「イエス・キリストの降誕」『福音の原則』(2023年)
福音学習ガイド
イエス・キリストの降誕
「ひとりのみどりごがわれわれのために生れた,ひとりの男の子がわれわれに与えられた」
毎年クリスマスの季節を迎えると,人々はイエスの誕生を祝います。そのことはわたしたちに,主の降誕の物語が実際にどれほど重要なものであるかを思い起こさせてくれます。イエスの誕生について詳しい次第は分かってはいないものの,奇跡的なしるしや不思議があり,神の御子が地上に来られたと証する人々がいたことを,わたしたちは知っています。この神聖な出来事について学ぼうと努めるとき,イエス・キリストに対する感謝の念と愛が深まることでしょう。
セクション1
古代の預言からイエス・キリストの降誕について学ぶ
アダムの時代以来,どの預言者も,イエス・キリストについて証し,メシヤがおいでになってすべての人類のために救いと永遠の命を得るのを可能にしてくださる時を,大きな期待をもって待ち望んでいました。「エノクは,人の子がまことに肉体を取って来られる日を見」ました。そして「心から喜〔び〕」(モーセ7:47)ました。イザヤは,「ひとりのみどりごがわれわれのために生れた,ひとりの男の子がわれわれに与えられた」(イザヤ9:6)と預言しました。ニーファイはマリヤと約束されたメシヤの降誕についての示現を見ました(1ニーファイ11:13-23参照)。アビナダイは,「神御自身が人の子らの中に降って来て,御自分の民を贖われる」(モーサヤ15:1)と証しました。主の降誕に関する預言と教えを研究するとき,父なる神にとってその御子イエス・キリストを地上に送ることがいかに欠かせない重要なことであったか分かり始めるでしょう。
考えてみましょう
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モルモン書の民には大いなるしるしと不思議によってイエス・キリストの降誕が知らされると,預言者たちは証しました。ヒラマン14:1-9と3ニーファイ1:4-22を読んでください。なぜこれほど大勢の人々が,預言者たちのメッセージを信じることを拒んだのでしょうか。イエス・キリストが今日も生きておられて,神のすべての子供たちに愛のうちに手を差し伸べておられることについて,あなたはどのような証拠を得ていますか。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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ビデオ「なぜ救い主が必要なのでしょう」(2:15)を観て,次の質問について話し合います。「救い主がおられなかったなら人生はどのようなものになるでしょうか。」イエスの降誕の知らせが世に大きな喜びと平安をもたらし続けている理由について話し合うのもよいでしょう。
さらに学ぶ
セクション2
救い主がお生まれになったことを証した証人たち
イエス・キリストの降誕は歴史上最も重要な出来事の一つであったため,神は,その出来事が起こる前と後の両方で,降誕について証する多くの証人を備えられました。これらの証人の中には,天使ガブリエル(ルカ1:26-33),マリヤ(ルカ1:46-49),マリヤのいとこのエリサベツ(ルカ1:41-45),羊飼いたち(ルカ2:16-17),シメオン(ルカ2:25-33),アンナ(ルカ2:36-38),東方からの博士たち(マタイ2:1-2,9-11)がいます。
考えてみましょう
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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「幼子キリスト—降誕の物語」(17:56)を皆で一緒に観ます。そして次の質問について話し合います。「わたしたちの救いのために用意された神の計画の中でこの意義深い出来事が果たす役割について考えるとき,イエス・キリストの降誕についてどのように感じますか。」子供と一緒に学んでいる場合は,ビデオの中の好きなシーンを絵に描いてもらいます。イエス・キリストの降誕について,思うことを話すように勧めましょう。
さらに学ぶ
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ディーター・F・ウークトドルフ「Seeing Christmas through New Eyes(新たな目でクリスマスを見る)」(大管長会クリスマス・ディボーショナル,2010年12月5日)「福音ライブラリー」
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ボニー・L・オスカーソン「Christmas Is Christlike Love(クリスマスとはキリストのような愛です)」(大管長会クリスマス・ディボーショナル,2014年12月7日)「福音ライブラリー」;ビデオは以下で視聴できます: ChurchofJesusChrist.org/media
セクション3
イエスの降誕について研究することで主に近づくことができる
エズラ・タフト・ベンソン大管長は次のように説明しています。「任じられた証人たちの証から,イエス・キリストの実父について疑問を挟む余地はまったくありません。神がイエスの肉体という幕屋の御父であられ,死すべき体を持つ女性であるマリヤがイエスの母親だったのです。……イエスはヨセフの息子ではなく,聖霊からお生まれになったのでもありませんでした。イエスは永遠の御父の御子であられるのです。」2
イエス・キリストは「独り子」と呼ばれています。肉における御父の唯一の御子だからです(1ニーファイ11:13-22参照)。主が地上に送られたのは御父の御心を行うため,すなわち全人類の罪を贖うためでした(ヨハネ3:16-17参照)。
考えてみましょう
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神の子供たちを救う神の計画には,どのような動物も人も成し遂げられない「無限にして永遠の犠牲」が必要でした。それは神の御子の犠牲でなければなりませんでした。(アルマ34:9-14参照)神の計画において必要な「無限にして永遠の犠牲」を成し遂げるのを可能としたイエス・キリストの誕生の特徴として,わたしたちはどのようなことを知っているでしょうか。天の御父はイエスが地上における神の独り子となられた過程については明らかにしておられません。わたしたちが知っているのは,聖文の中で語られている事柄だけです。例えば,マタイ1:18-25;ルカ1:26-35;モーサヤ15:1-3;アルマ7:9-10などです。
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ゴードン・B・ヒンクレー大管長は,説教「クリスマスのほんとうの,すばらしい話」の中で次のように述べています。「復活祭がなければクリスマスもありません。ゲツセマネとカルバリで贖いの業を行われたキリストがおられず,勝利の復活の出来事がなければ,ベツレヘムのみどりごイエスはほかの赤ちゃんと何も変わらなかったでしょう。……わたしは皆さん一人一人が,わずか1時間でも,神の御子のこの不思議と威厳について静かに瞑想し,思い巡らす時を過ごしてくださるよう願います。」3ベツレヘムでの出来事をゲツセマネやカルバリでの出来事と結びつけることは,なぜ大切なのでしょうか。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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多くの文化では,贈り物をする習わしとともにキリストの降誕を祝います。ラッセル・M・ネルソン大管長が説教「イエス・キリストが授ける4つの賜物」4の中で強調している賜物の幾つかを振り返ってください。次の質問をします。「あなたの生活を変えたイエス・キリストからの賜物には,どのようなものがありますか。」
さらに学ぶ
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「イエス・キリストは神の独り子」『リアホナ』2010年12月号,14-15
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「わたしはそのために生まれた」(ビデオ)ChurchofJesusChrist.org
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「大きな喜びのおとずれ—イエス・キリストの降誕」(ビデオ)ChurchofJesusChrist.org
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「イエス・キリストの降誕—『大きな喜びを,あなたがたに伝える』」『歴代大管長の教え—ジョセフ・フィールディング・スミス』285-292