日曜学校―福音の教義
第45課:「勝利を得る者は,これらのものを受け継ぐであろう」


45

「勝利を得る者は,これらのものを受け継ぐであろう」

黙示1-312

目的

イエス・キリストに対する証によってこの世の試練に打ち勝つ人々には祝福がもたらされることを生徒に理解させる。

準備

  1. 以下の聖句を読み,内容について深く考え,祈る。

    1. 黙示1:1-3,9-20。ヨハネは天使を通して主から与えられた啓示を記録するよう指示される。ヨハネはイエス・キリストの教会の7地域を表す様々な象徴を示現で見る。

    2. 黙示2-3。主はヨハネを通して,この世の試練と誘惑に打ち勝つ人々を待つ偉大な祝福についてアジヤにおける教会の7つの支部に所属する聖徒たちに教えられる。

    3. 黙示12。ヨハネは天の戦いとその戦いが地上において継続される様子を示現で見る。ヨハネは聖徒たちが救い主の贖罪と自分たちの証によってサタンに打ち勝つことを知る。

  2. そのほかの読書課題:黙示21:7『聖句ガイド』「黙示録(ヨハネの)」の項,260-261。

  3. 「導入」の活動を行う場合は,187ページの絵を使う準備をする。生徒全員に見えるようにこの絵を黒板もしくは模造紙に拡大して描くとよい。

  4. 教えるための提案:優れた教師は優れた聞き手でもある。耳を傾けるという行為には語られていることを聞くだけでなく,理解しようという努力が含まれる。注意深く耳を傾ける教師は,生徒を理解し,生徒を大切にしていることを生徒に伝える(『教師,その大いなる召し』単元H「3.耳を傾ける」185-188参照)。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

主は地上での務めを果たしておられた間,教える際にどのような象徴を使われたかについて生徒に考えさせる。(塩,麦と毒麦,パン,オリーブの木,などの答えが考えられる。)

導入

  • なぜ象徴を用いて教えると効果があるのでしょうか。(学習する人々は,なじみのない考えや物をよく知っているものと関連させて考えることによって,理解し,記憶することが容易になる。学習者のレベルに応じた意味を持たせることができる。教えた事柄を深く考えさせることができる。)

象徴は聖典全体で用いられているが,特に黙示録では頻繁に用いられていることを説明する。187ページの絵を見せて,黙示1に登場する象徴を描いたものであることを説明する。本課ではこれらの象徴一つ一つについて話し合う。

黙示録の著者である使徒ヨハネは,言語や文学において象徴を多用する文化的な背景を持っていたことを説明する。ヨハネの記録で用いられている象徴的表現は,現代の読者にとって難解であることが多い。表象を文字どおりに理解するとしたら,黙示録は奇妙で混乱を招く書物であるかのような印象を受けるかもしれない。多くの表象が,わたしたちにとってなじみのある人々,物,概念などの象徴であることを理解していれば,この書は理解しやすいものとなる。

聖句を使った話し合いと応用

本課で採り上げられている聖句と質問のうち,生徒の必要を最もよく満たすものを祈りをもって考える。レッスン時間の大半をそれらの聖句と質問に関する話し合いに充てる。黙示録は今日のわたしたちに関係があり,役に立つ書物であることを生徒に理解させる。

1.ヨハネはイエス・キリストの教会の一部を表す様々な象徴を示現で見る。

黙不1:1-3,9-20を読んで,話し合う。

黙示録に関する以下の全般的な情報を生徒とともに検討する。

ヨハネは救い主から選ばれた最初の使徒の一人である。ヨハネはイエス・キリストについて証を述べたために,ローマ政府により,現在のトルコの西海岸沖合にある小島,パトモス島に追放された。ここで天使の訪れを受け,啓示を与えられたヨハネは,それをアジヤにある教会の7つの支部にあてた手紙に記した(黙示1:1,9-11)。黙示録はこれらの手紙をまとめたものである。

黙示録はほとんどが象徴的な言語で記されている。黙示録の中心となるテーマは「この地上において神は悪魔に対して最終的に勝利を収められる。すなわち,善は悪に対して,聖徒は迫害者に対して,神の王国は人の王国とサタンの王国に対して恒久的な勝利を収めることである。……生き物,戦争,天使,人々などに関する詳細な説明は,このテーマを発展させたものである。多少の研究によって,詳細にわたる部分までを完全に理解することはできないまでにしても,テーマを理解することはできる。」(Bible Dictionary, “Revelation of John”『聖書辞典』「ヨハネの黙示録」の項,762)

黙示録の序文となる最初の3章には啓示が真実であることについてのヨハネの証,主の命令に基づいてヨハネが与えた指示,アジヤの教会の7つの支部に与えたヨハネの勧告が記録されている。4章には天に関してヨハネが受けた示現,5-20章には神の王国が勝利を収めることに関してヨハネが受けた示現が記されている。この示現ではサタンの王国との戦い,サタンの王国の滅亡,および世界の歴史の最後に起こる出来事が明らかにされている。その後に新しい天と新しい地,すなわち日の栄えの状態となる世界に関する示現が記されている(黙示21:1-5)。そして,天使の証と,主の勧告をもって黙示録は閉じられている。

  • ヨハネがこの示現で最初に見た表象または象徴は何ですか(黙示1:12参照)。燭台は何を表しているでしょうか(黙示1:20参照)。どのような理由から燭台は教会の支部を象徴するものとして適しているでしょうか(3ニーファイ18:24と以下の引用文参照)。今日のワードと支部はどのような意味で燭台の役割を果たしているでしょうか。

    ブルース・R・マッコンキー長老はこのように述べている。「燭台は光をともしておくものであって,光をつくり出すことはしない。燭台の機能は光を役立たせることであって,つくり出すことではない。したがって,ヨハネがこれから勧告を与えようとしている7つの教会を描写するために7つの燭台を主が用いられたのは,地上における主の民が主の光を世界に携えて行くことを意図しておられるのを明らかにするためであった。」(Doctrinal New Testament Commentary『新約聖書教義注解』3:442)

  • 救い主は7つの燭台との関連において,どのような場所におられたでしょうか(黙示1:13参照)。今日,救い主はどのような意味で御自身の教会の真ん中に立っておられるでしょうか。救い主が主の民の真ん中に立っておられるのを知ることは,わたしたちにとってなぜ大切でしょうか。

  • 救い主が7つの燭台の間に立たれたとき,右手に何を持っておられたでしょうか(黙示1:16参照)。7つの星は何を表しているでしょうか(黙示1:20参照;黙示2:1黙示3:1も参照。ジョセフ・スミス訳黙示1-3全体を通して,「御使」という語は「僕たち」に変更されており,これによって星が教会の7つの支部における指導者たちを表していることが明らかにされている)。どのような意味で教会指導者を星にたとえることができるでしょうか。(教会の指導者は探し求める人々のために存在し,彼らに指示を与えている,などの答えが考えられる。)

  • この示現において,救い主のロから何が出てきたでしょうか(黙示1:16参照)。この剣は何を表しているでしょうか(教義と聖約6:2参照)。主の言葉はどのような意味で剣にたとえられるでしょうか(へブル4:12ヒラマン3:29参照)。

  • この示現において,主はほかにどのような象徴を手にしておられるでしょうか(黙示1:18参照)。救い主はこれらの鍵で何をされるのでしょうか。(主はすべての人を肉体の死から解放し,義人を霊の死から解放される。2ニーファイ9:10-13参照)

2.主はこの世の試練と誘惑に打ち勝つ人々に約束された祝福について,アジヤにおける教会の7つの支部に告げられた。

黙示2-3について話し合う。選んだ箇所を何人かの生徒に声を出して読んでもらう。2章と3章にはアジヤにおける教会の7つの支部に対してそれぞれに与えられた主の言葉が記されていることを説明する。主は各支部の長所と弱点を指摘して,弱点を改めるよう聖徒たちに警告された。

  • 主はアジヤの教会員たちの長所を褒め,弱点を正されたように,今日のわたしたちに対しても同じようにしておられます。主はわたしたちのどのような点を褒めておられるでしょうか。主はわたしたちのどのような点を正しておられるでしょうか。

主はアジヤにおける教会の支部に対して指示を与えられたときに,この世の試練と誘惑に打ち勝つ人々に大いなる祝福を約束されたことを説明する。黒板に「勝利を得る者への約束」と書く。それぞれの約束について話し合う際に,それらを黒板に書き出していく。

エペソ人に対して(黙示2:1-7

  • 主はエペソ人に対して悔い改める必要があることを警告されました。しかし同時に「勝利を得る者には,……いのちの木の実を食べることを」約束されました。「いのちの木」とは何を表しているのでしょうか(1ニーファイ11:21-22参照)。これはなぜあらゆる祝福の中でもっとも好ましいものなのでしょうか。

スミルナの聖徒たちに対して(黙示2:8-11

  • 主はスミルナの聖徒たちに対して彼らが苦難を受けることを警告されました。けれども同時に「勝利を得る者は,第二の死によって滅ぼされることはない」ことを約束されました。第二の死とは何でしょうか(アルマ12:16,32ヒラマン14:18参照)。スミルナの聖徒たちに与えられた主の約束から,わたしたちは試練の持つ意味をどのように正しく理解することができるでしょうか。

ペルガモの聖徒たちに対して(黙示2:12-17

  • 主はペルガモに住む一部の人々がバラムの教えに従っていることを非難されました。バラムは旧約時代の預言者で,主の御心を行うことよりもこの世の誉れと報いを求めた人でした。わたしたちが主の御心に従うために捨てなければならないこの世の誉れと報いには,どのようなものがあるでしょうか。

  • 主はペルガモの聖徒たちに「勝利を得る者には,隠されているマナを与えよう」と約束されました(ここで用いられている「隠されている」という語は,神聖なまたはすベての人には明らかにされていないという意味である)。隠されているマナとは何を表しているでしょうか(ヨハネ6:35,49-51参照)。

テアテラの聖徒たちに対して(黙示2:18-29

  • 主はテアテラの聖徒たちに対して,勝利を得る者にどのような約束を与えておられるでしょうか(黙示2:26-28参照。これらの約束は,義人が天の王国を支配する昇栄と永遠の命の祝福を指していることを説明する)。義人が国々を支配するために用いる「鉄のつえ」〔訳注-英語でrod of iron「鉄の棒」の意〕とは何でしょうか(1ニーファイ11:25参照)。わたしたちは神の言葉によってどのように自分の生活を支配することができるでしょうか。

  • 黙示2:28の明けの明星とはだれのことでしょうか(黙示22:16参照)。明けの明星を与えられるとはどのような意味でしょうか。(わたしたちの生活の中にキリストをお迎えする,主の贖罪によってもたらされる祝福を受ける,などの答えが考えられる。)

サルデスの聖徒たちに対して(黙示3:1-6

ヒラデルヒヤの聖徒たちに対して(黙示3:7-13

  • 主は「〔主の〕言葉を守り,〔主の〕名を否まなかった」ヒラデルヒヤの聖徒たちのために何をすると言われたでしょうか(黙示3:10参照)。義にかなう生活をしていると誘惑を退けやすくなるのはなぜでしょうか。

  • 主は勝利を得る者に「わたしの神の御名と,わたしの神の都,……を,書きつけよう」と約束しておられます。神の御名と,神の都をわたしたちに書きつけるとはどのような意味でしょうか。(わたしたちは神のようになり,神の永遠の王国に住む民となる。)

ラオデキヤの聖徒たちに対して(黙示3:14-22

  • 主は「熱くもなく,冷たくもなく,なまぬるい」ラオデキヤの聖徒たちを非難されました(黙示3:15-16)。どのようなときにわたしたちは霊的に「なまぬる」くなるでしょうか。イエス・キリストの福音に献身する気持ちを強めるにはどうすればよいでしょうか。

  • 主はラオデキヤの聖徒たちに「勝利を得る者には,わたしと共にわたしの座につかせよう。それはちょうど,わたしが勝利を得てわたしの父と共にその御座についたのと同様である」と約束しておられます(黙示3:21)。主とともに御座に着くという約束はどのような祝福を象徴しているでしょうか(ローマ8:16-17参照)。

黒板に書かれている祝福を指して,すべての祝福を書き出してみると,これらは義人の永遠の行く末を表していることを説明する。これらの約束のまとめとして,生徒に教義と聖約132:20を読ませる。

3.ヨハネは聖徒たちがイエス・キリストの贖罪と自分たちの証によってサタンに打ち勝つことを知った。

黙示12から選んだ箇所を読んで,話し合う。ヨハネはこの啓示の中で,天における戦いとその戦いが地上において継続される様子を表す象徴的な示現を見たことを説明する。

黙示12:1-2,5で述べられている女は神の教会を表していることを説明する。女が産んだ子供は神の王国すなわちイエス・キリストが支配される福千年の間地上に存在する政体を表している(ジョセフ・スミス訳黙示12:7参照。ジョセフ・フィールディング・スミス『救いの教義』ブルース・R・マッコンキー編,1:217も参照)。

  • 黙示12に登場する龍はだれを表しているでしょうか(黙示12:9参照)。天の戦いにおいてこの龍と龍に従った者たちはどうなったでしょうか(黙示12:3-4,7-9参照)。龍は投げ落とされた後に何をしたでしょうか(黙示12:17参照)。今日戦いを挑んでいるサタンはだれのことでしょうか(黙示12:12参照)。

    ウィルフオード・ウッドラフ大管長はこのように述べている。「この地上とそこに住む人々の中には二つの力が存在しています。神の力と悪魔の力です。……神が地上に人を置かれて以来常に,時代を問わず,暁の子ルシフエルと天から投げ落とされた無数の堕落した霊は,神とキリスト,神の業,そして神の民に戦いを挑んできました。彼らは現在のこの時代に生きる人々の中において,手を休めているわけではありません。いつの時代であれ,主が御業に着手されると必ずこの悪の力はそれを覆そうとするのです。」(Deseret Evening News『デゼレト・イブニングニュース』1896年10月17日付け,9;「勝利の戦い」『聖徒の道』1987年1月号,48-49)。

  • 教会と神の王国は最終的にどのようにしてサタンに打ち勝つのでしょうか(黙示12:11参照)。キリストの贖罪と,贖罪に対する個人の証は,サタンと戦うわたしたちにとってどのような助けとなるでしょうか。

結び

この世の誘惑と試練に打ち勝つ人々は永遠の命という祝福を受け継ぐことについて証する。悔い改めて忠実であるならば,救い主の贖罪はわたしたちが勝利を得るための手段となることを確認する。

教えるためのそのほかのアイデア

以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。このアイデアをレッスンに取り入れてもよい。

「見よ,わたしは戸の外に立って」(黙示3:20

「戸をたたかれるイエス」を見せる(『福音の視覚資料セツト』237)。

  • 黙示3:20は主についてどのようなことを教えているでしょうか(黙示22:17も参照)。あなたはこれが真実であることをどのようにして知りましたか。