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第24課 教師用資料:主の解放の力


「第24課 教師用資料:主の解放の力」『モルモン書の教えと教義 教師用資料』(2021年版)

「第24課 教師用資料」『モルモン書の教えと教義 教師用資料』

第24課 教師用資料

主の解放の力

リムハイの民とアルマの民がした経験はいずれも,試練の中にあって神を求める人々を支え,解放する主の能力を示すものです。生徒たちはこのレッスンを通じて,主の解放の力に対する永遠の見方をどのように形成すればよいのか,深く理解できるようになるでしょう。また生徒たちは,自分自身の試練と向き合う中で主の力を受けるために何ができるかについて考えるよう勧めらます。

教えるための提案

レーマン人はリムハイの民とアルマの民を奴隷の状態に置いた

生徒たちに,自分や自分の知っている人が現在受けている試練の例を挙げるように言ってください。

  • 試練を受けるのには幾つか理由がありますが,どのようなものがありますか。(準備資料のセクション1にある例を見直すとよいでしょう。)

  • 試練に遭った人々が抱きやすい共通の疑問,心配,感情には,どのようなものがあるでしょう。

教え方と学び方を改善する

概念や疑問を永遠の視点から調べる生徒は学校,職場,あるいはソーシャルメディアなどで耳にした概念を基にして,問題や疑問を見ているかもしれません。往々にして,このような情報源にはこの世的な見方しか含まれていません。そこに福音の教えに対する配慮はありません。生徒たちが問題や疑問を「救いの計画や救い主の教えに照らして 」(『マスター教義に関する基本文書』〔2018年版〕「霊的な知識を得る」8段落)見直す練習ができるよう助けるための機会を見つけてください。

アルマの民

アルマの民がレーマン人によって束縛されるに至った経緯を,簡単に見直してください。義にかなった生活を送っていたところ,突然自由が失われ,レーマン人に仕えるよう強いられたアルマの民のようになったら,どのような気持ちがするか想像してみるように生徒に勧めることもできます。

生徒たちにモーサヤ23:21-24を見直してもらい,アルマの民が試練を受けることを主が許された理由を見つけてもらいます。

  • これらの聖句によれば,主がアルマの民に試練を経験するのを許された目的は何であったでしょうか。

  • 試練に対する主の永遠の観点を理解しようと努めることは,わたしたちが自分の試練を見る見方を変えるのに,どのように役立ちますか。 

今日のレッスンで,自分の試練に対して永遠の見方をするのに役立つと思う真理を見つけるよう生徒を励ましてください。

リムハイの民

リムハイの民も束縛の状態に置かれたことを生徒に思い出させてください。彼らが捕らわれて,どのような状況に置かれるに至ったかを要約します。生徒にモーサヤ21:6-12をざっと読んでもらい,リムハイの民がどのように束縛から逃れようと努めたのかを見つけてもらいます。以下の質問をするのもよいでしょう。

  • 束縛から解放されようと自分たちで努めたとき,リムハイの民にどのようなことが起きましたか。

  • 主の助けを求めずに試練を克服しようとすると,どのような問題が起きる場合がありますか。試練の中で主に助けを求めようとするとき,どのような妨げがあるでしょうか。

生徒にモーサヤ21:13-16を読み直してもらうか,または,自分たちの力では束縛から解放されることはできないと悟った後に,リムハイの民がしたことを要約してもらいます。それから一人の生徒に,リムハイの民が最終的にはどのように解放されたのか,簡単にまとめるように言ってください。生徒が自分の試練を永遠の観点から見られるように助けるため,以下の中から一つ,または複数の質問をしてみてください。

  • 神は試練の中で主に頼る人に,助けと救いを与えてくださることについて,リムハイの民の経験からどのようなことを学びましたか。(生徒たちが発表する真理に加えて,次のような原則も見つけられるように助けてください。へりくだって神を呼び求めるなら,神は祈りを聴き入れて御自分の時にかなって,試練からわたしたちを救い出してくださる。

  • 試練に直面したとき,どのようにしたら自分の時刻表ではなく主の時刻表を信頼することができるでしょうか。(準備資料のセクション2にあるダリン・H・オークス管長の言葉を見直すことが役立つかもしれません。)

  • 主の御心に従って,人生における主のタイミングを信頼することで,どのような祝福を受けてきましたか。

生徒のために数分の時間を取って,今自分が直面している試練について内省し,永遠の観点からそれをどう見直せるか考えてもらうといいでしょう。

主はアルマの民を強めて,束縛から彼らを解放された

アルマの民もレーマン人のもとで奴隷の状態にあったことを生徒に思い起こさせてください。数分,生徒にモーサヤ24:10-16を見直す時間を与えて,アルマの民とリムハイの民が経験した試練の,似ている部分と違っている部分とを見つけてください。

  • 似ていたのはどのような部分でしたか。二つのグループの経験は,どのような部分で違っていましたか。(次のような答えが考えられるでしょう。二つのグループとも,主によって支えられ,最終的には救われた。アルマの民の束縛は,彼らが主に従おうと努める間の,信仰の試しとして与えられた。その一方で,リムハイの民の束縛は罪の結果であった。アルマの民は直ちに主を呼び求めたが,反対に,リムハイの民は最初に自分たちの力で助かろうと試みた後で,主を呼び求めた。)

  • この二つの物語の中で主の愛の,どのような証拠があるとあなたは思いますか。

  • 試練の中で主を呼び求める人たちを神が支え,解放されることについて,アルマの民の経験から,ほかにどのような教訓が学べるでしょうか。(生徒が自分の見つけた原則を発表する際に,次のような原則も見つけられるように彼らを助けてください。苦難の中で信仰と忍耐を示して神を呼び求めるなら,主は重荷を負いやすくするために,わたしたちを強めることがおできになる。注:息子アルマも似たような原則をアルマ36:3,27で教えています。)

クラスを2,3人のグループに分け,準備資料のセクション3にあるデビッド・A・ベドナー長老の言葉生徒たちに読み直してもらってください。以下の質問を見せ,それぞれのグループで話し合ってもらいます。

  • 主は必ずしもいつもすぐに試練を取れ去られるわけではないということを知れば,どのように役に立つと思いますか。

  • ベドナー長老によると試練に向き合うとき,聖約を守るとどのように力を増すことができるでしょうか。

  • 試練に耐え,重荷を負ったとき,主はどのようにあなたやあなたが知っている人を支え,強められましたか。試練からすぐには解き放たれないことで,どのような祝福が得られますか。

一人か二人の生徒に,グループでの話し合いの中で,何が印象に残ったか発表してもらってください。数分時間を取って,試練に遭うときどのように主に対する信頼を増すことができるかについて,自分で感じた印象を記録に残すように生徒に言ってください。

次回に向けて

主に答えをいただきたいと思う質問があるかどうか,生徒に尋ねてください。主から答えを得ることについて何が学べるか知るために,モルモン書と準備資料を次回のレッスンに向けてよく学んでくるように生徒を励ましてください。