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第29章:主の健康の律法


第29章

主の健康の律法

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A young girl eating an apple.

わたしたちの肉体は神の宮である

この世に来るときに受けた最大の祝福の一つは,肉体です。天の御父のようになるためには肉体が必要です。肉体は非常に大切であるため,主はそれを神殿すなわち神の宮と呼ばれました(1コリント3:16-176:19-20参照)。わたしたちの肉体は神聖です。

肉体は大切なものであるため,天の御父は,肉体を大事に扱うように望んでおられます。御父は,わたしたちが健康であれば,より幸福になり進歩できることを御存じです。体と思いが清ければ,聖霊がとどまるのです。御父は,わたしたちが肉体を無分別に扱い,有害なものを取り入れるよう誘惑に遭うことを御存じです。このような理由から,御父は人間の健康に良いものと悪いものを示されました。健康に関して神が与えられた教えの多くは,教義と聖約第89章に記されています。この啓示は「知恵の言葉」と呼ばれています。

神殿に参入するためにふさわしくなるには,「知恵の言葉」を守らなければなりません。「知恵の言葉」に従わなければ,主のたまはわたしたちに宿りません。もし,「神殿すなわち神の宮」である肉体を汚すならば,自分自身を肉体的にも霊的にも傷つけることになります。

摂取しないように命じられたもの

  • 主はどのようなものを体内に取り入れないように命じておられますか。

主はぶどう酒と強い飲み物すなわちアルコール分を含む飲料を飲まないように命じられました。大管長会は,強い飲み物は家庭に残酷な言動や貧困,病気,災いをもたらすと教えています。また,しばしば不誠実のもととなり,純潔や正しい判断力を失う原因となり,飲むすべての人にとってのろいになると語っています。(“Message of the First Presidency,” Improvement Era1942年11月号,686参照)妊娠中に母親が飲酒をすると,胎児の肉体的あるいは精神的障がいの原因となることがあります。また,アルコール飲料を飲む人が毎年多くの交通事故を引き起こしています。

さらに,主は次のように言われました。「たばこは体のために……なら〔ない〕。」(教義と聖約89:8)たばこは心身に有害です。紙巻きたばこであれ,葉巻であれ,かみたばこであれ,摂取してはなりません。科学者は,たばこが多くの病気の原因となり,胎児に害を及ぼすことがあると発表しています。

主はまた,「熱い飲み物」を用いないように勧告されました(教義と聖約89:9)。教会の指導者は,これがコーヒーと茶を指すと説明しています。コーヒーと茶には人体に有害な成分が含まれています。わたしたちは有害な成分を含むすべての飲料を避けるべきです。

医薬品として必要なとき以外はいかなる薬物も用いるべきではありません。薬物の中にはアルコールやたばこ(これらも薬物である)以上に,はるかに有害なものもあります。薬物を誤った方法で用いている人は,助けを求め,力を求めて祈り,ビショップと話し合うことで完全に悔い改めて清くなる必要があります。

体に害があると分かっているものはすべて避けるべきです。また,くせになるものも用いてはなりません。過食も避けるべきです。知恵の言葉は避けるべきものをすべて教えるのではなく,その指針を与えているのです。これは価値あるこの世的な律法ですが,きわめて霊的な律法でもあります。知恵の言葉を守って生活することにより,霊性は高められます。主の御霊が宿るように体を清く保つのです。

  • 知恵の言葉の中に明言されていなくても避けるべきものにはどのようなものがありますか。

主から教えられている体に良いもの

  • 知恵の言葉によれば,わたしたちに良いものとして,主はどのようなものを挙げておられますか。

果物や野菜,健康に良い草は人のためになります。これらのものは,分別と感謝をもって用いるべきです。

鳥や獣の肉も人の食物として与えられています。しかし,肉は控えめに食べるべきです(教義と聖約49:1889:12参照)。魚類も良い食べ物です。

穀類は体によく,中でも特によいのは小麦です。

  • これらのものを用いることによって,どのような祝福を受けてきましたか。

労働,休息,運動が大切である

  • 労働や休息,運動は,主の健康の律法とどのような関係があるでしょうか。

教義と聖約第89章のほかにも,健康を保つ方法を述べた聖句があり,そうした聖句は次のように教えています。「怠惰であるのをやめなさい。不純であるのをやめなさい。……必要以上に長く眠るのをやめなさい。疲れることのないように,早く床に就きなさい。あなたがたの体と精神が活気づけられるように,早起きをしなさい。」(教義と聖約88:124)さらに次のように教えられています。「六日のあいだ働いてあなたのすべてのわざをせよ。」(出エジプト20:9)主は,自分の力以上に働かないように勧告されました(教義と聖約10:4参照)。

末日の預言者は,体を健康に保つべきであると語り,次のように勧告しています。「栄養のバランスの取れた食事,定期的な運動,適度の睡眠は,日々の聖文の学習と祈りが精神と霊を強めるのと同じように,健康な肉体の維持に欠かせないものです。」(トーマス・S・モンソン「天の力を受けるために」『聖徒の道』1991年1月号,52)

主の健康の律法に従って生活することにより得られる祝福

  • 知恵の言葉に従うとき,どのような祝福がもたらされるでしょうか。

天の御父は,わたしたちに体を大切にする方法を教えるために健康の律法を授けられました。神の律法について聖文には次のように記されています。「わたしが……与えたのは,現世の戒めではない。わたしの戒めは霊にかかわるものだからである。」(教義と聖約29:35)その意味は,肉体の状態にかかわる戒めは霊を高めるためにある,ということです。

主の健康の律法を守り,ほかの戒めにも従うならば,主は肉体的にも霊的にも祝福を与えると約束されました。

肉体的には健康が約束されています。この健康のおかげで,「走っても疲れることがなく,歩いても弱ることはない。」(教義と聖約89:20)これは大いなる祝福ですが,主が約束された霊的な祝福は実にそれ以上のものです。

主は「知恵と,知識の大いなる宝,すなわち隠された宝さえ見いだすであろう」と約束されました(教義と聖約89:19)。また,わたしたちは啓示により聖霊から重要な真理を学びます。ボイド・K・パッカー会長は次のように教えています。「わたしたちの肉体は,霊がつかさどる道具です。『知恵の言葉』というすばらしい啓示の中で,肉体を汚れから守る方法が教えられています。この汚れは,霊的な交わりにかかわる繊細な感覚を鈍らせ,破壊することさえあるのです。知恵の言葉は,個人の啓示のかぎです。」(「変化する世における啓示」『聖徒の道』1990年1月号,14)

主はまた,滅ぼす天使はわたしたちを過ぎ越すと約束しておられます。ヒーバー・J・グラント大管長はこう述べています。「あなたやわたしが命,健康,心身の活力を頂く祝福を望み,イスラエルの子らの時代のように,滅ぼす天使が過ぎ越して行くことを望むならば,『知恵の言葉』を守らなければなりません。そうすれば,神は義務を負ってくださり,わたしたちに祝福がもたらされるのです。」(『歴代大管長の教え-ヒーバー・J・グラント』192)

  • 知恵の言葉が永遠にかかわる重要なものであることを子供や青少年が理解できるよう,どのような助けができるでしょうか。

  • 知恵の言葉を守るのが難しい家族や友人を助けるために,どのようなことができるでしょうか。

参照聖句