初等協会テキストと分かち合いの時間
第27課 分かち合うことによってほかの人々を幸福に


第27課

分かち合うことによってほかの人々を幸福に

目 的

分かち合うことによって自分もほかの人も幸福にするように励ます。

準 備

  1. マルコ6:30-44ヨハネ6:1-13を祈りをもって研究する。

  2. 子供たちと教師自身のために何かおいしいものを用意する。もし断食日の場合には,食べ物以外のものを選び,レッスンの内容もそれに合わせて変える。

  3. 「小さな川が」(『子供の歌集』116-117ページ)の3節を歌うか歌詞を朗読できるように準備する。歌詞は巻末に掲載されている。

  4. 教材

    1. 聖書

    2. 紙袋の中に,ボール,本,みかんなどを入れておく。

    3. 絵2-47「5,000人に食物を与えられるイエス」,2-48「縄跳び」,2-49「クッキーを差し出している少年たち」,2-50「積み木で遊ぶ子供たち」

  5. レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。

レッスン

子供に開会の祈りをさせる。

宿題を出していれば,その確認をする。

わたしたちは分かち合うことができる

注意を引くための活動

次の例を参考にして紙袋の中に入っている品物一つ一つについて話し合う。

  • このボールをわたし一人で使ったとしたら,何人の人が遊べますか。(一人)

  • ほかの人と一緒に使ったら,何人の人が遊べますか。

  • どうしたらこのボールを分かち合うことができますか。

話し合い

ほかの品物について同様に話し合ったら,こう尋ねる。

  • あなたの持っている物で,人々と分かち合うことのできる物にどんなものがありますか。どのようにして分かち合いますか。

子供たちに特定の品物を挙げさせ,それをだれとどのように分かち合うことができるかを話させる。

ほかの人のお手伝いをしたりして時間や才能を分かち合うこともできることを付け加える。次の質問をする。

  • 時間はどのようにして分かち合えますか。

  • 才能はどうでしょうか。

  • 福音はどう分かち合いますか。

イエスは分かち合うように教えられた

聖文の物語と話し合い

聖書を見せ,一人の少年が分かち合うことによってイエスと大勢の人々を助けた話をする。ヨハネ6:1-13マルコ6:30-44も参照)の物語を紹介する。絵2-47「5,000人に食物を与えられるイエス」を適当なときに見せる。

  • 少年は何切れのパンと何匹の魚を持っていましたか(ヨハネ6:9参照)。

  • 5切れのパンと2匹の魚で何人分の食事ができると思いますか。

  • イエス様は何人の人に食べさせましたか(ヨハネ6:10参照)。

5,000人はとても多い人数であることを説明する。5,000人を別の形で子供たちが分かりやすいように説明する。(例えば,イエス様が食べさせたのは,この町に住んでいる人の数と同じです,とか,市の体育館が満員になったときの人数と同じです,など。)

少年は自分でそのパンと魚を食べてしまうこともできたことを説明する。しかし,分かち合いたいという気持ちがあったため,イエスは奇跡を起こし,何千人もの人々を助けられた。

  • 少年が分かち合ってくれたのを見て,人々はどう思ったでしょうか。

  • 分かち合った少年はどう感じたでしょうか。

「小さな川が」を歌うか歌詞を朗読する。イエス・キリストがわたしたちに多くのものを分かち合ってくださっていること,またわたしたちにも物を人と分かち合うようになることを望んでおられることを説明する。

分かち合うことによって,自分も人も幸福にすることができる

絵を使った話し合い

イエスの時代の少年が分かち合う方法を見いだしたように,わたしたちもいろいろなものを分かち合って人を幸福にする方法を見つけることができる。分かち合いの絵(2-48,2-49,2-50)を一つずつ見せ,それぞれについて次の質問をする。

  • この絵の子供たちは何をしていますか。

  • 何を分かち合っていますか。

  • 彼らは分かち合うことについてどう感じているでしょうか。なぜでしょうか。

子供の発表

子供たち自身が何かを分かち合ったときの経験を,そのときにどう感じたかまで含めて話させる。

分かち合うと,相手の人を幸福にさせるだけでなく,自分も幸福になれることを指摘する。

みんなが分かち合う気持ちを抱いたことを褒める。そして,分かち合うことによって得られる幸福な気持ちを得られることについて話し合う。分かち合うことによって幸せな気持ちになることを強調する。

物 語

分かち合うことによって人も自分も幸せになった子供の例を話す。次の話を使ってもよい。

拓也君は新しいクレヨンで絵を描いていました。するとお母さんが妹の愛ちゃんを連れて来て,クレヨンを貸してあげてと言います。拓也君は貸したくありませんでした。愛ちゃんは絵を描くのはあまり上手じゃありませんし,クレヨンを折られるのではないかと心配でした。それで,あまり好きじゃない色のクレヨンだけを貸してあげました。

しばらくして,拓也君は愛ちゃんに貸したクレヨンが使いたくなりました。返してと言うと,愛ちゃんは泣き出しました。拓也君は妹を泣かせたことを後悔しました。絵は上手に描けなくても,妹は描きたかったんだと思いました。拓也君はクレヨンの箱を見て,二人で使っても十分なくらいたくさんあることに気づきました。それで,拓也君は愛ちゃんに自分で色を選ばせました。愛ちゃんはとてもうれしそうでした。拓也君もうれしくなりました。(マージョリー・A・パーカー,“Inside the Lines,” Friend, Feb. 1993, 28-29

  • なぜ愛ちゃんはうれしそうにしていたのでしょうか。

  • なぜ拓也君はうれしかったのでしょう。

まとめ

活 動

持ってきたお菓子を見せる。

  • これを全部わたしが食べてしまったらどう思いますか。

  • イエス様は先生にどうしなさいとおっしゃるでしょうか。

お菓子を二人の子供に分ける。二人に尋ねる。

  • イエス様はそのお菓子をどうしなさいと言われるでしょうか。

二人の子供に,お菓子を全員に配ってもらう。分かち合うことによってどう感じたか,また分かち合わないで全部自分のものにしたらどう感じるかを説明する。

お菓子を受け取ってみんなに分けた二人の子供に,どんな気持ちがしたか尋ねる。ほかの子供には,分けてもらってどう感じたかを尋ねる。

分かち合うことによって幸福になれることをあかしする。自分の体験を紹介するとよい。

今週,だれかと何かを分かち合うように励ます。

子供に閉会の祈りをさせる。みんなが進んで分かち合えるようになることを天父に願わせる。

楽しい活動

次の活動の中から自分のクラスに最も合うものを選ぶ。レッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の『クラスの時間』の項を参照する。

  1. 教会には信仰箇条があって,その中にわたしたちが「慈善」を信じるという部分があることを説明する。「慈善」とは人と物を分かち合うことであり,行いを通して愛を示すことである。子供たちに信仰箇条第13節の「慈善」を含む部分を覚えさせる。

  2. 小麦粘土で何か友達や家族にあげる物を作る(小麦粘土の作り方は36ページ参照)。

  3. 鉛筆かクレヨンの入った容器を見せる。容器は一つしかないが,全員に中に入っている鉛筆またはクレヨンを使ってもらいたいことを説明する。容器を子供に渡す。

    • みんなが使えるようにするには(名前)ちゃんだったらどうしますか。

    子供に紙を1枚ずつ配り,クレヨンまたは鉛筆を分かち合っている様子を描かせる。

  4. 宣教師の姿をパントマイムで演じさせる。(ドアをノックするところ,聖典を読んでいるところ,その他の宣教師独特の活動をしているところ。)

    • 宣教師たちは何を分かち合っていますか。

    • 福音を人と分かち合うとき,宣教師はどういう気持ちがするでしょうか。