日曜学校―福音の教義
第41課:「すべての会員は宣教師である」


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「すべての会員は宣教師である」

目的

全世界に福音をもたらし,新しい改宗者を力づけるために努力するよう生徒を励ます。

準備

  1. 以下の聖句とその他の資料を祈りの気持ちで研究する。

    1. 教義と聖約1:4-5,3065章88:81109:72-74

    2. 『わたしたちの受け継ぎ』103-104110ページ

  2. 『生徒用学習ガイド』(35686 300)の41課の資料に目を通し,レッスンで学習ガイドを参照する方法を計画する。

  3. 何人かの生徒に『わたしたちの受け継ぎ』から以下の項の概要を発表する準備をしてくるよう依頼する。

    1. デビッド・O・マッケイ大管長が管理した時代の伝道活動(103-104ページ)。

    2. 地区代表に対して行われたスペンサー・W・キンボール大管長の説教(110ページ,第2,第3段落)。

  4. 改宗者である一人か二人の生徒に新会員の時期に感じたことを手短に話してもらうとよい。ほかの会員たちからどのような助けを受けたかについて話してもらう。さらに,会員たちはどうすればもっと助けられたかについても話してもらってもよい。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

レッスンが始まる前に,以下を黒板に書いておく。

イギリス

タヒチ

オーストラリア

アイスランド

イタリア

チェコスロバキア

ドイツ

トンガ

トルコ

メキシコ

フランス

ハワイ

中国

サモア

ニュージーランド

南アメリカ

スイス

  • 教会が組織されてから最初の20年間に宣教師が訪れた地域はどこだと思いますか。

スペンサー・W・キンボール大管長はこのように述べている。「わたしは教会歴史を読む度に,当時伝道のために世に出て行った兄弟たちの大胆な行動に驚きの目を見張る。彼らは道を見いだしていたのではないだろうか。……1837年,イギリスでサタンと戦った十二使徒たちは,続いて1844年にはタヒチ,1851年にオーストラリア,1853年はアイスランド,イタリアは1850年,そして同じ1850年にはスイス,ドイツ,トンガ,トルコ,メキシコ,チェコスロバキア,中国,サモア,ニュージーランド,南アメリカ,フランス,ハワイと,その業を推し進めて行ったのである。……しかもこの初期の伝道の多くは,指導者たちがロッキー山脈を越え,作物を育て,家を建築している最中に行われたものであった。信仰,まさに超人的な信仰である。」(「全世界に出て行って」『聖徒の道』1974年11月号,482)

回復の最も初期の時代から,教会の指導者たちは全世界に福音をもたらすという使命を果たすために労苦をいとわなかったことを強調する。キンボール大管長はわたしたちがそうした努力を継続できるに違いないと語った。「……わたしは,とにかくわたしたちの能力でできる限りのことを行ったならば,主は門戸を開く方法を示してくださると思う。これはわたしの信仰である。」(「全世界に出て行って」『聖徒の道』1974年11月号,482)

本課では全世界に福音を伝える幾つかの方法について話し合うことを説明する。

話し合いと応用

生徒の必要に最も適した資料を祈りの気持ちで選ぶ。聖句で述べられている原則に関連した経験を紹介するよう生徒に勧める。

1.教会は暗闇から出て来る

今年の学習過程ではほとんど無名の人々で構成された小さな集まりから教会がどのように始まったかを見てきた。教会は発展して今や,世界のほとんどの国に会員を有している。これほどの劇的な会員数の増加を遂げ,注目を浴びることを,苦闘し,迫害を受け,貧困にあえいでいた教会の初期の時代には想像することもできなかったことであろう。しかし,主は預言者ジョセフ・スミスを通して主の教会の驚くべき行く末を明らかにされた。

以下の聖句を読んで,それぞれの聖句が教会の行く末に関してどのようなことを教えているかを話し合う。

  1. 教義と聖約1:30(神の教会を導くために神によって召された人々は暗闇から教会をもたらす力を持つ)。

  2. 教義と聖約65:1-6(福音は全地に満ちるまで転がり進むであろう。福音を受け入れる者は救い主の再臨に備えることができるであろう)。

  3. 教義と聖約109:72-74(教会は全地に満ちる。教会は荒れ野から出て来て,「太陽のように輝〔く〕」)。

預言者ジョセフ・スミスはこのように宣言した。「いかなる汚れた者の手も,この御業の発展を止めることはできない。迫害は威を振るい,暴徒は連合し,軍隊が集合し,中傷の風が吹き荒れるかもしれない。しかし神の真理は大胆かつ気高く,悠然と出で立ち,あらゆる大陸を貫き,あらゆる地方に至り,あらゆる国々に広まり,あらゆる者の耳に達して,神の目的は成し遂げられるであろう。かくして,大いなるエホバは,御業は成ったと告げられることであろう。」(History of the Church第4巻,540)

  • 教会はどのような方法で全世界の暗闇から出て来るのでしょうか。

2.末日の預言者はわたしたちに福音を携えて全世界に出て行くようチャレンジしている

教会が全世界に出て行くための大切な手段の一つは個々の会員による伝道の努力であることを説明する。末日の預言者は会員伝道によって,また専任宣教師として福音を分かち合うためにいっそうの努力をするようチャレンジしている。

デビッド・O・マッケイ大管長は「すべての会員は宣教師である」と語ったことで有名である。割り当てておいた生徒にデビッド・O・マッケイ大管長が管理した時代の伝道活動について報告してもらう(『わたしたちの受け継ぎ』103-104ページ)。

後にスペンサー・W・キンボール大管長は教会員に対して伝道活動の歩みを速めるよう求めた。また,福音を宣べ伝えるために国々の門戸が開かれるように祈ること,そして門戸が開かれた国々に入る準備のできた宣教師の数を増やすことを会員たちに求めた。割り当てておいた生徒に,地区代表に対して行われたスペンサー・W・キンボール大管長の説教について報告してもらう(『わたしたちの受け継ぎ』110ページ第2,第3段落)。伝道活動が世界中で実施されることについてキンボール大管長が受けた示現は現在成就されていることを説明する。

ゴードン・B・ヒンクレー大管長は全地を福音で満たすというこの示現を実現させる責任がわたしたち一人一人にあると教えている。

「さて,将来についてはどうでしょうか。どのような将来が待ち受けているでしょうか。ほんとうに前途洋洋のように思えます。人々は,ありのままのわたしたちを認め,わたしたちの信奉する価値観を受け入れ始めようとしています。 ……

わたしたちが前進を続けるに当たって,自分たちの目標から決して目をそらさず,決して人を悪く言わず,わたしたちが真実と知っている偉大な原則に従って生活するならば,この大義は力と尊厳をもって進み出て,やがて全地を満たすことでしょう。現在,福音を宣べ伝える業に対して閉ざされている扉も,必ず開けられるはずです。全能の神は,必要とあらば,国々を震え上がらせて謙虚にさせ,生ける神の僕たちの声に耳を傾けさせることもおできになるのです。いずれにせよ,起こらなければならないことは,間違いなく起こります。

わたしたちの目の前にある大きなチャレンジとなり,また,業を成功させるための鍵となるものは,自らを末日聖徒と呼ぶすべての人々の信仰です。」(「将来に目を向けて」『聖徒の道』1998年1月号,76)

  • 福音が全地を満たすことに関するこれらの預言はどのように実現しつつあるでしょうか。

3.「すべての会員は宣教師である」

  • 教義と聖約1:4-5教義と聖約88:81を生徒とともに読む。これらの聖句は福音を分かち合うわたしたちの責任についてどのようなことを教えているでしょうか。

  • わたしたちは伝道活動を支援するために個人としてどのようなことができるでしょうか(以下の情報を使って話し合いを進めるか,生徒の意見に付け加える。話し合う際に見出しを黒板に書き出す)。

専任宣教師としての伝道に備える

  • わたしたちはどのようにして専任宣教師としての伝道に備えることができるでしょうか。召される前に準備を整えておくことはなぜ大切でしょうか。

    スペンサー・W・キンボール大管長はこのように述べている。「わたしが求める宣教師は二流の宣教師ではない。また精神的に欠陥のある宣教師でもなければ,証のない宣教師でもない。増してや不道徳な宣教師であるはずがない。わたしたちが願うのは,全世界のあらゆるワード,支部で,優秀な宣教師を出すための訓練をもっと若いときから始めていただきたいということである。……若人は伝道に出ることが偉大な特権であり,そのためには肉体的にも精神的にも霊的にも健全でなければならず,また『主なるわたしは,ほんのわずかでも罪を見過ごしにすることはない』〔教義と聖約1:31〕ということを理解〔させることである。〕」(「全世界に出て行って」『聖徒の道』1974年11月号,482)

  • 両親やそのほかの成人は専任宣教師に備える若人をどのように助けることができるでしょうか(然るべきときに召しを受けるまでふさわしい状態にあって,準備をしておくよう教える,伝道の経験を若人と分かち合う,伝道活動の喜びと祝福について教える,自分や先祖の改宗の物語を話す,伝道資金の準備を始める,熱心に働く方法を教える,などの答えが考えられる)。

  • 若人は専任宣教師になるための準備をしている間,どのようなチャレンジに遭遇するでしょうか。彼らはどうすればそれらのチャレンジを克服できるでしょうか。年配の会員は専任宣教師になるための準備をしている間,どのようなチャレンジに遭遇するでしょうか。彼らはどうすればそれらのチャレンジを克服できるでしょうか。

専任宣教師として奉仕する

  • だれが専任宣教師として奉仕すべきでしょうか。

    19歳から25歳までのふさわしく,可能なすべての青年男子は専任宣教師として奉仕すべきである。これらの青年にとって専任宣教師として奉仕することは神権の責任である。21歳以上の女性も,希望するならば専任宣教師として奉仕するための推薦を受けることができる。年配の夫婦も可能であれば宣教師として奉仕することを奨励されている。すべての宣教師はふさわしくなければならない。

    十二使徒定員会のデビッド・B・ヘイト長老はこのように勧告している。「それができる教会の夫婦はすべて,19歳の若者と同様,伝道に出ることを目標に掲げるべきです。子供や孫にとって,円熟した年代に伝道に出ることほど良い模範はないのではないでしょうか。」(「わたしの隣り人,わたしの兄弟たち!」『聖徒の道』1987年7月号,64)

専任宣教師を支援する

  • 現在伝道に出ている宣教師たちをわたしたちはどのように支援することができるでしょうか(祈りの中で彼らを思い起こす,励ましの手紙を書く,ワードや支部の宣教師基金または中央宣教師基金に献金する,などの答えが考えられる。求道者を見つけて,教えるために助けること,またそのほかのことについて助けることによって,わたしたちの地域で働いている宣教師を支援することができる)。

    ゴードン・B・ヒンクレー大管長はこのように述べている。「さて兄弟姉妹の皆さん,わたしたちは伝道活動を宣教師だけに行わせることも,手伝うこともできます。もし,宣教師だけに行わせるとすれば,彼らは来る日も来る日もドアをノックすることになります。そしてわずかな収穫しか得ることができないでしょう。あるいは,教会員としてわたしたちは,求道者を見つけ,そして教えることについて宣教師を助けることができます。」(「子羊を見いだし,羊を養う」『リアホナ』1999年7月号,123)

生活を通して福音を分かち合う

  • 生活を通して福音を分かち合うことはわたしたちにとってなぜ大切なのでしょうか。あなたはほかの人々に福音を分かち合うことについてどのような経験をしてきましたか。

  • わたしたちは時々福音を分かち合う際に恐れを抱くことがありますが,それはなぜでしょうか。それらの恐れに打ち勝つにはどうすればよいでしょうか。

  • 教会員の模範と友情がきっかけとなって教会に入った生徒がいますか。その教会員の行動があなたにどのような影響を及ぼしたでしょうか。

  • 日常生活の中で人々に福音を分かち合う方法にはどのようなものがあるでしょうか(以下のような答えが考えられる)。

    1. 家族,隣人,友人に対して良い模範を示す。

    2. モルモン書を贈る。

    3. 福音に関心を持っている人々を宣教師に紹介する。

    4. 福音に対してあなたが感じていることを人々に話す。

    5. 人々を教会の活動,集会,ファイヤサイドに招く。

    6. 家庭の夕べや地域の活動に人々を招く。

    7. 系図に興味のある人を家族歴史センターに招待する。

    8. バプテスマ会に人々を招待する。

スペンサー・W・キンボール大管長はこのように語っている。「主は『あらゆる国』『あらゆる地』『地の最も遠い所』『あらゆる……国語の民』『あらゆる国民』『あらゆる人』『全世界』『多くの地』〔に福音が宣べ伝えられなければならない〕と語られたとき,それらの言葉を慎重に選んで使っておられることが分かる。だからこそこれらの言葉は重要な意味を持つのである。……わたしたちは今,自分にできるすべてのことをしているだろうか。わたしたちは全世界に福音を宣べ伝えようとしているが,現状に満足してはいないだろうか。……歩みを速めるための準備はできているだろうか。……もっと大きなビジョンをもって進む備えができているだろうか。」(「全世界に出て行って」『聖徒の道』1974年11月号,482)

  • 日常生活の中で福音を分かち合おうとするときに,わたしたちはどうしたら歩みを速めることができるでしょうか。

キンボール大管長は次のようにも述べている。「わたしたちに強く求められている重要な責任があります。それは暗闇を抜け,喜びと平安と福音の真理へ通じる道を照らし,理解の目を開いてくれるメッセージを,この世の人々に伝えることです。善を行うことに疲れてはなりません。今こそ次のように,自分自身に問い直してみるときではないでしょうか。世の人々に福音を伝える御業を進めるために,自分には何ができるだろうか。」(「全力を尽くす」『聖徒の道』1983年6月号,5)

ヒンクレー大管長は神権指導者一人一人が求道者を見つけて,彼らを励ますという責任を受け入れ,模範を示すよう求めている。そして,時々このテーマを聖餐会で採り上げるよう要請している。さらに神権会,扶助協会,若い女性,初等協会,ワード評議会,ステーク評議会を活用して,求道者を見つけて,励ます方法を計画するよう要請した(「子羊を見いだし,羊を養う」『リアホナ』1999年7月号,123)。

4.わたしたちには新しい改宗者を養い育てる責任が常にある

以下の文を黒板に書く。「バプテスマを受けるにふさわしい求道者は皆,救われるにふさわしい改宗者なのです。」(「子羊を見いだし,羊を養う」『リアホナ』1999年7月号,126)毎年,何十万の改宗者が教会に入って来ることを説明する。これらの新会員はわたしたち全員によって養われ,励ましを受ける必要がある。

  • 新しい改宗者は教会に続けて活発に集うのが時々難しくなることがありますが,それはなぜでしょうか。

    ゴードン・B・ヒンクレー大管長はこのように述べている。「当教会の会員になるのは,たやすいことではありません。たいていそれは,古い習慣を捨て去り,昔からの友人や知人とも別れ,これまでと異なった,多少要求の厳しい新たな社会に足を踏み入れることでもあるからです。」(「改宗者と若い男性について」『聖徒の道』1997年7月号,56)

  • 新しい改宗者は自分自身を強めるためにどのようなことができるでしょうか。ほかの会員たちは新しい改宗者を強めるためにどのようなことができるでしょうか。どのような方法でこのことを効果的に行っている会員たちを目にしたことがあるでしょうか。

    ヒンクレー大管長はこのように教えている。「新しい改宗者はだれでも3つのことを必要としています。

  • 常に頼ることのできる,自分を支えてくれる教会の友人,自分の質問に答えてくれ,自分の問題を理解してくれる教会の友人。

  • 責任。この教会のいちばん大きな特徴は活動です。それは,わたしたちを成長させてくれる過程です。主に対する信仰と愛は,腕の筋肉に似ています。筋肉は使えば強くなります。使わなければ弱くなります。どの改宗者にも責任を与えるべきです。 ……

  • すべての改宗者は『神の善い言葉で養われ』なければなりません(モロナイ6:4)。改宗者にとって欠かせないのは,神権定員会や扶助協会,若い女性,若い男性,日曜学校,あるいは初等協会などに参加することです。また,聖餐会に出席……するよう励ましを受けなければなりません。」(「子羊を見いだし,羊を養う」『リアホナ』1999年7月号,125)

改宗者の生徒に,新会員の時期に感じたことを話すよう依頼していれば,ここで話してもらう(「準備」4参照)。

結び

主は御自身の教会を導いておられること,全地に福音を伝える道を開いておられることを強調する。専任宣教師としての伝道に備え,福音を周囲の人々と分かち合うための歩みを速めるよう生徒に奨励する。また,新会員を養い育て,強めるよう奨励する。本課で話し合った事柄が真実であることを御霊に導かれるままに証する。

教えるためのそのほかのアイデア

レッスンの概要を補足するために以下の資料をレッスンに取り入れてもよい。

『国々への旗』ビデオ・プレゼンテーション

ビデオカセット『国々への旗』(53980 300)を利用できるならば,レッスンでその一部を見せるとよい。このビデオにはヨーロッパ,太平洋諸島,ラテンアメリカ,アジア,アフリカにおける教会の発展に関して霊感あふれる物語が収められている。そして,最後は神殿と,全世界の人々が「信じ,進まん」を歌う場面で終わる。

ビデオカセットは60分と長いため,レッスンで最初から最後までを見せることはできない。しかし,教師はすべてを見てから,生徒に感銘を与えると思われる部分を見つけ出すとよい。