日曜学校―福音の教義
第5課:「真理に聞き従い,それを心に留める」


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「真理に聞き従い,それを心に留める」

1ニーファイ16-22章

目的

主に信仰を持ち,進んで従ったニーファイの模範に従うよう生徒を励ます。

準備

  1. 以下の聖句を読み,内容について深く考え,祈る。

    1. 1ニーファイ16章17:1-3。リーハイの息子たちとゾーラムがイシマエルの娘たちと結婚する。主は一行にリアホナを授け,彼らの信仰と熱意に応じてリアホナにより荒れ野をお導きになった。ニーファイの弓が折れ,食糧にする獲物をとるのが難しくなる。ニーファイ以外の全員がつぶやく。ニーファイは新しい弓を作り,食糧を得るためにどこへ行くべきかをリーハイに尋ね,一行に食糧を持ち帰る。

    2. 1ニーファイ17:4-5518:1-4。ニーファイは揺るぎない信仰を示して,船を1隻造るようにとの主の命令に従う。

    3. 1ニーファイ18:5-25。レーマン,レムエル,イシマエルの息子たち,そして彼らの妻たちが船上での反逆に加わる。レーマンとレムエルはニーファイを縛るが,ニーファイはこの試練にあっても勇気と感謝を示す。主はすさまじい暴風雨を送られる。レーマンとレムエルはニーファイを縛っていた縄を解き,ニーファイは約束の地へ向かって船を走らせる。

  2. そのほかの読書課題--アルマ37:38-46

  3. 前もって3人の生徒に,それぞれ以下の聖句の一つを要約するように頼んでおく。それらの聖句で述べられている教義や各自の生活における応用については発表の後にクラスで話し合うので,彼らには教義や応用よりもそれらの聖句で述べられている出来事について発表するように頼んでおく。

    1. 1ニーファイ16:9-33

    2. 1ニーファイ17:4-5518:1-4

    3. 1ニーファイ18:5-22

  4. 以下の資料を入手できれば,レッスンで使用する。

    1. 絵「リアホナ」(『福音の視覚資料セット』302),「約束の地に着くリーハイとその民」(『福音の視覚資料セット』304)

    2. 「わたしは……道を備えよう」(8分7秒)『モルモン書ビデオ・プレゼンテーション』(53911 300)より。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

画像
timeline

黒板に以下の言葉を書く。

  • 「したくありません」

  • 「考えておきます」

  • 「やってみようかな」

生徒の一人に1ニーファイ3:4を読んでもらう。

  • もしニーファイが主の命令に対して黒板に書かれた言葉のいずれかのように答えていたら,どうなっていたでしょうか。ニーファイはどのように答えましたか(「行います」1ニーファイ3:7参照)。

黒板に書かれた言葉を消し,「行います」と大きく書く。ニーファイと彼の家族が約束の地へ旅していた間祝福を受けたのは,ニーファイが「行います」という態度を持ち続け,ためらわずに主の命令に従ったためであることを説明する。本課では,わたしたちは,主に信仰を持ち進んで従ったニーファイの模範にどのように倣えるかを学ぶ。

聖句を使った話し合いと応用

クラスの生徒の必要に最も適した聖句,質問,そのほかの資料を祈りの気持ちで選ぶ。選んだ聖句を日常生活でどのように応用できるかを話し合う。聖句で述べられている原則に関連した適切な経験を分かち合うよう生徒に勧める。

1.主はリーハイの家族とイシマエルの家族を彼らの信仰と熱意に応じて導かれる

「リアホナ」の絵があれば見せる。割り当てておいた生徒に,1ニーファイ16:9-33で述べられている出来事を要約してもらう。その後1ニーファイ16章17:1-3から選んだ箇所を読んで話し合う。

  • 主がリーハイにお授けになった「球,すなわち指示器」は「リアホナ」と呼ばれました(アルマ37:38)。リアホナにはどのような用途があったでしょうか(1ニーファイ16:10,29参照)。リアホナが作動するために,一行にはどのようなことが求められていたでしょうか(1ニーファイ16:28-29アルマ37:40参照)。一行が忠実でなかったり,従順でなかったりしたときにはどのようになりましたか(アルマ37:41-42参照)。

  • わたしたちの生活の中で,リアホナのようにわたしたちの信仰と勤勉さに応じて働く導きや指標にはどのようなものがあるでしょうか(聖文〔アルマ37:38-46参照〕,聖霊,祝福師の祝福,生ける預言者の教え,そして以下の引用で説明されているようにわたしたちの良心,などの答えが考えられる)。あなたはこれらの導きや指針からどのような助けを得てきましたか。

    スペンサー・W・キンボール大管長は次のように述べている。

    「主は……すべての人に,誤った道へ足を踏み入れるときにそれを告げてくれる『良心』というものを与えられた。したがって耳を傾けるならば,いつでもそのささやきを聞くことができるのである。言うまでもなく,そのささやきを聞くことを習慣化することは可能である。しかし無視するならば,やがて聞こえなくなることだろう。

    皆さんは自分自身の内に,羅針盤のような,リアホナのような何かがあることを認識しているに違いない。すべての子供にはそれが与えられているのである。……自らの内にあるリアホナを無視するならば,ついにはそのささやきを得られなくなることだろう。……わたしたち……は……自分のリアホナ,良心とも言われるリアホナの指示に聞き従うならば,船は誤った航路に迷い込むことは……ないであろう。」(「わたしたちのリアホナ」『聖徒の道』1977年2月号,111)

  • ニーファイが弓を折ってしまったことに対し,レーマンとレムエルはどのような態度を執ったでしょうか(1ニーファイ16:18,20参照)。リーハイはどのような態度を執ったでしょうか(1ニーファイ16:20参照)。ニーファイはどのような態度を執ったでしょうか(1ニーファイ16:22-23参照)。この苦境に対するニーファイの態度から,わたしたちがチャレンジに直面したときに役立つものとしてどのようなことが学べるでしょうか(主を信頼する,困難を克服するよう熱心に努める,主とその僕に対して不平を言わない,などの答えが考えられる)。

  • ニーファイは新しい弓を作った後,食糧を得るためにどこへ行けばよいかをリーハイに尋ねました(1ニーファイ16:23)。息子の質問を受けたリーハイはどうしましたか(1ニーファイ16:24-25参照)。リーハイが謙遜になり主に立ち返ったことによって,どのような結果がもたらされたでしょうか(1ニーファイ16:26-32参照。)このときのリーハイに対する主の対応から,何を学べるでしょうか(わたしたちが謙遜になり主に立ち返るとき主はわたしたちを赦し,祝福してくださる,などの答えが考えられる)。

  • リアホナについて,ニーファイは「主は小さな手段によって大いなることを成し遂げられる」ことに気づきました(1ニーファイ16:29アルマ37:6-7教義と聖約64:33も参照)。あなたは生活の中で,これが真実であることをどのように目にしてきたでしょうか。この原則を知っていることは,わたしたちにとってどのような助けとなるでしょうか。

2.ニーファイ,1隻の船を造るようにという主の命令を成し遂げることにより,揺るぎない信仰を示す

前もって頼んでおいた生徒に,1ニーファイ17:4-5518:1-4に述べられている出来事を要約してもらう。その後に,これらの聖句から選んだ箇所を読んで話し合う。

  • 1隻の船を造るようにという主の命令に対するニーファイの行動から,わたしたちはどのようなことが学べるでしょうか(1ニーファイ17:8-11,16-19,50-5118:1-3参照。ヤコブの手紙2:17-18も参照)。

    L・トム・ペリー長老は次のように述べている。「これは聖文の中でも大変興味深い話です。というのは主は助けを与えられますが,その後は傍らで,天父の子供たちが自分の力を発揮できるようにされるだけだということを述べているからです。ニーファイがあらがねのある場所を尋ねるのではなく,道具を与えてくださるように主にお願いしていたらどうなっていただろうか,とわたしは時々考えます。主は恐らくニーファイの願いを聞かれなかっただろうと思います。ニーファイが道具を作れることを御存じだったからです。主はわたしたちが自分でできることを代わってなさることは,めったにありません。」(「自立」『聖徒の道』1992年1月号,71)

ビデオ・プレゼンテーション「わたしは……道を備えよう」を使用するのであればここで見せる。ビデオを見せた後,主は主人公のスーザンが福音を分かち合うためにどのように道を備えられていたかについて話し合う。生徒たちが自分たちもニーファイやスーザンのように,「あなたがたがわたしの命令を守るならば,わたしはあなたがたの前に道を備えよう」(1ニーファイ17:13)という主の約束から力を得られることを理解できるよう助ける。

  • ニーファイが1隻の船を造ろうとしているのを見たとき,レーマンとレムエルはどのような態度を執ったでしょうか(1ニーファイ17:17-22参照)。ニーファイは彼らを叱責し,イスラエルの民がエジプトから脱出したときのことを思い起こさせました。リーハイと彼の家族の脱出には,モーセとイスラエルの民の脱出とどのような類似点があるでしょうか(1ニーファイ17:23-44参照)。

  • ニーファイはレーマンとレムエルに,「あなたがたは心が鈍っていたので,〔主〕の言葉を感じることができませんでした」と言いました(1ニーファイ17:45)。主の言葉を感じるとはどういう意味でしょうか(以下の引用を参照する)。人々の心を鈍らせるものには,どのようなものがあるでしょうか。主の言葉を感じるために,わたしたちにはどのような備えができるでしょうか。

    ボイド・K・パッカー長老は次のように教えている。「聖霊は,肉体の五感よりも心を通して霊に語りかけます。この導きは,思いや感情として,あるいは感銘や促しを通してもたらされます。霊感は言葉で表しにくいこともあります。聖文が教えているように霊的な交わりの言葉は耳で聞くよりも心で感じ,肉眼よりも霊の目で見るのです。」(「変化する世における啓示」『聖徒の道』1990年1月号,14)

  • 人はレーマンやレムエルのように真理に対して心をかたくなにすると,どのような結果に直面することになるでしょうか(1ニーファイ17:46-47参照)。

  • ニーファイは兄弟たちに,父に対してつぶやかないよう説得しました(1ニーファイ17:49)。つぶやきはわたしたちの家族にどのような影響を及ぼすでしょうか。どうしたら家族の人々に対しての陰口や悪口をなくすことができるでしょうか。

  • ニーファイは船を造っている間,導きを求めて祈り続けました(1ニーファイ18:1-3)。主は彼の祈りにどのようにこたえられたでしょうか(1ニーファイ18:1,3-4参照)。祈りによってしばしば主を求めることは,わたしたちにとってなぜ大切なのでしょうか。

3.ニーファイ,レーマンとレムエルに縛られるが,この試練にあっても勇気と感謝を示す。解放された後,船を約束の地へと走らせる

前もって頼んでおいた生徒に,1ニーファイ18:5-22に述べられている出来事を要約してもらう。その後,1ニーファイ18:5-25から選んだ箇所を読んで話し合う。

  • 約束の地に向かって航海していたとき,レーマン,レムエル,イシマエルの息子たち,そして彼らの妻たちは「浮かれ……始め」ました(1ニーファイ18:9)。彼らの行いに対し,ニーファイはどのような態度を執りましたか(1ニーファイ18:10参照)。このように浮かれ楽しんだことは,どうしていけなかったのでしょうか(1ニーファイ18:9参照。彼らは主を忘れ,下品に振る舞った。この教義と聖約136:28と比較するとよい)。

  • ニーファイを解き放つようにレーマンとレムエルの心を和らげることができた唯一のものとは何でしたか(1ニーファイ18:15-20参照)。レーマンとレムエルは主に逆らい,悔い改め,そして再び逆らったとき,よりいっそうかたくなになりました(1ニーファイ18:201ニーファイ2:147:19-2116:3918:4と比較する)。何度も同じ罪を繰り返すことにはどのような危険性が潜んでいるでしょうか(教義と聖約82:7参照)。

  • レーマンとレムエルが悔い改めてニーファイを縛っていた縄を解いた後,主は一行にどのような祝福をお与えになりましたか(1ニーファイ18:21-25参照。「約束の地に着くリーハイとその民」の絵があれば見せる)。

  • 一行が荒れ野や海を旅していた際,彼らの多くがつぶやいたのはどのような状況に置かれていたためでしたか(1ニーファイ16:18-20,34-3617:21参照)。これらの苦難の中で,ニーファイはどのような態度を執ったでしょうか(1ニーファイ18:16参照。周囲の人々が神に対して不平を言ったときでも,ニーファイの主に対する従順さと愛は決して揺るがなかったことを強調する)。

結び

モルモン書に記されているニーファイの最後の言葉には,彼の真の人柄がよく表されていることを指摘する。「主がわたしにこのように命じられたので,わたしは従わなければならない。」(2ニーファイ33:15)続いて,ヒーバー・J・グラント長老の以下の言葉を紹介する。

「神が命じられわたしたちが従うとき,克服できない障害は何もありません。」(Conference Report,1899年10月,18)

本課で話し合われた事柄が真実であることを,御霊に導かれるままに証する。

教えるためのそのほかのアイデア

以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。この中の幾つかをレッスンに取り入れてもよい。

1.聖句探し

生徒たちに1ニーファイ16-18章の中から,ニーファイの特徴を述べている言葉と,レーマンとレムエルの特徴を述べている言葉を探してもらう。生徒から挙げられた言葉を黒板に書き,それを使ってニーファイと彼の反抗的な兄弟たちを比較する。

2.1ニーファイ19-22章からの洞察

  • ニーファイとその家族が約束の地に着いた後,主が最初にニーファイに命じられたことの一つは,民の記録を記すことであった(1ニーファイ19:1-4)。ニーファイは,民に「主なる彼らの贖い主を覚えさせる」ために「神聖な事柄」を記すと述べています(1ニーファイ19:5,18)。わたしたちが生活の中で経験した神聖な出来事を記すことは,子孫にどのような祝福をもたらすでしょうか。

  • ニーファイの説明によると,主が地上で教え導かれるとき,世の人々は主をどのように迎えるでしょうか(1ニーファイ19:7-10参照)。なぜ世の人々はイエスを「取るに足りない者」として拒んだのでしょうか(1ニーファイ19:9参照)。イエスはなぜそのような迫害を進んで耐えられたのでしょうか(1ニーファイ19:9参照)。

  • ニーファイの言葉によると,ユダヤ人が「すべての民から鞭打たれる」のはなぜでしょうか(1ニーファイ19:13-14参照)。ユダヤ人がイエスに対して「心を背けなくなる」とき,何が起こるでしょうか(1ニーファイ19:15-16参照)。

  • ニーファイは兄弟たちに,「昔の預言者たち」と「主がほかの地で昔の人々の中で行われたこと」について教えました(1ニーファイ19:21-22)。聖文を研究し,昔の預言者について学ぶことにより,あなたはどのような祝福を受けてきたでしょうか。

  • 「すべての聖文を自分たちに当てはめ」ることはなぜ大切なのでしょうか(1ニーファイ19:23)。これを実行することにより,あなたはどのような恵みを受けてきたでしょうか。

1ニーファイ21-22章には,末日に関する重要な預言が含まれている。以下の箇所を検討するとよい。

  1. 1ニーファイ21:22-2322:6-8。福音の回復は散らされたイスラエルを再び集める。

  2. 1ニーファイ21:2622:10-12。主はイスラエルを「暗闇から,また暗黒から連れ戻され……彼らは,主が自分たちの救い主,贖い主……であることを知る」ようになる。(モルモン書は「イスラエルの家に属する者たちに〔主の〕聖約と福音をもたら」すに当たって重要な役割を担うことに注目する。1ニーファイ22:11-12をモルモン書のタイトルページと比較する。)

  3. 1ニーファイ22:13-15。神を拒む国民は互いに戦争をして滅びる。

  4. 1ニーファイ22:16-19。主は義人を守られる。

  5. 1ニーファイ22:26。サタンはキリストの千年にわたる統治の間縛られる。