初等協会テキストと分かち合いの時間
第36課 信仰箇条を記すジョセフ・スミス


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信仰箇条を記すジョセフ・スミス

目的

信仰箇条を理解し,暗唱しようという子供たちの望みを強める。

準備

  1. 高価な真珠の最後の部分にある「信仰箇条」と本課の歴史記事を祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し,聖文と歴史記事を子供たちにどう教えるか決める(本書「レッスンの準備」ⅵ-ⅶ,「聖文と歴史記事に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。

  2. 子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。

  3. 教材

    1. 高価な真珠(人数分)

    2. 『信仰箇条のポスター』(64370 300)を集会所付属図書館などから入手する。

レッスン

一人の子供に開会の祈りをさせる。

導入

  • 学校の算数の時間,今どんなことを習っていますか。

子供たちが答えたら,以下の算数の問題を黒板に書く。

a2 + b2 = 25

  • どうしてこの問題は皆さんにとって難しく見えるのでしょう。

  • 算数の問題を解けるようになる前,最初に何を学ぶ必要がありますか。

算数の問題の解き方を学ぶ前に,子供たちは基本的な算数の原則を学ぶ必要があることを説明する。同様に,福音を学び理解するには,わたしたちはまず福音の基本原則を学ばなければならない。

以下のことを説明する。ジョセフ・スミスは,末日聖徒イエス・キリスト教会の原則と信条の幾つかを簡潔にまとめた13の声明文を記した。教会員をはじめ,教会について学んでいる人々は,これらの声明文を研究することにより,教会の基本的信条を理解し,覚える助けとすることができる。

  • これらの13の声明文はなんと呼ばれていますか。(信仰箇条)

「導入」の代替活動

黒板に以下の文字を書く。

いにさしごろなはくじじじ

  • この次に来る文字は何だと思いますか。

子供たちがいくつかのアイデアを出した後,この文字列は「いち」「に」「さん」などの言葉の最初のひらがなを「じゅうに」まで並べたものである。したがって,この文字列の次に来る文字は,「じゅうさん」の「じ」である。

以下のことを説明する。ジョセフ・スミスは,末日聖徒イエス・キリスト教会の原則と信条のいくつかを簡潔にまとめた13の声明文を記した。教会員をはじめ,教会について学んでいる人々は,これらの声明文を研究することにより,教会の基本的信条を理解し,覚える助けとすることができる。

  • これらの13の声明文はなんと呼ばれていますか。(信仰箇条)

聖文と歴史記事

子供たちにジョセフ・スミスの記した『ウェントワース書簡』について教える。この中には,以下の歴史記事に述べられているように,信仰箇条が含まれている。次に『信仰箇条のポスター』を見せ,信仰箇条に説明されている,末日聖徒の教義のいくつかについて子供たちとともに話し合う。

1842年,ジョージ・バーストーという男性が,ニューハンプシャー州の歴史を記していた。彼はその記録にニューハンプシャー州に住む当教会の会員たちについての章を収めたいと思った。バーストー氏は教会についてあまり知らなかった。そして,末日聖徒がどんなことを信じているのか知りたくなった。当時,教会本部はイリノイ州ノーブーにあったので,バーストー氏は,イリノイ州シカゴの新聞社で編集者をしていた友人のジョン・ウェントワースと連絡を取った。

ウェントワース氏はジョセフ・スミスに末日聖徒イエス・キリスト教会の信条と歴史について尋ねた。預言者は後にウェントワース書簡として知られるようになる手紙を,返事として出した。その中でジョセフは,最初の示現といかにして金版を手にして翻訳したかを告げた。さらに,教会の組織と聖徒たちの受けた迫害,たどってきた歴史も記した。この重要な手紙の最後の部分で預言者は,教会の基本的な信条のいくつかを列挙した。このリストが信仰箇条として知られるようになったのである。

ジョセフ・スミスは,教会員でない人々が末日聖徒イエス・キリスト教会とほかの教会との違いを理解できるように信仰箇条を書いた。信仰箇条には教会のすべての教えと信条が含まれているわけではないが,教会の最も重要な信条のいくつかが説明されている。それらは,信仰と理解,福音へのあかしを築くのに役立ち,人々に福音を分かち合うためのすばらしい基盤ともなっている。

結局,信仰箇条はバーストー氏のニューハンプシャー史にも,ウェントワース氏の新聞にも掲載されることはなかった。しかし,それらは教会の新聞紙上で,1842年に掲載された。そして,1880年10月の総大会の席上,教会員たちは右手の挙手により,全会一致で信仰箇条を聖文の一部として受け入れたのである。それらは現在,高価な真珠の中に聖文として収められている。

話し合いと応用のための質問

レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問を,採り上げる。教室で子供たちと一緒に聖句を読み話し合えば,聖文に対する子供たち一人一人の理解力を深めるのに役立つ。

  • 信仰箇条とはどういうものですか。ジョセフ・スミスはなぜそれらを記したのでしょう。

  • 教会員にとって信仰箇条に親しむのはなぜ重要なのでしょうか。信仰箇条は,わたしたちが福音を理解し,それに従ううえでどのように役立ちますか(「レッスンを豊かにする活動」の1を参照)。

  • 信仰箇条を覚えることは,どうして役に立つのでしょう(子供たちと一緒に信仰箇条を一つ以上復習するとよい)。

  • 信仰箇条について知ることは,人々に福音を分かち合ううえでどのように役に立ちますか(「レッスンを豊かにする活動」の4を参照)。これまで教会員でない人に信仰箇条について紹介したことはありますか。もしあれば,どんな経験でもよいので話させる。

レッスンを豊かにする活動

以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。

  1. レッスンの前に,以下の文をそれぞれ別の紙に書いておく。

    1. わたしは神会を構成するのはどなたか知っています。

    2. わたしには自分の行いに対して責任があります。

    3. わたしは神の子供たちに対する天父の計画を理解しています。

    4. わたしは福音の第一の原則と儀式に従うことにより,天父のみもとに帰ることができます。

    5. わたしは教会の指導者が神権の権能を通して神により召されていることを知っています。

    6. わたしは,末日聖徒イエス・キリスト教会はイエス・キリストが地上におられたときに組織されたのと同じ教会であることを知っています。

    7. わたしは聖霊を通して多くの賜物と祝福を受けることができます。

    8. わたしは聖文は神の言葉であることを知っています。

    9. わたしは啓示が神によりもたらされることを知っています。

    10. わたしはイエス・キリストが再び来られることを知っています。

    11. わたしは自由に神を礼拝することができます。

    12. わたしは国の法律に従わなければなりません。

    13. わたしは,福音に従うのに役立ち,幸福につながるよい特質を伸ばすことができます。

    大きな紙か黒板に,「あかしへの道」と書く。このタイトルの下に,証と書かれた到着地点につながっていて,13の標識のある道を描く。子供たちに,信仰箇条は福音を理解し,証を強めるのに役立つことを説明する。

    一人の子供に,立って,信仰第1条を聖典から読むか,暗唱するように言う。続いて準備した文の1を読ませる。その信仰箇条の意味を簡単に話し合った後,その紙を最初の標識のそばに置かせる。そのほかの信仰箇条とそれに対応する文についても順番に同様のことを行う。子供たち全員に少なくとも一度順番が回り,すべての信仰箇条とそれに対応する文が読まれるまで続ける。証を強めるうえで信仰箇条がどれほど役立つか,子供たちと話し合う。

  2. 本課の最後にある「信仰箇条のかぎの言葉」を子供の人数分コピーして配るか,黒板に1から13までの数字と対応する鍵の言葉を書く。それぞれの鍵の言葉が,関連する信仰箇条を記憶するのにどのように役立つか子供たちと話し合う。信仰箇条を暗唱するのに用いることのできるほかの方法を,子供たちに提案させる(「子供たちが聖句を覚えるのを助ける」ⅹⅰ参照)。

  3. 組み合わせゲームをして,子供たちが各信仰箇条の主題を覚えられるようにする。1から13までの数字を別々のカードまたは紙片に書き,本課の最後にある配付資料上に記された鍵の言葉を一つずつ書く。次にカードを混ぜ,テーブルか床の上に伏せて碁盤目状に並べる。子供たちに順番に2枚ずつカードをめくらせ,鍵となる言葉とそれに対応する信仰箇条の番号を合わさせる。

  4. トーマス・S・モンソン副管長が語った以下の話を教師自身の言葉で話す。

    ある男性がバスで合衆国を横断してカリフォルニアまで旅していました。バスがソルトレーク・シティーで停車したとき,幼い女の子が乗り込んで来て,その男性の隣りに座りました。二人は話し始めました。彼は女の子に,「君,モルモンかい」と尋ねました。彼女が「はい,そうです」と答えると,男性は,「モルモンってどんなことを信じているの」と聞いてきました。女の子は信仰箇条第1条を暗唱し,その意味を男性に説明しました。続いて残りの信仰箇条もすべて暗唱し,説明しました。男性は女の子の深い知識にとても感動しました。そして,女の子がバスを降りてからも彼は彼女が語ったことについて考え続けました。彼はカリフォルニアに着くと,最寄りの伝道部長に連絡を取りました。伝道部長はその男性に福音を教えるために宣教師を送りました。最終的に,彼の家族全員がバプテスマを受けました。これも,あの幼い女の子が信仰箇条をよく理解し,紹介してくれたおかげなのです(“Primary Days,” Ensign1994年4月号,67-68)。

  5. 『信仰箇条のカード』(33240 300。教会配送センターを通じて購入できる)を入手する(できれば,生徒の人数分購入するとよい)。初等協会会長の承認を得た後,宣教師または帰還宣教師を招き,信仰箇条を分かち合うことで得られた経験について話してもらうとよい。

  6. 子供たちを床の上に丸く座らせる。円の真ん中にペットボトル(またはそれに類似した,回して人を指し示せる物)を置く。信仰箇条の番号を声に出して言い,ボトルを回す。ボトルの回転が止まったら,ボトルの先が指し示した子供に,前述の番号に当たる信仰箇条の主題またはそれに関連する鍵となる言葉を言わせる。その子供が主題を思い出せなかったら,その子供の右に座っている子供に答えさせる。次に主題または鍵となる言葉を言った子供に別の信仰箇条の番号を言わせ,ボトルを回転させる。すべての信仰箇条が少なくとも一度用いられるまでゲームを続ける。クラスの子供たちが信仰箇条を覚えている場合は,ただ主題の言葉を言わせる代わりに,信仰箇条全体を暗唱させるとよい。

    代替活動-大きな紙に線を引いて13に区分する。1区分ずつに数字を一つずつ1から13まで書いていく。その紙を床に置き,一人の子供にボタンや小石などの小さな物を紙の上に投げさせる。次に,ボタンが落ちた区分の番号に対応する信仰箇条の主題を言うか,暗唱させる。少なくとも,全員に一度順番が回るまで繰り返す。

  7. 子供たちに信仰箇条のいずれかを暗唱させる(子供たちが暗唱しやすいように,『信仰箇条のポスター』を用いるとよい)。

まとめ

あかし

信仰箇条が与えられているおかげで,教会の基本的な信条の幾つかを理解し,心に留められることへの感謝を伝える。これまでに信仰箇条が役立った経験や,自分にとって大切なものとなった経験を分かち合う。

読書課題

本課の復習のため,家庭で高価な真珠に収められた信仰箇条を研究するよう,子供たちに提案する。

家族との分かち合いの提案

子供たちが,物語,質問,活動,家庭学習の提案などのレッスンの一部を家族と分かち合うように励ます。読書課題を家族で一緒に読んでもいい。

一人の子供に閉会の祈りをさせる。

信仰箇条のかぎとなる言葉

1

神会

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Heavenly Father and Jesus Christ

2

アダム

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Adam and Eve

3

あがない

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Christ praying

4

第一の原則

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four steps

5

あんしゅ

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laying on of hands

6

組織

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Christ ordaining Apostles

7

たまもの

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blessing sick

8

神の言葉

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books

9

啓示

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angel Moroni and Joseph Smith

10

十部族

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missionaries

11

礼拝

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meetinghouse

12

法律

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flags

13

称賛に値すること

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