第34課
いつも真実を話す
目 的
たとえ難しく思えるときでも,真実を話すようにしたいという気持ちを強める。
準 備
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マルコ14:53-65;信仰箇条1:13を祈りをもって研究する。『福音の原則』第31章も参照する。
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教材
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聖書
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子供たちが回せるくらいの瓶
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CTRチャート(第1課参照)
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絵2-56「イエスの裁判」
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レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。
レッスン
子供に開会の祈りをさせる。
宿題を出していれば,その確認をする。
わたしたちは真実を話す
注意を引くための活動
次の物語を自分の言葉で話す。
ある日,ひろ子はおじいさんと一緒に釣りに出かけました。楽しい時間を過ごし,魚を釣り上げたときは特に幸せな気分でした。
ひろ子は家に帰ると,友達の明の家に行きました。明に招かれて台所に入ったひろ子は,そこで明が釣った魚を見せられました。明の魚はひろ子が釣ったのよりもずっと大きい魚でした。ひろ子は明がその魚を釣ったことを喜びましたが,おもしろくない気持ちもありました。明の魚と比べると,自分の魚はとても小さいのです。ひろ子は自分のがっかりした気持ちを明に知られたくないと思いました。そして,おじいさんと釣りに行って,網を使わなければ引き上げられないようなとても大きな魚を釣ったと言いました。ひろ子は明に,自分の魚は明が釣ったのより,ずっと大きかったと話しました。
話し合い
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ひろ子はどのような間違いをしましたか。
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ひろ子はほんとうはどうすべきだったでしょうか。
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真実を話すとはどういう意味ですか。
真実を言うことは,正直であることの一部であることを説明する。真実を言うとは,実際にあった事柄をそのとおりに話すことである。
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真実を話すことはなぜ大切なのでしょうか。
真実を話したときの体験を生徒に話させる。
信仰箇条
信仰箇条は教会員が信じていることをまとめたものであることを,生徒たちに思い起こさせる。信仰箇条第13節に「わたしたちは,正直,真実,……〔である〕べきことを信じる」と書かれていることを話す。生徒たちにこの箇所を数回繰り返して読ませる。
イエス・キリストは真実を語られた
聖文の物語
絵2-56「イエスの裁判」を見せる。この絵はレッスンが終わるまで掲示しておく。イエス・キリストがどのようなときも真実を話されたことを話し,次にマルコ14:53-65の話を読んで聞かせる。
兵士によってユダヤ人の大祭司の家に連れて行かれたイエス・キリストが,そこでユダヤ人の指導者たちから数々の質問をされたことを説明する。マルコ14:61の中から,ユダヤ人たちがイエスに向けた「あなたは……キリストであるか」という質問を子供に読んで聞かせる。
イエスは御自分がキリストであり,天父の特別な御子であると言えば,ユダヤ人の指導者たちが御自分を解き放さないだろうということを御存じだった。マルコ14:62から,イエスが大祭司の質問に答えて言われた「わたしがそれである」という言葉を読んで聞かせる。イエス・キリストはたとえ御自分の命が危なくなっても,どのようなときにも真実を語られたことを指摘する。
イエスがわたしたちに,たとえ困難な場合であっても,必ず真実を語るように望まれていることを説明する。
CTRチャート
CTRチャートを指して,そこに書かれていることを生徒に読ませる。次に教師が「わたしはイエス・キリストに従って,真実を話します」と言い,続けて子供にもその言葉を繰り返させる。
たとえ難しくても,わたしたちは真実を話す
話し合い
真実を話すのが難しい場合もあることを指摘する。真実でないことを話したり,何も言われなかったりする方が,楽な場合が時々ある。
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真実を話すのが難しい場合があります。それはなぜでしょうか。(人を怒らせたくない,罰を受けたくない,などの答えが考えられる。)
物 語
真実を話さなかったために,悲しい思いをした子供の話を読む。
ひろみはお母さんが縫い物に使うはさみを誤って壊してしまいました。ひろみはだれが壊したかお母さんに分からないように,それを引き出しの中に隠しました。ひろみのお母さんはそのはさみを探していて,だれか知っている人がいないかと聞きました。ひろみは,そのはさみを見ていないとお母さんに答えました。
ひろみはそう言った後で,嫌な気持ちを感じました。ひろみは,はさみで遊んではいけないと言われていたのに,この言いつけに従いませんでした。またそのうえにうそまで言ってしまったのです。ひろみはとても嫌な気持ちでした。
家族の祈りのときに,ひろみはすぐに目をつぶりました。お母さんの顔がまともに見られなかったのです。お父さんが祈りの中でこう言いました。
いつまでも心に平安と喜びを感じられるように,正しいことをする勇気をわたしたちに与えてください。」ひろみはもう一度良い気持ちを取り戻すには,はさみのことについてほんとうのことをお母さんに言わなければならないと知っていました。
そして,壊れたはさみをお母さんのところへ持って行き,ほんとうのことを話しました。
ひろみは,自分がはさみを壊して,うそを言ってしまったことで悩みました。そして正しいことをしたいと思ったのです。(アージェリー・キャノン,“A Miss and a Mistake,” Children’s Friend,1962年3月号,14)
話し合い
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ひろみは最初にお母さんにはさみのことを聞かれたときに,ほんとうのことを言いましたか。
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ひろみはほんとうのことを言わなかったときに,どのような気持ちがしましたか。
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お母さんにほんとうのことを言ったとき,ひろみはどんな気持ちがしたと思いますか。
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ひろみにとってほんとうのことを話すのは,易しいことだったでしょうか。
ひろみははさみを壊したことで罰を受けると思って,なかなかほんとうのことが言えなかったが,言った後で幸せな気持ちになれたことを説明する。
ゲーム
子供と一緒に「真実を話そう」ゲームをする。子供のいすを円形に並べて座らせ,その中心の床に瓶を置く。教師がその瓶を回転させ,瓶の口が指している子供に,真実を話すことについての質問に答えるチャンスが与えられることを説明する。答え終わった子供は,今度は自分で瓶を回して次の回答者を選ぶ。(前に質問に答えた子供にもう一度当たった場合はやり直す。)
次の状況設定と質問を活用するか,もっとクラスの子供たちの必要に合った状況を考える。(子供の数が多い場合は,ほかにも状況設定をする必要があるかもしれない。)
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家の中で遊んでいるときに,間違って電球を壊してしまいました。
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さあ,皆さんはどうしますか。
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お父さんに急ぎの買い物を頼まれ,道草をしないように言われました。隣の家の前を通ったときに,そこのおばさんに手紙を渡され,ポストに入れてきてほしいと頼まれました。店からの帰り道,友達の家に新しい自転車を見に立ち寄りました。そうこうしているうちに突然,お父さんが待っていることを思い出し,急いで家に戻りました。お父さんは怒っています。それで,隣の家のおばさんに手紙をポストに入れるように頼まれたと言いたい気持ちになりました。
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さあ,皆さんは何と言いますか。
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テーブルの上にクッキーを入れた皿がありました。とてもおいしそうなので一つ取り,弟にも一つあげました。お母さんが,友達にあげるつもりでいたそのクッキーを取りに来ました。弟がそれを食べているのを見て,お母さんは怒り始めました。
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さあ,皆さんはどうしますか。
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あなたが妹のおもちゃを取り上げると,妹は泣き始めました。そのとき,おばあさんが来る音が聞こえたので,急いでそのおもちゃを殊に返しました。ところが妹は泣きやみません。おばあさんが,どうして妹が泣いているのか聞いてきました。
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さあ,皆さんはどうしますか。
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隣の家の前で友達とボールをけって遊んでいました。ところがあなたがけったボールが隣の家の玄関の近くに置いてあった植木鉢に当たり,壊してしまいました。
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さあ,皆さんはどうしますか。
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まとめ
証
たとえそれが難しい場合でも,正直であることの大切さについて
いつも正しいことを選ぶように努力すべきことを強調する。真実を話すことは,正しい選択である。
今日初等協会で学んだことを,家族に話すように勧める。
子供に閉会の祈りをさせる。たとえそうするのが難しい場合でも,クラスの一人一人が真実を話せるよう,天父の助けを祈り求めるようにさせる。
楽しい活動
次の活動の中から自分のクラスに最も合うものを選ぶ。レッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の『クラスの時間』の項を参照する。
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「おそれずぎをなせ」(『子供の歌集』80ページ),「正しい道選ぼう」(『子供の歌集』82-83ページ),「わたしたちは,正直であるべきことを信じる」(『子供の歌集』143ページ)を歌うか歌詞を朗読する。「おそれずぎをなせ」と「正しい道選ぼう」の歌詞は巻末に掲載してある。
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一人の子供をクラスの前に来させ,両手を前に出させる。その両手首に緩く糸を巻いてから,外れないように持つ。その糸は小さなうそのようなものであると言う。その子供に手首の糸を外させる。(外れないようにしていた糸を緩める。)
次に,一度うそをつくと,それを隠すためにまたうそを言うようになる場合があることを説明しながら,その子供の両手首に何度も糸を巻く。うそをつくと,そのことが人に知られないようにするために,さらにうそをつかなければならなくなることがよくある。多くのうそを言うと,それから逃れるのがさらに難しくなる。その子供に,手首の糸を外すように言う。うまく外せた場合には,糸を巻く回数をもっと増やして試すとよい。うそをつけばつくほど,正義を選び,真実を話すのが難しくなることを説明する。
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どうしたらこの糸を外すことができますか。
はさみを使って,手首に巻かれている糸を切る。うそを言わないようにするためには,いつも真実を話す必要があることを説明する。うそを言ってしまった場合には,相手の人にほんとうのことを話すことにより,悔い改めなければならない。わたしたちはほんとうのことを話すことによって,幸せになれる。
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本課末の「秘密のメッセージ」のコピーを人数分用意する。子供たちにそのコピーと鉛筆を渡す。その「秘密のメッセージ」の中にイエス・キリストの教えが一つ入っていることを説明する。それぞれの象徴に合った文字を,下のますの中に記入することによって,「秘密のメッセージ」が見つかることを説明する。見本として1文字を記入する。また必要に応じて助けを与える。
その「秘密のメッセージ」が分かったら,手を組んで笑顔を作るように言う。全員がそのメッセージを理解したら,全員で「真実を話す」というそのメッセージを読む。
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「真実を話そう」のゲームの状況設定の幾つかについて,正しい選択をすることを示すロールプレイングをさせる。
