インスティテュート
『モルモン書の教えと教義 教師用資料』の紹介(宗教コース 275)


『モルモン書の教えと教義 教師用資料』の紹介 (宗教コース 275) 」 『モルモン書の教えと教義 教師用資料』(2021年版)

「はじめに」『モルモン書の教えと教義 教師用資料』

『モルモン書の教えと教義 教師用資料』の紹介 (宗教コース 275)

モルモン書の教えと教義のコースへ,ようこそ。モルモン書を研究することによってインスティテュートの生徒がキリストに近づけるように,助ける機会を受け入れてくださり,ありがとうございます。この教科課程は,あなたがキリストを中心に据え,学習者に焦点を当てて教える教師になるように支援することを意図しています。

本コースの目的

宗教教育セミナリー・インスティテュートの目的は次のとおりです:

わたしたちの目的は,以下のことができるよう,青少年とヤングアダルトを助けることです。すなわち,イエス・キリストの教えと贖罪について理解し,それに頼る,神殿の祝福を受ける資格を得る,天の御父とともに永遠の命にあずかるため,自分自身と自分の家族と周りの人々を備えることです(『福音を教え学ぶ—宗教教育セミナリー・インスティテュートの教師ならびに指導者用手引き』〔2012年〕,1)。

このコースは,教師と生徒が以下のことを行って,セミナリー・インスティテュートの目的を達成できるように助けることを意図しています:

  • 教師と生徒が天の御父の愛を感じ,御父との関係を強めるのに役立つ学習体験を創り出す。

  • イエス・キリストと主の贖いに対する信仰を強める機会を提供する。

  • モルモン書に特徴的な教えと教義を見つけ,説明し,それらの教えがどのように自分たちの生活とかかわりを持つかについて考え,学んだ内容を自らの生活に応用する方法を決めることができるように,生徒を支援する。

  • 生徒たちが質問し,悩みを語り,自分の経験について話し合い,証を分かち合うように勧めを受ける,愛と尊敬に満ちた学習環境を育成する。

本資料の構成

このコースは8単元,28課で構成されています。それぞれの単元では,モルモン書の中の主要な教義上のテーマを採り上げています。単元内の各課は話題ごとに分かれ,教義上のテーマに関連しています。

各課は50分の授業時間を想定しています。週に1回,90分で授業を行っているクラスでは,2課分をまとめて教えることができます。同じ単元内のレッスンであれば,それらは単元のテーマと密接に関連しているためです。

それぞれの課は,クラス用準備資料と,教師用資料から成っています。この資料はよく考えて準備を行うよう勧め,学習を深めるように生徒を励まし,天の御父にさらに似た者となれるような行動を引き出すことを意図しています。

この教科課程を最大限に活用して,生徒の生活を祝福する方法を知るには,クラス用準備資料と教師用資料の両方を研究して,クラスでの話し合いに備える必要があります。

教科課程を研究するときは,生徒の必要を理解できるように主の助けを祈り求めてください。十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド長老は,次のように教えています:

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ジェフリー・<strong>R</strong>・ホランド長老

「柔軟でいてください。特に御霊の導きに対してです。レッスンプランに時間の余裕を残してください。証を述べて,今起きている問題に関する話し合いを導くために,レッスンを少し短くする必要がある場合は,御霊の促しがあり適切であれば,そうしてください。……

……忘れないでください。生徒とは何かを入れる容器ではなく,燃え立たせるべき火なのです。」(「天使と驚き」〔教育システム訓練放送,2019年6月12日〕, broadcasts.ChurchofJesusChrist.org

クラス用準備資料

クラス用準備資料にはモルモン書からの聖句,それらの聖句の背景,教会指導者たちの言葉,絵,ビデオがあり,「さらに深く知る」セクションにはレッスンのテーマに関連した追加資料が用意されています。

さらには,生徒が学習経験を深めてクラスでの参加に備えられるように,彼らを励ますための質問や活動も収められています。例えば第4課のクラス用準備資料にある「聖文を調べる」では,生徒は,聖文がどのように「リアホナ」に似ているか,あるいはたとえられるか,研究するように勧められています。そのうえで,次の活動に取り組むように勧められます:

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話し合いの図

七十人のキム・B・クラーク長老は,深く学ぶには学習者(と教師)が何をしなければならないのか教えています:

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キム・<strong>B</strong>・クラーク長老

「深く学びたいという心からの望み,いつでも学びたいという心と思いがあるならば,またそのような望みに従って行動するならば,主はあなたを祝福してくださいます。自分にできることを行うときに,すなわち信仰をもって祈り,備え,学び,積極的に取り組み,最善を尽くすときに,聖霊はあなたを教え,学んだことに従って行動できるようあなたの能力を高め,主が望んでおられる人物になれるようあなたを助けてくださいます。」(「全身全霊で学ぶ『リアホナ』2017年8月号,33)

教師用資料

教師用資料にある各課の「はじめに」には,想定される学習者の成果について,説明が載っています。続く「教えるための提案」では,レッスンの構成や内容,話し合いの提案,応用へのアイデアが提供されています。

教師用資料の研究を進めていく中で,生徒が準備してきたことを,どのように生かすかに着目してください。生徒が準備して参加していることを前提に一貫して教えるなら,彼らは毎回のクラスに備えてくることの重要性を感じることでしょう。以下の第4課からの抜粋は,教師用資料により,生徒の準備がどのように生かされるかを示す例です:

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教えるための指示の図
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アイコン,深く考える

クラスに備えて深く考える

あなたと生徒がクラスの前にするのと同じように,このコースを教える準備をするときにも,深く考える時間を少し取ってください。まず最初に,一つか二つの課に目を通してください。レッスンの準備をしながら,準備用資料と教師用資料が一緒に用いることをどのように想定して作成されているかに精通してください。そして次の質問について熟考してください:クラスで豊かな体験ができるように,生徒の準備を促すには,どのような方法があるでしょうか。準備資料を予習していない生徒も参加させるには,何ができるでしょうか。

注:生徒がクラスでの話し合いのために準備をしていれば,教師はテーマについての意義ある深い意見交換へと素早く移動できることが分かるでしょう。このようにすれば,レッスンの中で教師と生徒がどうすれば効果的で義にかなった行動を計画し,そうした行動が取れるかを検討する時間がより多く取れるはずです。

教える準備を効果的なものとするには

天の御父は,御自分の子供たちを教えるために,教師が準備するのを助けてくださいます。福音に従うように熱心に努めることは,レッスンの準備の中で御霊の導きを受けるための,ふさわしさを得る助けになるでしょう。

教える準備の一環として,以下を自問するのは役立つでしょう:

  • わたしは,聖霊の導きを受け,生徒の必要が理解できるように祈っただろうか。わたしは,彼らにとって何がいちばん関連性があることなのかどのように見極めることができるだろうか。

  • わたしは,準備用資料と教師用資料にしっかりと基を据えていると感じているだろうか。生徒の必要を満たすうえで,調整を加える必要がある事柄が何かあるだろうか。

  • わたしは,この課の研究を進めるとき,生徒が天の御父とイエス・キリストを信じる信仰を強められるように,どのように助けられるだろうか。わたしはどうすれば,聖霊から学ぶことを生徒が求めるように,助けられるだろうか。

  • わたしはどうすれば,どの生徒もレッスンに完全に参加させることができるだろうか。彼らが学んだことを応用するための個人の計画を立てるうえで,必要な時間が取れているかを確認するにはどうしたらいいだろうか。

  • わたしは,どのようにすれば生徒が尊重され,受け入れられ,気兼ねなく互いに分かち合い,学び合えると感じる学習環境を作り出せるだろうか(教義と聖約88:78,122参照)。

障がいのある生徒のためにレッスンを調整するには

教える準備をする際には,特別な必要を抱えている生徒に配慮してください。彼らが受け入れられていることを感じ,成功できるように,活動や期待する内容を調整します。詳しい情報は,disabilities.ChurchofJesusChrist.orgにある障がい者の ページを参照してください。

単位取得のために求められること

インスティテュートの卒業に向けて単位を取得するには,生徒が以下の要件を満たす必要があります:

  1. 少なくとも全課の75パーセント分,準備資料を学習する。

  2. 開かれたクラスの75パーセントに出席する。

  3. 3つの学習経験のうち1つを達成する:学習帳をつける,3つの論文問題に回答する,(教師の承認を得て)コース内容に関連した個人学習プロジェクトを計画して実践する。詳しくは,institute.ChurchofJesusChrist.orgにある「インスティテュート『学習の質を高める経験』」を見てください。

生徒が準備資料にあるすべての質問と活動への回答を記録している場合も,学習経験に関する要件を満たしていると見なされます。回答の記録を生徒に提出してもらう必要はありません。学期の終わりに,仕上げた回答を見せてもらうだけでかまいません。

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アイコン,記録する

自分の考えを記録する

このコースを通して生徒たちに経験してほしいと望む事柄について考えてください。生徒が有意義な学習経験を得られるよう助けるうえで,どのような計画を立てているか,自分の考えを幾つか記録しておきましょう。