日曜学校―福音の教義
第40課:「そのとき,わたしは彼らを……集めよう」


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「そのとき,わたしは彼らを……集めよう」

3ニーファイ16章20-21章

目的

イスラエルを集めシオンを確立するという末日の業を理解できるようにする。

準備

  1. 3ニーファイ16章,20章および21章を読み,内容について深く考え,祈る。これらの章には,ニーファイ人への復活された救い主の教えの部分が掲載されている。これらの章で主は,末日の福音の回復とイスラエルの家の集合について教え,預言されている。

  2. そのほかの読書課題--3ニーファイ29-30モルモン5:9-24信仰箇条1:10;『聖句ガイド』「異邦人」の項,41-42;「イスラエル」の項,34-37

  3. クラスを始める前に,黒板に次の質問を書いておく。

    イスラエルの家とは何でしょうか。

    なぜイスラエルは散乱したのでしょうか。

    異邦人とはだれのことでしょうか。

    異邦人はイスラエルの散乱と集合にどのようなかかわりがあるでしょうか。

    イスラエルの集合とは何でしょうか。

    イスラエルの末日の集合が始まったことを示すため,どんなしるしが現れたでしょうか。

    教会員としてわたしたちにはイスラエルの集合に対してどのような責任があるでしょうか。

  4. 「導入」の活動を利用するなら,以下の資料をクラスへ持って来る。

    1. 「息子たちを祝福するヤコブ」(『福音の視覚教材セット』122),「ジョセフ・スミス」(『福音の視覚教材セット』400),「バプテスマ」(『福音の視覚教材セット』601)

    2. モルモン書1冊

    3. 宣教師の名札か,宣教師の働きを表すほかのもの。

    4. あなたとあなたの家族の写真。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

クラスへ持参したものを見せる(「準備」の項,4参照)。これらの一つ一つは,それぞれ今日のレッスンの大切な部分を表していることを説明する。レッスンの間,これらのものについて覚えておき,これらが3ニーファイ16章,20章および21章にどのような点で関係があるかを探るよう生徒に伝える。

聖句を使った話し合いと応用

クラスの生徒の必要に最も適した聖句,質問,そのほかの資料を祈りの気持ちで選ぶ。選んだ聖句を日常生活でどのように応用できるかを話し合う。聖句で述べられている原則に関連した適切な経験を分かち合うよう生徒に勧める。

1.救い主はイスラエルの家の散乱について預言される

生徒に,黒板に書いた最初の質問に注目してもらう(「準備」の項,3参照)。

  • イスラエルの家とは何でしょうか。

    イスラエルの家とイスラエルという語句は,イスラエルという名前に変えられたヤコブの子孫のことを指していると説明する(「導入」の活動を利用するなら,この説明の部分として「息子たちを祝福するヤコブ」の絵を見せるとよい)。イスラエルの家の人々は,聖文では「主の聖約の民」(1ニーファイ15:14)とか「聖約の子孫」(3ニーファイ20:25-26)として語られている。ニーファイ人はヤコブの息子ヨセフの子孫であるから,イスラエルの家の者である。

救い主がイスラエルの散乱について教えられたことを説明する。そして生徒に,黒板の2番目の質問に注目してもらう。

  • なぜイスラエルは散乱したのでしょうか。

    3ニーファイ16:4を声に出して読んでもらう。ほかの生徒たちには,質問の答えを見つけるために読み続けるように励ます。生徒が質問について話し合うときは,イスラエルの家の人々が自分たちの不信仰のために地の面に散らされたことを,確実に理解できるようにする。

2.救い主はイスラエルの家の霊的な集合について預言される

生徒に,黒板の3番目の質問に注目してもらう。

  • 異邦人とはだれのことでしょうか。

    聖文では「異邦人」という語句がイスラエルの家に生まれなかった人と福音のない国々を指して使われていることを説明する。本課で話し合う章では,「異邦人」という語句は,たとえヤコブの子孫がそこに住んでいたとしても,福音のない国々を指している(『聖句ガイド』「異邦人」の項,41-42)。

生徒に,黒板の4番目の質問に注目してもらう。

  • 異邦人はイスラエルの散乱と集合にどのようなかかわりがあるでしょうか。

    生徒に3ニーファイ16:7-9および21:1-5を読んでもらう。ほかの生徒たちには,質問の答えを見つけるために読み続けるように励ます。

    救い主が,異邦人はイスラエルの散乱にかかわるであろうと預言されたことを強調する。また,異邦人によってイスラエルがやがて回復された福音を受けて集合するであろうと預言されたことも強調する。

生徒に,黒板の5番目の質問に注目してもらう。

  • イスラエルの集合とは何でしょうか。

    生徒に3ニーファイ16:4,1220:10-13を読んでもらう。ほかの生徒たちには,質問の答えを見つけるために読み続けるように励ます。生徒が質問について話し合うときは,以下のことを確実に理解できるようにする。

    人々が贖い主と回復された福音への証を得て主の教会へ入ったとき,イスラエルが集められる(もし「導入」の活動を利用していたら,この話し合いの部分として「バプテスマ」の絵を見せるとよい。)

    回復された教会の初期のころ,イスラエルの集合は,主の教会の会員たちが,ミズーリ,イリノイ,ソルトレーク盆地のいずれであろうと,とにかく北アメリカにいる聖徒の群れに加わるようにという主の命令であった。将来は,イスラエルの家の人々が,自分たちの受け継ぎの地へ集められるような別の物理的な集合が起こるであろう(本課の項目3を参照)。しかし,今起きている集合は,霊的な集合である。

    スペンサー・W・キンボール大管長は次のように説明している。「はるかなる国々に住む人々が福音を受け入れ,故国にとどまるときも,『イスラエルの集合』は成就していることになるのである。メキシコ人にとってのイスラエルの集合はメキシコで行われ,北欧に住む人々にとってはスカンジナビア,ドイツ人にとってはドイツ,ポリネシア人は彼らが住む海の島々,ブラジル人はブラジル,アルゼンチン人はアルゼンチンがそれぞれ集合の地である。」(「わたしを主よ,主よ,と呼びながら,なぜわたしの言うことを行わないのか」『聖徒の道』1975年8月号,375-376)

生徒に,黒板の6番目の質問に注目してもらう。

  • イスラエルの末日の集合が始まったことを示すため,どんなしるしが現れたでしょうか。

    生徒に3ニーファイ21:2-7および29:1-2を読んでもらう。ほかの生徒たちには,質問の答えを見つけるために読み続けるように励ます。

  • ニーファイ人の「言葉」や「業」はどのように異邦人へもたらされましたか(モルモン書の翻訳によって。「導入」の活動を利用していたら,この話し合いの一部としてモルモン書を見せるとよい)。イスラエルを集めるためにモルモン書はほかにどのような役目を果たしましたか(幾つかの例として,3ニーファイ16:4,12および20:10-131ニーファイ6:3-4およびモルモン書のタイトルページを比較する。モルモン書は主の聖約を教えるためと,イエスがキリストであられることをすべての民に確信させるために書かれたことを強調する)。

  • 主はモルモン書をもたらすという「大いなる驚くべき業」に携わる僕について語られました(3ニーファイ21:9-10)。その僕とはだれのことでしょうか(ジョセフ・スミス。もし「導入」の活動を利用していたら,この話し合いの一部として「ジョセフ・スミス」の絵を見せるとよい)。

    ジョセフ・スミスは異邦人の国で生活したが,彼は文字どおりヤコブの子孫であったことを指摘するとよい(2ニーファイ3:3-8,11-12)。福音を回復してモルモン書をもたらした彼の業は,「異邦人に真理が明らかにされ」るという主の約束を(3ニーファイ16:7),このように成就することになりました。

  • 生徒に3ニーファイ16:11-12を声に出して読んでもらう。異邦人によって完全な福音が回復された後で,主は何をすると約束されましたか(イスラエルの家と交わした聖約を思い出す約束をされた)。

  • 主が思い出すと約束された聖約はアブラハムの聖約でした(3ニーファイ20:25,27,2921:4モルモン5:20)。アブラハムの聖約の祝福と責任は何ですか(創世17:1-8アブラハム2:6,9-11参照)。

  • 悔い改めて神のもとに向かう異邦人には何が起こるでしょうか(2ニーファイ30:23ニーファイ16:1321:6,22参照。悔い改めてバプテスマによって主のもとへ来るすべての人々は,主の聖約の民の中に数えられる)。

    ジョセフ・フィールディング・スミス大管長は次のように述べている。「福音を受け入れる者は一人残らずイエラエルの家に属する者となる。換言すれば,選ばれた家系の一員となる。約束を与えられたイサク,ヤコブを通してアブラハムの子孫となるのである。この教会の会員になる人の大多数は,ヨセフの息子エフライムを通じてアブラハムの文字どおりの子孫である。アブラハムおよびイスラエルの文字どおりの子孫でない人々は,子孫にならなければならない。その方法は,バプテスマと確認を受けて,木に接がれ,相続人として一切の権利と特権を受ける資格を得ることである。」(『救いの教義』ブルース・R・マッコンキー編,3:220-221)

生徒に,黒板の7番目の質問を読んでもらう。

  • 教会員としてわたしたちにはイスラエルの集合に対してどのような責任があるでしょうか。

    生徒が質問に答える機会を与える。また,さらに話し合いが進むように以下の質問をするのもよい。「導入」の活動を利用していたら,話し合いの間,写真と宣教師の名札(あるいは別のもの)を見せるとよい。

  • 教会の使命は,すべての人がキリストのもとに来るように招くことです。わたしたちは福音を説き,死者を贖い,聖徒を完成させることによってこの使命を果たします。教会の使命はイスラエルの集合のためにどのように貢献していますか。

3.救い主はイスラエルの家の物理的な集合について預言される

  • 生徒に3ニーファイ16:16および20:14を声に出して読んでもらう。これらの聖句によって,主はどのような特別の約束をニーファイ人にされましたか(彼らには受け継ぎの地としてアメリカの地が与えられるであろう。2ニーファイ1:5-7も参照)。この約束にはどのような責任が伴いますか(エノス1:10エテル2:8-9参照)。

  • 生徒たちに3ニーファイ21:22-29を順番に読んでもらう。これらの聖句によると,末日にこの約束の地で何が起こるのでしょうか(新エルサレムと呼ばれる都が建てられることになる)。もともとのエルサレムの都も回復されることを教える(3ニーファイ20:29-34)。ユダヤ人にこの地が受け継ぎとして与えられる。

  • 救い主は,主の民を集めて彼らの中にシオンを設けようと言われました(3ニーファイ21:1)。「シオン」という言葉はしばしば特別の場所を指しますが,心や思いの状態を指すこともあります。聖文の中でシオンはどのように書かれていますか(教義と聖約97:21および参考にモーセ7:18-19参照)。わたしたちはどのようにして今日シオンを,自分たちの家庭やワードやステークの中に築くことができますか。

結び

末日には,「イスラエルの家」という称号が,悔い改めてイエス・キリストに従い,そして主の教会に入るバプテスマを受けるすべての人々を指すことを,生徒に思い出してもらう。生徒が主の聖約の民としてふさわしく生活するよう励ます。本課で話し合われた事柄が真実であることを,御霊に導かれるままに証する。