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第6課 教師用資料:イエス・キリストの無限の贖罪


「第6課 教師用資料:イエス・キリストの無限の贖罪」『モルモン書の教えと教義 教師用手引き』(2021年版)

「第6課 教師用資料」『モルモン書の教えと教義 教師用手引き』

第6課 教師用資料

イエス・キリストの無限の贖罪

モルモン書は,イエス・キリストと主がもたらす贖いについての力強い証です。このレッスンによって生徒たちはイエス・キリストと主の贖罪によって,どのように堕落から贖われるのか説明できるようになるでしょう。生徒たちはまた,自分にある生まれながらの人としての傾向を克服できるようにするために,救い主にもっと頼るには何ができるか分かるようになるでしょう。

教えるための提案

教え方と学び方の改善

生徒に学習成果を伝えましょう。学習成果とは,生徒が学習体験を通して身につけるべき知識とスキルについて説明した文章を指します。各課の導入部で挙げている目標とする成果を生徒と分かち合うとよいでしょう。このように文章化された成果は,教師と生徒が勉強と討議の達成度を一緒に評価するのに役立つでしょう。

モルモン書の預言者たちは,イエス・キリストの贖いの必要性を証している

次の未完成の質問を見せてください。____がなかったら,わたしの人生はどうなっていただろうか?

生徒たちが質問を完成させることができるように,幾つかの絵か言葉を見せるといいでしょう。それぞれの項目または概念について質問にどう答えるのか,生徒たちに二人一組で簡単に話し合うように言います。ここに掲載されている絵か,あなた自身の選んだ絵を使ってください。最後の絵は必ず,イエス・キリストの贖罪の犠牲を表した絵にしてください。イエス・キリストとその贖罪がなかったなら,彼らの人生かどのようなものになっていたか生徒同士で話し合えるようにするためです。

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電話を持つ若い女性
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笑っている若い女性
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笑顔を見せる親子
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ゲツセマネのキリスト,ハリー・アンダーソン画

ホワイトボードに次の未完成文を書いてください。救い主とその贖罪がなかったなら,わたしたちは____

ヤコブとアミュレクがイエス・キリストの贖罪について重要な説教を残していることを生徒に思い出してもらいます。生徒に,2 ニーファイ9:6-10アルマ34:9を見直してもらい,ホワイトボードの文章に当てはまる語句を見つけてもらいます。

  • この聖句から,ホワイトボードの文章を完成するのに使える語句としてどのようなものが見つかりましたか。(文章を完成させるために生徒から出たいろいろな答えを,ホワイトボードの文章の下に書き出してください。生徒たちは以下のような真理を見つけるでしょう。救い主とその贖罪がなかったなら,わたしたちが滅びることは避けられない。ほかにも次のような真理が見つかるでしょう。救い主とその贖罪がなかったなら,わたしたちは主の御前から絶たれ,再び起き上がることはなく,悪魔に従い,悪魔のようになり,惨めな状態にとどまり,死と地獄という恐ろしい怪物に捕らえられていたでしょう。生徒たちに,これらの言葉はどのようなことを意味すると思うか,説明してもらってください。)

  • ヤコブが指摘した2ニーファイ9:10の「恐ろしい怪物」とは,何でしょうか。なぜそれほど恐ろしいのでしょうか。(必要なら,永遠に続く肉体と霊の死がなぜわたしたちが天の御父のようになるのを妨げるのか,生徒たちが理解できるように助けてください。霊の死は堕落と個人の不従順という両方の結果であることに留意してください。〔福音のテーマにある「霊の死」と「肉体の死」の項,topics.ChurchofJesusChrist.org参照〕)

  • 堕落の結果を認識することは,わたしたちがイエス・キリストを必要とする理由を理解するのにどのような助けとなりますか。

2 ニーファイ9:11-12,19-22を一緒に読んで,イエス・キリストが,死と地獄という「この恐ろしい怪物」(10節)からわたしたちを贖う方法を,見つけるように生徒に言ってください。

  • イエス・キリストは死と地獄という「この恐ろしい怪物」から逃れる道を,どのように備えてくださっているのでしょうか。

  • 救い主が自ら進んであなたを死と地獄から救おうとされており,しかもそれを可能にする能力を持っておられることを知るとき,あなたは救い主についてどのように感じますか。

ヤコブとアミュレクは二人とも,「無限」の贖罪または犠牲がなされることの必要性を説いていることを,生徒に指摘してください(2 ニーファイ9:7アルマ34:10参照)。準備資料のセクション1にあるラッセル・M・ネルソン大管長タッド・R・カリスター長老の言葉を生徒たちに復習してもらい,救い主の贖罪がどのような点で無限なのか見つけさせてください。

  • 救い主の贖罪が無限であると知ることが大切なのはなぜだと思いますか。

  • 救い主の贖罪が無限であると知ることは,自分の苦労していることや心配していることを理解し,対応する態度にどのような影響を与えるでしょうか。

  • イエス・キリストの無限の贖罪によって助けを受け,救いが得られると信じていることを主に示すために,あなたに何ができますか。(考えたことを記録する時間を生徒に与えるとよいでしょう。)

ベニヤミン王はイエス・キリストの贖罪を通して,生まれなからの人を捨てることができると民に教えました。

次の言葉を提示してください。「生まれながらの人は神の敵であり,アダムの堕落以来そうで〔した。〕」(モーサヤ3:19)ベニヤミン王がこの真理を教えたことを,生徒に指摘します。

モーサヤ3:19をクラス全員で読み,生まれながらの人を克服することについてベンヤミン王が民に教えたことを見つけるように,生徒たちに言ってください。

  • ベニヤミン王の教えは,わたしたちの中にある生まれながらの人を克服する助けになります。わたしたちはそこから,どのような原則を学び取ることができるでしょうか。(生徒たちは次のような真理を見いだすかもしれません。聖なる御霊の勧めに従うならば,イエス・キリストの助けを受けて,生まれながらの人を捨て,主の贖罪によって聖徒になることかできる。

生徒たちがこの原則をさらに深く理解できるように,次の質問の中から,生徒たちの必要に応じて幾つかを選び,尋ねてください。

  • 「聖なる御霊の勧めに従〔う〕」とは,あなたにとってどのような意味ですか。聖霊はどのような方法で,生まれながらの人の性質に打ち勝てるように,助けてくださいましたか。

  • 生まれながらの人を捨てられるのは,イエス・キリストとその贖罪に頼るときだけであるのは,なぜでしょうか。

  • 聖められたキリストのような人物,すなわち聖徒になるために努力するとき,救い主の贖罪に頼ることはどのように助けになりますか。

  • 生まれながらの人の欲望や衝動を克服したり,制御したりすることは自分にはできないと感じるときに,モーサヤ3:19の教えはどのように希望と力を与えてくれますか。

生活のどのような部分で,欲求やむさぼり,衝動といった生まれながらの人に苦しむか考えるように,生徒に勧めてもいいでしょう。以下の質問を見せ,深く考えて自分の考えや気持ちを書き留めるように,生徒に勧めてください。

  • 自分にとって何が聖なる御霊の勧めを妨げますか。

  • モーサヤ3:19に挙げられたキリストの特質の中で,どれをもっと伸ばしたいと思いますか。

  • このキリストのような特質を伸ばそうと努めるときに,もっと救い主の助けを受けられるようにするには,どのように行動したらいいでしょうか。

イエス・キリストはわたしたちを堕落から贖い,個人の罪を贖って,もっと主や天の御父に似た者となれるようにわたしたちを変えることがおできになります。そのことに対するあなたの証を述べて,レッスンを終えてください。

次回に向けて

生徒に,自分が経験している肉体的,精神的,情緒的,あるいは霊的な苦しみがあれば,それについて考えるように言います。準備資料で次回のクラスの予習を行う際,その苦しみに対してイエス・キリストからどのような助けが受けられるか,考えるように勧めてください。