第15課
わたしに従ってきなさい
目 的
イエスに従おうという望みを強める。
準 備
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マタイ4:18-22;ルカ5:1-11;ヨハネ14:15;15:17を祈りをもって研究する。
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大きな足跡を3組,紙で作る。その上に次のように書く。
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「われに来よ」(『賛美歌』66番)を歌うか歌詞を朗読できるように準備する。
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教材
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聖書
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CTRチャート(第1課参照)
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紙(一人2枚)と鉛筆(人数分)
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絵2-23「父親の足跡に従う子供」,2-24「漁師の召し」(『福音の視覚資料セット』209)
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レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。
レッスン
子供に開会の祈りをさせる。
宿題を出していれば,その確認をする。
注意を引くための活動
「大将ごっこ」のゲームをする。子供たちを1列に並ばせ,いちばん前の子供に走る,跳び上がる,スキップをする,などの動作を自由にさせ,ほかの子供にそれをまねさせる。次に,いちばん前の子供は列の最後に回り,次の子供が指導者になって動作を行う。全員に順番が回るまで繰り返す。
子供たちに,今日のレッスンではイエス・キリストに従うことについて学ぶことを話す。
物 語
絵2-23「父親の足跡に従う子供」を見せ,次の物語を教師自身の言葉で紹介する。
サムはお父さんの手伝いでたきぎを拾いに出かけました。辺り一面深い雪に覆われています。それぞれひと抱えのたきぎを拾ったサムとお父さんは,家を目指して歩き始めました。サムにとって,重いたきぎを抱えて雪の中を歩くのは大変なことでした。ところが,サムのお父さんはサムに,足跡をたどって来なさい,と言ったのです。サムはそのとおりにしました。お父さんの足跡の上を歩くのはとっても楽でした。
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なぜサムはお父さんの足跡に従ったのでしょうか。
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お父さんの足跡の上を歩くとなぜ歩きやすいのでしょうか。
聖文の物語
絵2-24「漁師の召し」を見せ,マタイ4:18-22;ルカ5:1-11にある物語を紹介する。イエスは地上におられたとき,御自分の弟子,すなわち助け手となる人を召された。
物語を紹介する中で,マタイ4:19を声に出して読む。「あなたがたを,人間をとる漁師にしてあげよう」という言葉は,これらの人々に民を教える者となってほしいというイエスの思いを表していることを説明する。
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なぜこの漁師たちはイエス様に従ったのでしょうか。
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イエス様から「わたしに従って,弟子になりなさい」と言われたらどうしますか。
話し合い
イエス・キリストが弟子を召される話とサムが父親の足跡に従う話とを比較する。サムの父親が自分の足跡に従うようにサムに言ったと同じように,イエスはわたしたちすべてに御自身に従うように求めておられる。サムの父親は,自分の足跡に従えばサムが楽に歩けることを知っていた。救い主も,御自身に従えばわたしたちの生活が楽で幸福なものとなることを知っておられる。
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イエス様に従うとはどういうことでしょうか。
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イエス様に従うとなぜ生活が楽になるのでしょうか。
歌
「われに来よ」の1節を歌うか歌詞を朗読する。難しい言葉があれば説明する。
「われに来よ」と言う
救い主に行かん
ひとりでは居られず
御子よ,共にあれ
わたしたちは,イエスのようになり,イエスの戒めを守ることにより,イエスに従う者となれることを説明する。主の方法を学び,主がわたしたちに求めておられることを実行に移せば,わたしたちは主の足跡に従うことになる。
足 跡
「わたしにしたがって/きなさい」と書いてある2枚の足跡を見せる。この聖句を子供たちと一緒に読む。この聖句を数回復唱する。
教室の前の方にCTRチャートを置く。一人の子供に足跡を教室の後ろの床の上に置かせる。(レッスンの進行に合わせて足跡を順に床の上に置いて行くが,方向はCTRチャートのイエスの絵に向くようにする。)
イエスはわたしたちに戒めを守るように望んでおられる
聖文を使った話し合い
イエスに従うということは,イエスがわたしたちに命じておられることを喜んで行うことである。イエスがわたしたちに命じておられる一つのことを読むので聞くように言う。
ヨハネ14:15を声に出して読む。これがイエスの言葉であることを話す。子供たちに聖句を復唱させる。
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わたしたちは何をしなければならないとイエス様は言われましたか。
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イエス様の戒めを守るとはどういうことでしょうか。
足 跡
「わたしのいましめを/まもりなさい」と書いてある足跡を見せて,子供たちに復唱させる。子供にこの2枚の足跡を先の2枚の少し前に置かせる(足跡は子供の歩幅に合わせて置く)。
話し合い
イエスに従うことについて次の事例を子供に話す。一人一人に自分ならどうするか答えさせる。教師が自分で事例を考えてもよい。
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学校で遊んでいたとき,お金の入った財布を拾いました。
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イエス様に従うためには皆さんだったらどうしますか。
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すぐにでもふとんに入って眠りたいほど疲れているとします。
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イエス様に従うためには,ふとんに入る前に何をしますか。
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お母さんから小さい妹が道路に出て行かないように注意していて,と頼まれました。ちょうどそのとき,お友達が一緒に遊びに行かないかと誘いに来ました。
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イエス様に従うためには皆さんはどうしますか。
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新しく転校してきた男の子をクラスの何人かの子供たちがいじめています。
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イエス様に従うには皆さんはどうしたらよいでしょうか。
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お友達に日曜日に家族と一緒に動物園へ行こうと誘われました。
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イエス様に従うにはどうしたらよいでしょうか。
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子供たちに事例を出させるとよい。イエスの言われたことをすれば,わたしたちは,正義を選びイエスに従っていることになると指摘する。
イエスはわたしたちに互いに愛し合うように言われた
聖 文
イエスの足跡に従うもう一つの方法を知るために,ヨハネ15:17を読む。これがイエスの言葉であることを指摘する。聖句を復唱させる。
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イエス様はわたしたちにだれを愛するように言われましたか。
足 跡
「たがいに/あいしあいなさい」の足跡を見せる。子供たちと一緒にこの聖句を読み,復唱する。前と同じように足跡を床に置かせる。
物 語
次の物語はヒーバーという名の少年がどのようにイエスに従ったかについての実話である。読むかまたは話す。
ヒーバーは寒さに震えていました。そしてぺらぺらの薄いコートで身を覆いました。もうすぐ来るお誕生日には,ほかのものは何も要らないから,暖かいコートが欲しいと思っていました。けれども家はとても貧しかったので,新しいコートが欲しいとねだったら,お母さんは因ってしまうだろうとヒーバーには分かっていたのです。ヒーバーの父親はヒーバーが幼いころに亡くなりました。お母さんは少しでも多くお金を稼ごうと懸命に働きました。夜遅くまで頼まれた縫い物をすることがよくありました。
ヒーバーの誕生日,お母さんはお誕生日おめでとうと言いながら,今まで見たこともないようなすてきなコートを手渡してくれました。それはお母さんが今までせっせと縫っていたものでした。寒い外に出て,このコートがどんなに暖かいか試してみたくてたまりませんでした。
数週間たったある日,ヒーバーはお使いに行く途中で,自分と同じぐらいの男の子がセーター1枚で震えているのに会いました。ヒーバーは立ち止まって,思わずコートを脱ぎ,その少年にあげてしまいました。
ヒーバーが古いコートを着ているのを見たお母さんは,「新しいコートはどうしたの?」と尋ねました。
ヒーバーは,「ぼくよりもあのコートが必要な子がいたんだよ。だからあげちゃったんだ」と話しました。
「それなら古い方のコートをあげたらよかったんじゃないの」とお母さんは言いました。
ヒーバーは,お母さんなら分かってくれると思いながら,お母さんを見上げました。そしてお母さんの目に涙があふれてくるのを見ました。ヒーバーがお母さんに抱きつくと,お母さんはこう言いました。「もちろん,あなたにはそんなことはできなかったのね,ヒーバー」と。(ルシール・C・リーディング,“Coat,” Children’s Friend,1966年11月号,5)
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ヒーバーはどのようにしてイエス・キリストに従ったでしょうか。
このヒーバーは後の偉大な人,すなわち教会の大管長となった,ヒーバー・J・グラント大管長その人であった。
話し合い
どのようにほかの人に対する愛を示すことができるか,子供たちに考えさせる。その助けとして次のような質問をする。
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転んでけがをした子を見たら,どうしますか。
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学校でお昼御飯をまだ食べていない人がいたらどうしますか。
人を愛するということは,気持ちや言葉だけでは十分ではない。行いによって愛を示さなければならない。先週1週間,人にどのように愛を示してきたかを尋ねる。
わたしたちは正義を選んでイエスに従う
足 跡
子供たち一人一人に,床の上に並べたイエスの足跡の上を歩いてCTRチャートのイエスの絵の前まで行かせる。そこで,イエスに従うためにすべきことを一つ挙げさせる。
正義を選ぶことによってイエスに従うことを思い起こさせる。CTRチャートを指して「わたしは正義を選びます」と復唱させる。
まとめ
活 動
それぞれに2枚の紙と鉛筆を配り,自分の靴をなぞって足跡を左右1枚ずつ作らせる。「わたしはイエスにしたがいます」と黒板に書き,これを各自の足跡を書いた紙の上の方に書かせる。家に持ち帰ってイエスに従うという決意を思い起こすように言う。
証
子供たちに,イエスに従うことによりあなたがどれほど幸福を味わってきたかを
子供たちに,いつもイエスの足跡に従って進むように言う。レッスンの中で描いた足跡について家族と話し合わせる。
子供に閉会の祈りをさせる。祈りの中でみんながイエスに従って正義を選べるように天父にお願いしてもらう。
楽しい活動
次の活動の中から自分のクラスに最も合うものを選ぶ。レッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の『クラスの時間』の項を参照する。
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子供たちに,あなたがある動作をすることを言う。(拍手やうなずくこと,足踏みをすること,など。)子供たちにそのまねをさせる。次にあなたが別の動作をして,子供たちには初めの動作と2回目の動作の両方をさせる。こうして,正しい順序でどれだけ多くの動作をまねできるかを見る。
この活動を救い主との関係に当てはめて説明する。わたしたちはイエスのすべての模範に従わなければならない。一つだけに従ってもだめである。
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各人に紙人形のくさりを準備する。(年長の子供は自分で作ることができる。)紙をアコーディオンの形に折る。下の図のように折った紙に人形を描き,切り抜く。くさりの下の方に横に「たがいにあいしあいなさい」と書く。そして,互いに愛し合うことがイエスの教えの中でも大切なものであることを説明する。

たがいにあいしあいなさい
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「イエス様のように」(『子供の歌集』40-41ページ),「共に愛し合え」(『賛美歌』192番),または「戒めを守る人を」(『賛美歌』193番)の1節を歌うか歌詞を朗読する。「イエス様のように」と「共に愛し合え」の歌詞は巻末に掲載されている。「戒めを守る人を」の歌詞は次のページに出ている。
「戒めを守る人を」
戒めを 守る人を
神は守り 導かん
天の恵み 豊かにあり
預言者に 従いて
み言葉を 守らん
