日曜学校―福音の教義
第11課:「キリストを確固として信じ……力強く進〔む〕」


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「キリストを確固として信じ……力強く進〔む〕」

2ニーファイ31-33章

目的

キリストの教義を理解し,キリストの言葉をよく味わいながら力強く進む望みをさらに持てるようにする。

準備

  1. 以下の聖句を読み,内容について深く考え,祈る。

    1. 2ニーファイ31:1-18。ニーファイはキリストの教義について教える。また,イエスが「あらゆる義を満たす」ためにバプテスマを受けられたこと,わたしたちがバプテスマを受けてイエスに従わなければならないことを教える。ニーファイはさらに,聖霊がもたらす祝福と力について教える。

    2. 2ニーファイ31:19-21。ニーファイはわたしたちが力強く進み,最後まで堪え忍ばなければならないことを教える。

    3. 2ニーファイ32章。ニーファイはキリストの言葉をよく味わい,常に祈ることの大切さを教える。

    4. 2ニーファイ33章。ニーファイは人々がキリストを信じるならば,ニーファイの言葉も信じるようになると宣言する。ニーファイはわたしたちがニーファイの言葉を受け入れるか拒むかによって裁かれることを警告する。

  2. そのほかの読書課題--モロナイ7:13-17教義と聖約20:37,71-74

レッスンの展開

導入

 適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

「ごちそう」の意味について生徒に質問する。どのような食物が食卓に並べられるでしょうか。普通の食事と「ごちそう」の違いは何でしょうか。これについて数分間話し合った後,生徒の一人に2ニーファイ32:3の「さて,わたしは」から以降を読んでもらう。主は,わたしたちを永遠の命を味わうことができる「ごちそう」に招いておられることを生徒に説明する。本課では,どのようにしてキリストの教義に従って生活し,またキリストの言葉を味わうかについて述べたニーファイの教えについて話し合う。

聖句を使った話し合いと応用

ニーファイは神のすべての息子たちの中で最も勇敢な者の一人であった。ニーファイは家族の間の争いや戦争,そのほかの試練を経験したが,心から主を愛した。ニーファイは信仰と熱意,高潔さにあふれ,決してその従順さが揺らぐことはなかった。読書課題を研究するに当たって,これらの章にはニーファイの最後の言葉が記されていることを銘記しておく。

1.ニーファイはキリストの教義を教える

2ニーファイ31:1-18から選んだ箇所を読んで話し合う。ニーファイは「キリストの教義について……述べ〔る〕」(2ニーファイ31:2)と言って最後の記録を書き始めたことを指摘する。31章について話し合う間,生徒にこの言葉とその意味について深く考えるよう求める。レッスンの後半で,「キリストの教義」とはどのようなものであるかについて質問することをここで伝えておく。

  • ニーファイはイエスのバプテスマについて前に述べたことを人々に思い出させてから,話に入りました(2ニーファイ31:4)。イエスはなぜバプテスマを受けられたのでしょうか(2ニーファイ31:5参照)。イエスはバプテスマを受けることによってどのように「あらゆる義を満た」されたのでしょうか(2ニーファイ31:6-7参照。ジョセフ・F・スミス大管長が,あらゆる義を満たすとは「律法を成就する」ことである,と述べたことを指摘するとよい〔Conference Report,1912年4月,9〕)。

  • 2ニーファイ31:9によれば,イエスはほかにどのような理由からバプテスマを受けられたのでしょうか。わたしたちはなぜバプテスマを受ける必要があるのでしょうか(生徒に2ニーファイ31:13,17ならびに教義と聖約20:37,71-74を読んで,この質問の答えを見つけるように言う。生徒の答えをまとめて黒板に書き出す。以下のような答えが考えられる)。

    1. 聖霊の賜物を受けるため(2ニーファイ31:13)。

    2. 罪の赦しを受けるため(2ニーファイ31:17)。

    3. 永遠の命に通じる道の門に入るため(2ニーファイ31:17)。

    4. 主の教会の会員となるため(教義と聖約20:37,71-74)。

  • ニーファイは人々に対して「十分に固い決意をもって御子に従い,神の前に決して偽善と欺きを行うこと」のないようにと熱心に勧めました(2ニーファイ31:13)。神の前に偽善と欺きを行わないとはどのような意味だと思いますか。「十分に固い決意をもって」御子に従うと,偽善と欺きをどのように避けられるのでしょうか。

  • わたしたちは自ら進んで「主の言葉のとおりに水に入り」(2ニーファイ31:13)バプテスマを受けるときに,どのような賜物を受けるでしょうか。人はバプテスマを受け,聖霊の賜物を受けた後に,どのような方法によって話すとニーファイは説明したでしょうか(2ニーファイ31:13参照)。「天使の言葉で語」るとは,どのような意味でしょうか(2ニーファイ32:2-3参照。それは聖霊の力によってキリストの言葉を語るという意味である)。わたしたちはどのような場合に,「天使の言葉で」話す祝福にあずかれるでしょうか(友人や家族に対して教えたり,証をしたりするとき,教会で話の責任を果たすとき,祈っているとき,などの答えが考えられる)。

  • ニーファイはまた,バプテスマの後にわたしたちは「火と聖霊」によって罪の赦しを受けると教えました(2ニーファイ31:17)。ニーファイはこの過程を説明するためになぜ「火」という語を用いたのでしょうか。(火が不純物を取り除き,清くするように,聖霊は心から悔い改めてバプテスマを受ける人の罪を清められる。)

  • ニーファイは,聖霊が「御父と御子について証をされる」と教えました(2ニーファイ31:18)。聖霊を通して御父と御子の証を受けることはわたしたちにとってなぜ大切なのでしょうか。

  • 聖霊からの証はどのような方法でわたしたちにもたらされるでしょうか(教義と聖約8:2ならびに以下の引用文を参照)。聖霊がわたしたちに語られる方法を理解することはなぜ大切でしょうか(2ニーファイ32:5参照)。

    ボイド・K・パッカー長老はこのように教えている。「聖霊の声は聞くというより感じるものです。それは『静かな細い声』と表現されています。」(「個人の啓示--賜物,試し,約束」)『聖徒の道』1995年1月号,65)

注意--教会員には,御霊の影響力を感じていながらも,それが聖霊によってもたらされたものであることに気づかない場合が往々にしてある。年間を通じて,あなたはレッスン中に御霊の影響を感じたら,そこでレッスンを中断して,その気持ちを生徒と分かち合うとよい。生徒はあなたとまったく同じ印象を受けないかもしれないが,御霊の影響力は平安と喜びをもたらすことを説明する。

2.ニーファイはわたしたちが力強く進み,最後まで堪え忍ばなければならないことを教える

2ニーファイ31:19-21を読んで話し合う。ニーファイはバプテスマが永遠の命に通じる細くて狭い道に入るための門であると教えたことを生徒に説明する。ニーファイはさらに,この道を歩むことの意味を教えた。

  • ニーファイは2ニーファイ31:19でどのような質問をしているでしょうか。この質問の答えは何ですか(2ニーファイ31:19-20参照)。「力強く進」むとはどのような意味だと思いますか(逆境や障害にくじかれることなく,固い決意をもって前進すること)。どのようなことが力強く進む妨げとなるでしょうか。終わりまで堪え忍ぶに当たって力強く進むことはなぜ大切なのでしょうか。

  • キリストを確固として信じ」るとはどういう意味でしょうか(2ニーファイ31:20)。キリストに従うと,どのように「完全な希望の輝き」を持つことができるでしょうか。力強く進むためにお互いに助け合う方法にはどのようなものがあるでしょうか。新しい教会員が道に沿って歩み始めるとき,わたしたちにはどのような助けができるでしょうか。

    ゴードン・B・ヒンクレー大管長はこのように教えている。「改宗者のますますの増加に伴い,わたしたちは,改宗者が道を見いだせるように助けるため,これまで以上に大きな努力を傾けなければなりません。改宗者のだれもが3つのものを必要としています。それは友人と責任と『神の善い言葉』(モロナイ6:4)による養いです。これらを提供するのはわたしたちの務めであり,わたしたちに与えられた機会です。」(「改宗者と若い男性について」『聖徒の道』1997年7月号,56)

  • 2ニーファイ31章に記されているニーファイの教えから,「キリストの教義」をどのように定義することができるでしょうか(2ニーファイ31:13,15参照。3ニーファイ11:31-40も参照。キリストを信じる,悔い改める,バプテスマを受ける,聖霊の賜物を受ける,終わりまで堪え忍ぶなどの答えが考えられる)。

3.ニーファイはキリストの言葉をよく味わうことの大切さを教える

2ニーファイ32章から選んだ箇所を読んで話し合う。

  • 2ニーファイ32章で,ニーファイは永遠の命の道へ入った後に何をしなければならないかについて,さらに指示を与えています(2ニーファイ32:1-3)。3節ではどのような具体的な指示が与えられているでしょうか。キリストの言葉を受けるための手段にはどのようなものがあるでしょうか。

  • これらの言葉をよく味わうとはどのような意味だと思いますか(以下の引用を参照)。「よく味わう」ことと,読むことあるいは研究することにはどのような違いがあるでしょうか。どうすれば,ほかの人々がよく味わうように助けることができるでしょうか。

    ニール・A・マックスウェル長老はこのように語っている。「わたしたちは,聖文に記されたキリストの言葉ならびに生ける預言者からもたらされたキリストの言葉をよく味わう必要があります。時々少しかじってみるだけでは十分ではありません(2ニーファイ31:20および32:3参照)。よく味わうとは,熱心に,喜びをもって,十分に楽しんで食べることです。空腹になってから,腹いっぱいに詰め込むことではありません。何世紀もの間……注意深くまた愛を込めて調理された豪華な食べ物を感謝して取り,喜びをもって食べるのです。」(Wherefore Ye Must Press Forward〔1977年〕28)

  • ニーファイはキリストの言葉に関してどのような約束を与えているでしょうか(2ニーファイ32:3参照)。あなたはこれが真実であることをどのように知りましたか。ニーファイは,御霊は人に祈るよう教え,励ますと教えました(2ニーファイ32:8)。「主のために」何かを行う前に祈ることはなぜ大切なのでしょうか(2ニーファイ32:9)。この勧告に従うことによりあなたが受けた祝福はどのようなものでしょうか。

4.ニーファイは人々がキリストを信じるならば,ニーファイの言葉も信じるようになると宣言する

2ニーファイ33章から選んだ箇所を読んで話し合う。この章にはニーファイが自分の言葉が真実であり,あらゆる人にとって大切であることを証する言葉が記されていることを説明する。

  • ニーファイの言葉はなぜ「大いに価値がある」のでしょうか(2ニーファイ33:3-5参照)。どうすればこれらの言葉の価値を知ることができるでしょうか。ニーファイの言葉が真実であることを知るにはどうすればよいでしょうか(2ニーファイ33:10参照。モロナイ7:13-17も参照)。

  • わたしたちは裁きの法廷でニーファイと「対面する」(2ニーファイ33:11)とニーファイは述べています。ニーファイの言葉はどのように「終わりの日に〔わたしたち〕を罪に定める」のでしょうか(2ニーファイ33:14参照。わたしたちがこれらの言葉を拒否し,それらが教える原則に従わないならば,主の前から絶たれる)。

  • ニーファイが記した最後の言葉の中に「主がわたしにこのように命じられたので,わたしは従わなければならない」という宣言があります(2ニーファイ33:15)。この言葉はなぜ,ニーファイの記録の最後を飾るのにふさわしいと思いますか。あなたがさらに従順になるよう努力するときに,ニーファイの模範からどのようなことが役立つと思いますか。

結び

再び,キリストの教義とは何かをまとめる。キリストの教義には,キリストを信じる,悔い改める,バプテスマを受ける,聖霊の賜物を受ける,終わりまで堪え忍ぶなどの事柄が含まれる。本課で話し合われた事柄が真実であることを,御霊に導かれるままに証する。

教えるためのそのほかのアイデア

以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。これをレッスンに取り入れてもよい。

1.理解の妨げとなるものを取り除く

2ニーファイ32:7を読んで話し合う。なぜ御霊はニーファイが語るのを止められたのでしょうか。ここで指摘されている問題は,どのように今日もなお蔓延しているでしょうか。わたしたちはこれらの落とし穴を避けるために,どのように互いに助け合うことができるでしょうか。