本とレッスン
第25章:断食


第25章

断食

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A Fijian man in an outdoor setting. He is holding a copy of the scriptures and has his eyes closed in prayer.

正しい断食の方法

  • 断食を喜ばしい経験とするにはどうしたらよいでしょうか。

アダムの時代から,神の民は神に近づき礼拝するために,断食してきました。イエスは御自身の模範によって断食の重要性を示されました(ルカ4:1-4参照)。末日の啓示を通して,主がその民に現在も度々断食して祈るように望んでおられることが分かります(教義と聖約88:76参照)。

断食とは食べ物と飲み物を取らないことを言います。時々断食することは体に良く,精神をいきいきとさせるのに役立ちます。

救い主は,目的をもった断食は,ただ食べ物や飲み物を断つこと以上に意味があると教えられました。断食するときは,霊的な事柄に思いを集中しなければなりません。

祈りをもって断食する

祈りは断食に欠かせない要素です。聖文のどこを見ても,祈りと断食は一緒に記されています。断食は心からの祈りをもって行い,祈りにより始め,祈りにより終えるべきです。

目的をもって断食する

断食は様々な目的で行われます。断食と祈りにより,弱点や問題を克服することができます。家族が病気で祝福を必要とする場合のように,時々ほかの人のために助けと導きを求めて断食して祈ることもできます(モーサヤ27:22-23参照)。また断食を通して,モルモン書の預言者アルマのように,物事の真理を知るようになります。アルマは次のように述べています。「わたしは自分でこれらのことを知ることができるように,幾日もの間,断食をして祈ってきた。そして,これらのことが真実であるのを,わたしは今,自分自身で知っている。主なる神が神の聖なるたまによってこれらのことをわたしに明らかにされたからである。」(アルマ5:46

ほかの人が真理を受け入れられるように断食することができます。悲しみや嘆きにあるときの断食は,慰めを与えてくれます(アルマ28:4-6参照)。断食によって謙遜けんそんになり,天の御父をもっと近くに感じることができます(ヒラマン3:35参照)。

人に見せるために断食してはなりません。主は次のように勧告しておられます。

「また断食をする時には,偽善者がするように,陰気な顔つきをするな。彼らは断食をしていることを人に見せようとして,自分の顔を見苦しくするのである。

よく言っておくが,彼らはその報いを受けてしまっている。

あなたがたは断食をする時には,自分の頭に油を塗り,顔を洗いなさい。それは断食をしていることが人に知れない……ためである。」(マタイ6:16-18

断食するときは明るい表情をし,断食していることが知られないようにすべきです。

  • 断食を通して得る経験は,わたしたちの態度によってどのように変わってくるでしょうか。

断食日

末日聖徒は月に1回,日曜日に断食します。この日には続けて2食抜き,食べ物と飲み物を口にしません。土曜日の夕食を取ったとすれば,日曜日の夕食まで飲食を断つのです。

肉体的に断食できる状態にあるすべての会員は,断食すべきです。子供にはバプテスマを受けたら断食するように勧めるべきです。しかし決して無理強いしてはなりません。断食日は,断食と祈りを通して主の前にへりくだる特別な日です。罪のゆるしと,弱点を克服する力を祈り求め,人を赦す日です。

教会員は断食日曜日に集まってせいさんを受けます。そして,だんじきあかしかいで証を述べることにより自らを強め,互いをも強め合います。

  • 断食証会で証を述べることでどのような恵みを得てきましたか。人の証を聞くことによって,どのような恵みを得てきましたか。

断食献金

  • なぜ断食献金をささげるのでしょうか。

毎月断食するわたしたちに,困っている人を助けるよう主は求めておられます。その方法の一つが,断食した2食分に相当する現金をしかるべき神権役員を通して差し出すことです。これは可能なかぎり惜しみなく差し出す必要があります。断食献金をささげることにより,わたしたちは主の協力者となり,恵まれない兄弟姉妹の必要を満たす助けをするのです。

断食は祝福をもたらす

  • 正しい方法で断食するとき,どのような祝福を受けることができるでしょうか。

旧約聖書の預言者イザヤは,断食して乏しい者を助ける人々に主は豊かな約束を与えられる,と記しています。わたしたちは平安と,いっそうの健康と,霊的な導きを約束されています。イザヤは,断食するときに得られる祝福について次のように語っています。「そうすれば,あなたの光があかつきのようにあらわれ出て,あなたは,すみやかにいやされ,あなたの義はあなたの前に行き,主の栄光はあなたのしんがりとなる。また,あなたが呼ぶとき,主は答えられ,あなたが叫ぶとき,『わたしはここにおる』と言われる。」(イザヤ58:8-9

断食は生活を向上させ,活力を増し加えてくれます。断食はわたしたちをさらに主に近づけてくれるので,福音のほかの原則に従ううえでも助けになります。

断食により自制心を学ぶ

断食によって人格の強さが増します。正しい方法で断食することにより,食欲や激情を抑制できるようになります。自制心を備えていることを自らに身をもって示すことにより,少し強くなることができます。子供に断食することを教えるならば,彼らは将来直面するさらに強力な誘惑にも屈することのない霊的な力を身に付けるでしょう。

断食によって霊的な力を得る

分別と祈りをもって断食をするときに,信仰がはぐくまれ,その信仰からさらに霊的な力が生まれます。例えば,アルマ(モルモン書の預言者)は奇跡的な改宗をして長い年月を経てからモーサヤの息子たちに再会したことを語っています。アルマは友人たちが信仰を強め,驚くほど霊的な力を身に付けているのを知って,非常な喜びを感じました。モーサヤの息子たちがこの力を得た理由が次のように記されています。「彼らはしばしば祈り,また断食もしたので,預言の霊と啓示の霊を受けていた。」(アルマ17:3

モーサヤの息子たちは14年間レーマン人に福音をべ伝えていました。断食と祈りを行ったので,主のたまが彼らの言葉の力を強めたのです。こうして,モーサヤの息子たちは伝道活動で大成功を収めることができました(アルマ17:4参照)。

救い主は正しい方法により断食をする人々に,次のように言われました。「隠れた事を見ておられるあなたの父は,報いて下さるであろう。」(マタイ6:18

  • 断食によって,誘惑に抵抗する霊的な力がどのように増すでしょうか。啓示を受ける力や,義を行う力がどのように増すでしょうか。

参照聖句