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第19課 教師用資料:邪悪な時代に義にかなった生き方をする


「第19課 教師用資料:邪悪な時代に義にかなった生き方をする」『モルモン書の教えと教義 教師用資料』(2021年版)

「第19課 教師用資料」『モルモン書の教えと教義 教師用資料』

第19課 教師用資料

邪悪な時代に義にかなった生き方をする

ラッセル・M・ネルソン大管長はこう語りました。「モルモン書は主の教えを明らかにすると同時に,サタンの策略を暴き出します。」(「モルモン書―この書物なしの人生とは」『リアホナ』2017年11月号,62。2ニーファイ26-33章も参照)第6課は生徒がサタンの策略をより的確に見破り,その悪計に対して自らを強めるために何ができるかを決める助けになります。この課を通して生徒は迫害に直面したときに強くあるために何ができるか,また邪悪が蔓延する世界で義にかなった生き方をするには何ができるか,分かるようになるでしょう。

教えるための提案

教え方と学び方を改善する

現実的なシナリオを用いる生徒たちは彼らの生活と,聖文から学んでいる内容とのつながりが分かると,神の言葉の関連性を理解し,それがどのように効果的で義にかなった行動に結びついていくか,よりよく分かるようになります。実在する状況を映し,生徒たちが直面する現実の疑問や不安,チャレンジに即したシナリオは,神の御言葉の中にある教義や原則を自分たちの生活と結びつけるのに役立つ場合があります。またシナリオが現実的であれば,生徒が実生活は時として複雑で,常に簡単な答えがあるわけではないことを自分で発見するのにも,役立てることができます。

イエス・キリストの義にかなった信者たちは,迫害のさなかに強められる

レッスンの最初に,次のシナリオか,あなたが考えた似たようなシナリオを紹介するといいでしょう。

あかりは,バプテスマを受けたばかりの新会員です。しかし,バプテスマを受けたときに親からは勘当されました。初めのうちは,ワードの人たちは皆親切でした。ところが最近,昔のあかりについて悪口を言う会員が出るようになり,彼女の福音に従う熱心な態度をあざけるまでになりました。あかりは忠実な教会員でいたいと思っていましたが,ほんとうに落胆してしまいました。

  • あかりにとって仲間の教会員から迫害されるのが特につらいのはなぜでしょうか。

  • もしあかりがあなたに助けを求めに来たら,あなたはどんなことを言い,どんなことをしますか。

ヒラマン3:24-34には,数万人もの人々が教会に加わり,民は非常に栄えたことが記されています。生徒たちにそれを思い起こさせてください。ところがやがて一部の教会員の心の中に高慢が忍び込み,謙遜で忠実な人々を迫害し始めました。

生徒たちに ヒラマン3:33-35 をもう一度読んで,謙遜な教会員たちが迫害に耐えるうえで役立ったものは何か,見つけてもらいます。以下の質問に中で,生徒の学びに一番役立ちそうなものはどれでしょうか。それを生徒に尋ねてください。

  • あかりや似たような状況にいる人たちにとって,この聖句のどのような教えが役立つでしょうか。(生徒が指摘した幾つかの真理をリストアップするとよいでしょう。以下はその例です。断食し,祈り,心を神に従わせるなら,わたしたちはもっとへりくだり,イエス・キリストを信じる信仰は堅固になり,ほかの人の心ない行為に関係なく,心が聖められる。

  • 断食し,祈り,心を神に従わせることは,イエス・キリストを信じるあなたの信仰にどのような影響を与えましたか(ヒラマン3:35参照)。義にかなったこうした行いは,あなたが他人からの心ない仕打ちに遭ったとき,どのように役立ちましたか。

以下の質問を提示して,生徒のために一つまたはそれ以上の質問について個人で考える時間を取ってください。そして,受けた促しに対してどのように対応するか計画を立てもらいます。

  • イエス・キリストの教会にいる人々を歓迎し,彼らにフェローシップするうえで,あなたはどのようなことをしていますか。

  • あなたはどのようにして心を神に従わせていますか。

  • 人から受ける心ない行為にかかわりなく,イエス・キリストを信じる信仰を高めるにはどうすればよいでしょうか。

信仰を持って行動し,心を神に従わせるときに得られる力について,あなたの証を述べるか,生徒にも証するように勧めてください。

ニーファイの民の邪悪な行いが増大していく中でも,モルモンとモロナイは主に忠実であり続けました。

ニュース報道,世相,ソーシャルメディアの話題などから,現代において福音に従うのを難しくさせる例を,生徒に挙げてもらいます。

  • モルモンと息子のモロナイが生きた時代では,どのような環境が福音に従うのを難しくさせていましたか。(必要であれば,生徒に準備資料のセクション2を見直すか,モルモン1-6章モロナイ9章にある章の前書きを,ざっと読んでもらいます。)

  • モルモンやモロナイの時代に生きていたとしたらどうなっていたと思うか,想像できるでしょうか。

モルモン1:1-2,15モロナイ9:25-26を生徒に見直してもらい,悪に染まった社会の中で,モルモンとモロナイが主に対する忠誠を保つことができたと考えられる理由を,見つけるように言ってください。

  • これらの節から,邪悪な時代にあっても主に忠実であり続けるための方法に関して,どのような原則が学び取れますか。(生徒が次のような原則を見つけられるよう助けてください。イエス・キリストの慈しみを体験し,主に忠実であり続けるときに,人はこの世の悪に打ち勝つことができる。

  • イエス・ キリストの慈しみを体験するとは,どういう意味だと思いますか。

  • 邪悪に囲まれた状況の中で義にかなった状態を保つうえで,イエス・キリストに心を向け,その慈しみを体験することはどのように有益ですか。(必要に応じて,準備資料のセクション2にあるジョイ・D・ジョーンズ会長ニール・L・アンダーセン長老 の言葉を見直すように生徒に言うとよいでしょう。)

  • これまでイエス・キリストの慈しみと主を信じる信仰に対するあなたの証は,不正に出遭ったときに義にかなった決断を下すうえで,どのように役立ってきましたか。

準備資料のセクション2で,モルモン書の中からか,個人的に知っている人の中で,不正に直面しても忠実であり続けた人またはグループを見つけてくるように言われていたことを,生徒に思い出してもらいます。(必要なら,生徒に自分の書いたものを見直す時間を取ってあげてください。)生徒全員が発表できるように,クラスの大きさに応じたやり方を考えてください。

次の質問を提示します。

  • 今日学んだことや感じたことを基にして,この世の悪を前にしても主に従う決意を固く守る能力を増すために,あなたは何をしますか。(聖霊から受ける促しを記録し,それに基づいて行動するように,生徒を励まします。)

次回に向けて

ジョセフ・スミスの次の言葉を紹介してください。「わたしの心を鼓舞するのは,自由を愛する思いです。すなわち全人類が民事上と宗教上の自由を得ることです。」(『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』345)次回の準備資料を学ぶとき,宗教の自由が自分にとってどんな意味を持つか深く考え,その自由を促進,維持するために自分に何ができるか,話し合う準備をしてくるように生徒に勧めてください。