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第9課 教師用資料:イエス・キリストを信じる信仰


「第9課 教師用資料:イエス・キリストを信じる信仰」『モルモン書の教えと教義 教師用資料』(2021年版)

「第9課 教師用資料」『モルモン書の教えと教義 教師用手引き』

第9課 教師用資料

イエス・キリストを信じる信仰

キリストの教義は,わたしたちが変わり,救い主のようになり,主の贖罪を通して得られるようになったあらゆる祝福をわたしたちが手にすることを可能にしてくれるものです。このレッスンでは生徒たちに,主の教義の第一の要素であるイエス・キリストを信じる信仰について話し合ってもらいます。そして,信仰を通して得られる祝福を見いだし,イエス・キリストを信じる信仰を強める方法について説明する機会を与えます。また生徒たちには,主の戒めをさらに忠実に守るために何ができるかも決めてもらいます。

教えるための提案

アルマ,ゾーラム人にイエス・キリストを信じる信仰を増す方法を教える

クラスを始めるに当たり,準備資料の導入部分を紹介し,一人の生徒に声に出してそこを読んでもらってください。イエス・キリストが確かにわたしたちをいっそう聖く幸せな民に変えてくださるということ,そして,信仰を持ち,悔い改め,バプテスマと聖霊の賜物を受け,最後まで堪え忍ぶことによって,そのための扉が開けられることを証するとよいでしょう。クラスで話し合いをする際,イエス・キリストと,人を変え,癒し,助けを与えるその力を信じる信仰を,どのように強めることができるか考えるように勧めます。

進んで発表したい生徒がいれば,信仰とは何か,なぜイエス・キリストを信じる信仰が大切なのかを,どのように説明するか分かち合ってもらいます。

次の話を紹介し,一緒に読んでください。

大学の友人ビクトリアは,クリスチャンの家庭で育ちました。彼女はイエス・キリストの神性を疑ったことは一度もなかったのですが,それは教授の一人がイエス・キリストの奇跡や贖罪,復活の真実性に疑問を投げかけるまでのことでした。ビクトリアはその話を聴いて動揺しました。彼女はあなたが信仰を持ち,イエス・キリストを信じていることを知っていたので,あなたにイエスがほんとうに神の御子であられ,世の救い主であられることを,どのように知ったのか尋ねてきました。さらに,どのようにして主を信じる信仰を増すことができるのかも聞いてきました。

  • あなたはビクトリアの質問に,どのように答えますか。

生徒の答えを聴きながら,彼らの必要に応じて,話し合いを深められるように下記の聖句や質問を活用してください。

教え方と学び方を改善する

観察し,耳を傾け,そして識別する。どの生徒も,どのクラスも,まったく同じということはありません。生徒たちを観察し,耳を傾けながら,彼らのほんとうの霊的な興味や必要を見分けるように努めてください。タイミングがよく,関連性があり,義にかなった行動に結びつく質問をしてください。このレッスン全体の中でする質問は,クラスでの話し合いを導く際に,あなたに促しや導き,霊感を与えてくれることがあります。幾つかのきわめて深遠な質問は,教えている最中にあなたの思いにもたらされるでしょう。しかし同時に,すべての質問をするように求められているわけではないことにも,留意してください。福音の真理に深い洞察を与えるような深遠な質問を,生徒がすることもあります。

必要であれば,次のことを生徒に思い出させてください。アルマは貧しいゾーラム人の一団に,神の御言葉に対する信仰をもって行動することが,どのように信仰を強める助けになるかを教えています。生徒たちに,アルマ32:21,27-30,41-43を読み返してもらい,ビクトリアの助けになりそうな原則を見つけてもらいます。アルマが教えた原則を生徒たちが分かち合っているとき,次の質問の中から幾つかを尋ねるとよいでしょう。

  • アルマによる信仰の定義を,子供でも意味が分かるように説明するとすればどう説明しますか。(アルマ32:21参照)

  • アルマ32:27-30によれば,信仰を行使することによって,どのように信仰が増しますか。(生徒たちは次の一文に類似した原則を見いだすかもしれません:信仰を働かせて神の御言葉を試すと,霊的な確認を授けられ,信仰が強められる。この原則,または生徒が言った同様の原則を,ホワイトボードに書いておいてください。)あなたはこれまでどのようなときにこの原則を応用して,自分の信仰が強められたと感じましたか。信仰を持って行動したけれど,まだ信仰の実を見ることができないと落胆している人がいたら,あなたはその人にどのような助言をしますか。 (準備資料のセクション1にあるディーター・F・ウークトドルフ管長の言葉を,読むことが役立つでしょう。)

  • アルマ 32:28によると,信仰を試す中で言葉が善いかどうか,どのようにして分かるようになるのでしょうか。(「ふくらみつつあるのを感じる」「心を広げる」「理解力に光を注ぐ」「良い気持ちを感じる」といった言葉を生徒たちは見つけるでしょう。)こうした効果を経験したことがあるなら,ほかの人にその経験をどのように説明しますか。

  • ジェフリー・R・ホランド長老は,イエス・キリストと,種,実,木との関係について,何と教えていますか。(準備資料のセクション2参照)信仰をもって行動し,イエス・キリストとその福音を心に植え付けることで,あなたは自分の証と改心にどのように影響を受けてきたでしょうか。木にさらに大きな養いを与えて,心の中にもっと深く木が根付くようにするには,何ができますか。

  • 救い主についてどのようなことを知ったおかげで,あなたの神に対する確信と信頼は強まりましたか。

モルモンはイエス・キリストを信じる信仰を行使することに伴う力と祝福について教えました。

モロナイ7:25-26,33を見直すように生徒たちに勧め,イエス・キリストを信じる信仰を行使すると,キリストの御心にかなうことを行う力が与えられることを証ししてください。  モルモン書の中から,イエス・キリストを信じる信仰を行使して祝福を受けた,あるいは奇跡を経験した人物を探すように,準備資料の中で招かれていたことを,生徒に思い出してもらいます(セクション3参照)。クラス全体で,または少人数のグループに分かれて,見つけた例を分かち合ってもらいます。次のような質問が話し合いを深めるのに役立つかもしれません。

  • これらの人々は,どのようにイエス・キリストへの信仰を行使しましたか。

  • 彼らはイエス・キリストを信じる信仰を行使することによって,どのような祝福または奇跡を受けましたか。

  • イエス・キリストを信じる信仰を行使することによって,あなたはどのような祝福または奇跡を受けましたか。(準備資料のセクション3にあるリチャード・・スコット長老の言葉を読むとよいでしょう。)

イエス・キリストを信じる自らの信仰について,生徒たちが深く考えるための時間を取ってください。主に対する信仰を強め,行使するために,何をするべきであるか考えてもらいます。

次回に向けて

イエス・キリストを信じる信仰は,キリストの教義の第二の原則である悔い改めに自然とつながることを説明してください(ヒラマン14:13参照)。準備資料を予習してくるように生徒に勧めてください。そして悔い改めが,避けるべき恐ろしい重荷ではなく,わたしたちが受け入れるべき天からの贈り物として考える必要がある理由を熟考してもらいます。