日曜学校―福音の教義
第46課:「信仰によってすべてが成就する」


46

「信仰によってすべてが成就する」

エテル7-15章

目的

信仰を高め,謙遜で,預言者の勧告に心を留めることの重要性を理解できるようにする。

準備

以下の聖句を読み,内容について深く考え,祈る。

  1. エテル12:1-22。モロナイは信仰の重要さを説き,信仰の力の模範を教える。

  2. エテル12:23-41。主はモロナイに,わたしたちが謙遜になるために,主はわたしたちに弱さを与えられると教えられる。モロナイはわたしたちに「預言者たちと使徒たちが書き記してきたイエスを求めるように」と命じる。

  3. エテル13:1-12。モロナイは約束の地についてのエテルの預言を記録する。

  4. エテル13:13-15:34。モロナイはヤレド文明崩壊に関するエテルの記事を記録に載せる。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

生徒たちにモーサヤ8:8-9,12,1928:17-19を読んでもらう。

  • ここは何の記録について述べていますか(エテル書の中にあるモロナイが短くまとめたヤレド人の記録)。この記録について学ぶことは,モーサヤの民にとってどのような効果がありましたか。わたしたちがこの記事を読むことは,なぜ重要であると思いますか。

本課では,ヤレド人が約束の地へ着いてから,多くの世代を経た後に完全な崩壊に至った記事について話し合うことを説明する。彼らの崩壊の記事は悲劇的であるが,わたしたちはモーサヤの民のように,記録から学べる知識を喜ぶことができる。

聖句を使った話し合いと応用

クラスの生徒の必要に最も適した聖句,質問,そのほかの資料を祈りの気持ちで選ぶ。選んだ聖句を日常生活でどのように応用できるかを話し合う。聖句で述べられている原則に関連した適切な経験を分かち合うよう生徒に勧める。

1.モロナイ,信仰の重要さを説く

ヤレド人は約束の地へ着いて,「増えて……その地で強くなった。」(エテル6:18)ヤレドと彼の兄弟が死んだとき,民を導くために王が任命された(エテル6:21-30)。エテル7:11には義にかなった王と邪悪な王の継承が記録されている。民の中に秘密結社が現れたことや,ヤレド人に悔い改めを説くために召された預言者たちの教えが記録されている(エテル7-11章についてさらに話し合うために「教えるためのそのほかのアイデア」の項,1と2参照)。エテル12章は預言者の一人であったエテルの教えで始まっている。

エテル12:1-22から選んだ箇所を読んで話し合う。

  • エテルは民にキリストを信じるように勧め,「信仰によってすべてが成就する」と言いました(エテル12:3)。エテルは神を信じる人をどのように描写していますか(エテル12:4参照)。信仰と希望はどのようにわたしたちの錨になるのでしょうか。どのように信仰が,神に栄光を帰すよき業へと導いていくかを示す事例には,どのようなものがありますか。

  • エテルは人々に「大いなる驚くべきこと」を預言しましたが,彼らは信じませんでした。それはなぜでしょうか(エテル12:5参照)。

    生徒に,自分やほかの人々が,「見る」ことも勧告の理由を理解することもできなかったが,それでも預言者の勧告に従ったために祝福にあずかったときのことについて考えてもらう。適切であれば彼らに自分の経験について紹介してもらってもよい。

  • 人々はエテルの預言を見ることができなかったので,それらを信じられなかったのであろう,とモロナイは記録しています。それからモロナイは信仰について定義し,その事例を挙げました。彼は信仰をどのように定義しましたか(エテル12:6参照。へブル11:1アルマ32:21も参照)。あなたは「信仰が試されてからでなければ〔自分たちの〕証は得られない」とは,どのような意味だと思いますか(エテル12:6エテル12:29-31教義と聖約58:2-4も参照)。試練はどのようにあなたの信仰を強め,確かなものにしてきましたか。

  • モロナイは信仰の結果として生じる出来事を幾つか挙げました。それはどのような出来事でしたか(エテル12:7-22参照。黒板にクラスの生徒が挙げた答えを書く。また生徒に信仰という語句が出てきたときは印を付けるように言う)。信仰の力を表している聖句で,ほかにどんな事例がありましたか。

  • 預言者ジョセフ・スミスは次のように教えている。「わたしたちは,すべての物質的な祝福を信仰によって受けるのと同様に,霊的な祝福もすべて信仰によって受けるのである。」(Lectures on Faith〔1985年〕3)あなたはどのような祝福を信仰によって受けてきたでしょうか(生徒たちに,声に出して答えるよりも,この質問について考えるように勧めてもよい)。

2.主は,モロナイにわたしたちが謙遜になるために弱さを与えると教えられた

エテル12:23-41から選んだ箇所を読んで話し合う。

  • 異邦人がモロナイの記録をどのように受け取るかについて,モロナイが知りたかったことは何でしたか(エテル12:23-25参照)。主の答えは何でしたか(エテル12:26参照)。モロナイの記録とすべての聖句を素直に読むことはなぜ重要ですか。

生徒にエテル12:27を声に出して読んでもらう。自分を謙遜にして主への信仰を保った人々と主が交わされた約束に注目するよう生徒に指示する(「わたしは彼らの弱さを強さに変えよう。」)聖文の中で,自分の生活の中で,あるいはほかの人々の生活の中で,この約束がかなえられた事例について考えてもらう。その事例の幾つかを発表してもらうとよい。

  • モロナイは信仰,希望,慈愛の重要性について書いています(エテル12:28-34)。これらの特質はわたしたちをどのようにキリストのもとへと導くのでしょうか。

  • モロナイはわたしたちに「預言者たちと使徒たちが書き記してきたイエスを求める」ように勧めています(エテル12:41)。今日,わたしたちはどのように「イエスを求める」ことができるでしょうか。イエスは主を求める人々へどのような約束をしていらっしゃいますか(エテル12:41参照)。わたしたちにはなぜ神と御子の恵みが必要なのでしょうか。

3.モロナイは約束の地についてのエテルの預言を記録する

エテル13:1-12を読んで話し合う。

  • 新エルサレムと旧エルサレムについて,エテルはどのような預言をしましたか(この質問に対する答えを見つけるために,生徒たちにエテル13:2-12を読んでもらう。以下のリストも参照する)。

    1. 旧エルサレム(リーハイの出身地)は,「主のために聖なる都として再び築かれる。」(エテル13:5)これは再臨の前にユダの子孫によって行われる。

    2. 再臨の前に,「新エルサレムは……この地に築かれる。」(エテル13:6新エルサレムは,ヨセフの家の残りの者によって建てられ聖なる都になるであろう(エテル13:8)。

    3. エノクの町が天から降って来て新エルサレムの一部になる(エテル13:3,10黙示21:2,10も参照)。このことは再臨の後に起こる。

  • モロナイはこのような聖なる都に住むことができる人々についてどのように述べていますか(エテル13:10-11参照)。「小羊の血によって洗われている」とはどういう意味ですか(イエス・キリストの贖いによって罪から清められている。)

4.国中に戦いが広がる。ヤレドの文明が崩壊する

エテル13:13-15:34から選んだ箇所を読んで話し合う。民はエテルを追い出し,エテルは岩の洞穴に身を隠して記録の残りの部分を記したことを説明する(エテル13:13-14)。民はやがて戦いと秘密結社に巻き込まれた。

  • エテルが岩の洞穴に住んだ2年目に,主の言葉が彼に下りました。主はエテルに何をするよう指示されましたか(エテル13:20-21参照)。エテルの預言に対してコリアンタマーはどのように答えましたか(エテル13:22参照)。

エテル13:23-15:28は,別々のグループが力を得ようとして引き続き殺人が行われたことを述べている。数百万のヤレド人が戦いで殺された。コリアンタマーは多くの戦いで敗れ何度も傷ついたが,死ななかった。記録の終わりのところでは,コリアンタマーとシズが最後の戦いのためにことごとくの民を集めている。幾日かの戦いの後,コリアンタマーとシズだけが生き残った。

  • 戦いは最終的にどのように終結しましたか(エテル15:29-32参照)。それはエテルの預言をどのように成就しましたか(エテル13:20-21参照)。

  • 罪に深く陥る前に悔い改めることの大切さについて,わたしたちはヤレドの記録から何を学ぶことができますか(エテル15:1-5,18-19参照。ヒラマン13:32-33,38も参照)。罪はわたしたちの選択の自由をどのように支配しますか。

  • ニーファイ人の歴史とヤレド人の歴史の類似点は何でしょうか。わたしたちは彼らの文明の記事から何を学ぶことができるでしょうか。

結び

本課で話し合われた事柄が真実であることを,御霊に導かれるままに証する。

教えるためのそのほかのアイデア

以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。この中の幾つかをレッスンに取り入れてもよい。

1.預言者に従うことの重要性

ヤレド人の歴史には以下のようなパターンの事例が多く載っていることを指摘する。

  1. 民は悪事に走る。

  2. 預言者は民に悔い改めを呼びかける。

  3. 民は預言者を受け入れ祝福される,あるいは預言者を拒んで悪事の結果に苦しみ始める。

  4. その結果,民は悔い改め預言者に従う,あるいは自分たちを破滅へと導く悪事を続ける。

このパターンを示す例として,エテル7:23-279:23-3511:1-8,11-14,19-23を読んで話し合ってもよい。

2.モロナイ,秘密結社に対して警告する

ヤレドと彼の兄弟の死後,民は王たちの継承によって支配された。王が死ぬ度に,王位を巡る争いは激しさを増した。争いが激しくなる中,ヤレドの娘は自分の父を王にしようと策を講じる(エテル8:8生徒に,この記事のヤレドという男はエテル1-6章に出てくるヤレドの子孫であることを思い出してもらう)。

  • ヤレドの娘は自分の父を王にするために,どんな画策をしたのでしょうか(エテル8:9-12参照)。この画策は,どのようにして秘密結社を国内に確立させることになったのでしょうか(エテル8:13-18参照)。

  • モロナイは秘密結社の危険について何と教えているでしょうか(エテル8:21-22参照)。なぜモロナイはこの事柄を記録に含めたのでしょうか(エテル8:23,26参照)。わたしたちはどのようにして秘密結社を見極め,彼らから身を守ることができるでしょうか(エテル8:23-25参照)。

3.「あなたは自分の弱さを認めたので,強くされ〔た〕」(エテル12:37

  • ハイラム・スミスが,自分と預言者ジョセフ・スミスが殉教する場所となったカーセージの監獄へ行く準備をしているとき,彼はエテル12:36-38を読んでそのページを折り返しました(教義と聖約135:4-5)。その聖句はどんな慰めを与えていますか。どのような聖句の言葉があなたを強めて慰めを与えてきましたか。