第3課
わたしは神の子
目 的
天父なる神は,神の子であるわたしたちを愛しておられることを理解させる。
準 備
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紙をアコーディオンの形に折って,紙人形のくさりを作る(下の図を参照)。折った紙の折り山の側に人形の半分を書き,つなぎ目や手の周りなどを切ってしまわないように注意しながら紙人形を切り抜く。これを開くと人形が手をつないでいる形になる。クラスの時間に子供が見ている前で切ってもよいし,小さいものを各自に作ってもよい。
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3つのワードストリップを作る。
れい
からだ
かぞく
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「天のお父様の愛」(『子供の歌集』16-17ページ)と「神の子です」(『子供の歌集』2-3ページ,『賛美歌』189番)を歌うか歌詞を朗読できるように準備する。「神の子です」の歌詞は巻末に掲載されている。
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教材
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聖書
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小さい鏡
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5本指のついた手袋(手袋がないときは手袋の写真か絵)
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絵2-2「赤ちゃんのいる家族」または新生児の写真
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レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。
レッスン
子供に開会の祈りをさせる。
宿題を出していれば,その確認をする。「イエス様はわたしに何をしてほしいのだろう」と尋ねたときの経験を報告してもらう。
わたしはだれ?
注意を引くための活動
次の質問をする。
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わたしはだれでしょう。
子供たちが答えた後で,教師は自分の姓名を言う。
一人一人を指差して「あなたはだれですか」と尋ねる。子供たちに名前を言って答えさせる。わたしたちそれぞれが個性を持った存在であることを説明する。
話し合い
絵2-2「赤ちゃんのいる家族」を見せて,赤ちゃんを指す。または新生児の絵を見せる。
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この赤ちゃんは何歳だと思いますか。
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この赤ちゃんは,この世に来る前にどこに住んでいましたか。
この世に来る前に,わたしたちは天父とともに天に住んでいたことを説明する。わたしたちは天父の子である。わたしたちが天のお父様と呼びかけるのはそのためである。わたしたちは天の母や天父の残りの子供たちと一緒に生活していた。この世に生まれたすべての人は,天父の子供である。わたしたちは天父との生活を覚えていない。しかしわたしたちは,自分が天父の子供であることを,聖文を読んで理解している。
聖 句
詩篇82:6の2行目を声に出して読む。ここにある「いと高き者」が天父を指すことを説明する。
天父のすべての子供たちが地球に来たいと思っていることを説明する。天父の子供の多くはすでにこの世に生まれているが,待っている人がまだ多くいる。
わたしたちには霊があります
話し合い
ワードストリップ「れい」を見せる。
この世に来る前に住んでいた所では,わたしたちには体がなく霊の状態であったことを説明する。
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霊とは何でしょうか。
霊とはわたしたちの一部で,生きる力を与えてくれるものであることを話す。
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あなたの霊はどんな形をしていると思いますか。
小さい鏡を渡して自分の顔を見させる。鏡を見て霊がどのような形をしているかが分かったかどうか尋ねる。
わたしたちの霊がわたしたちの体と似た形をしていることを説明する。例えば,霊は目や耳や手,足を持っている。
実物を使ったレッスン
テーブルの上に手袋を置く。手袋は手の形をしているが,生きていないので手のようには動かない。しかし,手を入れれば手袋は動く。手袋に手を入れて指を動かして見せる。手袋が体を,手が霊を表すことを説明する。わたしたちの体は,中にある霊がなければ動くことができない。また,手袋の外側からは手が見えないように,体の中にある霊も見ることができない。(ボイド・K・パッカー,Teach Ye Diligently,231—233)
わたしには体がある
話し合い
「からだ」と書いたワードストリップを見せる。
地球に来たときに一人一人が体を得たことを説明する。体の各部分の名称を子供たちに答えさせる。(目,耳,手,足など。)
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あなたの体は何ができますか。
活 動
子供たちに体ができることを挙げさせ,その動作をさせる。(跳ぶ,曲げる,話す,ダンスをする,など。)
紙人形を使った話し合い
紙人形のくさりを見せる
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わたしたちはこの紙人形とどういうところが似ていますか。(わたしたちも紙人形と同じように腕や足,頭がある。)
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では,どんなところが紙人形と違っていますか。(人形は紙で作られている。わたしたちには骨肉の体がある。人形は生きていないが,わたしたちは生きている。紙人形は全部同じ形をしているが,わたしたちはみんなそれぞれ違った特徴がある。)
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クラスの全員がそっくり同じだったら,どう思いますか。
ゲーム
自分のことを言われたら立ち,自分に関係のないことを言われたら座らせる。クラスの子供たちの似ている点や異なった点を表した次のような言葉を言う。
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女の子は立ってください。
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黒い目の人は立ってください。
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鼻のある人は立ってください。
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金髪の人は立ってください。
わたしたちには共通した点が多くあるが,まったく同じ人はいないことを指摘する。天父は,わたしたちが似ているけれども完全には同じではない体をわたしたちに与えてくださった。わたしたちは皆それぞれ異なっている。
わたしたちには愛してくれる家族がいる
教師の提示
「家ぞく」のワードストリップを見せる。
天父はわたしたちを愛してくださっているので,体を得させるためにわたしたちを地上に送ってくださったことを説明する。天父は,わたしたちを育てて,天父やイエス・キリストのことについて教えてくれる家族を与えてくださった。
物 語
次の物語を教師自身の言葉で話す。
ある朝早く,少年とそのお父さんは山へハイキングに出かけました。山の湖で釣りをしながら一日を過ごそうと思っていました。食料をリュックサックに詰め,水筒と釣り道具を持って,小さいけれど美しい湖へと歩き出しました。長い間歩いた後,さすがに少年は疲れてきました。そしてだんだん足取りが遅くなってきました。
湖が見えるころになると,お父さんはそのうち息子も追いつくだろうと思い,青く美しい湖を目の前にして足を速めました。
湖に着いたお父さんは息子がまだ来ていないことに気づきました。釣りざおを置いたまま,お父さんは息子を捜し回りました。息子の名前を力のかぎり呼びましたが,答えはありません。お父さんは心配になってきました。道に迷ったのだろうか。それともけがでもしているのではないだろうかと。
お父さんはひざまずいて,助けてくれるように天父に祈りました。立ち上がって,もと来た山道を戻って行くと,すぐに息子を見つけることができました。お父さんは息子を抱き締めて,どんなに息子を愛しているかを話しました。(オーエン・C・ベニオン,“Turning the Heart of a Father,” Ensign,1971年5月号,28—30)
話し合い
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お父さんが自分を愛してくれていることが息子はどうして分かりましたか。(釣りに連れて行ってくれた,息子がいなくなったとき夢中で捜した,息子のために祈った,息子が見つかったときにその喜びを態度で示した。)
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家族があなたを愛してくれていることがどうして分かりますか。
子供が答えたら,親や家族はいろいろ異なった方法でわたしたちに愛を示してくれることを説明する。
わたしたちには,愛してくださる天父がいる
話し合い
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天のお父様があなたを愛してくださっていることは,どうして分かりますか。
歌
子供たちに,天父はわたしたちを愛し,わたしたちに幸せになってほしいと思っておられることを話す。天父はわたしたちの住む美しい世界を与えてくださった。「天のお父様の愛」を歌うか歌詞を朗読する。歌詞に合わせて次の動作をする。
とりのさえずり(腕を広げて翼のように上下に動かす)
きいたり(手をおわんの形にして耳につける)
あおぞらみたり(手を目の上にかざす)
あめがほほぬらしたり(両手の指を上下に動かして雨を表す)
かぜがとおりすぎたり(両手を前後に動かす)
ばらにそっとふれたりするときいつも(花の匂いをかぐ動作をする)
つくりぬしおとうさまをおもい(腕を上に伸ばす)
かんしゃします(胸の前で腕を組む)
うつくしいちょうちょを(両手の親指をつけて残りの指を羽のように動かす)
みるめをくださった(目を指で示す)
きくみみも(耳を指で示す)
こころもかみさまがくださった(胸を指で示す)
わたしのいのちもみな(両方の手を胸のところに置く)
おとうさまのあいによりつくられたと(同じ動作を続ける)
わたしはわかります(腕を組む)
話し合い
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天のお父様があなたを愛していらっしゃることは,どんなことから分かりますか。
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自分が天のお父様の子供で,天のお父様が自分を愛してくださっていることが分かったとき,どんな気持ちがしますか。
まとめ
歌
「神の子です」の1節を子供たちに歌わせる。神は天父の別の名前であることを説明する。
この歌の歌詞は,わたしたち一人一人が天父の愛する子供であり,地上に来て肉体を得ることができるように天父が計画してくださったことを教えている。またわたしたちが再び天父とイエスのもとに帰れるように,わたしたちを愛し,導いてくださることも教えている。
証
天父はわたしたちに体を与え,わたしたちが住むための美しい地球を与え,わたしたちを愛する家族を与えてくださった。このように,天父はわたしたちを愛してくださっている。このことを証する。
今晩祈るときに,天父に自分を地球に送ってくださったことを感謝するように励ます。
子供に閉会の祈りをさせる。
楽しい活動
次の活動の中から自分のクラスに最も合うものを選ぶ。レッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の『クラスの時間』の項を参照する。
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くさりの人形を切り離して一人に一つずつ渡し,色を塗らせる。終わったらそれぞれみんなに見せる。紙人形が色や塗り方が違うにもかかわらず,みんな美しくなったことを指摘する。わたしたちは似ているが,だれ一人同じ人はいないことを話す。
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子供たちを円形に座らせる。お手玉のような柔らかい物を一人の子供に投げて,質問をする。答えた子はそのお手玉をあなたに投げ返す。全員が答えるまで続ける。一人が少なくとも1回答えるまで続ける。次のような質問をする。
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わたしたちが地球に来る前に住んでいたのはどこですか。(天)
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だれと一緒でしたか。(天のお父様とイエス・キリストとほかのすべての人々)
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わたしたちは今どこに住んでいますか。(地球)
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わたしたちの霊はどんな形をしていますか。(わたしたちの体と同じ)
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子供に紙と鉛筆またはクレヨンを配り,天父が自分を愛してくださっていることが分かるものを描いてもらう。
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太郎が言った」のゲームをする。子供たちは,教師が「太郎が言った」と言って始める動作と命令をまねしなければならない。腕を組む,立つ,肩に手を置く,などの動作をする。時々「太郎が言った」と言わないで,ある動作をするように命令だけ出す。そのとき,教師の言った動作をした子供はゲームから抜ける。
そのような動作ができる人間の体はすばらしいことを話す。