初等協会テキストと分かち合いの時間
第44課 ソルトレーク神殿の建設と奉献


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ソルトレーク神殿の建設と奉献

目的

純潔の律法を守り,神殿で結婚するのにふさわしくなるように生活する望みを子供たちに抱かせる。

準備

  1. 本課の歴史記事;教義と聖約46:33,109:20,131:1-4,132:15-21モーセ2:27-28と本課の歴史記事を祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し,聖文と歴史記事を子供たちにどう教えるか決める(本書「レッスンの準備」ⅵ-ⅶ,「聖文と歴史記事に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。

  2. その他の参照箇所-ヒラマン5:12;『福音の原則』(06195 300)第38章第39章

  3. 子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。

  4. 建物の基礎に使用するブロックに見立てた長方形の紙9枚を用意するか,木製の本物のブロックを用意する。それぞれのブロックに以下の文章をはる。

    • 天父とイエス・キリストと聖霊を信じる。

    • 預言者と教会の指導者に従う。

    • 純潔の律法を守る。

    • 正直にする。

    • 家族に尊敬と愛を示す。

    • せいさん会と教会のほかの集会に出席する。

    • じゅうぶんの一を完全に納める。

    • 知恵の言葉を守る。

    • 過去の罪を悔い改める。

  5. 教材

    1. 教義と聖約(人数分)

    2. 高価な真珠とモルモン書

    3. 視覚資料5-7「ソルトレーク神殿の頂に立つ天使モロナイ」;5-53「神殿へ花崗岩のブロックを運ぶ牛車隊」;5-54「テンプルスクエアに積み上げられた花崗岩のブロック」;5-55「ソルトレーク神殿」(『福音の視覚資料セット』502);5-56「アダムとエバ」(『福音の視覚資料セット』101);5-57「神殿に向かう若い男女」

教師への注意-ハワード・W・ハンター第14代大管長は次にように述べている。「子供たちに対して,これまでの時代よりも早い時期に,道徳について教える必要があります。そのためには,子供たちが理解できる言葉ではっきりと純潔の戒めを教え,子供たちが守るべき標準を確立しなければなりません。教会の成人会員は徳と慎みを表すような服装と振る舞いによって模範を示すことで,この教えを補強できます。子供たちは成長して,主が彼らに対して抱いておられる愛を理解できるようになると,慎みと純潔に関する主の教えに従うことによって,主に対する愛を自分の行いに反映させるようになるものです。」(「初等協会中央会長会へのメッセージ」1994年8月27日付け)

レッスン

一人の子供に開会の祈りをさせる。

導入

ソルトレーク神殿の絵を見せる。神殿の美しさと荘厳さについて子供たちと簡単に話し合う。

  • この建物がまっすぐにそびえ,力強く建っているのはなぜでしょうか。

この建物の地中深くに2.4メートル以上の大きな石のブロックが基礎として埋められていることを説明する。神殿の建設に携わった人々は神殿の壁が垂直に支えられるようにこれらの石を正しく配置した。こうして神殿は頑丈で,ひびが入ったり,倒れることもない建物になった。

黒板に神殿の輪郭を簡単に書く(下の図を参考にする)。

画像
Salt Lake Temple

ソルトレーク神殿がしっかりとした基礎の上に建てられたように,天父はわたしたちが固い基礎の上に生活を築いていつまでも正しく,強く,また神殿に入るのにふさわしくなるよう望んでおられることを説明する。わたしたちは神殿に入るのにふさわしくなるような事柄を行うことによって,しっかりした基礎を築くことができる。準備したブロックを使って,神殿に入るためのふさわしさの条件について検討する(本課では後に純潔の律法について学ぶことを指摘するとよい)。一つ一つの条件を説明する度に,該当するブロックを黒板にはった神殿の輪郭図の下に積み上げて,ブロックが神殿の基礎になるようにする(本物のブロックを使う場合は,机か床の上に置いて,輪郭図の下に基礎を築くことができるようにする)。

  • ソルトレーク神殿の基礎となっているブロックを一つか二つ外し,壊れたりしたらどうなりますか(基礎が弱くなり,神殿にひびが入るか,倒れる)。

展示した基礎のブロックを指さす。

  • わたしたちの生活の基礎となっているこれらのブロックが一つか二つなくなったらどうなるでしょうか(わたしたちの正義の基礎は弱くなり,神殿に入るためのふさわしさがなくなる)。

本課ではソルトレーク神殿がどのようにして建設されたかについて,また聖徒たちはどのようにして生活の中で正義の基礎を築いたかを勉強することを子供たちに説明する。

聖文と歴史記事

以下の歴史記事から,ソルトレーク神殿の建設と奉献について教える。次いで本課の「純潔の律法」の項と「準備」の項に挙げられている聖文から,子供たちがふさわしく神殿結婚をして,そこで約束されている永遠の祝福を受けるために,純潔の律法を守ることが大切であることを教える。適切な箇所で視覚資料を用いる。

神殿の基礎が置かれる

最初の聖徒たちがソルトレーク盆地に入ってから5年半後の1853年2月,ブリガム・ヤングを始めとする中央幹部はソルトレーク神殿の建築を開始するための鍬入れ式を行った。そして,2ヶ月後に彼らは神殿の隅石を置く式典を行った。この日,ヤング大管長は神殿用地を見る度に神殿に関する示現を見る,と教会員に語った。

ヤング大管長は示現で見た神殿の輪郭図を描き,設計士のトルーマン・O・エンジェルがどのように建設するかを示した詳しい設計図を書いた。ヤング大管長は美しく頑丈な神殿を建てるために,エンジェル兄弟をイギリスへ派遣してイギリスの壮大な建築物を研究させた。ヤング大管長は「福千年の間まで持ちこたえることができる」強い神殿を建てたいと述べた(リチャード・ニーツェル・ホルザッフェル,Every Stone a Sermon21で引用)。

職人は大きな砂岩のブロックを積み重ねて神殿の基礎を築き始めた。2.4メートル以上の深さを持つ基礎を築くために,5年の工事期間を要した。1858年5月に,合衆国政府との問題により工事は一時中断された。合衆国大統領は教会員が法律を守っていないとの偽りの話を聞いて,秩序を回復するために軍隊を派遣したのである。ブリガム・ヤングは軍隊によって神殿の敷地が荒らされることを恐れて,基礎を土で覆って普通の土地のように見せかけた。

政府との問題が解決すると,ヤング大管長は覆った土を取り除くように命じた。土を取り除いてみると,大きな基礎ブロックの間に使用されたモルタルと小さな岩石の一部が割れて,移動していることが分かった。これが原因となって大きなブロックにひびが入り,不安定な状態になっていた。この基礎では神殿を支えることはできなかった。職人たちは小さな岩石とモルタルを取り,砂岩のブロックをいちばん下の段まですべて取り除いた。そして固い花崗岩のブロックに取り替えた。これらの花崗岩のブロックは間にすき間ができないように,また荒石やモルタルを使わずに水平になるように切断された。神殿の建築が始まってから14年後に基礎の取り替えが完成して,次に神殿の外壁工事が始まった。

花崗岩の採石

神殿用の巨大な花崗岩のブロックは神殿の敷地から30キロ離れた峡谷の採石所で切り出された。ブロックは一つの重量が数トンもあるため,荷車に積んで荷役用の牛が引いて運ばなければならなかった。峡谷から神殿の敷地まで一つのブロックを運ぶのに4日間もかかることがあった。荷車が壊れたり,重いブロックが荷車から落ちて欠けたり割れたりすることがしばしばあった。1869年にユタに鉄道が入ってきたときに,採石所と神殿の間に線路が敷設された。蒸気エンジンの力によって一日に多くのブロックを運ぶことができるようになったため,神殿の建築作業が大幅にはかどることになった。

ブロックが神殿の敷地に運び込まれると,今度は熟練した石切職人が形を整える作業に当たった。太陽,月,星など,神殿の儀式で明らかにされる福音の大切な原則を思い起こさせる象徴が刻まれる岩石もあった。これらの岩石の形を整え,彫刻を施すのに数日間,時には数週間もかかることがあった。神殿用地の近所に住む子供たちは,建築資材として敷地内に置かれた岩石の間で鬼ごっこをして遊んでいた。

ジョン・モイルは神殿で働く石工だった。彼は毎週月曜日の朝,自宅を出て30キロの道のりを歩いて神殿へ行った。そして週日をすべて神殿で働いて過ごすと,金曜日にまた30キロ歩いて自宅に戻り,農作業をした。モイル兄弟は事故に遭って,片脚を切断しなければならなかった。しかし彼は木で義足を作り,歩く練習をして痛みを耐えられるまでになった。そして,義足でソルトレーク・シティまで歩いて行き,神殿での作業を続けた。彼は神殿の東側の壁に刻まれている「聖きを主に捧ぐ」の言葉を彫刻した。

完成し奉献された神殿

39年後に神殿の笠石(最も高いせんとうの頂に据えられる丸い石)が置かれた。テンプルスクウェア内の5万人の人々と,付近の道路や建物に詰めかけたさらに数千人の人々が見守る中,ウィルフォード・ウッドラフ第4代大管長が電気のスイッチを入れると,笠石が降りてきて所定の位置に納まった。この日からしばらくして天使モロナイの像が笠石の上に据え付けられた。

神殿の内部は翌年,大工,しっくい職人,画家,熟練した職人たちが仕上げを行った。天井と木工部分はすばらしい彫刻が施された。ヨーロッパで訓練を受けてきた芸術家たちが儀式の部屋の壁に美しい壁画を描いた。驚くべきことに,神殿のすべての内装は1年間で仕上げられた。

神殿が献堂されたのは1893年4月である。奉献の最初の部会は4月6日に行われた。教会が組織されてちょうど63年目に当たる。神殿の建築が始まって40年以上が過ぎていた。この日は天候が荒れ模様の寒い日で,外は雨と雪が混じった強風が吹き荒れていたが,神殿の中は平和で穏やかだった。ウッドラフ大管長がひざまずいて,奉献の祈りをささげた。以前に行われた神殿の奉献式に倣って(第26課第35課を参照),会衆はホサナを叫び,「主のみたまは火のごと燃え」を歌った。

奉献式に出席した多くの人々は天使たちを見,天の歌声を聞いた。ウッドラフ大管長は後に,次のように述べた。「(最初の)奉献(式)に天の軍勢が出席していました。もし会衆の目が開かれていたら,ジョセフとハイラム・(スミス),ブリガム・ヤング,ジョン・テーラーそしてこの神権時代に生きたすべての善良な人々が,また末日の御業について預言した(イザヤ)をはじめとするすべての聖なる預言者と使徒がわたしたちとともに出席しているのを見たことでしょう。」(ラリーン・ゴーント,“‘The Power of God Was with Us,’” 29で引用;「レッスンを豊かにする活動」の1を参照)

ソルトレーク神殿の奉献式で起きた神聖な出来事によって,人々は神が生きておられることを実感し,また神殿と神殿の儀式に対して深い尊敬の気持ちを持つようになった。わたしたちは今日こんにち,神殿を見ると,天父とイエス・キリストがわたしたちを愛しておられ,わたしたちとまた一緒に住むことを望んでおられることを思い起こすことができる。

純潔の律法

日の栄えの王国の最高の階級で天父とイエス・キリストとわたしたちの家族と一緒に住むためには,神殿で結婚し,そこで交わす約束を守らなければならない(教義と聖約131:1-4参照)。

導入で示した基礎の中から,「純潔の律法を守る」のブロックに注目させる。わたしたちが神殿に入るのにふさわしくなるには,純潔の律法が守らなければならない律法の一つであることを説明する。これから,純潔の律法とはどのような教えで,なぜ守ることが大切かを学ぶ。

アダムとエバの絵を見せる。子供たちにだれを描いた絵かを尋ねる。そして一人の子供にモーセ2:27-28の「地を従わせよ」までを声を出して読んでもらう。

  • 天父はアダムとエバに,二人が結婚した後に何をするように命じられましたか(「増えよ,地に満ちよ」とは子供を持つという意味であることを説明するとよい)。

  • アダムとエバはなぜ子供を持つことが大切だったのでしょうか。

わたしたちが地球に来た目的の一つは骨肉の体を持つことであることを説明する。天父はわたしたちに幸福を得させるための計画の中で,わたしたちが子供をもうけて,ほかの霊たちが地上に来るときに肉体を準備するという特権をお与えになった。少年少女が成長して,神殿で結婚し,父親と母親になることは,天父が人々に幸福を得させるための計画の一部である。

子供を持つ力はこのように神聖な特権であるため,天父はこの力を使うことについて特別な指示を与えられた。この指示が純潔の律法と呼ばれる。純潔の律法とは,性的に清く純粋な状態を維持するようにとの戒めである。夫または妻以外のだれとも性的な関係を持ってはならないという意味である。純潔の律法には言葉と思いと行いを清くすることも含まれる。わたしたちは天父から与えられたこの偉大な力を侮辱するようなことを言ったり,考えたり,行ったりしてはならない。

わたしたちは聖霊によって正しい行いかどうかを知ることができることを子供たちに説明する。子供たちがもし純潔の律法について何か質問があれば両親か信頼できる大人の人に相談するように言う。

純潔の律法に従って生活することは非常に大切なことであるため,サタンはわたしたちにこの律法に背かせようとしていることを子供たちに理解させる。子供たちは成長すると,純潔の律法を破らせようとする誘惑を受けることだろう。しかし,正義という基礎をしっかりと築き,純潔の律法に従うことを今から決心するならば,それらの誘惑を退けることができる。

話し合いと応用のための質問

レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問を,採り上げる。教室で子供たちと一緒に聖句を読んで話し合えば,聖文に対する子供たち一人一人の理解力を深めるのに役立つ。

  • 聖徒たちはソルトレーク神殿を建設するときにどのような問題に出会いましたか。神殿がついに完成したとき,人々はどのような思いを胸に抱いたと思いますか。神殿はなぜそれほど大切なのでしょうか。

  • ブリガム・ヤングが望んだように,神殿が福千年まで建ち続けるようにするために,建設に従事した人々はどうしなければなりませんでしたか。なぜ固い基礎の上に神殿を建てなければならなかったのでしょうか。わたしたちはなぜ正義という基礎の上に生活を築く必要があるのでしょうか(ヒラマン5:12)。わたしたちはこの基礎を築くにはどうすればよいでしょうか(「レッスンを豊かにする活動」の2と3を参照)。

  • 神殿で結婚することはなぜ大切ですか。天父は,神殿で結婚して,その聖約を守る人々にどのような祝福を約束しておられますか(教義と聖約131:1-4132:19-21)。神殿で結婚して,その聖約を守る人々は日の栄えの王国の最高の階級で天父とイエス・キリストと家族の中の正しい人々と共に住むことができることを子供たちに教える。

  • 神殿で結び固めを受け,誓約を守る人々はいつまで結婚した状態でいられるでしょうか(教義と聖約132:19;「レッスンを豊かにする活動」の4と5を参照)。この世と永遠にわたって結婚する,つまり永遠に結婚した状態を続けることを説明する。

  • 神殿で結び固めを受けない人々はいつまで結婚した状態でいられるのでしょうか(死ぬまで;教義と聖約132:15参照)。この人たちはどうなりますか(教義と聖約132:16)。家族が神殿で結び固めを受けていない子供たちに対して,落胆する必要はないことを教える。そのような子供たちは祈り,良い模範を示し,家族が神殿で結び固めを受けることについてどのように考えているかを両親に話すことができる。やがて両親に結び固められる機会がもたらされるであろう。

  • 純潔の律法に従うことはなぜ大切なのですか。純潔の律法を破ると,(その後,悔い改めない),神殿に入って神殿の儀式に参加するのにふさわしくない状態となり,このため日の栄えの王国において天父とイエス・キリストと共に住むことができなくなることを説明する。

  • 一人の子供に教義と聖約46:33を声を出して読んでもらう。徳高く聖くなければならないとはどういう意味ですか。徳高くあるとは,心と体を純粋に清くするという意味であることを説明する。いつも徳高くあるためにはどうしたらよいでしょう(「レッスンを豊かにする活動」の2を参照)。

  • なぜ卑しい言葉を使わないようにしなければならないのでしょうか。卑しい言葉には体を軽蔑する表現が含まれる場合が多いことを説明する。純潔の律法には行いだけでなく,思いと言葉も含まれることを子供たちに確認する。わたしたちが体とその機能について話す場合は尊敬の気持ちを持って話すよう天父は望んでおられる。

レッスンを豊かにする活動

以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。

  1. ユタにおけるソルトレーク神殿の建設は,イエス・キリストが生まれる数百年前にイザヤが述べた預言の成就であることを説明する。イザヤ2:2を教師が読むか,一人の子供に読んでもらう。ソルトレーク・シティーはアメリカ合衆国西部のワサッチ山脈の中にあることを指摘する。

  2. 以下のカードを準備する。カードの長さはすべて同じにする。

    慎みのある服装をする。

    きれいな言葉を使う。

    健全な映画,テレビ番組,ビデオだけを鑑賞する。

    健全な書物と雑誌だけを読む。

    良い音楽を聴く。

    肉体を神聖にまた清く保つ。

    知恵の言葉を守る。

    清い思いを抱く。

    16歳になるまでデートはしない。

    良い友達を選ぶ。

    黒板に基礎として使うための大きな荒削りの岩を書く(すべてのカードが入る大きさにする)。そして岩の真ん中に「純潔」と書く(下図を参照)。子供たちは石工になったつもりで,基礎の中にきちんとおさまるようにこの岩を削らなければならない。

    画像
    chastity

    子供たちに一枚ずつカードを渡す。子供たちにカードの言葉を声を出して読んでから,岩の中に長方形になるようにはっていかせる。そして,長方形からはみだした線を消すと,基礎に使うことができる長方形の石になる。カードに書かれていることを実行すると,純潔の律法に従って生活するための強い基礎を築くことができることを子供たちに理解させる。

    ソルトレーク神殿の最初の基礎に使われたモルタルと小さな石はひびがはいり,ずれて,そのために大きな基礎の石にひびが入ったことを子供たちに思い起こさせる。卑しい言葉を使う,ポルノ雑誌を読んだり見たりする,慎みのない服装をするなど,純潔の基礎の石にひびを入らせる行いについて子供たちから聞く。そのような行いを避けるよう子供たちを励ます。

  3. スペンサー・W・キンボール第12代大管長は,若人は人生の早い時期に,やがて神殿で結婚することを決心しなければならないと語った。以下の引用文を教師が読むか,一人の子供に読ませる。

    「〔決意すること〕には2種類あって,一つは,『わたしがすること』,もう一つは『わたしがしないこと』である。……ごく早い時期から,若人は計画に従って生活すべきである。〔彼らは〕教育や伝道,純粋で清潔な生涯のはんりょを見出すこと,神殿結婚,教会で奉仕することについて,自分の進路を設定〔すべきである〕。そのように進路を設定し,目標が決まっていれば,多くの誘惑に逆らい,初めてのたばこに『いいえ』と言うのも,初めての酒に『いいえ』と言うのも,……不道徳な〔徳を下げる〕行為に陥ってしまいそうなことに『いいえ』と言うのも容易なことである。」(『ゆるしの奇跡』235-236)

    キンボール大管長の提案に従って,ふさわしい状態で神殿結婚ができるようになるために,毎日の生活で実行したいと思う事柄を子供たちに目標として設定させる。全員に紙と鉛筆を配り,「神殿結婚のための計画」と書かせる。その下に,「すること」と「しないこと」と書いて,該当する事柄を書き出す。例えば,「すること-毎週の安息日に教会へ行く,両親の言うことを聞く,良い友だちを持つ,神殿に入れるようにふさわしい生活をする」,「しないこと-たまを遠ざけるような音楽を聴かない,不道徳なテレビ番組や映画を見ない,卑しい言葉を口にしない」などがある。

    毎日の生活でどのような選択をするかによって,将来どのような人になるかが決まることを子供たちに理解させる。神殿結婚を目標とすることにより,正しい判断を下すことができるようになる。

  4. 神殿で結婚する日は,人生で最も大切な日であることを説明する。

    • あなたにとって神殿で結婚する日はなぜそれほど大切なのでしょうか(日の栄えの王国の最高の階級で天父とイエス・キリストと共に住むための大切な一段階だから)。

    もし教師が神殿で結婚しているか,または結婚後に神殿で結び固めを受けていれば,その日にどのような気持ちを感じたかを述べる。もしあれば,神殿結婚の日の写真を見せるとよい。教師がまだ神殿で結び固めを受けていなければ,初等協会会長の許可を得たうえで,すでに結び固めを受けている人に経験したことを子供たちに話してもらうとよい。

  5. ヒーバー・J・グラント第7代大管長の以下の話を紹介する。

    ソルトレーク・シティーに住んでいた教会員は,ソルトレーク神殿が完成するまで,神殿の儀式に参加するために約460キロ離れたユタのセントジョージにある神殿まで行かなければならなかった。グラント大管長は次のように説明している。

    「わたしはこの世を去るときまで,感謝し続けるでしょう。それはわたしが21歳の時でしたから若い男性とは言い難いかもしれませんが,友人たちの言葉に耳を傾けないで,セントジョージ神殿で結婚するために,ユタ郡からセントジョージまで大変な旅をしました。……当時,片道だけでも数日かけてでこぼこ道を旅して行くのは長くまた困難なことでした。

    多くの人が,結婚するために遠いセントジョージまで行くようなことはやめたほうがいいと忠告しました。ステーク会長か監督の司式によって結婚して,ソルトレーク神殿が完成したら,妻と子供たちと一緒に神殿に入って妻と結び固めを受け,そして子供たちと永遠に結び固められればいいではないかとさとしてくれたのです。

    なぜ彼らの忠告に従わなかったかと言えば,わたしはこの世と永遠にわたって結婚したかったからです。結婚生活を正しく始めたかったからです。後にわたしは,都合のよいと思われるときまで時期を待つのでなく,あの時に神殿で結婚したことを大きな喜びとして感じるようになりました。 ……

    わたしはあるステークの大会に出席しました。同行していたわたしの娘が話の責任を受けて,……このように言いました。『わたしは正しく生まれたこと,聖約のもとで生まれ,主の神殿で正しく結婚し結び固めを受けた両親のもとに生まれたことを主に感謝しています。』

    わたしの目には涙があふれてきました。彼女の母親はソルトレーク神殿が完成する前に亡くなってしまったからです。わたしは結婚するためにセントジョージまで行かないように説得しようとした友人たちの言葉に従わなかったことを感謝しました。わたしは結婚生活を正しく出発しなければならないという霊感を受け,そのように決心したことを心から感謝しています。」(Gospel StandardsG・ホーマー・ダラム編,[Salt Lake City: Improvement Era, 1941],359-60)

  6. 子供たちに信仰箇条第13条を暗記させる。この聖文が純潔の律法とどのような関係があるかを話し合う。

  7. 「このからだは神の宮」(『子供の歌集』73),「家族は永遠に」(『子供の歌集』98),「神殿に行きたいな」(『子供の歌集』99),「おそれずぎをなせ」(『子供の歌集』80)または「主の計画にしたがう」(『子供の歌集』86)のうち1曲かそれ以上を歌うか,歌詞を読む。

まとめ

あかし

純潔の律法に従うことと,神殿に入るためにふさわしく生活することの大切さについて証する。子供たちが神殿に入るにふさわしい状態を続けるならば,真の幸福を見出し,日の栄えの王国の最高の階級で天父とイエス・キリストと家族とともに永遠に住めることを伝える。

読書課題

本課の復習のため,家庭で教義と聖約131:1-4132:15-21を研究するよう,子供たちに提案する。

家族との分かち合いの提案

子供たちが,物語,質問,活動,家庭学習の提案などのレッスンの一部を家族と分かち合うように励ます。読書課題を家族で一緒に読んでもいい。

一人の子供に閉会の祈りをさせる。