2000–2009
わたしはあなたを強くし,あなたを助ける

わたしはあなたを強くし,あなたを助ける

家族を強めるうえで最も大きな助けになるのが,キリストの教義を知り,それに従〔う〕ことです。

数か月前にベック姉妹から,「いろいろな家族との経験を少し交えながら,家族について話してもらえませんか」と頼まれました。わたしは独身で,子供はいません。きっとベック姉妹は,わたしが自分自身の子供のことで失敗したことがないので,家族について話す資格があると思ったのでしょう。自分には失敗した経験がないと言える女性はあまりいないでしょう。

わたしはソーシャルワーカーの仕事を通して,長年にわたり多くの家族と接してきました。ほとんどの家族は,もめ事や難しい問題を抱えていました。肉体的にも情緒的にも子供がひどく傷つけられるような状況を見て,胸が張り裂けそうになったことも何度かあります。親がアルコールや薬物におぼれて,見捨てられたりほうっておかれたりした子供たちも目にしました。里親の援助を受けて育ち,今は愛にあふれる家族の助けや支援もなく,自立して生活する18歳の人たちにも会いました。

ありがたいことに,教会員であるわたしたちの大半には虐待や育児放棄といった問題はありません。しかしどの家族も,病気や死,不従順,経済問題といった,何らかの困難を経験することになります。

これらの問題を前にすると,次のような真剣に考えるべき疑問が心に浮かびます。家族に何が起きているのか。安定した家族と,不安定な家族の違いは何か。家族を助けられる簡単な事柄として何があるだろうか。だれが家族に助けを与えることができるのか。

今日きょうわたしは,これらの疑問に短く触れて,長年の経験から分かったことを幾つか話したいと思います。それらが皆さんの助けになるようにと願っています。

家族に何が起きているのでしょうか

サタンは家族を攻撃しようと躍起になっています。結婚は重要ではない,子供に父親や母親は要らない,堅固な家庭など重要ではないとささやきます。道徳を重んじる姿勢などというのは時代遅れで,ばかげていると告げます。そして,問題が起きると,サタンはわたしたちに,信仰を捨て去り世の道に倣ならうようにとささやくのです。名声や富でそそのかし,どうすれば怠惰に暮らしていけるかを告げます。神への信仰を攻撃し,最も堅固で愛のある家族さえも落胆させようとします。わたしたちがほんの少しでも屈すると,サタンは喜びます。

安定した家族と不安定な家族の違いは何でしょうか

安定した家族は,自分たちが何者であり,どこに行こうとしているのか,何を達成したいのかをよく理解しています。不安定な家族は,自分たちが何者であるかを理解しておらず,計画やよりどころを持たず,方向性を決める価値観や標準という核もありません。

不安定な家族の親の中には,すぐれた価値観を教えられたにもかかわらず,アルコールや麻薬などの中毒を引き起こすものの摂取によって,適切な判断力や,正しい決断力を失ってしまった人々もいます。一方,安定した家族にあって,愛に満ちた両親は,ただ何かをするように言うだけではなく,模範によって教えます。子供とともに行い,どのように成し遂げるべきかを示すのです。

家族を助けられる簡単な事柄として何があるでしょうか

子供がいかに貴い存在かを心に留めてください。彼らは神の霊の子供なのです。わたしはこれまで,どうやって生き延びられたのか想像を絶するような状況にある子供たちを通して,人の魂の回復力が輝きを放つのを見てきました。

愛する姉妹の皆さん,皆さんの子供たちを愛し,養い育ててください。愛していることを伝えてください。腕に抱き締めてください。体を使って適切に愛を伝えるなら,奇跡が起きるでしょう。優しい言葉をかけてください。どのように働くべきかを模範で示してください。祈るように教えてください。ジェームズ・E・ファウスト管長はこう言いました。「一緒に祈ることにより,家族に対して親近感を抱くことができます。幼い子供は両親や年上のきょうだいが祈るのを聞いて祈る方法を学びます。……個人と家族の幸福にとって個人の祈りと家族の祈りはなくてはならないものです。」1

子供たちに聖文を読んで聞かせてあげてください。聖文が生涯にわたって導いてくれることを学べるように助けてください。ともに家庭の夕べを開いてください。家族とともに過ごす時間が皆さんにとってとても大切であることを子供たちに伝えてください。

一般的に子供は両親や,両親の犯す過ちに対して非常に寛容です。大人よりもずっと早く赦ゆるし,忘れ,前に進むことができます。後ろめたく思わないでください。過ちを犯したときは謝りましょう。子供に赦しを請うのです。改めるべき事柄は改め,前に進みましょう。

子供を育てるには,様々な面で忍耐が求められることを忘れないでください。子供はとても貴い存在である一方で,時には皆さんを怒らせたり,いらいらさせたり,いたずらをしたりすることもあります。そのようなときに,後で後悔するような言動を慎むためには,大変な忍耐と自制心が必要です。深刻な過ちを避けるためには,「一時休止の時間」を取る必要があるでしょう。少しの間部屋を離れるのは,自制心を取り戻すのにとても役立ちます。

「家族──世界への宣言」2 の中で与えられている勧告ほど,すばらしいアドバイスはありません。ぜひ読んで研究し,家族の標準として取り入れてください。家庭の夕べのレッスンで何度も採り上げ,家族はどのように機能するべきかについて,家族全員がよく理解できるようにしてください。

だれが家族に助けを与えることができるでしょうか

子供を教え,家族を強める第一の責任は,明らかに両親にあります。しかし,ほかにも多くの人が助けることができます。例えば,わたしにはすばらしい両親がいますが,二人だけでわたしを育てたわけではありません。

ゴードン・B・ヒンクレー大管長が,1995年9月に開かれた中央扶助協会集会において,家族への宣言を最初に発表したとき,わたしはタバナクルにいました。すばらしい集会でした。メッセージの重要性を実感しました。また,そのときこのように考えました。「これは親に対するすばらしい導きであると同時に,大きな責任でもある」と。また,自分は結婚していないし,子供もいないから,自分にあまり関係がないと,一瞬考えました。しかし,すぐに考え直して「でもやはり自分にも関係がある。わたしは家族の一員だ。娘であり,姉であり,おばであり,いとこであり,めいであり,孫娘なのだ。わたしにも責任があり,祝福もある。なぜなら,わたしも家族の一員なのだから。たとえ家族の中で生きているのがわたしだけだとしても,それでも神の家族の一員であり,ほかの家族を強めるのを助ける責任がある」と考えました。

ロバート・D・ヘイルズ長老はこのように言いました。「家族を強めることは,わたしたち両親や子供,親族や指導者,教師,個々の教会員にとって,神聖な義務です。」3

扶助協会の姉妹として,わたしたちは家族を強めるために助け合うことができます。様々な分野で奉仕する機会を得ています。わたしたちが提供できるものをちょうど必要としている子供や若人に,絶えず接する機会があります。年配の姉妹の皆さんは,多くの良いアドバイスや経験談を若い母親たちに伝えられるでしょう。若い女性の指導者や初等協会の教師の言動が,親の教えようとしていることを強調するうえでまさに必要なことであったりもします。また,友人や隣人に助けの手を差し伸べるのに,特別な召しは必要ありません。

家族を強めるうえで最も大きな助けになるのが,キリストの教義を知り,それに従い,主に頼って助けを求めることです。わたしは問題を抱える家族を助ける中で,彼らが救い主について知っていたら,また彼らが子供たちにイエス・キリストの教義を教えることができたらどんなによいだろうと思ったことが何度もありました。

「見よ,この御方は数々の試練に耐え,肉体の苦痛や飢え,渇き,疲労に耐えられるが,それは,人にとっては死ぬ以外に耐えようのないものである。」4

キリストは,すべてを身に受け,わたしたちの想像を超えた苦しみをお受けになりました。わたしたちの思いを御存じであり,理解してくださっています。そして,助けてくださいます。

聖典は,キリストがこれまでどのように助けてくださり,これからどのように助けてくださるかについて,数々の例で満ちています。わたしの好きな聖句を幾つか分かち合いましょう。

「すべて重荷を負うて苦労している者は,わたしのもとに来な5

「神に頼る者はだれであろうと,試練や災難や苦難の中にあって支えられ,また終わりの日に高く上げられるということをわたしは知っているからである。」6

「あなたは謙遜けんそんでありなさい。そうすれば,主なるあなたの神は手を引いてあなたを導き,あなたの祈りに答えを与えるであろう。」7

「〔あなたは〕尋ねる度に,わたしの御霊みたまからの教えを受けてきたからである。」8

「神の戒めを忠実かつ熱心に守りなさい。そうすれば,わたしはあなたをわたしの愛の腕の中に抱くであろう。」9

ヒンクレー大管長は次のように言いました。「家族を絶対にないがしろにしないでください。家族ほど大切なものはありません。……結局のところ,後の世に持って行くことができるのは,この家族関係なのです。」10

救い主の偉大な愛を覚えてください。主はイザヤ書第41章10節でこう言われました。「恐れてはならない,わたしはあなたと共にいる。驚いてはならない,わたしはあなたの神である。わたしはあなたを強くし,あなたを助け……る。」そして,再び13節で,「わたしはあなたを助ける」と言われ,そしてもう一度 14節で「わたしはあなたを助ける」と繰り返されました。

救い主を信じてください。主はわたしたちを助けてくださいます。主はわたしたちを愛し,わたしたちが幸せであるように願っておられます。

わたしたちの主,救い主は生きておられることを証します。主がわたしたちを助けてくださることを証します。主はわたしを何度も助けてくださいました。そして皆さんを助けてくださいます。このことを知っています。イエス・キリストの御名みなによって,アーメン。