初等協会テキストと分かち合いの時間
第7課 地上に喜びをもたらすイエス・キリストの誕生


第7課

地上に喜びをもたらすイエス・キリストの誕生

目 的

イエスの誕生が地上にもたらした喜びを子供たちに感じさせる。

準 備

  1. ルカ2:1-20を祈りをもって研究する。

  2. 誕生日の活動のためにカレンダーを持参するか,次のような表を作る。長い大きい紙を12に区切って,1月から12月まで書き入れる。12枚の細長い紙に月名を書いて,それをつなぎ合わせてもよい。

  3. クラスの子供たちの誕生日を調べる(初等協会書記,ワード部書記,または子供の親などから)。

  4. 初等協会会長の許可を得て一人の母親(または妊娠中の姉妹)に来てもらい,クラスの子供たちに赤ちゃんが生まれる準備をどのようにしたか(しているか)を簡単に話してもらう。胸を躍らせて待っていた(る)ことも話してもらう。

  5. 「昔,ユダヤの野辺に」(『賛美歌』126番)を歌うか歌詞を朗読できるよう準備する。

  6. 教材

    1. 聖書

    2. 小さい紙と鉛筆(人数分)

    3. 粘着テープまたはのり

    4. 絵2-6「イエスの生誕」(『福音の視覚資料セット』201)

  7. レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。

教師へ:子供の誕生日について話すときは,養子の子供の気持ちを傷つけないように気を配る。イエスの降誕だけでなく子供たち自身の誕生も喜ばしい出来事であることを理解させる。

レッスン

子供に開会の祈りをさせる。

宿題を出していれば,その確認をする。

誕生日は特別な日

注意を引くための話し合い

子供に,今特別な日のことを考えていると言う。それからヒントを与えて,この特別な日が何か分かった子供には手を挙げさせる。「ハッピーバースデー」の歌をハミングするか,何か易しいヒントを与える。

  • 先生の考えているのはどんな特別な日でしょう。

  • 誕生日に何がいちばん欲しいですか。

カレンダーを使った活動

紙と鉛筆を配り,名前を書かせる(必要ならば助ける)。

月の名前の書いてある表を黒板か壁にはる。1月から順々に読んでいき,子供たちはその後を繰り返して読む(言う)。一か月ずつ月の名前を言って,その月に生まれた子供がいれば,一人ずつ前に来させ,自分の名前の書いてある紙をテープでカレンダーにはらせる。

  • あなたが生まれたとき,家族はどう感じたと思いますか。

ゲストの話

一人の母親(または妊娠中の姉妹)に,赤ちゃんの誕生を待つ気持ちを話してもらう。

話し合い

自分の誕生のために家族がどんなことをしてくれたと思うか話し合う。健康で生まれるように祈った,名前を選んだ,着る物など必要な物を準備した,寝る場所を準備した,など。子供たちに,彼らの誕生が喜ばしい出来事であったことを理解させる。教師に子供がいれば,子供が生まれたときに何をしたか,またどう感じたかを話す。

子供たちに,地上に生まれて体を得ることが天父の計画の中で重要な出来事であることを理解させる。

イエス・キリストの誕生日も特別な日

教師の提示

これから,人々が長い長い間待ち望んだもう一人の赤ちゃんの誕生について学ぶ。ずっと昔から預言者たちは,いつか救い主がお生まれになると預言してきた。人々が天父のもとへ帰って一緒に住むことができるようにしてくださるのがこの救い主である。人々は,この赤ちゃんの誕生を何年もの長い間待っていた。

  • この赤ちゃんはどなたでしたか。(イエス・キリスト)

イエスがいつお生まれになるか,だれも正確には知らなかったことを指摘する。親たちは,この重大な出来事を待ち望むように子供たちに教えた。イエスが,わたしたちに正しい道を示して,すべての人々を助けるために地上に来られ,わたしたちが天父のもとへ帰ってともに住むことができるようにしてくださると理解していたからである。イエスの助けなしには,わたしたちは天父とともに生活することはできない。

ロールプレイングの準備

子供たちに,イエスの生まれるずっと前に生きていたと考えさせる。

みんなはベツレヘムの町の近くに住んでいる。そして,両親から救い主の誕生をみんなで待ち望むように教えられていた。今日の夜,みんなは羊の番をするお父さんの手伝いをしている。

  • お父さんと一緒に羊の番をしに行くあなたは,何を持っていったらいいでしょうか。(防寒具や食べ物)

子供たちに目を閉じさせ,次の場面を想像させる。

日が西へ傾いたので,羊飼いたちは羊が朝まで静かに眠ることができるように,囲いの中に集めました。夜のとばりが降りると,星が美しく輝き初め,間もなく夜空は星でいっぱいになりました。すべてが平和で静かでした。(教室のライトを消して夜の雰囲気を出してもよい。)

聖文の物語とロールプレイング

ルカ2:8-18に書かれている羊飼いへの天使の訪れについて話す。物語を話すときは,聖書の聖句を何節か声に出して読む。

天使の訪れに恐れる羊飼いに天使が,「恐れるな。見よ,すべての民に与えられる大きな喜びを,あなたがたに伝える」(ルカ2:10)と語ったことを指摘する。

子供たちに,天使の言葉を聞いて,恐れていた羊飼いたちの心が喜びに満たされた様子をパントマイムで演じるように言う。

天使が羊飼いにイエスの誕生について告げたこと(ルカ2:11参照),またどこでイエスに会えるか(ルカ2:12参照)を話したことを説明する。そして突然,「いと高きところでは,神に栄光があるように,地上の上では,み心にかなう人々に平和があるように」(ルカ2:13-14)と神を賛美する天使の群れの声を羊飼いが聞いたことを指摘する。

「昔,ユダヤの野辺に」の1節を歌い,それから子供たちも知っていれば一緒に歌うように言う。

昔,ユダヤの野辺に

歌聞けり 羊飼い

神にはみ栄え

高き神,栄えあれ

地には平和を

人に親しみ

聖文の物語とロールプレイングを続ける。

天使たちが天に帰ってしまうと,羊飼いたちはイエスに会いに行くことにした(ルカ2:15参照)。羊飼いのお父さんたちと一緒に,幼子キリストを見にべツレヘムへ行くふりをする。(教室内の他の場所へ移動するとよい。)

絵2-6「イエスの生誕」を見せる。

  • この絵の人はだれでしょう。

羊飼いたちが天使の言葉のとおりにイエスを見つけたことを話す。イエスはごく普通の布にくるまれて飼い葉おけに寝かされていた。羊飼いたちは,たくさんのすばらしいことを見ることができて感謝した。そして自分たちが見たり聞いたりしたことを人々に話した(ルカ2:17-18参照)。

まとめ

子供の発表

子供たちに一人ずつ立って,羊飼いたちが羊の番をしていた夜に起こった出来事を一つ話すように言う。救い主の誕生を長い間待っていたすべての人々が,どんなに喜んだかを指摘する。

イエスがこの世にお生まれになったことについてのあなたの喜びを述べる。イエスが世の救い主であることについてあかしし,イエスの教えに従うことによっていつの日か天父とともに住めることを話す。

今日家に帰ったら,イエスの誕生について,また今日の初等協会で見たり聞いたりしたことを全部家族に話すよう,子供たちに勧める。

子供に閉会の祈りをさせる。

楽しい活動

次の活動の中から自分のクラスに最も合うものを選ぶ。レッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の『クラスの時間』の項を参照する。

  1. 子供たちに救い主の誕生の場面を演じさせる。簡単な衣装や小道具(スカーフや赤ちゃんの人形など)を用意する。

  2. 子供たちを立たせて次の言葉を,「雪だるま」『子供の歌集』121ページ)のメロディーに合わせて歌わせる。歌詞に合わせて動作をつける。1節はかがんだ姿勢で,2節は立ち上がった姿勢でする。

    あかちゃんのときがあったよ

    あかちゃんは ちいさいよ

    それから だん だん だん だん

    こんなにおおきくなっちゃった

  3. 「ねどこもなくて」(『子供の歌集』26-27ページ),「マリヤのララバイ(子守歌)」(『子供の歌集』28-29ページ),または「イエス様のお話」(『子供の歌集』30-31ページ)を歌うか歌詞を朗読する。これらの歌の歌詞は巻末に掲載されている。

  4. 課末にあるイエスと飼い葉おけの複写を人数分用意する。飼い葉おけに色を塗り,草や毛糸をはって柔らかいベッドを作らせる。次にイエスに色を塗る。イエスの絵を切り抜いて飼い葉おけにはる。