「4:深く考える」『主に力を見いだす:レジリエンスを高める』 「4:深く考える」『主に力を見いだす:レジリエンスを高める』 学ぶ—所要時間:60分以内 1.ストレスや不安とは何か 読む: ストレスや不安は生活に付き物です。それらは,仕事での問題,学校でのテスト,重要な決断など,対応を必要とされる事柄に対する脳や体の反応を言い表す言葉です。適度なストレスや不安なら,集中力を高め,目標に到達し,体を守る助けとなります。例えば,仕事に関してある程度のストレスがある場合,やるべきことに集中する心構えで仕事を手がけることでしょう。 緊張感と不安は元気を保つ助けになりますが,あまりに頻繁に,または長い間ストレスがかかると,重大な問題を生じ,心の病になることがあります。過度のストレスや不安に見舞われていると,頻繁に病気になったり,頭痛がしたり,かっとなったり,食欲に急激な変化が生じたり,集中力の欠如を経験したりすることもあるでしょう。 仕事に追われていると感じるようになったり,何か悪いことが起きるのではいか,自分は十分な能力がないのではないかと不安になり,仕事に行きたくないと感じるかもしれません。これらは極度の不安を感じている,またはストレスと不安によって弱っているサインです。 ストレスと不安は御霊を感じる能力に影響を与えたり,霊的な促しに対する理解を歪めることがあります。レイナ・I・アブルト姉妹は言いました。「常に悲しかったり,苦悩により天父や御子の愛と聖霊の影響を感じられない場合,うつ病や不安神経症,またはその他の情緒的状態によるものかもしれません。(「曇りの時も晴れの時も,主よ,われと共におりたまえ」『リアホナ』2019年11月号,57) この章は,通常レベルのストレスや不安によりよく対処する方法を学ぶことに焦点を合わせています。自分が過度のストレスや不安を感じているときにそれに気づき,適切な助けを求めることを学びます。 話し合う: ストレスや心配は,わたしたちをどのように助け,あるいは傷つけてきたでしょうか。 2.ストレスのレベルを理解する 読む: 速度を落とすように,給油するように,またはエンジンの点検をするように知らせてくれる車のダッシュボードの計器のように,ストレスの症状は,ペースを落とすように,霊的な「タンク」を満たすように,そして新しい解決法を見つけるように知らせてくれるシグナルです。ストレスに効果的に対処するには,ストレスを4 つの異なるレベルに分類することが助けとなることがあります。(以下の活動の表を参照してください。) 読む: 日々の生活にうまく対処するのが難しい人は,健康上の問題があるのかもしれません。緊急の事態によって,突然オレンジや赤のゾーンに移行することもあり得ます。対処できないと感じたり,有害な物質を使用している場合には,すぐに医療従事者の助けを求めるべきです。自殺を考えている人は,最寄りの病院の救急センターに行き,ビショップまたはほかの教会指導者に連絡を取ってください。ヘルプラインと援助手段については,suicide.ChurchofJesusChrist.org を参照してください。 北アメリカ在住の人は全米自殺予防ライン(800)273-8225 に電話をしてください。 3.マインドフルネスを利用してストレスを減らす 読む: ストレスや正しくない思考パターンによって思いが支配され,歪められることがあります。意識が当てもなくさまよったり,自分の周りで起きていること以外の事柄に目を向け,心を注いだりすることがあります。 わたしたちがレジリエンスを高めるための助けとなる一つのスキルに,マインドフルネスがあります。マインドフルネスとは,今この瞬間にあなたの体があなたに告げている事柄に注意を向けることです。マインドフルネスは,ストレスや不安を減らし,幸福感や自信を増す助けとなります。マインドフルネスはまた,周囲の出来事に過度に反応したり,圧倒されたりすることを避ける助けにもなります。 話し合う: ストレスを受けているときでも心を集中させる助けとなるものは何でしょうか 深く考える: 10段階で,今,自分が感じているストレスはどれくらいでしょうか。 話し合う: マインドフルネスエクササイズは,あなたのストレスのレベルを下げるのに役立ちましたか。 ヒント: マインドフルネスエクササイズは,自分でいつでも行うことができます。この章の終わりに記載されているリソースを使って,マインドフルネスやそのほかのリラックス法についてもっと知っておくとよいでしょう。 4.神聖な力にあずかる 視聴する: 「信仰をもって主に手を伸ばす」はChurchofJesusChrist.org/study/video/inspirational-messages/2018-01-0060-reach-up-to-him-in-faith?lang=jpnで入手可能です〔3分54秒〕。 読む: ダリン・H・オークス管長は,どのような状況においてもキリストはわたしたちを強める力をお持ちであることを教えました。「ですから主は,人の苦闘,心痛,試練,苦痛を御存じなのです。それは,主が贖罪の本質的な部分として,それらを進んで経験されたからです。それゆえに,主の贖罪を通して,主は人を救うことがおできになります。すなわち,すべてに耐える強さを人にお授けになれるのです。…… ……救い主の贖罪には,確かに,万人の復活による不死不滅を保証し,悔い改めとバプテスマにより罪から清められる機会を与える以上の力があります。主の贖罪は,さらに,死すべき状態の重荷を負う強さを与えるために,死すべき状態の人間の弱さをすべて経験された御方に助けを請う機会をも提供してくれるのです。主はわたしたちの苦痛を御存じで,わたしたちのためにおられます。良いサマリヤ人のように,主はわたしたちが道端で傷ついているのを見つけられると,傷に包帯をして,介抱してくださるでしょう(ルカ10:34参照)。人を癒し強めるイエス・キリストとその贖罪の力は,それを求めるわたしたち全員のためにあるのです。」(ダリン・H・オークス「イエス・キリストの贖罪により強められる」『リアホナ』2015年11月号,61-62,64) 話し合う: いつも救い主を覚えていることは,わたしたちがストレスや不安にうまく対処するうえでどのような助けとなるでしょうか。 5.完璧主義 読む: 完璧主義とは,すべてにおいて完璧でなければ,自分は失敗者であり,神やほかの人たちから見て不十分であるという信念のことですしかし,わたしたちは,主がわたしたちに弱さを与えて,わたしたちが謙遜で素直でいられるようにしてくださっていることを知っています(エテル12:27参照)。 完全に関して,ジェフリー・R・ホランド長老は次のように教えています。 「真の完全に至る唯一の希望は,天からの贈り物として賜るものなのです—「獲得」することはできません。このようにキリストの恵みにより,わたしたちは悲しみや罪から救われるだけでなく,自分を責めるというなかなか治らない性癖からも救われるのです。…… 兄弟姉妹の皆さん,この世でしばしば到達できる状態よりももっとキリストのような生き方がしたいと,わたしたちのだれもが切に願っています。それを正直に認めて改善しようとするとき,わたしたちは偽善者とならず,〔本来の〕人間となるのです。……辛抱強く努力を続ければ,永遠のどこかでわたしたちの精錬が終わります。それが新約聖書で言う完全なのです。」(「それだから,あなたがたもいずれ完全な者となりなさい」『リアホナ』2017年11月号41,42) 読む: 自分自身への思いやりを増し,完璧主義を減らすための4 つの原則です: 自分の思いや感情,行動における完璧主義に気づくようになる。 自分の思い,感情,行動に疑問を投げかける。 間違いを人生の一部として受け入れ,間違いを犯すことを恐れない。 自分自身への思いやりを育み,自分の不完全さを含めて自分自身を受け入れ,愛する。 視聴する: “Perfectionism: Will I Ever Be Good Enough?”(「完璧主義:十分な者となる日は来るのだろうか」)はsrs.ChurchofJesusChrist.org/videosで入手可能です〔3分54秒〕。 話し合う: オリビアはどのようにして自分に対してより思いやり深くなり,自分の完璧主義に疑問を投げかけましたか。 話し合う: グループでの経験をより良いものとするために,何ができるでしょうか。 メモ