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第17章:現在のイエス・キリストの教会


第17章

現在のイエス・キリストの教会

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Painting of a young boy kneeling looking up at a grove of trees. At the center of the painting is a young boy (age 14) kneeling. His hands are resting on his thighs and he looks up at a light source above his head. The boy wears grey trousers (with suspenders) and grey vest and an off-white shirt. The shirt has a collar and two button placket at the front and the sleeves are rolled. The young boy had blond hair that is slightly rumpled. The background his a grove of trees, almost all with no leaves. There are some low saplings immediately behind the boy. The foreground has rocks, twings and small plants sprouting. "Walter Rane 04" appears in the lower right corner in red.

イエス・キリストの教会は地上から取り去られた

  • 救い主の死と復活から間もなく,イエス・キリストの教会が地上から取り去られたのはなぜでしょうか。

イエスはこの世におられたとき,唯一まことの主の教会を設けられました。主が教会を組織されたのは,すべての人が福音の真理を学び,権能により福音の儀式を正しく受けられるようにするためでした。この組織を通して,キリストは人類に救いの祝福をもたらすことがおできになります。

救い主の昇天後,イエスが使徒たちとともに確立された儀式と教義を,人は変えてしまいました。背教のために,神の直接の啓示はなくなり,まことの教会は地上から姿を消しました。人は様々な教会を組織し,自分の教会こそ正しいと主張しましたが,教義は矛盾していました。そのため宗教に関してひどい混乱と論争がありました。主はこのような背教の状態を予見していてこう言われました。「ききんをこの国に送る日が来る,それはパンのききんではない,水にかわくのでもない,主の言葉を聞くことのききんである。彼らは……主の言葉を求め〔る〕,しかしこれを得ないであろう。」(アモス8:11-12

  • アモス8:11-12で語られているきんはどのように人々に影響を及ぼすでしょうか。

主はまことの教会を回復することを約束された

  • 福音の回復に道を備えた世界の状況にはどのようなものが挙げられるでしょうか。

救い主は末日に主の教会を回復することを約束し,次のように言われました。「わたしはこの民に,再び驚くべきわざを行う,それは不思議な驚くべきわざである。」(イザヤ29:14

人は長い間霊的な暗黒の中で暮らしていました。しかし,キリストの時代からおよそ1,700年たつと,次第に神と宗教について真実を知りたいと願うようになりました。イエスの教えられた福音がすでに世にないことが分かった人もいました。啓示も正しい権能も,キリストの組織された教会もこの世に存在しないことを認めていた人もいました。イエス・キリストの教会が地上に回復される時が到来したのです。

  • 完全な福音の回復は,どのような点で「驚くべき業」なのでしょうか。

神からの新しい啓示

  • ジョセフ・スミスは最初の示現を受け,神について何を学びましたか。

1820年の春,世界史上屈指の重要な出来事が起こりました。主がかねて語られた驚くべき業と不思議がついに始まったのです。少年ジョセフ・スミスは,すべての教会の中でどれがイエス・キリストのまことの教会かを知りたいと願いました。ジョセフは家の近くの森に入って心から熱心に天の御父に祈り,どの教会に加わるべきかを尋ねました。その朝,奇跡が起こりました。天の御父とイエス・キリストがジョセフ・スミスに姿すがたを現されたのです。救い主は,地上にはまことの教会がないため,いずれの教会にも加わってはならないとジョセフに仰せられました。また既存の教会の教義は「〔主〕の目に忌まわしいもの」であると言われました(ジョセフ・スミス-歴史1:197-18,20節も参照)。この出来事に始まって,再び天から直接の啓示が下されるようになりました。主は新しい預言者をすでに選んでおられたのです。このときから天は開かれ,今日こんにちに至るまで主の選ばれた預言者によって啓示が続いています。ジョセフはイエス・キリストのまことの福音を回復するために召された預言者です。

  • 最初の示現が世界の歴史上最も重要な出来事の一つであったのはなぜでしょうか。

回復された神の権能

  • なぜアロン神権とメルキゼデク神権の回復が必要だったのでしょうか。

福音を回復するとともに,神は再び人に神権を授けられました。1829年,バプテスマのヨハネがジョセフ・スミスとオリバー・カウドリにアロン神権を授けるために訪れました(教義と聖約13章27:8参照)。続いて,古代に教会の大管長会を構成したペテロ,ヤコブ,ヨハネが訪れ,同じくジョセフとオリバーにメルキゼデク神権と神の王国のかぎを授けました(教義と聖約27:12-13参照)。その後,モーセ,エライアス,エリヤなどの天の使者により,神権の鍵がさらに回復されました(教義と聖約110:11-16参照)。回復によって神権が再び地上に返されたのです。現在この神権を持つ人々は,バプテスマなどの儀式を執行する権能と,地上における主の王国を指導する権能を有しています。

再び組織されたキリストの教会

  • 再び地上に教会が組織される布石となった出来事に,どのようなものがあるでしょうか。

1830年4月6日,救い主は再び地上に主の教会を組織するよう命じられました(教義と聖約20:1参照)。主の教会は末日聖徒イエス・キリスト教会と呼ばれています(教義と聖約115:4参照)。古代の教会におけると同じように,今日もキリストが教会のかしらです。主はこの教会のことを,「全地の面に唯一まことの生ける教会……主なるわたしはこれを心から喜んでいる」と言われました(教義と聖約1:30)。

ジョセフ・スミスは預言者および教会の「第一の長老」として支持されました(教義と聖約20:2-4参照)。後に大管長会が組織され,ジョセフは大管長として支持されました。組織された当初,教会はまだ枠組みだけでしたが,発展するにつれて,組織も拡張していきました。

教会は古代の教会にあったと同じ職により組織されました。古代の組織には,使徒,預言者,七十人,伝道者(祝福師),牧者(管理役員),大祭司,長老,ビショップ,祭司,教師,執事がおり,これと同じ職が現在主の教会にあります(信仰箇条1:6参照)。

教会は主の指示の下に働く預言者により導かれています。預言者は教会の大管長でもあり,地上における主の業を指導するために必要なすべての権能を保有しています(教義と聖約107:65,91参照)。大管長を補佐する二人の顧問がいます。イエス・キリストの名の特別な証人として,全世界に福音を教え,教会の諸事をつかさどる十二使徒がいます。そのほか特定の責任を持つ中央役員として,大管長会と十二使徒の指示の下で奉仕する管理ビショップリック,七十人定員会があります。

神権の職には,使徒,七十人,祝福師,大祭司,ビショップ,長老,祭司,教師,執事があり,初期の教会に存在したのと同じです。

現在の教会はイエスの時代に比べてはるかに発展しています。発展に伴い,主は教会内に新たなユニットを組織するよう啓示をお与えになりました。教会が完全に組織された地域では,「ステーク」と呼ばれる区分が設けられます。各ステークはステーク会長と二人の顧問が管理します。ステーク内で主の業を援助する12人の高等評議員がいます。ステーク会長の指示の下にメルキゼデク神権定員会がステークに組織されます(本書第14章参照)。各ステークは「ワード」と呼ばれる小地域に分けられ,ビショップと二人の顧問が各ワードを管理します。

教会が発展途上にある地域には地方部が置かれます。これはステークのようなものです。地方部は支部というさらに小さな単位に分割されます。これはワードのようなものです。

重要な真理が回復された

  • どのような重要な真理が,教会の回復に伴って再びもたらされたでしょうか。

今日の教会は,イエスの時代と同じ原則を教え,同じ儀式を執行しています。福音の第一の原則と儀式とは,主イエス・キリストを信じる信仰,悔い改め,水に沈めるバプテスマ,聖霊のたまものを授けるための按手あんしゅです(信仰箇条1:4参照)。この貴い真理は,教会が回復されたときに完全な状態で再び世にもたらされました。

ジョセフ・スミスは神の賜物と力によりモルモン書を翻訳しました。この書物には分かりやすく貴い福音の真理が記録されています。そのほかにも多くの啓示が下され,教義と聖約や高価な真珠に聖文として記録されています(本書第10章参照)。

主はほかにも以下のような重要な真理を回復されました。

  1. 天の御父は,触れることのできる完全な骨肉の体を持つ実在の御方である。イエス・キリストも同様である。聖霊は霊の御方である。

  2. 人は神の霊の子供として前世に存在していた。

  3. 神権は福音の儀式を執行するために必要である。

  4. 人は各々の罪に対して罰を受け,アダムの背きに対して罰を受けない。

  5. 子供は責任を負える年齢(8歳)になるまで,バプテスマを受ける必要はない。

  6. 天には3つの栄光の王国があり,イエス・キリストの恵みにより,人はこの世での行いと心の望みに応じて報いを受ける。

  7. 家族関係は神権の結び固めの力により永遠に続く。

  8. 儀式と聖約は救いに必要であり,生者も死者も受けることができる。

  • これらの真理は,あなたやほかの人たちにどのような影響を与えてきたでしょうか。

イエス・キリストの教会は決して滅びることがない

  • 教会の使命は何でしょうか。

末日聖徒イエス・キリスト教会は1830年に回復されて以来,急激に会員数が増え,ほとんどの国に教会員がいます。教会はこれからも発展し続けるでしょう。イエスが言われたように,「この王国の福音は,すべての民への証として,全世界にべ伝えられるであろう。」(ジョセフ・スミス-マタイ1:31)教会は決して再びこの世から取り去られることはないでしょう。教会の使命はあらゆる人に真理を伝えることです。何千年も前に,主は「一つの国を立て……これはいつまでも滅びることがなく,その主権は他の民にわたされず,……立って永遠に至る」と宣言しておられます(ダニエル2:44)。

  • 神の王国の業を助けるために,これまでにどのようなことをしてきましたか。この業を推し進めるために,何ができるでしょうか。

参照聖句