家族を滅ぼそうとしている方法について考えてもらいます。次のレッスンの準備資料を研究するときは,社会において家族が崩壊した結果に注意を向け,家族に関する主の教えを擁護するために何ができるかを深く考えるよう生徒を励まします。