2000–2009
夫婦宣教師――奉仕の時
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夫婦宣教師――奉仕の時

「成熟した姉妹や夫婦にとって、自分たちが喜んで伝道に出たいと思っている、また出られるということを神権指導者に知らせるのは適切なことです。ぜひそうすることをお勧めします。」

今日きょう、わたしは教会で差し迫っている、ある必要について話す責任があると強く感じています。わたしの話を通して、聖霊が皆さんの心の琴線に触れられ、どこかの夫または妻が、自分の伴侶はんりょを静かにつつき、真理に目覚める瞬間が訪れる、というのがわたしの最大の願いです。わたしは、さらに多くの熟年夫婦が伝道に出ることが緊急に必要であることについてお話しします。現在奉仕されているすべての雄々しいご夫婦の皆さんに感謝します。また、過去に奉仕されたご夫婦、そしてこれから奉仕されるご夫婦の皆さんに感謝します。

教義と聖約の第93章で、主は管理者の立場にある兄弟たちをとがめて次のように言われました。「わたしはあなたがたに、あなたがたの子供たちを光と真理の中で育てるようにと命じた。… …

さて、わたしは戒めをあなたに与える。すなわち、あなたは救い出されたいと望むならば、自分自身の家を整えなければならない。」(教義と聖約93:40、43)

子どもたち、そして孫たちに光と真理を教える最善の方法は何でしょうか。肉親でも親類でも、家族を整える最も重要な方法は何でしょうか。霊的な事柄については言葉よりも模範の方が多くを教えられるというのはほんとうでしょうか。神殿結婚、家族の祈り、聖文研究、家庭の夕べはどれも非常に大切なことです。しかし、もう一つの要素があります。それは奉仕です。もしわたしたちが進んで愛する人々と別れ、伝道地で奉仕するならば、将来何世代にもわたって教え、霊感を与える遺産とし、彼らを祝福することができるのです。

主が兄弟たちに、子どもたちを光と真理の中で育て、家族を整えるように命じた後、すぐに彼らを伝道に召されたことは、わたしにとって意義深いことです。「さて、わたしは友であるあなたがたに言う。わたしの僕しもべシドニー・リグドンは旅に出なさい。急ぎなさい。そして、……救いの福音を告げ知らせなさい。」(教義と聖約93:51)

わたしたちが伝道地で働くとき、子どもたちや孫たちは、わたしたちが家にとどまっていたら実現できなかった方法で祝福を受けます。伝道を終えた夫婦と話してみてください。降り注がれた祝福について教えてくれるでしょう。奉仕をしたために活発でなかった子どもが活発になり、家族がバプテスマを受け、証あかしが強まったことを話すことでしょう。

ある夫婦宣教師は、農場を息子に託して伝道に出ました。それに続くやや乾燥した1年の間に、その農場ては干し草の収穫が2度てきましたか、一方隣の農場ては1度しか収穫できませんでした。隣の農場主は息子に、どうして1度ではなく2度も収穫てきたのか尋ねました。息子はこう答えました。「ご両親を伝道に送り出す必要がありますね。」

夫婦宣教師とその家族への祝福がこれほと豊かであるとすれば、とうしても必要な人数が数万人に及ぶのに、実際に奉仕しているのはわすか数千人というのはなぜでしょうか。たいてい4つのFか妨げとなっていると思われます。4つのFとは恐れ(Fear)、家族の問題(Family Concerns)、財政(Finances)、そして適切な伝道の機会を見いだすこと(Finding the right mission opportunity)です。

まず恐れです。まだ見ぬものへの恐れ、聖文を使う技術や必要な言語を習得していないという恐れは、伝道へ行くのをためらわせるかもしれません。しかし、主はおっしゃっています。「備えていれば恐れることはない。」(教義と聖約38:30)人生は備えの時期です。皆さんは価値ある経験をしてこられました。家族を育て、教会の中て奉仕してこられました。ただ行って、自分らしく振る舞ってください。主は皆さんの前に天使を遣わすと約束しておられます(教義と聖約10319-20参照)。皆さんか若い宣教師たちを強め、求道者や新会員に証し、指導者としての技補を教え、あまり活発でない会員に友情を示し親睦しんぼくを深めるとき、御霊みたまは言うべきことを言うべきときにごく自然な過程で教えてくれるでしょう。皆さん自身がその証であり、出会う人々の生活を変えていくのです。通常、夫婦宣教師はちらし配りをしませんし、レッスンプランを暗記したり、若い長老や姉妹たちと同じスケジュールをこなしたりするように求められることはありません。ただ自分らしくあり、能力を尽くして働いてください、そうすれば主か祝福してくださるてしょう。

夫婦宣教師は友情あふれる行いや指導者としての技術によって、教会が設立されて間もない地域で教会が安定するのを助けます。わたしはこのことをイギリスで伝道部長をしているときに、直接経験しました。それまで訪問者センターて働いていた夫婦を、小さな、問題の多いユニットへ赴任させました。彼らは訪問者センターという「安全地帯」を離れることに少々恐れを抱いていました。しかし、信仰を持ち、働き始めました。半年もしないうちに、聖餐せいさん会の出席者かわすか15人から20人であったこのユニットに、100人以上か集うようになりました。この夫婦か神権指導者とともに働いて、人々との親睦を深めたからてす。今日こんにちでも、この夫婦と彼らの子どもたちは、当時を人生最高の経験として位置づけています。

別の一組の夫婦は、最近チリ、サンティアゴ南部の小さな村で奉仕しました。彼らはスペイン語を学んだことがなく、また快適な我が家をすっと遠く離れて異国に行くことを気がかりに思っていました。しかし、二人はまったく献身的に働き始め、現地の人々を愛し、奉仕しました。聞もなく、その小さな支部に集う会員数は、12人から75人にまで増えました。その夫婦が帰還するとき、支部はバスを借り、全員が4時間も離れた空港へ特別な友人を見送りに行きました。

夫婦宣教師が行う働きは、主の業にとって必要不可欠なものです。夫婦は変化をもたらすことができます。夫婦は、ほかのだれもできないすばらしいことを成し遂げることかできます。

次に、家族の問題です。救い主は漁師たちに呼びかけ、次のように求められました。「わたしについてきなさい。」(マタイ419)主は彼らに、住み慣れた場所を離れ、人間をとる漁師になるように望まれました。夫婦宣教師に求められているのは、彼らか地上で過ごす時間の20分の1にも満たないのです。永遠の観点からすれば、伝道とはごくわずかな時間、住み慣れた場所や家族、古い友人たちとの老後の楽しみを離れることなのです。

主は、皆さんか伝道に出ている間、皆さんの家族に特別な祝福を与えられるでしょう。「主なるわたしは彼らに、わたしがその家族に必要なものを与えると約束をしよう。」(教義と聖約1183)伝道で不在の間に、結婚式、誕生、親族の集まり、その他の家族の行事に出席できないことを心配する夫婦がいます。しかし、祖父母が伝道に出ていることで家族が受ける影響力は、1、000回の説教にも匹敵するのです。家族が両親あるいは祖父母のために祈り、その証と伝道地での貢献について手紙で読むときに、家族は大いに強められます。

ある息子は伝道中の両親に愛のこもった手紙を書きました。「父さんたちが奉仕していることは、わたしたちの子どもへの良い模範です。おかげで子どもたちは教会での召しをもっと意欲的に果たすようになりました。また、手紙や小包をやり取りするときに、わたしたち皆かもっと慈愛を持つように教えてくれます。父さんたちからの手紙やニュースで、わたしたちの証も強まります。仕事を退職して、この世の物差しで見ればあらゆる面で幸せに暮らせたのに、父さんたちが伝道に出たことは、わたしたちに幸せになるための新しい方法を示してくれました。お金では買えない幸福を見つけたのですね。父さんたちが病気その他の逆境を克服し、子どもや孫たち、ひ孫たちを残して喜んで伝道へ出たことで祝福を受けているのを見てきました。わたしたちは、二人を心から愛しています。」

もう一組の夫婦は、このように報告しています。「わたしたちかタイで伝道中に、孫の一人が手紙を送って来ました。それには、伝道に出るかどうか決めかねていたけれど、わたしたちか示した模範のおかげで、今は絶対に行きたいとありました。彼は今伝道中です。」

わたし自身の父と母もイギリスで伝道しました。ある日、わたしは彼らの小さなアパートを訪ねました。ショールで両肩をしっかりくるんだ母が、暖を取るためにガスメーターに小銭を入れているのを見ました。わたしは聞きました。「お母さん、なぜ伝道に来たのですか。」母は簡潔に答えました。「わたしには11人の孫がいるからよ。おばあちゃんとおじいちゃんも伝道したことを知ってもらいたいの。」

1830年、主はトーマス・B・マーシュを召し、家族を残して伝道に出るよう命じられました。マーシュ兄弟は、そのとき家族を残して行くことを大変心配していました。主は愛のこもった啓示を通して、彼に勧告されました。「わたしはあなたとあなたの家族、すなわちあなたの幼い者たちを祝福しよう。心を高めて喜びなさい。あなたの伝道の時が来たからである。また、あなたの家族は生きるであろう。しばしの間だけ家族を離れて出かけ、わたしの言葉を告げなさい。そうすれば、わたしはあなたの家族のために一つの場所を用意しよう。」(教義と聖約312-3、5-6)これらの祝福は、まさに皆さんの子どもたち、孫たち、ひ孫たち、そして将来の子孫にとって最も必要なものかもしれません。

第3に、財政です。出たいという気持ちはあっても、年齢、健康、財政、家族の事情などのため、伝道に出られない夫婦もいます。たぶん出られない人々は、ほかの夫婦が伝道に出るのを助けられるかもしれません。

伝道活動は常に犠牲を伴うものです。犠牲が必要とされるなら、いっそう豊かな祝福が与えられるでしょう。子どもたちは、両親を伝道に出るように励ましてください。そして、必要なら、財政的な援助をしてください。しばしの間ベビーシッターを失うかもしれませんが、皆さんと家族が受ける永遠の報いは、その短期の犠牲を補って余りあるものです。

まだ子どもが家にいる若い夫婦の皆さん、将来伝道に出ることを、今決意してください。そして、財政的に、肉体的に、霊的に可能となるよう計画し、準備してください。宣教師として奉仕する偉大な模範は、皆さんの子孫に残す遺産であることを確信してください。

わたしたちの人生の中で、奉献の律法に真に従い、すべての時間をささげて主に仕えることができる、二つの特別な時期があります。一つは、青年男女として専任宣教師になることです。もう一つは、生活の糧を得るという要求をすべて満たし終わった後に来る特別な時期です。後者は「族長時代」と呼ぶことができます。人生の豊かな経験を用いて、夫婦で出て行き、主の僕として自らのすべてをささげられる時期です。

永遠の伴侶とともに奉仕できる祝福は計り知れない価値を持ち、経験した者だけが理解できます。妻とわたしは、伝道地でその特権を得ました。毎日が日々の報いを伴う特別な日であり、主の時に主の方法で個人の成長と発展をもたらしました。この種の奉仕から生まれる充実感は、皆さん自身と、結婚生活、そして家族を永遠に祝福するでしょう。

最後に、適切な伝道の機会を見いだすことです。夫婦が奉仕できる方法は事実上無数にあります。伝道本部での援助、指導者訓練から家族歴史、神殿の業、そして人道的救援活動まで、主が皆さんに与えられた、ほとんどすべての特技や才能を用いる機会があります。

時間を取って伴侶とともに、二人の健康、資金、特殊な賜物たまものや才能を評価してください。そして、すべてが整ったら監督のところへ行き、このように言ってください。「準備ができました。」伝道に出たいという望みについて監督や支部長に持ちかけるのを無作法だと思うかもしれません。しかし、成熟した姉妹や夫婦にとって、自分たちが喜んで伝道に出たいと思っている、また出られるということを神権指導者に知らせるのは適切なことです。ぜひそうすることをお勧めします。

監督の皆さん、宣教師活動の推薦面接を行い、宣教師となれる夫婦が伝道に出られるように、話したり励ましたりすることを決して躊躇ちゅうちょしないでください。

モルモン手車訪問者センターのデイレクターを務めるクラレンス・R・ビショップ長老は5回伝道に出ました。最初は青年のときでした。残りの4回は、霊感を受けた神権指導者との面接によって出ることになりました。彼は、監督が伝道に出るよう励まさなかったら、その4回はどれも出ていなかったかもしれないと言います。

熟年の夫婦や独身の姉妹たちの中には、タイの学生、教師、政府関係者に、第2外国語としての英語を教える宣教師に召された人たちがいます。こうした現役を退いた教師および教育者たちは、長年の教育経験を通して培った賜物と才能を惜しげなく提供することにより、学生に英語を教え、教師を訓練し、教会の親善大使としてタイで大活躍しています。

ジェリー・ジョンソンと奥さんのカレンは香港ホンコンで伝道し、第2外国語としての英語を教えました。伝道が間もなく終わるある日、クラスが終わった後、ジョンソン姉妹がとても親しくなった一人の小学2年生の少女が姉妹のところに来ました。そしてあたかも飛んでいる飛行機のように両腕を広げ、次のように言いました。「メグウォ?」これは「アメリカ?」という意味です。ジョンソン姉妹は少女を見て答えました。「そうよ。アメリカに帰るの。」少女はジョンソン姉妹の胸に顔をうずめ、泣き出しました。「わたしは彼女を強く抱き締め、一緒に泣きました。ほかにも50人くらいの生徒が周りに集まり、同じように泣いていました。わたしたちは伝道によって、豊かなあふれる愛の真ん中に置かれ、その愛がわたしたちを包み込んでいるかのようでした」とジョンソン姉妹は語っています。

イエスは十二使徒を伝道に遣わされるとき、次のように命じられました。「ただで受けたのだから、ただで与えるがよい。」(マタイ10:8)多くが与えられたところでは、多くが期待されます。皆さんは人生の中で多くを受けてこられました。どうぞ出て行き、ただで与え、わたしたちの主、救い主のために務めてください。信仰を持ってください。主は、皆さんがどこで必要とされているかを御存じです。兄弟姉妹、この必要は甚大です。しかし、働き手はきわめて少ないのです。

「あなたがたが同胞はらからのために務めるのは、とりもなおさず、あなたがたの神のために務めるのである……。」(モーサヤ2:17)これは主の業です。出て行って、奉仕しましょう。

皆さんが、皆さんと家族のために用意された伝道活動の祝福を経験できるよう、イエス・キリストの御名みなによってお祈りします。アーメン。