初等協会テキストと分かち合いの時間
第1課 正義を選んで幸福になる


第1課

正義を選んで幸福になる

目 的

正義を選ぶときに幸福になれることを理解させる

準 備

  1. マタイ5:63ニーファイ12:6を祈りをもって研究する。教義と聖約58:27;『福音の原則』(06195 300)第4章も参照する。

  2. CTRチャートを作る。絵2-1「子供とイエス」を厚紙か薄手の段ボールにはり,絵の上の方にCTRと書く。そして絵の下には「わたしは正ぎを選びます」と書き入れる。このチャートはこれからのレッスンでも使うので保管しておく。

  3. 子供全員の親と話をして,一人一人の子供の特徴について少しクラス全体に紹介できるようにしておく。

  4. 「正しい道選ぼう」(『子供の歌集』82-83ページ)を子供たちに教えられるように準備しておく。歌詞は巻末に掲載されている。

  5. 教材

    1. 聖書またはモルモン書

    2. 黒板,チョーク,黒板ふき

    3. まだ持っていない子供のためのCTR指輪(「教師へ」の『クラスについて』の項参照)

    4. CTRの盾(本書の中扉参照)の複写を人数分

    5. クレヨンとはさみ

    6. 長い毛糸を人数分

  6. レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。

レッスン

教師が開会の祈りをし,天父とイエス・キリスト,そしてクラスの子供たちを愛していることを祈りの中で述べる。

天父とイエス・キリストはわたしたちを愛しておられる

注意を引くための活動

少し自己紹介をし,それから本年度の初等協会のクラスに対する自分の気持ちや抱負を述べる。子供たち一人一人の長所を述べて紹介する。

CTRチャート

あらかじめ作っておいたCTRチャートを見せる。そして,今年,初等協会では救い主イエス・キリストについて学ぶことを伝える。その中でもいちばん大切なことは,イエスが子供たち一人一人をどんなに愛しておられるかを知ることである。イエスがクラスの子供たち一人一人を愛しておられることをあかしする。「イエス様は幸治君を愛していらっしゃいます」と一人一人の名前を出して言う。天父も一人一人を愛していらっしゃることを話す。

天父とイエス・キリストは,わたしたちの幸福を望んでいらっしゃる

教師の提示

天父とイエスはわたしたちを心から愛しておられるので,わたしたちが幸福になるように望んでいらっしゃる。自分の体験から,とても幸福に感じたときのことについて話す。(バプテスマを受けたとき,ほかの人と分かち合ったとき,友達と楽しく遊んだこと,何かを成し遂げたとき,家族と楽しいひとときを過ごしたこと,イエスについて読んだり学んだりしたこと,神殿結婚,伝道に出たときのことなど。)

子供の発表

子供たちに特にうれしかったときのことを話させる。必要なら次のような質問をする。

  • 兄弟で仲良くしているときは楽しい気持ちがしますか。

  • お父さんやお母さんのお手伝いをしているときは楽しいですか。

  • 好きなことをしているときは楽しいですか。

  • 教会に来るときは楽しいですか。

正義を選ぶとき,幸せになります

物語を使った話し合い

次の物語を自分の言葉で話す。

太郎君はちょうど皆さんと同じ年です。ある日,太郎君は初等協会にペットを連れて来てもいいですかと先生に尋ねました。先生は,「太郎君,正義を選びなさい。正義を選ぶのですよ」と言いました。

  • 太郎君はどうしたと思いますか。

お友達を教会へ連れて来てもいいですかと尋ねたときにも,先生は言いました。「正義を選びなさい,太郎君。いつでも正義を選ぶのよ。」

  • 太郎君はどうしたと思いますか。

太郎君は,お父さんやお母からからこの言葉を何回も聞いたことがありました。「正義を選びなさい,太郎。天のお父様とイエス様は,わたしたちがいつも正義を選ぶように望んでいらっしゃるんだよ。」

  • 正義を選ぶとはどういうことでしょうか。

ある日,太郎君は学校から帰って来ました。お母さんはいなくて,テーブルの上にはおやつのクッキーが二つ置いてありました。一つは自分のもの,もう一つは弟のものでした。

太郎君はクッキーが大好物で,すぐに自分の分を平らげていました。弟はまだ帰っていません。「正義を選びなさい,太郎君。いつも正義を選ぶのですよ」と言ってくれる人はだれもいません。

  • あなただったらどうしますか。

  • 太郎君は,正義を選んだとしたら,どうしたと思いますか。

太郎君は弟のクッキーを食べてしまいました。帰って来た弟は,自分の分のおやつがないことに気づきました。そして,お母さんがおやつを置いていかなかったと思い,悲しくなりました。弟のクッキーを食べてしまった太郎君は嫌な気持ちになりました。

  • 太郎君は正義を選びましたか。

  • 太郎君は自分が選んだことで,楽しい気持ちがしましたか。

  • 太郎君はこれからどうすべきでしょうか。

どうしたら太郎が誤った選びを正せるか,子供たちに考えさせる。わたしたちはいつも正しい選びを心がけているが,誤った選びをしたときにはそれを正す努力をしなければならないことを話す。誤った選びをしたときには悲しい気持ちになるが,正しい選びをしたときには楽しい気持ちになる。

聖 文

正義を選ぶと幸福になれるとイエスが言われたことを話す。マタイ5:6または3ニーファイ12:6を読み(「幸いである」まで),「義に飢え渇く」とは正義を選ぶことであると説明する。正義を選ぶとき,わたしたちは祝福を受ける。

CTRとは正義を選ぶという意味である

黒板を使った活動

  • もしお母さんが,皆さんの持ち物に皆さんの名前を書きたいと思っても,名字と名前を全部書く場所がなかったら,どうすると思いますか。(ローマ字で頭文字を書く。)

頭文字とは,ローマ字で姓と名を書いたときの最初のアルファベットであることを説明する。教師の頭文字を黒板に書き,名前を繰り返し言いながら頭文字について説明する。

  • 自分の頭文字が何だか分かりますか。

頭文字がどのように姓名を表すのかが分かるように,黒板に書く。2,3人の子供の名前を例に挙げて,その頭文字をまず書き,それに続けて名前を書く。

次のように黒板にCTRと縦に書いて,それを読める子供には手を挙げさせる。

C

T

R

全員でCTRの頭文字を読んでから,これが3つの大切な言葉を表していることを話す。そして,それぞれの単語を完成させる。

Choose

The

Right

クラスの名前の頭文字を子供たちと読んでから,子供だけで「CTR」と繰り返させる。次に,この頭文字の表す意味をみんなで言う。「choose the right-正義を選ぶ」と言う。

CTR」という言葉を使うときには,「正義を選ぶ」ことを考えるようにと教える。これは子供たちがイエスに従い,幸せになれるような行いをするのに役立つ。

わたしたちは正義を選ぶことを忘れない

CTRチャート

CTRチャートのイエスの絵を示す。今年の初等協会では,イエスが地上におられたときになさったことや教えられたたくさんのことを学ぶ。イエスはいつも正義を選んだ御方であり,わたしたちが正義を選んで幸せになり,またほかの人々をも幸せにするように望んでおられる。子供たちを起立させ,CTRチャートの言葉をみんなで読む。「わたしは正義を選びます。」

「正しい道選ぼう」を歌うか歌詞を朗読する。子供たちが歌詞を覚えるまで数回繰り返す。

CTRの指輪

まだ持っていない子にCTRの指輪を渡す。全員に指輪を見るように言う。

  • この頭文字は何を表していますか。(正義を選ぶ。)

CTRの指輪は,イエスが正義を選ぶように望んでいらっしゃることを思い出すのに役立つ。

CTRの盾の活動

一人一人にクレヨンとCTRの盾の複写を配り,塗り絵をさせる。終わったら盾の部分を切り取り,毛糸を通す。毛糸を結んで首にかけられるようにする。

まとめ

復習のための話し合い

  • CTRとはどういう意味ですか。

  • 正義を選ぶとはどういうことですか。

  • わたしたちを愛してくださり,幸せになるように望んでいらっしゃるのはどなたですか。(天父とイエス様)

  • 天のお父様とイエス様は,わたしたちが幸せになるために何をしてほしいと望んでいらっしゃいますか。

天父とイエスはわたしたちを愛しておられ,わたしたちが幸せになるように望んでいらっしゃること,また幸福になる確かな道は天父とイエスに従って正義を選ぶことであるというあかしを述べる。

正義を選んで初等協会に来たことを褒め,毎週出席するように励ます。子供たちにCTRチャートの言葉(わたしは正義を選びます)を来週までに暗記してくるように言う。

だれかに閉会の祈りさせる。

楽しい活動

次の活動の中から自分のクラスに最も合うものを選ぶ。レッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の『クラスの時間』の項を参照する。

  1. 子供たちに,今年の初等協会では正義を選ぶことについてたくさん学ぶことを話す。

    絵2-4「前世の生活」,2-24「漁師の召し」,2-39「預言者ジョセフ・スミス」を掲示する。子供たちに,正義を選んだ何人かの大切な人のことを勉強します,と言う。それぞれの絵について短く説明する。

    • 絵2-4 わたしたちは地球に来ることを選んで,正義を選んだ。

    • 絵2-24 イエスの使徒たちは漁を捨ててイエス様に従うことにより,正義を選んだ。

    • 絵2-39 ジョセフ・スミスは祈りを通して真実の教会を見つけることにより,正義を選んだ。

  2. 子供同士がもっと親しくなれるように,子供の名前を1枚の紙に一人ずつ書いて容器に入れ,子供たち一人一人に引かせる。引いた人についてヒントを言ってみんなに当てさせる。ヒントは「この人はよく笑います」,「この人は青い服を着ています」,「この人にはお兄さんがいます」などである。

  3. 子供たちが取ると思われる行動を紹介する。そして,正しい選択をしたと思う行動のときは立ち,誤った選択をしたと思うときは座るように言う。以下の例を用いてもよいし,自分で作ってもよい。

    • 教会に間に合って行けるように早起きをします。苦労

    • 朝御飯のときに嫌いな物が出ると,大きな声で文句を言います。

    • 靴をなくした妹のために一緒に探してあげます。

    • 初等協会に初めて来た子に自分からあいさつをします。

    • 教会の中で大きな足音を立てて歩きます。

    • 聖餐のときにイエス・キリストのことを考えます。

    • 初等協会のクラスで先生の話を静かに聞きます。