本心に立ち返る:聖餐,神殿,奉仕による犠牲
    脚注

    本心に立ち返る:聖餐,神殿,奉仕による犠牲

    わたしたちはよく祈って聖約を守るとき,改心し,霊的に自立します。

    救い主は弟子たちに,裕福な父親のもとを離れて遠い所へ行き,財産を使い果たした息子の話をされました。飢饉が起こったとき,その青年は豚を飼う卑しい仕事に就きました。ひどく空腹で家畜のえさを食べたいと思うほどでした。

    家を離れ,自分の望んでいた状態に及びもつかない貧窮の中,青年は彼の人生に永遠にわたり大きく影響するような出来事を経験しました。救い主によれば,「彼は本心に立ちかえっ〔た〕」のです。1 自分が何者かを思い起こし,逃してきたものに気づいた息子は,父の家で存分に得られる恩恵を願い始めたのでした。

    生涯を通して,たとえ暗黒,困難,悲しみ,罪の中にあっても,わたしたちは思いやりのある天の御父のまことの息子娘であり,御父に愛されていること,また,御父しかお授けになれない神聖な祝福を熱望していることを聖霊が思い出させてくださることがあります。そのようなときにわたしたちは本心に立ち返り救い主の愛という光の中に戻る努力をする必要があります。

    これらの祝福は,天の御父のすべての子供たちに権利として属するものです。喜びと幸せにあふれる生活を含むこれらの祝福を望むことは,わたしたち一人一人に対する御父の計画の最も重要な部分を成しています。預言者アルマはこう教えました。「たとえ信じようとする望みを持つだけでもよい。……その望みを育ててゆけ。」2

    霊的な望みが大きくなるにつれて,霊的に自立していきます。では,救い主に従い,福音に添って生活したいという望みを周りの人,自分,家族が強めるにはどうすればよいでしょうか。悔い改めてふさわしくなり最後まで堪え忍びたいという望みを,どうすれば強められるでしょうか。青少年やヤングアダルトが改心し,「主なるキリストの贖罪により,〔真の〕聖徒とな〔る〕」3までこれらの望みを育てるために,どのような助けができるでしょうか。

    わたしたちはよく祈って聖約を守るとき,改心し,霊的に自立します。聖約を守るとはすなわち,ふさわしく聖餐を受け,神殿推薦状を持つにふさわしくあり,人々に奉仕するために犠牲を払うのです。

    ふさわしく聖餐を受けるために,バプテスマのとき交わした聖約を新たにしていることを思い起こします。聖餐を毎週霊的に清める機会とするには,聖餐会に出席する前に備える必要があります。日常の仕事や娯楽を意識して離れ,この世的な思いや関心を捨てて,思いと心に聖霊を受けるゆとりを作るのです。

    このようにして贖罪について深く考える備えをします。救い主の苦しみや死という事実についてただ思いを致すこと以上に,深く考えることで,救い主の犠牲を通してまさしく心からの変化を生活にもたらす希望,機会,力を得ることに気づきます。

    聖餐の賛美歌を歌い,聖餐の祈りに参加して,主の肉と血の記念を受ける間,自分の罪や欠点について祈りの気持ちで赦しを求めます。前の週に交わし,そして守ってきた約束を思い起こし,次の週も救い主に従うために明確で個人的な決意をするのです。

    親と指導者の皆さん,皆さんは青少年に,生活における贖罪の関連性について学び,話し合い,理解する特別な機会を設けることで,青少年が聖餐のたぐいまれな祝福を味わうのを助けることができます。自ら聖文を調べ,自分の経験から互いに教え合うよう彼らを導いてください。

    父親,神権指導者,定員会会長会の皆さんには,アロン神権者が聖餐の神聖な務めを果たすため真剣に準備するよう助ける特別な責任があります。週の間中,福音の標準に添った生活をすることがこの準備となります。ふさわしく敬虔に聖餐を準備し,祝福し,配るときに,彼らは文字どおり,最後の晩餐4における救い主の模範に従い,主のようになるのです。

    聖餐は本心に立ち返り,心の「大きな変化」5を経験する,つまり自分が何者であり,いちばん望んでいるものは何かを思い出す機会となることを証します。戒めを守るという聖約を新たにするとき,天の御父のみもとへ戻るよう導いてくださる聖霊を伴侶とすることができます。このため,わたしたちが「パンと〔水〕を頂くためにしばしば集ま〔り〕」6,また霊の糧となるよう聖餐を受ける7よう命じられているのは当然のことなのです。

    聖餐に加えて,神殿推薦状を受けるにふさわしくなるとき,天の御父のみもとに戻りたいという望みが強まります。わたしたちは着実にまた確固として戒めを守ることでふさわしくなります。この従順さは子供のころに始まり,備えの時期の間アロン神権や若い女性での経験によってより確かになります。そして願わくは,祭司あるいはローレルになったら目標を決め,神殿でエンダウメントと結び固めを受けるために具体的に備えるのです。

    推薦状を持つ者の基準は何でしょうか。詩篇の作者はこう言っています。

    「主の山に登るべき者はだれか。その聖所に立つべき者はだれか。

    手が清く,心のいさぎよい者……こそ,その人である。」8

    神殿推薦状を持つふさわしさは神殿の聖約を守る力をくれます。どうしたらその力を自らの身に受けられるでしょうか。わたしたちは天の御父,イエス・キリスト,聖霊を得るよう,また贖罪が現実に行われたこと,預言者ジョセフ・スミスと回復が真実であることに証を得るよう努力します。指導者を支持し,思いやりをもって家族に接し,主のまことの教会の証人となり,教会の集会に出席し,聖約を尊び,親の務めを果たし,徳高い生活を送ります。要するに,忠実な末日聖徒でいることだと考えるかもしれません。そのとおりです。神殿推薦状を持つ基準は到達できないほど高いものではありません。福音を忠実に守って生活し,預言者に従うだけのことです。

    そして,エンダウメントを受け,神殿推薦状を持つ者として,わたしたちはキリストのように生活するという規範を確立します。この規範には従順,戒めを守るために犠牲を払うこと,互いに愛し合うこと,思いと行いを清くすること,神の王国の建設のために献身することが挙げられます。救い主の贖罪と,これら忠実さの基本的な規範に従うことにより,「高い所から力を」9授かり人生の問題に立ち向かうことができます。わたしたちは今この神聖な力をかつてなく必要としています。それは神殿の儀式を通してのみ受けられる力です。神殿の儀式を受けるために払う犠牲は,どんな努力をしてでも払う価値があることを証します。

    福音を学びたい,従いたいという望みが強まると,わたしたちは自然と互いに仕えようとします。救い主はペテロに言われました。「あなたが立ち直ったときには,兄弟たちを力づけてやりなさい。」10 今日の青少年が抱いている望み,すなわち人に仕え,祝福をもたらし,世に変化をもたらしたいという強い望みにわたしは感銘を受けています。彼らはまた,奉仕によって得る喜びを心から望んでいます。

    けれども,今の行動が将来の奉仕の機会に対してどのように備えとなるか,あるいは妨げとなるのかを理解するのは青少年にとって容易なことではありません。自立するのを助けることで,彼らが生涯の奉仕に備えられるようにする「ぜひとも果たすべき義務」11がわたしたち全員にあります。これまで話してきた霊的な自立に加えて,物質的な自立もあります。これには高校卒業後の教育や職業訓練,働くことを覚えること,収入の範囲内で生活することが含まれます。今から負債を避け,貯金することにより,将来専任で教会奉仕の業に携わる準備をします。物心両面で自立する目的は,援助を必要とする人を引き上げられるように自分を高めることなのです。

    若かろうと年を重ねていようと,わたしたちの今の行動が,将来どのような奉仕ができ,明日を楽しめるかを決めます。ある詩人はこう記しています。「舌やペンが紡ぎ出すあらゆる悲しい言葉の中で,最も悲しいのはこれだ。『こうだったかもしれない』」12 自分のしたことやしなかったことを後悔しながら生きることがありませんように。

    愛する兄弟姉妹,わたしたちが放蕩息子と呼ぶ,救い主が語られた青年は,家に帰って来ました。父は息子を忘れていませんでした。息子を待っていました。そして「〔息子が〕まだ遠く離れていたのに,父は彼をみとめ,哀れに思って走り寄り,……接吻した」13のです。息子の帰還を祝って,父は最上の着物と指輪を用意させ,肥えた子牛で祝宴を開きました。14これはわたしたちが天の御父のみもとへ帰る道のりを忠実に堪え忍ぶならば,あらゆる祝福にあずかれることを思い出させてくれます。

    わたしは御父と御子の愛を心に抱いて皆さんに強く求めます。わたしたち一人一人が自分の霊的な望みに従い,本心に立ち返ることができますように。鏡に向かって自分にこう問いかけてください。「わたしはどれほど聖約に添って生活しているだろうか。」こう答えることができれば,正しい道を歩んでいます。「わたしは毎週ふさわしい状態で聖餐を受け,神殿推薦状を持つにふさわしく,神殿に参入し,人々に奉仕し祝福をもたらすために犠牲を払っています。」

    神はわたしたちの罪を贖うため「そのひとり子を賜わったほどに」15一人一人を愛しておられることを特別に証します。神はわたしたちが遠く離れていても,わたしたちを知っていて,待っておられます。自分の望みに基づいて行動し本心に立ち返るとき,わたしたちは「主の愛の御腕に永遠に抱かれ」16,天の家に迎え入れられます。救い主イエス・キリストの聖なる御名により証します。アーメン。