初等協会テキストと分かち合いの時間
第45課 イエス・キリストの復活(復活祭)


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イエス・キリストの復活(復活祭)

目 的

イエス・キリストが復活したことを理解する。

準 備

  1. 祈りの気持ちで次の聖句を研究する。ルカ23:33-24:12,36-40,51。『福音の原則』(06195 300)第12課も参照する。

  2. 教材

    1. 聖書

    2. 視覚資料1-3「イエス・キリスト」(『福音の視覚資料セット』240);1-16「イエスの生誕」(同201);1-55「山上の垂訓」(同212);1-59「十字架」(同230);1-72「ゲツセマネで祈られるイエス」(同227);1-73「イエスの埋葬」(同231);1-74「傷跡をお見せになるイエス」(同234)

  3. 「楽しい活動」の中から使いたい活動を選び,必要な準備をする。

レッスン

一人の子供に開会の祈りをさせる。

導 入

視覚資料1-3「イエス・キリスト」を裏にしてひざの上に置く。「これからとても大切な人について話そうと思っています」と,子供たちに話しかける。次のヒントを挙げて,この人がだれであるか当てさせる。

  1. この御方はすべての人をとても愛していらっしゃいます。

  2. ずっと昔,この地上に生きていた御方で,自分の教会をお立てになりました。

  3. わたしたちにどう生きるべきか,どうしたら幸せになれるか,教えてくださいました。

  4. 人々を祝福して,親切で愛ある人になるように教えられました。

答えはイエスであることを子供たちが当てたら(または教師が答えを教えたら),視覚資料を見せる。

イエスはわたしたちを愛しておられる

イエスが天父の御子であられることを思い出させる。天父は大切な目的のためにイエスをこの世に送られた。

物 語

視覚資料1-6「イエスの生誕」を見せる。イエスの誕生について簡単に話す。子供たちに言わせてもよい。イエスは特別な赤ん坊であった点を指摘する。

視覚資料1-55「山上の垂訓」を見せる。大人になったイエスは御自分の教会を立て,人々にどう生きるべきか,どうしたら幸せになれるか教え,互いに愛し合うように言われた。

子供たちを立たせ,「すべての人を愛しなさい」(『子供の歌集』,39)を振り付けに合わせて歌わせるか,歌詞を言わせる。

イエスさまむかし(腕を大きく広げる)

いいました(首を縦に振る)

すべてのひとを(手を胸に当てる)

あいしなさい(自分を抱き締める)

視覚資料1-72「ゲツセマネで祈られるイエス」を見せる。

  • この絵でイエス様は何をしていますか。

イエスは亡くなる前,ゲツセマネの園という場所に行って祈られたことを説明する。イエスは,わたしたちが自分の間違いを悔い改めてゆるされるように,わたしたちの罪のために苦しみを受けてくださった。それができる力を持っておられたのは,イエスただ御一人だった。イエスはわたしたちを深く愛しておられたので,それをしてくださった。

イエスは復活された

イエスの時代に生きていた多くの人々も,イエスを愛していた。しかし,イエスを嫌う人々もいた。彼らはイエスが天父の御子であられることを信じなかった。

物 語

視覚資料1-59「十字架」を見せる。ルカ23:33-46を参照して,イエスが十字架にかけられた話を分かりやすく説明する。イエスを憎んだ人々は,イエスにとても冷たかった。兵士たちはイエスの手と足にくぎを打って十字架につけ,イエスが亡くなるまで放っておいた。(この話を紹介するときやこの後の活動では,人々がイエスを傷つけたという話に感じやすい子供がいるかもしれないので,よく注意する。)

イエスが亡くなったとき,その霊は肉体を離れて霊界に行かれたことを説明する。わたしたちも一人一人に霊があることを思い出させる。霊を見ることはできないが,霊がわたしたちを生かしている。

視覚資料1-73「イエスの埋葬」を見せる。イエスを愛していた人々はイエスの体を下ろし,丁寧に布で覆った。イエスの体を墓(人を埋葬するための洞穴のような場所)に運び,そっと横たえた(ルカ23:50-56参照)。

視覚資料1-74「傷跡をお見せになるイエス」を見せる。亡くなってから3日後,イエスが復活されたことを説明する。もう一度生き返られたのである。イエスが亡くなったとき霊は肉体を離れたが,復活されたときその霊は再び肉体に戻った。イエスは復活した最初の御方だった。

多くの人が復活したイエスを見たことを説明する(ルカ24章参照)。イエスは御自分の友人たちに教えを伝え,復活した体を見せられた(ルカ24:36参照)。また,彼らに御自分の体に触らせ,復活した体には肉も骨もあることを示された(ルカ24:39-40参照)。人々に教えを伝えた後,イエスは再び天父と住むため,天に戻られた(ルカ24:51参照)。

  • なぜイエスは人々に御自分の体に触ってほしいと思われたのでしょうか(ルカ24:36-40参照)。

  • 人々のもとから去った後,イエスはどこに行かれたのでしょうか(ルカ24:51参照)。

イエスの復活した日が最初の復活祭であったことを説明する。このイエスの復活を忘れないようにするために,わたしたちは毎年復活祭を祝う。

活 動

子供たちを立たせ,一緒に以下の詩を口ずさみながら体を動かす。

亡くなられてから3日後に(指を3本立てる)

生き返られた イエス様

手にも足にも釘の跡(手のひらと足を指さす)

わきの腹には やりの傷(わき腹を指さす)

イエス様が教えてくださった(腕を広げる)

福音学んで従うように(腕を組む)

最初に復活されたイエス様

それで みんなが復活します(首を縦に振る)

わたしたちも復活する

イエスが亡くなられた後に再び生き返られたことを,子供たちが理解できるように助ける。イエスは今も天で生きておられ,もはや死ぬことはない。イエスのおかげでわたしたちも復活できるようになった。すべての人が死んだ後で再び生きるのである。

  • 亡くなった人をだれか知っていますか。

人が死んでも,霊は生きていることを説明する。人はいつの日か復活して,イエスと同じように,肉体と霊は元どおり一緒になる。イエスと同じように3日後ではないかもしれないが,すべての人がいつの日か復活することを説明してもよい。

「復活」という言葉を何度か声に出して言わせ,その意味を言わせる。

両親やきょうだい,祖父母,友達など,愛するすべての人が復活する。それを知ることがどんなにすばらしいか話す。人は死んでも再び生き返る。イエスがそれを可能にしてくださった。

あかし

イエスはわたしたち一人一人を愛していらっしゃる。それを証する。わたしたちを愛されたので,人がいつの日か復活できるように,苦しみを受け,命を捨て,復活された。

楽しい活動

次の中からレッスンで使う活動を幾つか選ぶ。

  1. 子供たちがよく知っている復活祭の経験談や習慣について,簡単に話し合う。社会一般の復活祭の習慣は確かに楽しいかもしれないが,子供たちが復活祭のほんとうの意味をそれらとは切り離して考えられるように助ける。

  2. 子供たちに手袋を見せる。手袋を手にはめた状態を,この世の肉体にたとえる。手(霊)が手袋(肉体)を動かす様子を見せる。手袋を取り,それが肉体の死にたとえられることを説明する。霊と肉体が離れると,肉体は動かなくなる。手袋をまた手にはめて,これが復活にたとえられることを説明する。こうして霊と肉体はもう一度一緒になる。イエス・キリストが復活されたために,すべての人がいつの日か復活することを,子供たちに思い出させる。

  3. 第6課の最後にある「イエスさまは わたしの やさしい ともだち」の絵を複写し,色を塗らせる。

  4. お手玉などの柔らかい物を子供に渡し,以下の質問(あるいは似たような質問でもよい)に答えさせ,それからお手玉を放り返させる。すべての子供に順番が回るまで続ける。

    • なぜ復活祭をお祝いしますか。

    • 最初に復活したのはどなたですか。

    • 復活するとは,どのようなことですか。

    • イエス様が亡くなられた後,その体はどこに置かれましたか。

    • イエス様が復活された後,イエス様にお会いした人はたくさんいましたか。

    • なぜイエス様は人々に,御自分の復活した体に触れさせられたのでしょうか。

    • イエス様が復活されたので,ほかにだれが復活するでしょうか。

  5. イエス様よみがえる」(『子供の歌集』,44)を歌わせるか,歌詞を言わせる。

幼い子供のための活動

  1. 動作を入れながら,以下の言葉を言う。

    復活されたイエス様

    この場所はイエス様が置かれた所(指さす)

    ごらん,ほら,入り口が開けてある

    のぞいてごらん,近づいて(手を額の上でひさしのようにかざし,かがみ込む)

    ここにはいない,イエス様(立ち上がる)

    復活されたよ,喜びいさめ(拍手する)

    (ダナ・エイノン,Bible Story Finger Plays and Action Rhymes [Cincinnati, Ohio: Standard Publishing Co., 1964],29)

  2. イエスが亡くなり復活されたのは,春であったことを説明する。春は命の誕生の季節である。草木が芽吹き,多くの動物が春に生まれる。子供たちに花や動物の赤ちゃんの絵を描かせる。視覚資料1-3「イエス・キリスト」を見せ,イエスが復活されたので,すべての人が,死後,再び生きられることを説明する。

  3. イエス様は友達」(『子供の歌集』,37)を歌うか,歌詞を言う。復活祭は,イエスとその復活を記念するために祝う。子供たちにそれを銘記させる。