「38.教会の方針と指針」『総合手引き—末日聖徒イエス・キリスト教会における奉仕』(2020年)
「38.教会の方針と指針」『総合手引き』
38.
教会の方針と指針
38.1
教会への参加
天の御父は,御自分のすべての子供たちを愛しておられます。また,「すべての人が神にとって等しい存在」であり,御父は「御自分のもとに来て主の慈しみにあずかるよう」すべての人を招いておられます(2ニーファイ26:33)。
教会の指導者と会員は,だれが末日聖徒イエス・キリスト教会の集会に出席できるか,だれが教会員になることができるか,そしてだれが神殿に参入することができるか,よく尋ねられます。
38.1.2
教会員になる
末日聖徒イエス・キリスト教会の会員になることができるのは,「打ち砕かれた心と悔いる霊をもって進み出て」,「進んでイエス・キリストの名を受け」,神聖なバプテスマの聖約を交わし,それを守りたいと望む人です(教義と聖約20:37)。
8歳以上の未成年の子供は,親権者や法定後見人の許可があれば,バプテスマを受けることができます。親権者や法定後見人は,子供が教わることになる教会の教義を理解し,子供がバプテスマの聖約を交わして守ることができるように支援するべきです。
38.1.3
神殿参入
神殿は神聖な礼拝の場であり,神殿内では必要不可欠な儀式を受け,神聖な聖約を交わします。教会員にとって,神殿は神の宮です。この神聖さとそこで交わす聖約のために,神殿に参入できるのは,有効な神殿推薦状を持つ教会員のみです。会員は,求められている戒めを忠実に守り,イエス・キリストの福音に従って生活するなら,神殿推薦状を受けることができます。
38.1.4
未婚会員の参加と祝福
すべての会員は,たとえ結婚したことがなくても,家族が教会員でなくても,永遠の家族の中で生活するという理想に向かって努力するべきです。これは,ふさわしい夫または妻として結び固められ,愛に満ちた父親または母親になる備えをすることを意味します。一部の人にとって,これらの祝福は来世まで成就しないこともありますが,最終的な目標はだれにとっても同じです。
現世で永遠の結婚と親になる祝福を受けられない状況にある忠実な会員は,神と交わした聖約を守るかぎり,約束されたすべての祝福を永遠の世において受けることになります(モーサヤ2:41参照)。
38.2
儀式と祝福に関する方針
儀式と祝福を行うための指示は,下記の出版物に概説されています。
神殿の儀式に関する方針は,本手引きの第27章および第28章に概説されています。
38.2.1
一般的な方針
38.2.1.1
儀式や祝福の執行または参加
儀式や祝福の執行者や参加者について詳しくは,第18章にある各儀式や祝福に関する指示を参照してください。
38.2.1.2
儀式と祝福の翻訳と通訳
管理役員は必要に応じて,儀式や祝福の言葉を,本人が理解できる言語に翻訳または通訳するよう神権者に依頼することができます。それができる神権者がいない場合,管理役員は翻訳または通訳のできる男性や女性に依頼することができます。
また管理役員は,本人に聴覚障害がある場合,儀式や祝福の通訳を神権者に依頼することもできます。神権者がいない場合,管理役員は通訳のできる男性または女性に依頼することができます。
38.2.1.3
儀式の記録
救いの儀式や神権の聖任が執行された場合,本人の会員記録を有するワードの書記は,以下を行います。
儀式や聖任に関する情報を入手する。
この情報が,本人の会員記録と証明書に記録されるようにする。
バプテスマ,確認,神権の聖任,神殿のエンダウメント,親子の結び固め,神殿の結び固めの儀式が執行されたら,その完了日を本人の会員記録に記録します。メルキゼデク神権の聖任については,各聖任の執行者の氏名も記録します。
38.2.1.4
別のワードにおける儀式や祝福の執行
神権者が所属ワード以外で儀式の執行者を務める場合に関する情報は,第18章の各儀式と祝福についての指示を参照してください。
38.2.1.5
儀式と祝福の言葉の録音
祝福師の祝福は,録音され,記述されます。ほかの儀式や祝福の正確な言葉は,書面や録音機器によって記録されることはありません。ただし,家族は父親の祝福を記録することができます。
38.2.1.6
儀式と祝福の写真撮影とビデオ録画
いかなる人も,神権の儀式や祝福,バプテスマ会を写真やビデオで撮影するべきではありません。
38.2.1.7
養子縁組された子供の儀式
法律上の養子縁組が確定した後,養子縁組された子供は,養父母の姓で儀式を受けます。バプテスマを受けた後に養子縁組された子供は,再びバプテスマを受けることはありません。書記は,養子縁組の確定証明書の記載に合わせて会員記録に変更を加えます。
養子や里子の結び固めについて詳しくは,38.5.2.4を参照してください。
38.2.1.8
知的障害のある人の儀式
知的障害のある人のために儀式を執行するかどうか検討する場合,神権指導者と親は,本人の希望や理解の度合について祈りをもって考察します。本人がふさわしく,儀式を受けることを望んでおり,適切な責任能力があると認められるならば,儀式を差し控えるべきではありません。
知的障害のために責任能力がなく,神と聖約を交わすことのできない人には,救いと昇栄の儀式は執行しません。また,これらの儀式は,8歳未満で死亡した子供のために行いません。これらの人々は,「天の日の栄えの王国に救われる」からです(教義と聖約137:10。モロナイ8:8-12も参照)。
特定の人に関して質問がある場合,ビショップはステーク会長に相談します。ステーク会長は必要に応じて,大管長会事務局に質問を照会することができます。
指導者は,儀式を行うべきだと判断した場合,本人が儀式について理解し,準備できるように支援します。
知的障害がある人のための個人の儀式に関する情報は,以下に記載されています。
バプテスマについては38.2.3.5を参照。
神権の聖任については38.2.5.4を参照。
祝福師の祝福については38.2.12.1の第4段落を参照。
神殿の儀式については26.3.5を参照。
38.2.1.9
身体の不自由な人が施す,または受ける儀式と祝福
身体の不自由な会員(片腕または両腕の喪失,下半身まひ,四肢まひ,聴覚障害など)も儀式と祝福を施し,また受けることができます。指導者は,これらの人が障害の許す方法で参加できるように必要な手配をします。指導者に解決できない質問がある場合,ステーク会長はそれを大管長会事務局に照会します。
聴覚障害のある人は,儀式や祝福を施すときや受けるときに,手話でコミュニケーションを取ることができます。儀式を管理する神権指導者は,通訳やそのほかの手段で,本人が儀式を理解できるようにします(38.2.1.2参照)。
38.2.1.10
儀式が無効な場合の手続き
有効な記録が存在しない儀式。記録保存の目的上,少なくとも儀式が執行された正確な年が会員記録に記録されていないかぎり,その儀式は有効とは見なされません。日付が記載されていない場合や間違っている場合,会員はビショップに,儀式が執行されたときに交付された証明書の原本を提示することにより,その儀式を有効にすることができます。その後ビショップは,この情報を会員記録に記載するよう書記に依頼します。
教会の記録から情報が見つからない場合,ビショップや書記は,二人の証人の証言を得ることで儀式が有効であることを証明するよう試みることができます。二人の証人は,下記の要件を満たしているべきです。
儀式が執行されたときに10歳以上であった。
儀式を見聞きした。
証言する時点で記録上の教会員である。
(1)儀式が執行された日付,または(2)執行された年と執行者を明記して,書面による証言を提出する。
ビショップリックの一員または上位の教会役員の前で書面にした証言に署名する。
この証言を入手したら,ビショップは,会員記録の日付を記入または訂正することを書記に認可することができます。その後,証言の書類は破棄することができます。
証明書の原本,教会記録の調査,あるいは証人の証言によって立証できなければ,その儀式を有効とするために,再度執行しなければなりません。
会員が無効な儀式の後にほかの儀式を受けていた場合,それらの儀式を有効とするには,大管長会から追認を得なければなりません。追認を申請するには,ステーク会長が大管長会事務局に手紙を送ります。
順序を誤って受けた儀式。順序を誤って受けた儀式は,有効ではありません。例えば,男性会員がメルキゼデク神権を受ける前にエンダウメントを受けた場合,そのエンダウメントは有効ではありません。ただし,大管長会はそのような儀式を追認することができます。追認を申請するには,ステーク会長が大管長会事務局に手紙を送ります。
適切な年齢になる前に執行された儀式。適切な年齢になる前に執行された儀式は,有効ではありません。例えば,8歳になる前に執行されたバプテスマは,有効ではありません。無効な儀式は,それに基づいてほかの儀式を受けていなければ,再度執行すべきです。神権の聖任などのほかの儀式を受けている場合は,それらの儀式と無効な儀式を有効にするために,大管長会から追認を得なければなりません。追認を申請するには,ステーク会長が大管長会事務局に手紙を送ります。
再度執行された儀式の記録。有効とするために儀式が再度執行された場合,書記は,たとえ会員記録上のほかの儀式と日付の順序が逆になっても,その日付を記録に記載します。
38.2.2
子供の命名と祝福
特殊な状況にある子供の命名と祝福には,以下の方針が適用されます。子供の命名と祝福に関する指示については,18.6を参照してください。
38.2.2.1
非嫡出子
非嫡出子として生まれた子供は,聖餐会(通常は断食証会)で祝福を受けることができます。家族が希望する場合,ビショップは,ビショップリックの一員の管理の下,メルキゼデク神権者が家庭で子供に祝福を授けることを承認できます。
38.2.2.2
重病の乳児
新生児が重病に陥っている場合,メルキゼデク神権者は,事前にビショップの承認を得なくても,病院または家庭で命名と祝福を行うことができます。これを実施する人は,必要な記録が作成されるように,速やかにビショップに通知します。
38.2.2.3
片親または両親が会員でない子供
子供の親権者や法定後見人の一方または両方が教会員ではないが,子供に祝福を授けることを求めている場合,ビショップは祝福の前に両者から口頭で許可を得るべきです。ビショップは,祝福後に子供の会員記録が作成されることを説明します。また,以下についても伝えます。
ワードの会員が定期的に連絡を取る。
ビショップまたはワード宣教師が訪問して,子供が8歳になったらバプテスマを受けるように提案する。
38.2.3
バプテスマと確認
38.2.3.1
記録上の会員である子供
38.2.3.2
改宗者
伝道部会長は,伝道部内で改宗者にバプテスマを施すための神権の鍵を持っています(18.7.1にある改宗者の定義を参照)。専任宣教師は,伝道部会長の指示の下に,各志願者のバプテスマと確認の面接を行い,儀式の執行を承認します。伝道部会長はまた,伝道部のスタッフが儀式を記録して会員記録が作成されるのを監督します。
専任宣教師は,ワード伝道主任(召されている場合),あるいはワードの伝道活動を導く長老定員会会長会の一員と綿密に調整します。この人はビショップリックの指示の下に,バプテスマ会を計画し,司会します。
改宗者は通常,居住地を管轄するワードの聖餐会で,できればバプテスマの次の日曜日に確認を受けます。ビショップは,例外として,バプテスマ会での改宗者の確認を認めることができます。例えば,確認の数が多いために聖餐会の時間をとりすぎる場合や,新しい改宗者の個人や家族の必要に合わせる場合などです。
会員資格の取り消しまたは放棄後にバプテスマと確認を受けて再加入した元会員は,改宗者とは見なされません。宣教師はこのような人のバプテスマの面接を行うことはできません。バプテスマと確認による元会員の再加入について詳しくは,32.16を参照してください。
38.2.3.3
バプテスマと確認の面接
権限を持つ神権指導者または宣教師は,本セクションに記されているように,バプテスマと確認の前にそれぞれの志願者を面接します。
8歳の子供。ビショップまたは割り当てを受けた顧問は,以下の人々のバプテスマと確認のために面接を行います。
記録上の会員である8歳の子供。
記録上の会員ではないが,親または保護者の少なくとも一人が会員である8歳の子供。
専任宣教師は,両親が教会員でない8歳児と,バプテスマのときに9歳以上になる子供を教え,面接します。
バプテスマのために子供を面接するビショップリックの一員は,その子供がバプテスマの目的を理解していることを確認します。また,その子供がバプテスマの聖約を理解し,聖約に従って生活する決意をしていることも確認します。御霊の導くままに,改宗者のバプテスマの面接で尋ねる最初の二つの質問に似た質問をすることができます(本セクションの後にある「改宗者のバプテスマの面接」を参照)。面接者はそのほかの質問をする際に,子供が8歳まで神の前に罪がないとされていることを心に留めておくべきです。
改宗者。通常,専任宣教師のディストリクトリーダーが改宗者のバプテスマ志願者(38.2.3.2で定義)を面接します。ディストリクトリーダーが教えた人については,ゾーンリーダーが面接します。宣教師は,伝道部会長から委任されてこれらの面接を行う権限を有しています。
改宗予定者は各々,バプテスマと確認を受ける前にビショップと会うべきです。ただし,ビショップがバプテスマ志願者の面接や,バプテスマを受けるふさわしさの判断をすることはありません。
改宗予定者が重大な犯罪や堕胎への関与,あるいは同性愛にかかわる罪を経験している場合,バプテスマと確認を受ける前に,伝道部会長から承認を受ける必要があります。このような場合,伝道部会長は入念な面接を行い,本人が悔い改めてふさわしい状態にあると判断したら,「バプテスマと確認の記録」を発行します。
必要に応じて,伝道部会長は,顧問の一人に面接を委任することができます。この委任は,面接ごとに行う必要があります。伝道部会長は,面接を行う顧問から報告を受け,それからバプテスマと確認を承認するか否かを判断します。
改宗予定者が下記に該当する場合,伝道部会長はバプテスマと確認を行う前に面接を行い,大管長会から承認を受けなければなりません。
殺人を犯した人(38.2.3.13参照)。
多妻結婚の実施に関与していた人(38.2.3.8参照)。
出生時の性別と異なる性への転換を完了した人(38.2.3.14参照)。
執行猶予中または仮釈放中の人(38.2.3.13参照)。
改宗者のバプテスマの面接。改宗者のバプテスマと確認の面接を行う人は,下記の質問事項を用い,御霊の導きに従って,志願者が教義と聖約20:37で述べられている資格を満たしているかどうかを判断します(モーサヤ18:8-10;モロナイ6:1-4も参照)。これらの質問事項は志願者の年齢と成熟度に合わせて調整するべきです。
神が永遠の御父であられることを信じていますか。イエス・キリストが神の御子であられ,世の救い主,贖い主であられることを信じていますか。
イエス・キリストの教会と福音が預言者ジョセフ・スミスを通して回復されたことを信じていますか。〔現在の大管長の名前〕が神の預言者であることを信じていますか。そのことはあなたにとってどのような意味がありますか。
悔い改めとはあなたにとってどのようなことですか。あなたは過去の罪を悔い改めたと感じていますか。
過去に重大な犯罪を犯したことがありますか。もしあれば,現在執行猶予中または仮釈放中ですか。(「はい」と答えた場合の指示については,38.2.3.13を参照してください。)これまで堕胎に関与したことはありますか。同性愛にかかわる罪を犯したことがありますか。
あなたは,末日聖徒イエス・キリスト教会の会員になることには,福音の標準に従った生活をすることが含まれることを教わってきました。次の標準はどのような意味であると理解していますか。それらの標準に進んで従いたいと思いますか。
純潔の律法,この律法は法的に結婚した男女間の結びつき以外のあらゆる性的関係を禁じています。
什分の一の律法
知恵の言葉
安息日を聖く保つ,これには毎週聖餐を受け,人々に奉仕をすることも含まれます。
あなたはバプテスマを受けるときに,進んでイエス・キリストの御名を受け,主の戒めを生涯守り通すことを,神と聖約します。この聖約を交わし,聖約に忠実に生活する心構えができていますか。
志願者にバプテスマの備えができていると判断したら,面接者は,『バプテスマと確認の記録』をそのフォームに記されている指示に従って記入します。本人が確認を受けた後,ビショップと書記は,確認の情報が完全かつ正確であることを確認します。『バプテスマと確認の記録』についての詳細は,18.8.3を参照してください。
38.2.3.4
バプテスマ会,およびバプテスマと確認に関する指針
バプテスマ会に関する指針については,18.7.2を参照してください。
38.2.3.5
責任能力のない人
知的障害があって自分の意思で悔い改めることができない人は,ビショップが,責任能力がないと見なすことができます。これらの人は,年齢に関係なく,バプテスマと確認を受ける必要はありません(38.2.1.8参照)。
また,後に悔い改めの意味を理解し,適切な責任能力を示すようになって,本人が望む場合,バプテスマと確認を受けることができます。バプテスマを受けた人が後に知的障害に陥ったとしても,バプテスマと確認はなお有効です。
その他の指針については,38.2.1.8を参照してください。責任能力のない人の会員記録について詳しくは,33.6.10を参照してください。
38.2.3.6
未成年者
地元の法律で規定された未成年者は,下記の条件を両方とも満たした場合にのみ,バプテスマと確認を受けることができます。
親権者または法定後見人から許可を得ている。親権者や法定後見人は,子供が教わることになる教会の教義を理解し,子供がバプテスマの聖約を交わすことができるように支援するべきです。バプテスマと確認の面接を行う人は,書面による許可が誤解を避けるのに役立つと感じる場合,書面による許可を求めるべきです。
面接者は,子供がバプテスマの聖約を理解しており,教会の集会に忠実に出席することを含め,戒めに従うことによってその聖約を守るためにあらゆる努力を払うであろうという明確な証拠があると判断している。
38.2.3.7
両親が離婚している子供
両親が離婚している子供は,法律上の親権を持つ親の許可がある場合にのみ,バプテスマと確認を受けることができます。母親が親権者で再婚しており,正式な養子縁組をしていないが,義理の父親の姓を名乗っている子供は,通常用いている名前でバプテスマと確認を受けることができます。ただし,子供の本名が地元の法律や慣習で定められている場合,それを会員記録と,バプテスマと確認の証明書に記載するべきです。
38.2.3.8
多妻結婚に関与した成人
過去に多妻結婚の実施を奨励したり,教えたり,それに関与したりしていた成人は,バプテスマと確認を受ける前に,大管長会から承認を受けなければなりません。伝道部会長は,大管長会事務局にこの承認を申請することができます。申請書には,多妻結婚への本人の過去の関与と,その後の悔い改めについて,また現在の家族の状況について記載するべきです。
38.2.3.9
既婚者
既婚者は,バプテスマを受ける前に,配偶者の同意を得なければなりません。
38.2.3.10
同棲をしている人
異性と同棲をしているバプテスマ志願者は,バプテスマを受ける前に,結婚するか,同居するのをやめなければなりません。
38.2.3.11
教会会員資格を取り消された人や放棄した人
教会会員資格を取り消された人や放棄した人は,バプテスマと確認により教会に再加入することができます。指示は32.16に記載されています。
38.2.3.12
堕胎に関与した人
38.2.3.3の「改宗者」を参照してください。
38.2.3.13
有罪判決を受けた人
有罪判決を受けた人が,初めてのバプテスマ,または教会に再加入するためのバプテスマを受けることを希望している場合,拘置期間を終えるまでバプテスマを受けることができません。重大な犯罪,またはいかなるものであれ社会倫理に反する犯罪で有罪判決を受けた人は,(大管長会が例外を認めないかぎり)犯罪の結果として受けた仮釈放あるいは執行猶予の期間を終えるまでバプテスマを受けることができません。そのような人は,地元の神権指導者と密接に連絡を取りながら,バプテスマと確認を受ける資格を得るためにできるかぎりのことを行うように奨励されています。
専任宣教師は,拘置所または刑務所に収監されている人々を教えてはなりません。
殺人の有罪判決を受けた人や,殺人を自白した人は,たとえそれが神権指導者への個人的な告白であっても,大管長会の許可がないかぎり,バプテスマと確認を受けることはできません。この許可を得るための申請書には,伝道部会長(初めてバプテスマを受けようとしている場合)またはビショップかステーク会長(元会員が再加入を希望している場合)が,個人面接で入手した関連情報の詳細をすべて記載しなければなりません。ここでいう殺人には,警察官または軍人としての公務執行中の行為は含まれません。堕胎はここで言う殺人には当たりません。
38.2.4
聖餐
18.9を参照してください。
38.2.5
神権の授与と職への聖任
38.2.5.1
メルキゼデク神権の職
ステーク会長とビショップの責任。ステーク会長は,メルキゼデク神権の授与と,長老および大祭司の職への聖任を行うための神権の鍵を持っています。ただし,これらの聖任を推薦するために最初の手続きを取るのは,通常,ビショップです。
ビショップは,ステーク会長会の承認を得たうえで,『メルキゼデク神権聖任記録』に記されている指示に従って会員を面接します。面接前に,ビショップは本人の会員記録を注意深く調べ,注意書きや儀式の制限,教会会員資格の制限が記載されていないことを確認します。
ビショップが面接を終えたら,ステーク会長または顧問は,『メルキゼデク神権聖任記録』に記されている指示に従って,入念かつ綿密に面接を行います。また,本人が神権の誓詞と聖約を理解しており,それに従って生活することに同意していることも確認します(教義と聖約84:33-44参照)。
面接後,ステーク会長会は,その人を聖任する決定を支持するように高等評議会に要請します。その後,ステーク会長会の一員は,賛意の表明を得るために,ステーク大会の一般部会またはステーク神権会でその人の氏名を提示します(教義と聖約20:65,67参照)。会衆が賛意の表明を行う間,本人は起立しているべきです。ステーク会長会の一員は,次のように言うことができます。
「わたしたちは,〔氏名〕がメルキゼデク神権を受けて,長老に聖任されることを〔または,わたしたちは(氏名)が大祭司に聖任されることを〕提議します。この提議に賛成の方は,手を挙げてその意を表してください。〔賛意の表明をする間少し待つ。〕反対の方がいれば,その意を表してください。〔反対の人がいる場合に,その意を表明することができるように少し待つ。〕」
氏名を提示された本人も,賛意の表明に参加するべきです。複数の人を提示する場合,通常はまとめて支持を取ることができます。
信頼の置ける会員が反対の挙手をした場合,ステーク会長会の一員は,集会後,その会員と個人的に話し合います。役員は,提示された人が神権の職に聖任される資格のないような罪を犯しているという認識の下に反対の挙手がなされたのかどうかを確認します。
一部の兄弟は,ステークの全体集会での提示を待たずに聖任を受ける必要があるかもしれません。そのような場合は,本人が所属するワードの聖餐会で,賛意の表明を受けるために氏名を提示します。その後,次のステーク大会またはステーク神権会で,この聖任の追認を得るために氏名を提示します。
必要な面接と承認が完了したら,18.10に記されている指示に従って聖任を行います。
長老。ふさわしい兄弟は,18歳またはそれ以上の年齢でメルキゼデク神権を受け,長老に聖任されることができます。ビショップは,若い男性の証と成熟度,学校の卒業,同年代の人々と一緒にいたいという望み,大学への出席など,それぞれの状況に基づいて,若い男性を 18歳の誕生日後にすぐに長老に聖任するか,それとも祭司定員会にとどめておくか決めることができます。それを決める際にビショップは,まず若い男性ならびにその両親と相談します。すべてのふさわしい兄弟は19歳までに,あるいは大学での学業や軍務,または常勤の仕事のために家を離れる前に,長老に聖任されるべきです。
最近バプテスマを受けた18歳以上の男性は,祭司として奉仕して,福音に対する理解を深め,ふさわしさを示した後で,長老に聖任されます。教会員として特定の期間を経ていなければならないという規定はありません。
大祭司。男性はステーク会長会,高等評議会,またはビショップリックに召される場合,あるいはビショップが推薦してステーク会長が承認した場合,大祭司に聖任されます。例外として,ヤングシングルアダルトステークにあるワードのビショップの顧問は,大祭司に聖任される必要はありません(37.3.2参照)。そのような顧問が長老の場合は,大祭司定員会の会員ではありません。
大祭司の職に聖任するときの輪に加われるのは,大祭司だけです。
38.2.5.2
アロン神権の職
ビショップの責任。ビショップは,アロン神権の授与と,執事,教師,祭司の職への聖任を行うための神権の鍵を持っています。ふさわしい兄弟は通常,下記の年齢でこれらの職に聖任されますが,それより前に聖任されることはありません。
12歳になる年の初めに執事
14歳になる年の初めに教師
16歳になる年の初めに祭司
ビショップ,または割り当てを受けた顧問は,執事または教師に聖任する予定の兄弟がふさわしいかどうかを見極めるために面接を行います。祭司に聖任する予定の人の面接は,ビショップが行います。ビショップリックの一員は,神権の聖任のために若い男性を面接する前に,両親または保護者から許可を得ます。
面接でふさわしいことが認められたら,面接を行った人は,『アロン神権聖任記録』に必要事項を記入します。ビショップまたは顧問は,会員の賛意の表明を得るために聖餐会で候補者の氏名を提示します(教義と聖約20:65参照)。その方法は,メルキゼデク神権の聖任のために兄弟の氏名を提示する方法に準じます(38.2.5.1参照)。信頼の置ける会員が反対の挙手をした場合,ビショップリックの一員は,集会後,その会員と個人的に話し合います。
賛意の表明を得た後,18.10の指示に従って,ビショップにより,あるいはその指示の下で,聖任が行われます。
両親が離婚している若い男性。両親が離婚している若い男性は,法律上の親権を持つ親の許可がある場合に,アロン神権の職への聖任を受けることができます。母親が親権者で再婚しており,正式な養子縁組をしていないが義理の父親の姓を名乗っている若い男性は,通常用いている名前で聖任を受けることができます。ただし,若い男性の本名が地元の法律または慣習で定められている場合,それを聖任証明書に記載するべきです。
最近バプテスマと確認を受けた人。最近バプテスマと確認を受けた兄弟が,少なくとも11歳以上で年内に12歳になる場合,確認後すぐ,通常1週間以内にアロン神権を受け,適切な職に聖任されるべきです。彼らは神権を受ける前に,ふさわしさについて面接を受け,賛意の表明を受けるために聖餐会で氏名を提示されなければなりません。通常,下記の年齢に達したときに下記の職に聖任されます。
12歳になる年の1月に執事
14歳になる年の1月に教師
16歳になる年の1月に祭司
19歳以上の兄弟は,長老見込み会員と見なされます(38.2.5.3参照)。
最近バプテスマと確認を受けた兄弟は,アロン神権の職に聖任される前に,ビショップから面接を受け,ワードの会員から賛意の表明を得る必要があるので,バプテスマや確認を受けた日に聖任されることはありません。
父親が神権を受けて父親自身がバプテスマを執行できるようにという理由で,家族のバプテスマを延期するべきではありません。
38.2.5.3
長老見込み会員
長老見込み会員とは,メルキゼデク神権を持たない19歳以上の男性教会員を指します。メルキゼデク神権を持たない19歳未満の既婚男性も,長老見込み会員です。
ビショップは,定期的に長老見込み会員と面接を行い,ワードのほかの神権指導者と密接に協力して,長老見込み会員にメルキゼデク神権を受ける備えをさせます。長老見込み会員がまだ祭司でなければ,ふさわしくなり次第,祭司に聖任するべきです。最初に執事や教師に聖任する必要はありません。長老見込み会員は,福音を十分に理解してふさわしさを示したときに,長老に聖任することができます。
長老見込み会員について詳しくは,8.6を参照してください。
38.2.5.4
その他の状況
少なくとも1年間,同じワードに居住していない人。男性会員が少なくとも1年間,同じワードに居住していない場合,ビショップは,その会員をアロン神権の聖任のために承認する前に,あるいはメルキゼデク神権の聖任のために推薦する前に,以前のビショップと連絡を取り,本人のふさわしさを確認します。
一時的に自宅を離れて生活している間に聖任を受け,会員記録がまだ所属ワードに置かれている場合,聖任を受けたワードのビショップは,所属ワードのビショップにその旨を通知して,会員記録を更新できるようにします。聖任証明書は,聖任が行われたワードで作成します。
ヤングシングルアダルトワードとシングルアダルトワードの人。ヤングシングルアダルトワードとシングルアダルトワードの18歳以上のふさわしい男性は,長老に聖任するべきです。長老に聖任されていない男性は,長老見込み会員として長老定員会に加入します。
交戦地帯や孤立した地域にいる軍人。軍人は通常,本人の会員記録が置かれているワードで面接と聖任を受けます。ただし,本人が長期にわたって洋上にいる場合や,交戦地帯や孤立した地域にいる場合は,実行できないことがあります。そのような場合,軍人会員のグループリーダーが本人と面談します。グループリーダーは,本人に聖任を受ける準備ができていると感じたら,軍人会員グループを管轄する教会ユニットの管理役員あてに推薦書を作成します。その管理役員は,本人の所属ワードのビショップと連絡を取り,本人のふさわしさについて懸念がないかどうか確認します。
アロン神権の職へ聖任する場合,管理役員は,グループリーダーまたは末日聖徒チャプレンに,本人と面接して聖任を監督する権限を与えることができます。長老の職へ聖任する場合,ステーク会長または伝道部会長は,末日聖徒チャプレンに,本人と面接して聖任を監督する権限を与えることができます。すべての聖任は38.2.5.1および38.2.5.2の説明に従って,支持または追認を受けなければなりません。
知的障害のある人。神権指導者は,知的障害のある人が神権を受けるべきかどうかについて判断を下します。その会員が両親と同居している場合,神権指導者は彼らと相談します。知的障害のある会員が聖任を受けるには,まず適度の責任能力と責任に対する理解力があることを明らかにするべきです。そのような障害のある神権者は,可能なかぎり神権の務めに参加できるように,支援を受ける必要があります。
バプテスマと確認により再加入した人。教会会員資格の取り消しまたは放棄後に,バプテスマと確認により再加入した人の聖任に関する指示については,32.17を参照してください。
トランスジェンダーを自認する会員。出生時の性別と異なる性別に移行すること(「性転換」)を目的とした任意の医療処置や外科処置を受けた会員や,出生時の性別と異なる性別に社会的に移行した会員は,神権を受けることや行使することはできません。地域会長会は,地元の指導者が個々の状況に合わせて慎重に対応できるように支援します(38.6.21参照)。
「性別不合」を経験しても,出生時の性別と異なる性別に医学的,外科的,社会的に移行することを求めない,ふさわしい男性会員は,神権を受けて行使することができます。
38.2.6
役員と教師の任命
18.11を参照してください。
38.2.7
油の聖別
18.12を参照してください。
38.2.8
病人への癒しの祝福
18.13を参照してください。
38.2.9
父親の祝福を含む,慰めと助言を与える祝福
18.14を参照してください。
38.2.10
家の奉献
18.15を参照してください。
38.2.11
墓の奉献
18.16を参照してください。
38.2.12
祝福師の祝福
祝福師の祝福に関する情報は,下記の段落と追加の資料に記載されています。
38.2.12.1
一般的な指針
バプテスマを受けたふさわしい会員は皆,天の御父から霊感に満ちた導きが与えられる祝福師の祝福を受ける権利があります。親と教会指導者は,祝福師の祝福を受けるために霊的に備えるよう会員に勧めます。ビショップまたは割り当てを受けた顧問は,祝福師の祝福を受けることを望む会員と面接をします。会員がふさわしければ,面接者は『祝福師の祝福への推薦状』を作成します。また,ChurchofJesusChrist.orgにある「祝福師の祝福システム」を通して推薦状を提出します。本人の所属するステーク以外に住む祝福師から祝福を受ける場合は,両方のステーク会長会の一員も,「祝福師の祝福システム」を通じて推薦状を承認しなければなりません。そのような承認は,38.2.12.2に概説されている場合にのみ与えることができます。
『祝福師の祝福への推薦状』を発行する人は,その会員が祝福の意味と神聖さを理解できる十分な年齢に達し,また成熟していることを確認します。理想的には,人生において多くの重要な決定を迫られる前の若い時期に祝福を受けるべきですが,その時期を過ぎた成人にも祝福師の祝福を受けるように奨励します。神権指導者は,祝福師の祝福を受ける会員の年齢に下限を設けてはなりません。
新しい改宗者は,祝福師の祝福を受ける前に,福音の基本的な教義を理解するべきです。
バプテスマを受けた会員に知的障害がある場合,ビショップは両親と相談したうえで,本人に十分な理解力があると判断したときにのみ,推薦状を発行することができます。会員は,祝福師の祝福が親のためではなく,受ける人のためにあることを心に留めておくべきです。
可能であれば,宣教師は,伝道を始める前に祝福師の祝福を受けるべきです。宣教師訓練センターに滞在中の宣教師は,下記のすべての条件を満たしている場合にのみ,祝福師の祝福を受けることができます。
宣教師の母国語で祝福を授けることのできる祝福師がいない地域の出身である。
宣教師の母国語で祝福を授けることのできる祝福師がいない伝道部で伝道する。
祝福師がいない地域に帰還する。
宣教師の母国語で祝福を授けることのできる祝福師が宣教師訓練センターの近くに住んでいる。
宣教師が祝福師の祝福を受けずに伝道地に赴任した場合,伝道部会長はその宣教師を面接し,『祝福師の祝福への推薦状』を作成し,「祝福師の祝福システム」を通じて推薦状を提出する権限が与えられています。伝道部会長は,宣教師が自分の母国語で祝福を受けられるようにします。それができない場合,宣教師は帰還するまで祝福師の祝福を受けるのを待つ必要があるかもしれません。
38.2.12.2
自分のステーク以外の会員に授ける祝福師の祝福
ステーク祝福師は通常,自分のステークの会員だけに祝福師の祝福を授けます。ただし,以下のような場合に自分のステーク以外の会員に祝福を授けることができます。
祝福師は,居住地にかかわりなく,直系の子孫(子,孫,ひ孫)に祝福師の祝福を授けることができます。ビショップリックの一員が面接を行い,ChurchofJesusChrist.orgにある「祝福師の祝福システム」を通じて,推薦状を提出します。祝福を受ける人が祝福師とは異なるステークに住んでいる場合,両ステークのステーク会長会の一員が,「祝福師の祝福システム」を通じて推薦状を承認しなければなりません。
召しを果たせる祝福師がいないステークに住んでいる会員は,近隣のステークの祝福師のもとへ行くことができます。ビショップリックの一員が面接を行い,「祝福師の祝福システム」を通じて推薦状を提出します。両方のステーク会長会の一員が,このシステムを通じて推薦状を承認しなければなりません。
地方部に住んでいる会員は,近隣ステークの祝福師のもとへ行くことができます。支部会長が面接を行い,「祝福師の祝福システム」を通じて推薦状を提出します。伝道部長会と近隣の祝福師のステーク会長会の一員が,このシステムを通じて推薦状を承認しなければなりません。
ステーク祝福師が話す言語と異なる言語を母国語とする会員は,自身の母国語で祝福を受けるために,近隣のステークの祝福師のもとへ行くことができます。ビショップリックの一員が面接を行い,「祝福師の祝福システム」を通じて推薦状を提出します。両方のステーク会長会の一員が,このシステムを通じて推薦状を承認しなければなりません。
38.2.12.3
軍務に就く会員のための祝福師の祝福
ふさわしい会員が軍務に就く場合,神権指導者は,入隊前に祝福師の祝福を受けるように勧めます。
入隊前に祝福師の祝福を受けることができない場合は,一時的な駐屯地で祝福師から祝福を受けることができます。一時的な駐屯地のステーク会長は,本人の所属ワードのビショップリックの一員に連絡を取ります。その後,ステーク会長が面接を行い,「祝福師の祝福システム」を通じて推薦状を提出します。会員が駐屯しているステークの祝福師が,祝福師の祝福を与えます。詳細については,駐屯地のステーク会長またはその他の管理神権指導者が,十二使徒定員会事務局(Q12Patriarchs@ChurchofJesusChrist.org)に問い合わせます。
38.2.12.4
祝福師の祝福の翻訳
教会は祝福師の祝福の翻訳を提供していません。また,翻訳では霊感による祝福に込められた意味と感情の奥深さを伝えることは難しいため,祝福師の祝福を翻訳することは勧められていません。それでも,会員が祝福師の言葉を理解できず,祝福文を受け取った後に別の言語への翻訳を望む場合,その翻訳を提供してくれる信頼できるふさわしい教会員を探すのは,本人の責任となります。翻訳者には,その言語に精通した人で,祝福文の霊的側面と内密性を理解できる人を慎重に選ぶべきです。祝福文の翻訳は,教会本部に保管されません。
ステーク会長は,十二使徒定員会事務局に連絡して,祝福師の祝福の点訳文を要請することができます。
38.2.12.5
祝福師の祝福の手話通訳
会員が受けている祝福を理解するために手話通訳を必要とする場合,通訳ができる信頼の置けるふさわしい会員を見つけるのは,本人の責任です。
38.2.12.6
2度目の祝福師の祝福
ごくまれな状況では,会員が2度目の祝福師の祝福を要請することができます。ただし,これは一般に奨励されておらず,承認されない場合もあります。ふさわしい会員がそのような要請を行う重要な理由がある場合,ビショップとその件について話し合います。ビショップは,2度目の祝福が必要であると感じたら,「祝福師の祝福への推薦状」を作成し,ChurchofJesusChrist.orgにある「祝福師の祝福システム」を通して推薦状を提出します。次に,ステーク会長は会員と面接し,最初の祝福文を本人とともに読みます。2度目の祝福が必要であると感じたら,ステーク会長は十二使徒定員会事務局に連絡します。
要請が承認された場合,ステーク会長は,その旨を本人と祝福師に知らせてから,「祝福師の祝福システム」で『祝福師の祝福への推薦状』を承認します。ステーク会長はまた,最初の祝福文が2番目の祝福に置き換えられることを本人に知らせます。その後,祝福師は2度目の祝福師の祝福を授けることができます。
38.2.12.7
祝福師の祝福の写しの入手
18.17.2を参照してください。
38.2.13
聖任の一覧表
38.2.13.1
聖任の一覧表
職 | 推薦 | 承認 | 支持 | 面接と聖任 |
---|---|---|---|---|
職 祝福師 | 推薦 ステーク会長会 | 承認 十二使徒定員会 | 支持 ステーク大会またはステーク神権会に出席する会員 | 面接と聖任 大管長会または十二使徒会の一員,あるいは十二使徒定員会から書面による承認を受けたステーク会長 |
職 大祭司 | 推薦 ビショップおよびステーク会長会 | 承認 ステーク会長会および高等評議会 | 支持 ステーク大会またはステーク神権会に出席する会員 | 面接と聖任 ビショップおよびステーク会長または割り当てを受けた顧問が面接。ステーク会長の指示の下で聖任 |
職 長老 | 推薦 ビショップ | 承認 ステーク会長会および高等評議会 | 支持 ステーク大会またはステーク神権会に出席する会員 | 面接と聖任 ビショップおよびステーク会長または割り当てを受けた顧問が面接。ステーク会長の指示の下で聖任 |
職 ビショップ | 推薦 ステーク会長会 | 承認 大管長会および十二使徒定員会 | 支持 聖餐会に出席するワードの会員 | 面接と聖任 中央幹部または地域七十人,あるいは大管長会から書面による承認を受けたステーク会長 |
職 祭司 | 推薦 ビショップ | 承認 ビショップリック | 支持 聖餐会に出席するワードの会員 | 面接と聖任 ビショップが面接。ビショップの指示の下で聖任 |
職 教師または執事 | 推薦 ビショップ | 承認 ビショップリック | 支持 聖餐会に出席するワードの会員 | 面接と聖任 ビショップまたは割り当てを受けた顧問が面接。ビショップの指示の下で聖任 |
38.3
民事結婚
教会指導者は会員に,神殿結婚する資格を得て,神殿で結婚し,結び固められるように勧めています。神殿結婚に法的効力が認められていない地域では,指導者が民事結婚を執行し,その後,神殿での結び固めを行うことができます。神殿結婚により両親や近親者が疎外感を覚える場合も,この手順に従うことができます。
本セクションには,民事結婚を執り行う際の指導者への指示が記載されています。民事結婚は,夫婦が生きているかぎり有効です。死すべき世を超えて存続するものではありません。
民事結婚は,結婚式を挙行する場所の法律に従って執り行うべきです。
民事結婚および関連する宗教的儀式は,安息日や,通常と異なる時間帯に執行すべきではありません。
民事結婚について本セクションで答えを得られない質問がある場合,ビショップはステーク会長に相談するべきです。ステーク会長は,大管長会事務局に直接問い合わせることができます。
38.3.1
民事結婚の執行者
地元の法律で認められている場合,次に挙げる現職の教会指導者は,各自の召しにおいて,民事結婚の儀式を執り行うことができます。ステーク会長,伝道部会長,地方部会長,ビショップ,または支部会長。
現職の末日聖徒チャプレンは,事前の承認なしに,民事結婚を執り行うことができます。予備役または州兵の部隊に割り当てられているチャプレンは,民事結婚を執り行う前に,教会の軍人関係・チャプレンサービス課から承認を受けなければなりません。
病院,ホスピス施設,介護施設,刑務所,国境警備隊,警察署,消防署で奉仕する軍以外のチャプレンは,民事結婚を執り行う前に,教会の軍人関係・チャプレンサービス課から承認を受けなければなりません。
退職したチャプレンには,チャプレンという立場で民事結婚を執り行う権限はありません。
教会指導者としての召しにおいて,または承認されたチャプレンとして結婚を執り行う人は,本章の指針に従い,すべての法的要件を満たす必要があります。
末日聖徒のチャプレンは,ステーク会長,ビショップまたは支部会長として奉仕していないかぎり,教会の管理役員とは見なされません。教会の管理役員でないチャプレンが民事結婚を執り行う場合,そのチャプレンは所属している政府または民間組織の代理人としての役割を果たします。したがって,民事結婚の儀式の言葉は,チャプレンによって多少異なります(38.3.6参照)。
教会役員および末日聖徒のチャプレンは,宗務上の権限を用いて,同性間の結婚を執り行ってはなりません。
教会員のために民事結婚を執り行う教会役員およびチャプレンは,必要な結婚情報をワードまたは支部書記に提供するべきです。書記はその後,会員記録を更新します。
教会における立場で民事結婚を執り行う教会役員またはチャプレンは,報酬を受け取ることはできません。
38.3.2
ほかのユニットの会員のための民事結婚
教会役員は,結婚する当事者のどちらも自分の管理する教会ユニットに属していない場合,その結婚を執り行うことができません。末日聖徒のチャプレンは,例外となります。そのほかの例外については,その都度,大管長会の承認を受ける必要があります。
38.3.3
会員でない人のための民事結婚
法律上の権限を有する教会役員は,特に承認を受けなくても,会員でない人のために結婚を執り行うことができます。
38.3.4
民事結婚を執行する場所
民事結婚は,できれば家族の家または教会の建物で執り行います。教会の建物では,礼拝堂,文化ホール,あるいはそのほかの適切な部屋を使って結婚式を執り行うことができます。家庭や教会の建物以外で結婚式を執り行う場合,神権指導者は夫婦と相談の上でその場所を承認します。挙式のための教会建物の使用に関する方針については,35.4.22を参照してください。
38.3.5
役人によってまたは公共の場所で執行しなければならない民事結婚
一部の地域では,役人が結婚式を行うことが義務付けられています。また,公共の建物や公共の場所で挙式することが義務付けられている地域もあります。このような場合,法律上の権限を有する神権役員は,民事結婚後に短い宗教的な集会を執り行うことができます。その集会で,夫婦に助言を与え,教会が夫婦の結婚を認めます。夫婦が神殿で結び固めを受ける場合,結び固めは民事結婚の後,できるだけ早く行います。
38.3.6
民事結婚の儀式
教会役員が執り行う民事結婚は,簡潔かつ厳かであるべきです。例えば,過度の装飾や演出は避けるべきです。結婚式を教会の建物内で行う場合,結婚行進曲は不適切です。礼拝堂で式を執り行う場合,ビデオレコーダーやカメラは使用できません(35.4.15参照)。
民事結婚の執行に先立って,教会役員は,両人に結婚の誓いの神聖さに関する助言を与え,さらに御霊の導きに従って,そのほかの助言を付け加えることができます。
民事結婚を執り行う際に,教会役員は二人に次のように言います。「どうぞ,お互いの右手を取ってください。」続いて,このように言います。「〔花婿の姓名と花嫁の姓名〕,あなたがた二人は,神とこれらの証人の前で,誓いを交わすしるしとしてお互いに右の手を取っています。」(二人はこれらの証人を選任または指名できます。)
それから教会役員は花婿に向かって次のように言います。「〔花婿の姓名〕,あなたは〔花嫁の姓名〕を,法の下に結ばれたあなたの妻として受け入れ,自ら法の下に結ばれた連れ合いたる夫として,妻とのみ結び合い,そのほかのものと結び合わず,夫婦という神聖な関係にかかわるあらゆる律法と責任と義務とを守り,二人が共に命のあるかぎり,愛し,敬い,慈しむという神聖な約束を結ぶのです。あなたは,自らの自由意志と選びによって,これをなさいますか。」
花婿は「はい」または「行います」と答えます。
その後,教会役員は花嫁に向かって次のように言います。「〔花嫁の姓名〕,あなたは〔花婿の姓名〕を,法の下に結ばれたあなたの夫として受け入れ,自ら法の下に結ばれた連れ合いたる妻として,夫とのみ結び合い,そのほかのものと結び合わず,夫婦という神聖な関係にかかわるあらゆる律法と責任と義務とを守り,二人が共に命のあるかぎり,愛し,敬い,慈しむという神聖な約束を結ぶのです。あなたは,自らの自由意志と選びによって,これをなさいますか。」
花嫁は「はい」または「行います」と答えます。
その後,教会役員は二人に次のように言います。「わたしは末日聖徒イエス・キリスト教会の長老として,わたしに授けられた法律上の権限により,あなたがた〔花婿の姓名〕と〔花嫁の姓名〕が,生涯,合法的かつ正当に結婚した夫婦であると宣言します。」
〔教会の管理役員として奉仕していないチャプレンの場合の言葉:「わたしは〔軍人支部または民間組織〕のチャプレンとして,わたしに授けられた法律上の権限により,あなたがた〔花婿の姓名〕と〔花嫁の姓名〕が,生涯,合法的かつ正当に結婚した夫婦であると宣言します。」〕
「何とぞ,子孫が栄える喜びをもって,神がこの結婚を祝福され,あなたがたが末永く幸福な生活を送り,神の祝福によって,あなたがたが交わした誓いを神聖に保つことができますように。これらの祝福を主イエス・キリストの御名によってあなたがたのうえに注ぎます,アーメン。」
夫婦として互いにキスをするようにという勧めは,結婚する男女の文化規範に基づくもので,任意です。
38.4
特別な状況における神殿推薦状の発行
神殿推薦状の発行について本セクションで答えを得られない質問がある場合,ビショップはステーク会長に相談するべきです。ステーク会長は,大管長会事務局に直接問い合わせることができます。
38.4.1
教会会員資格の取り消しまたは放棄後にバプテスマと確認を受けて再加入した会員
以前にエンダウメントを受けていない会員。これらの会員はバプテスマと確認を受けた後,26.4.2に概説されているように,通常は確認を受けてから1週間以内に,死者のためのバプテスマと確認のための限定推薦状を受けることができます。兄弟は限定推薦状の発行前に,神権の職に聖任されていなければなりません。
これらの会員は,バプテスマと確認を受けて教会に再加入した日から丸1年を経過した後でなければ,自身のエンダウメントを受けるための推薦状を受けることができません。
以前にエンダウメントを受けている会員。これらの会員は,祝福の回復の儀式によって自身の神殿の祝福が回復されるまで,推薦状(限定推薦状も含む)を受けることができません(32.17.2参照)。
38.4.2
重大な罪を犯した会員
重大な罪を犯した会員は,悔い改めるまで神殿推薦状を受けることができません。罪を犯したときから推薦状の発行までの待機期間については,ビショップの裁量に委ねられています。本人が心から悔い改めていることを見極めるために十分な期間を経ているべきです。
38.4.3
トランスジェンダーを自認する会員
出生時の性別と異なる性別に移行すること(「性転換」)を目的とした任意の医療処置や外科処置を受けた会員や,出生時の性別と異なる性別に社会的に移行した会員は,神殿推薦状を受けることができません。地域会長会は,地元の指導者が個々の状況に合わせて慎重に対応できるように支援します(38.6.21参照)。
医療的,外科的,社会的に別の性に移行することを求めないふさわしい会員は,神殿推薦状や神殿の儀式を受けることができます。
38.4.4
近親者が背教者のグループに所属している会員
会員は本人のふさわしさに基づいて神殿推薦状を受けます。会員の中には,親や近親者が背教者のグループに所属している人もいます。近親者がそのようなグループに所属していても,会員の神殿に参入するふさわしさに影響はありません。ただし,これらの会員が神殿推薦状の発行を受けるには,背教者のグループの教えに賛同していないことを確認しなければなりません。
38.5
結び固めに関する方針
結び固めの儀式には,家族を永遠に結び合わせることのできる聖約が含まれます。これらの儀式には,(1)夫婦の結び固め,(2)親子の結び固めが含まれます。
結び固めの儀式や自分の家族および配偶者との関係の永遠性について懸念のある会員は,天の御父が愛に満ちた公正な御方であるということを知るときに,平安を得ることができます。両親に結び固められた忠実な子供,または聖約の下に生まれた忠実な子供は,永遠の親子関係という祝福を保持します。これは,両親が結婚の結び固めや教会会員資格を取り消されても,あるいは会員資格を放棄しても,変わりません。
離婚しても以前の配偶者と結び固められたままの会員は,その結び固めについて思い悩むことがよくあります。その結び固めは,男女を問わず,死後の世界で強制されることはありません。神殿の聖約が破られ,悔い改めがなされない場合,その夫婦間の結び固めは無効となります。しかし,聖約を守っている人は,結び固めによって与えられた個々の祝福を保持します。これは配偶者が聖約を破った場合や,結婚関係を解消した場合も同様です。
大管長会によって結び固めの取り消しが承認されると,その結び固めに関連した個々の祝福は効力を失います。神権指導者は,結び固めの取り消しを求める会員がこれらの原則を理解できるように助言します。ただし,神権指導者はこれらの決断において会員の選択の自由を尊重するべきです。
結び固めの方針について本セクションで答えを得られない質問がある場合,ビショップはステーク会長に相談するべきです。ステーク会長は,結び固めに関してこれらの指示によって解決できない特殊な状況がある場合,大管長会事務局または神殿地区内の神殿に連絡して指示を受けます。
38.5.1
男性と女性の結び固め
38.5.1.1
生存している会員の民事結婚後の結び固め
神殿外で結婚し,教会員として1年経過している男女は,準備ができていて神殿推薦状を受けるにふさわしい場合,神殿で結び固めを受けることができます。民事結婚後1年待つ必要はなく,状況が許せばすぐに結び固めを受けることができます
結び固めを受ける男女に推薦状を発行する場合,神権指導者は彼らの結婚が法的に有効であることを確認します。
38.5.1.2
生存している会員の離婚後の結び固め
女性。生存している女性は,1人の夫とのみ結び固めを受けることができます。夫と結び固めを受けた後に離婚した女性は,生存中に別の男性と結び固めを受ける前に,大管長会から以前の結び固めの取り消しを受けなければなりません(38.5.1.4参照)。
現在婚姻関係のない生存している女性は,死亡した夫と,たとえこの世では離婚していても,結び固めを受けることができます。現在婚姻関係にある生存している女性は,大管長会の承認がなければ,死亡した夫との結び固めを受けることはできません。
男性。夫婦の結び固めを受けた後に離婚した男性は,別の女性と結び固めを受ける前に,大管長会から結び固めの承認を受けなければなりません(38.5.1.4参照)。(1)以前の結び固めが取り消されていても,あるいは(2)離婚した妻がすでに亡くなっていても,結び固めの承認が必要です。
また,男性が最近結び固められた女性と離婚するのであれば,結び固めの承認が必要となります。離婚した男性が後妻との結び固めのために結び固めの承認を受けていて,それから後妻が死亡した場合,再度結び固めの承認を受ける必要はありません。
38.5.1.3
配偶者の死後に生存している会員の結び固め
女性。神殿で夫と結び固められた生存している女性は,この結び固めの取り消しを受けないかぎり,再度結び固めを受けることはできません。
男性。夫婦の結び固めを受けた後に妻が死亡した男性は,ほかの男性と結び固められていない別の女性と結び固めを受けることができます。この場合,前妻が亡くなる前に離婚していなければ,男性は大管長会から結び固めの承認を得る必要はありません(離婚していた場合の方針については38.5.1.2を参照してください)。
死亡した配偶者との結び固めを受けるには,死亡した配偶者の現在の夫または妻(存在する場合)から署名入りの同意書を事前に受けなければなりません。
38.5.1.4
結び固めの取り消しまたは結び固めの承認のための申請
以前に結び固めを受けた女性は,生存中に別の男性との結び固めを受ける前に,大管長会から結び固めの取り消しを受けなければなりません。結び固めを受けていた女性と離婚した男性は,別の女性との結び固めを受ける前に,大管長会から結び固めの承認を受けなければなりません(38.5.1.2参照)。
ビショップおよびステーク会長は,結び固めの取り消しまたは結び固めの承認を申請する場合,「指導者と書記のためのリソース」システムを使って,大管長会に申請書を提出します。「指導者と書記のためのリソース」ツールにアクセスできない指導者は,教会本部の内密記録事務所に連絡して,『大管長会への申請書』を入手することができます。指導者は,申請書を入手するために大管長会事務局に連絡するべきではありません。指示事項はフォームに記載されています。
ステーク会長は,申請書を提出する前に,離婚が確定していることを確認します。また,申請者が離婚に伴う子供と配偶者の扶養に関する法的要件をすべて満たしていることを確認します。
結び固めの取り消しまたは承認を申請した会員は,大管長会から取り消しまたは承認の許可を知らせる手紙を受け取るまで,神殿結婚や結び固めの日取りを決めてはなりません。本人が神殿でこの手紙を提示します。
38.5.1.5
神殿の結び固めに対する制限の解除
結び固めを受けた会員が婚姻中に姦淫を犯した場合,大管長から結び固めの認可を受けないかぎり,姦淫の相手との結び固めを受けることができません。そのような認可は,結婚してから少なくとも5年が経過するまで申請できません。その申請は,結び固めの取り消し,あるいは結び固めの承認の申請とともに提出できます。
結び固めの制限の解除を望む男女は,ビショップとステーク会長に面接を求めることができます。これらの指導者は,制限の解除を推薦できると感じたら,推薦の言葉と,申請者の神殿参入に関するふさわしさ,少なくとも過去5年間の結婚生活の安定性についての所感を記した手紙を大管長会あてに書くことができます。当事者の男女も,大管長会あてに申請の手紙を書くべきです。ステーク会長は,このすべての手紙を大管長会に提出します。
38.5.1.6
この世限りの神殿結婚後の結び固め
神殿でこの世限りの結婚を行った夫婦は,通常,その後に結び固めを受けることはありません。そのような結び固めを受けるには,最初に女性が大管長会から以前の結び固めの取り消しを受けなければなりません。そのような申請は,例外的な事情がある場合にのみ考慮されます。ビショップとステーク会長は,その取り消しが正当であると感じたら,「指導者と書記のためのリソース」システムを使って,大管長会へ申請書を提出することができます。
38.5.1.7
死亡した会員の結び固め
死亡した女性。死亡した女性は,生前合法的に結婚したすべての男性に結び固めることができます。ただし,死亡した女性が生前に一人の夫に結び固められていた場合,結婚していたほかの男性に結び固めるには,その女性の夫が全員死亡していなければなりません。これには,その女性と離婚した元夫も含まれます。
死亡した男性。死亡した男性は,生前合法的に結婚したすべての死亡した女性と,または生前合法的に結婚し,別の男性に結び固められていない生存している女性と結び固めることができます。
離婚後に死亡した夫婦。離婚後に死亡した夫婦は,代理人によって結び固めることができます。この結び固めは,離婚後に死亡した夫婦の子供が親との結び固めを受ける唯一の方法になることがよくあります。死亡時に夫妻のいずれかが会員資格を取り消されていたか,会員資格を放棄していた場合の制限事項については,28.3.8を参照してください。死亡した夫婦が生前結び固めの取り消しを受けていた場合,この夫婦の結び固めには大管長会の承認が必要となります。
38.5.1.8
会員資格の取り消しまたは放棄の影響
夫婦が神殿で結び固めを受けた後,いずれかが教会員資格を取り消された場合,または会員資格を放棄した場合,その夫婦の神殿の祝福は無効となります。ただし,配偶者と子供のための結び固めの個人的な祝福は,彼らがふさわしさを保っていれば,有効に存続します。
夫婦の一方が,教会会員資格を取り消された後,または会員資格を放棄した後に生まれた子供は,聖約の子ではありません。38.5.2.8を参照してください。
38.5.2
親子の結び固め
38.5.2.1
聖約の下に生まれた子供
母親が神殿で夫に結び固められた後に生まれた子供は,その結び固めの聖約の下に生まれた子供です。彼らは親子の結び固めを受ける必要はありません。聖約の下に生まれた子供は,忠実であるならば,両親との関係を永遠のものとする権利を有しています。
前夫と結び固めを受けた女性が再婚した場合,再婚後に生まれた子供は,結び固めが取り消された後に生まれた場合や,教会会員資格の取り消しまたは放棄により結び固めが無効となった後に生まれた場合を除き,最初の結び固めの聖約の下に生まれた子供となります。
38.5.2.2
聖約の下に生まれていない子供
聖約の下に生まれていない子供は,実の両親または養父母と結び固められることによって,永遠の家族の一員となることができます。これらの子供は,聖約の下に生まれた子供が受ける祝福とまったく同じ祝福を受ける権利があります。
子供は両親二人,すなわち夫と妻に結び固められるのであって,片方の親だけに結び固められることはありません。
少なくとも11歳で,儀式を受ける年に12歳になる男性は,両親との結び固めを受ける前に,神権を授かり,年齢に適した神権の職に聖任されていなければなりません。既婚者または21歳以上の会員は,エンダウメントを受けないかぎり,両親との結び固めを受けることはできません。
死亡した人は通常,実父母または養父母に結び固められます。ただし,死亡した子供は,以下の人に結び固めることもできます。
実父と継母。
実母と継父。
子供を育てた里親または祖父母。
子供を養子にしようとしたが,子供が死亡する前に養子縁組を完了できなかった夫婦。
これらの結び固めは,死亡した子供がすでに実父母や養父母に結び固められている場合でも執行することができます。大管長会の承認は必要ありません。上記以外の状況において,血縁関係にない両親または養子縁組されていない両親に結び固めるには,大管長会の承認が必要です。
38.5.2.3
生存しているきょうだいの結び固めへの参列
生存している実のきょうだい,義理のきょうだい,または片親の異なるきょうだいが両親との結び固めを受ける場合,それに参列する21歳未満の子供は,聖約の下に生まれているか,両親に結び固められていなければなりません。さらに,8歳以上の子供は,バプテスマと確認を受けていなければなりません。また,少なくとも11歳で,儀式を受ける年に12歳になる男性は,神権を授かり,年齢に適した神権の職に聖任されていなければなりません。
既婚者または21歳以上の会員がそのような結び固めに参列するには,エンダウメントを受けていなければなりません。
38.5.2.4
生存している養子または里子
聖約の下に生まれた生存している子供,または両親との結び固めを受けた生存している子供は,大管長会から承認を得ないかぎり,ほかの両親に結び固めることができません。
合法的に養子縁組され,聖約の下に生まれた子供でなく,以前の両親に結び固められていない生存している子供は,養子縁組の手続きが完了した後,養父母との結び固めを受けることができます。その際,養子縁組の確定通知書を神殿で提示しなければなりません。法律上の親権を認める判決文だけでは,結び固めを行うのに不十分です。子供の実の親を明らかにする義務はありません。
生存している会員が里親との結び固めを行うには,大管長会の承認が必要です。里子の実父母が不明であり,確認するために妥当な努力を払った結果なお見つけられない場合であっても,大管長会の承認は必要です。このような申請は,ステーク会長が行います。
38.5.2.5
死亡した養子または里子
死亡した養子は,通常養父母に結び固められます。
死亡した里子は,通常実親に結び固められます。
38.5.2.6
生存している子供の一人の実親と一人の継親との結び固め
聖約の子ではない,あるいは以前に結び固められていない,21歳未満の生存している未婚者で,まだ養子縁組をしていない子供は,下記の両方の条件を満たしている場合,一人の実親と一人の継親に結び固めることができます。
子供が結び固められる実の親が,ほとんどの期間,その子供の法律上の親権と養育権を保持している。
もう一方の実親が署名入りの同意書を提出している。法律上の親権を認める判決文だけでは,結び固めを行うには不十分です。同意書には以下のような文面を用いるべきです。「わたし〔実親の名前〕は,〔子供または子供たちの名前〕が神殿で〔両親の名前〕に結び固められることを許可します。わたしは,結び固めが宗教上の儀式であり,法的な意味を持たないものと理解しています。」この同意書は,結び固めの前に神殿で提示する必要があります。
もう一方の実親が亡くなっているか,その親の親権が法的手続きによって完全に消滅している場合,同意書は必要ありません。
もう一方の実親が行方不明で,徹底的な調査をしたが見つけられなかった場合,同意書は必要ありません。この場合,ビショップまたはステーク会長は,徹底的な調査をしたが行方不明の片親を見つけられなかったことを説明する手紙を書きます。この手紙は,結び固めの前に神殿に提出します。
既婚者または21歳以上で,エンダウメントを受けた生存している会員は,聖約の子でなく,両親に結び固められていなければ,一人の実親と一人の継親に結び固めることができます。
38.5.2.7
人工授精または体外授精によって誕生した子供
両親がすでに結び固めを受けていれば,人工授精または体外授精によって誕生した子供は,聖約の下に生まれた子供です。両親が結び固めを受ける前に生まれた子供は,両親が結び固めを受けた後に,両親に結び固めることができます。
子供が代理母によって生まれた場合,ステーク会長は,その件を大管長会事務局に照会します。
38.5.2.8
結び固めが取り消された場合または無効となった場合の子供の立場
聖約の下に生まれた子供や両親に結び固められた子供は,後に両親の結び固めが(1)取り消されても,または(2)一方の親の教会会員資格の取り消しや放棄によって無効になっても,その立場は変わりません。両親の結び固めが取り消された後に,または無効となった後に生まれた子供は,聖約の下に生まれた子供ではありません。これらの子供は,両親の祝福が回復され(該当する場合),ほかの障害が解決された後,両親との結び固めを受ける必要があります。
38.6
道徳上の問題に関する方針
注:本セクションの内容の一部は,今後改訂される可能性があります。
38.6.2
虐待
38.6.2.6
ステークおよびワード評議会
ステーク会長会とビショップリックは,ステークおよびワード評議会集会で,虐待の防止と対応に関する教会の方針と指針を定期的に確認します。また,2018年3月26日付けの大管長会からの手紙に同封された「虐待の予防と対応」にある重要なメッセージを教え,評議会での話し合いを促します。指導者および評議会の会員は,このデリケートなテーマについて教え,話し合う際に,御霊の導きを求めます。
評議会の会員は,「子供と青少年を守る」コースを受講して話し合うべきです。また,子供と青少年を守ることに関する訓練を修了する必要があります(38.6.2参照)。
38.6.3
人工授精
教会は,夫以外の人の精液を用いた人工授精を思いとどまるように強く勧めています。しかし,これは個人的な問題であり,最終的な判断はその夫婦に委ねる必要があります。
独身の姉妹が人工授精を受けることは,承認されていません。これを実行する独身の姉妹は,教会員としての特権を一部制限される可能性があります。
38.6.4
産児制限
神の霊の子供たちに肉体を与えることは,子供をもうけることができる結婚した夫婦に与えられた特権であり,夫婦には生まれた子供を養い育てる責任があります。子供をいつ,何人もうけるかに関する判断は,きわめて個人的で内密な事柄です。これは夫婦と主の間で行うべきものです。教会員はこの件について互いを裁くべきではありません。
夫婦間の愛情行為は,美しく神聖なものであるべきです。それは子供をもうけるために,そして夫婦間の愛を表現するために,神によって定められました。
38.6.7
女性器切除
教会は女性の生殖器の切除を非難しています。〔追加の方針が近日中に発表される予定です。〕
38.6.9
体外受精
教会は,夫以外の人の精液,または妻以外の人の卵子を用いる体外授精を思いとどまるように強く勧めています。しかし,これは個人的な問題であり,最終的な判断はその夫婦に委ねる必要があります。
38.6.10
オカルトとのかかわり
教会員は,いかなる形であろうといわゆる悪魔礼拝に参加したり,いかなる方法によってもオカルトに関与したりするべきではありません。「この種の活動は,聖典の中で闇の業と言われているたぐいのものであり,その目的はキリストへの信仰を破壊し,悪と知りながらそれらを奨励する人々の救いを危うくすることにあります。これらの活動は,戯れに行うべきものではありません。また教会の集会の主題とするべきものでもありませんし,個人的な会話の中で詮索するべきものでもありません。」(大管長会からの手紙,1991年9月18日付)
38.6.12
同性に引かれる性質と同性愛行為
教会は,同性に引かれる人々に対して,思いやりと愛と敬意をもって手を差し伸べるよう家族や教会員に勧めています。また,すべての人に対する優しさや寛容,愛,尊敬の念についての教会の教えが反映されるように,社会全体における理解が深まるようにしています。教会は同性に引かれる気持ちの原因について見解を表明していません。
神の戒めは,同性や異性を問わず,あらゆる不道徳な行為を禁じています。教会指導者は,純潔の律法を破った会員に勧告を与えます。指導者は,イエス・キリストとその贖罪に対する信仰,悔い改めの過程,地上における人生の目的について,会員が明確に理解できるように支援します。純潔の律法に反する行為は,教会会員資格評議会を開く原因になることがあります(38.6.5参照)。そうした行為は,心からの悔い改めによって赦しを得ることができます。
会員が同性に引かれる気持ちを感じても,純潔の律法に従って生活しようと努めている場合,指導者はその決意を支持し,励ましを与えます。これらの会員はふさわしければ,教会の召しを受け,神殿推薦状を保持し,神殿の儀式を受けることができます。また男性会員は,神権を受けて行使することができます。
忠実な会員の中には,現世で永遠の結婚の祝福や,親になる祝福を受けることができない状況に置かれる人もいます。そのような会員は,神と交わした聖約を守るかぎり,約束されたすべての祝福を永遠という時の中で受けることができます(モーサヤ2:41参照)。

福音のテーマ「同性に引かれる性質」の項,topics.ChurchofJesusChrist.org
ライフヘルプ「同性に引かれる性質」ChurchofJesusChrist.org
教会指導者の霊感を受けた助けに加えて,専門家によるカウンセリングが会員の助けになる場合があります。指導者は,ファミリーサービスに連絡して支援を求めることができます。連絡先については,38.6.2.2を参照してください。
38.6.13
同性結婚
聖典に基づく教義上の原則として,教会は,男女の間の結婚が神の子供たちの永遠の行く末に対する創造主の計画にとって重要であると断言しています。また,神の律法により,結婚が男女間の合法的かつ正当な結びつきとして定義されていることを認めています。
夫婦として合法的かつ正当に結婚した男女だけが,性的関係を持つべきです。同性同士も含め,それ以外の性的関係はすべて罪深い行為で,家族という神が創造された制度を損なうものです。
38.6.14
性教育
子供の性教育に対する第一の責任は親にあります。このテーマについて家庭で率直に分かりやすく教えれば,若人が重大な道徳的な罪を避けるのに役立つでしょう。
学校で性教育が実施されている場合,親は,子供に教えられていることが健全で道徳的かつ倫理的な価値観に基づいたものであることを確認するように努めるべきです。
38.6.16
未婚の親になる独身者
妊娠している独身の教会員は,ビショップと会って話をするように勧められています。ファミリーサービスは,以下の場合に利用できます。
教会指導者との相談。
未婚の親になる独身者とその家族とのカウンセリング。
このサービスを利用するのに,ビショップの紹介は必要ありません。料金は無料です。
指導者は,ファミリーサービスに連絡して支援を求めることができます。連絡先については,38.6.2.2を参照してください。

38.6.17
精子の提供
教会は,精子の提供を思いとどまるように強く勧めています。
38.6.18
自殺
現世での生活は,神からの貴重な贈り物であり,自分の命を絶つ行為は間違っています。ただし,自ら命を絶った人が,自分の行為について責任を問われない場合もあります。神のみが状況を完全に理解し,裁くことがおできになります。教会は,自殺予防を強く支持しており,自殺による影響を受けた人々に対して思いやりを示すように働き掛けています。
指導者は,自殺により死亡した人の家族に助言と慰めを与えるべきです。家族は,ビショップと相談しながら,死亡した人の葬儀の場所や方法をどうするか決定します。教会の施設を利用することができます。死亡した人が神殿のエンダウメントを受けていた場合は,神殿衣を着せて埋葬することができます。
ビショップは,自殺を真剣に考えたことのある会員や,自殺未遂をしたことのある会員に助言を与えるべきです。また,専門家の助けを求めるように勧めるべきです。

38.6.19
不妊手術(精管切除術を含む)
教会は,産児制限の選択肢としての不妊手術を思いとどまるように強く勧めています。不妊手術は,(1)病状によって生命や健康が著しく危ぶまれる場合,または(2)自分の行動に責任を負うだけの知的能力が本人にない場合にのみ検討するべきです。
このような状況については,資格ある医師の診断と法律に基づいて判断しなければなりません。その場合でも,この決定について責任を持つ人々はよく話し合い,ビショップと相談し,祈りを通して決定について神から確認を得るべきです。
38.6.20
代理出産
教会は,代理出産を思いとどまるように強く勧めています。しかし,これは個人的な問題であり,最終的な判断はその夫婦に委ねる必要があります。
38.7
医療および健康に関する方針
注:本セクションの内容の一部は,今後改訂される可能性があります。
38.7.1
遺体解剖
遺体解剖は,遺族の同意があり,しかも法的に認められている場合に行うことができます。
38.7.2
火葬
教会は,一般的に火葬を奨励していません。遺体を火葬にするかどうかは,埋葬や火葬に関する法律を考慮して,遺族が決めなければなりません。国によっては,火葬が法律で義務づけられています。
エンダウメントを受けている会員の遺体には,可能であれば,火葬にするときに神殿衣を着せておくべきです。その場合も,葬儀を行うことができます(29.6参照)。
38.7.3
安楽死
安楽死とは,回復の見込みのない状態や不治の病にある人を故意に死に至らしめることと定義されています。自殺幇助を含め,安楽死に関与する人は神の戒めを破ることになります(38.7.9も参照)。
38.7.4
HIV感染とエイズ
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している会員や後天性免疫不全症候群(AIDS)を発症している会員には,尊厳と思いやりをもって接するべきです。HIVに感染している人の中には,自分の責任ではなく,他人の行為の犠牲者がいます。例えば,不注意に行われた輸血により,あるいは感染している親からHIVを移された人がいます。神の律法に背いた結果として感染した場合でも,教会は主の模範に従って,罪を非難しながらも罪人を愛し,悔い改めを促すように勧めています。会員は苦しんでいる人々に思いやりと慰めをもって手を差し伸べ,彼らの必要を満たし,問題の解決策を見つけられるように助けるべきです。
HIVやエイズに対する第一の防御策は,結婚前の純潔を保つこと,結婚生活において完全に貞節を守ること,いかなる同性愛関係も避けること,違法薬物の使用を避けること,そして身体を敬虔な気持ちで扱うことです。
HIVに感染している人やエイズを発症している人が教会の集会に出席しても,それが健康上の重大な問題を引き起こすわけではありません。公共の保健機関は,家庭,学校,教会,あるいは職場における通常の接触によってHIVに感染することはないと断言しています。
血液の洗浄や応急処置を時々行う必要がある人は,地元の保健当局による推奨事項を学び,それに従うべきです。
38.7.5
催眠術
資格ある医療専門家の監督の下で,疾病や精神障害の治療のために催眠療法を使用するかどうかは,資格ある医師の判断に委ねるべきです。会員は,実演や娯楽を目的とした催眠術に参加するべきではありません。
38.7.6
出生時の性別が明確でない個人
ごくまれに,男性器か女性器かはっきりしない性器(外性器異常,あいまいな性,性分化疾患など)を持って生まれてくる子供がいます。親やその他の人々は,資格ある医療専門家の指導のもとに,子供の性別を決定するための決断をしなければならない場合があります。医療処置や外科処置を施すことについての決断は,多くの場合,新生児期に行われます。ただし,医学的に必要な場合を除き,その決断は引き延ばすことができます。
外性器異常を持って生まれた青少年や成人が,乳幼児期に決められた性別と本人が自認する性別に関して精神的な葛藤を覚えている場合,特別な思いやりと知恵が必要となります。
外性器異常を持って生まれた青少年や成人のための会員記録,神権の聖任,神殿の儀式についての質問は,大管長会事務局に照会するべきです。
38.7.7
治療法および健康法
会員は,倫理上または法律上の疑問がある治療法や健康法を用いるべきではありません。地元の指導者は,健康上の問題を抱えている会員に対して,開業地の国から免許を与えられている,資格ある専門の医師に相談するように助言するべきです。
38.7.8
臓器および組織の提供と移植
臓器や組織の提供は,疾患のある個人にしばしば大きな恩恵をもたらす無私の行為です。医学上の目的で自分の臓器や組織を遺贈もしくは提供するための決断,あるいは死亡した家族の臓器や組織の移植を許可するための決断は,本人または死亡した会員の家族が下します。
臓器の提供を受けるための決断は,資格ある医師の助言と,祈りによる確認を受けた後に行うべきです。
38.7.9
延命措置
会員は重い病気を患ったとき,主への信仰を働かせ,資格ある医師の助けを求めるべきです。しかし,死が避けられない状態となったときは,死が祝福であり,永遠の存在にとって目的のある一つの過程であると考えるべきです。会員は,過度の手段をもって現世の命を延ばす義務があると感じる必要はありません。この判断は,賢明な資格ある医師の助言と,断食と祈りによって神の導きを求めたうえで,家族が下すべきです。
38.7.10
自己啓発団体
多くの民間団体や営利組織が,自己認識や自尊心,精神性を高めることを目的としたプログラムを提供しています。一部のグループは,個人の主体性を高めることや,家族関係を改善することを約束しています。「体験型」トレーニングや「エンパワーメント」トレーニングを提供している団体もあります。
中には,教会や中央幹部個人が自分たちのプログラムを推薦していると偽って主張したり,ほのめかしたりしている団体もあります。しかし,教会はそのようないかなる事業も推薦していませんし,そのような主張を信じないように会員に警告しています。教会がそのような事業に対して公式に抗議していないという事実があっても,それを暗黙の推薦または承認として受け止めるべきではありません。
また,こうした団体の一部は,危害を及ぼしかねない概念を唱道したり,手段を用いたりしていると,教会員は警告されています。さらに,このような団体の多くは法外な料金を請求し,長期的な契約を勧めています。また,霊性や信仰を弱める可能性のある方法で,世俗的な概念と福音の原則を混ぜ合わせている団体も存在します。
このような団体は,通常であれば解決には時間と個人の努力が必要とされる問題を,直ちに解決すると約束する傾向にあります。参加者は一時的な気休めや高揚感を経験するかもしれませんが,往々にして元の問題が再び現れ,以前よりも深い失望や落胆を味わうことになります。
教会指導者は,このような団体や活動に金銭を支払ったり,参加を勧めたり,これを支援したりしてはなりません。また,教会の施設をこのような活動のために使用してはなりません。
指導者は会員に,福音の原則に従った生活を通して真の自己改善を実現するように勧告するべきです。社会的な問題や情緒的な問題を抱えている会員は,神権指導者に相談して,福音の原則に添った援助手段を見つけるために指導を受けることができます。
38.7.11
死産児(出生前に死亡した子供)
死産児のために神殿の儀式は行われません。しかし,これは死産児が永遠の家族の一員となる可能性を否定するものではありません。両親は主を信頼するように勧められています。主は,御自身が知っておられる最も良い方法でそのような問題を解決してくださるからです。家族は死産児の名前を「家族の記録」に記録し,その名前の後に括弧付きで(死産)」と付記することができます。
親の判断により,追悼式や墓地における儀式を行うこともできます。
出生前の子供に命があることは事実です。ただし,霊が肉体に入る時期について直接的な啓示は与えられていません。
38.7.12
知恵の言葉
知恵の言葉で「熱い飲み物」(教義と聖約89:9)と呼ばれているものの唯一の公式見解は,初期の教会指導者たちによる声明で,茶とコーヒーを指すというものです。
会員は,不法な薬物を含む物質はいかなるものであれ摂取するべきではありません。また,資格ある医師の監督下で使用するのでないかぎり,有害な物質や習慣性のある物質を使用するべきではありません。
38.8
管理運営に関する方針
38.8.1
事故の予防と対応
20.6.20を参照してください。
38.8.2
活動に関する方針
20.6を参照してください。
38.8.3
養子と実の親
養子と実の親の間の情報交換や連絡に関する問い合わせには,十分に気をつけて対処するべきです。関係者全員の法的権利と感情的な要求を考慮するべきです。
アメリカ合衆国およびカナダでは,ステーク会長とビショップはファミリーサービスに連絡して指導を受けることができます。
1-801-240-1711
1-800-453-3860(内線2-1711)
FamilyServices.ChurchofJesusChrist.org
アメリカ合衆国およびカナダ以外の国では,指導者はファミリーサービスまたはエリアオフィスのファミリーサービス担当者に連絡することができます。
38.8.4
養子縁組と里親
養子縁組や里親を希望する会員は,関係する国や役所の適用法規をすべて遵守するべきです。
子供を養子に出すことに関する情報については,38.6.16を参照してください。
38.8.5
視聴覚資料
会員は,以下の条件の下で,CD,DVD,コンピュータープレゼンテーションなどの視聴覚資料を教会の集会で使用することができます。
聖餐会やステーク大会の一般部会で使用してはならない(ただし,ピアノやオルガンがない場合,または伴奏者がいない場合,適切な伴奏曲の録音を使用することができる)。
著作権によってそのような使用が禁止されている場合は,使用してはならない(38.8.13参照)。
教会の集会に適さない要素を含む場合は,使用してはならない。
これらの基準を満たす視聴覚資料は,それが集会において重要な役割を持つ場合,聖餐会以外の,あるいはステーク大会の一般部会以外の集会において礼拝堂で使用することができます。
38.8.6
中央幹部と地域七十人のサインと写真
教会員は,聖典や賛美歌集やプログラムへのサインを含め,中央幹部や地域七十人にサインを求めるべきではありません。そのような行為は,彼らの神聖な召しから注意をそらせ,集会の雰囲気を損ないます。また,彼らがほかの会員とあいさつを交わすのを妨げることにもなりかねません。
会員は,礼拝堂内で中央幹部や地域七十人の写真を撮るべきではありません。
38.8.7
聖書
英語を話す会員は,欽定訳聖書の末日聖徒版を使用するべきです。この版には,「項目別ガイド」(Topical Guide),脚注,ジョセフ・スミス訳の抜粋,聖書中のほかの聖句やモルモン書,教義と聖約,高価な真珠との相互参照,その他の研究資料が付いています。欽定訳聖書よりもほかの英語訳聖書の方が読みやすい場合があるとしても,教義の面において,末日の啓示はほかの英語訳よりも欽定訳を支持しています。
スペイン語を話す会員は,レイナ・バレラ聖書の末日聖徒版を使用するべきです。この版には,英語の末日聖徒版と同様の研究資料が付いています。
教会は英語以外の多くの言語について,教会の集会やクラスで使用するために末日聖徒版ではない聖書を承認しています。会員は承認された版の聖書を使用するべきです。
聖書の翻訳の正確さを検討する最も確かな方法は,様々な訳文を比較検討することではなく,モルモン書ならびに近代の啓示と照らし合わせることです。
聖書の承認された版は,教会配送センターから入手できます。末日聖徒版の電子テキストと録音も,scriptures.ChurchofJesusChrist.orgから利用できます。
38.8.8
モルモン書
教会は,モルモン書を理解しやすい英語あるいは現代英語に書き直すことを認めていません。大管長会は次のように述べています。
「神聖な原文を別の言語に翻訳したり,理解しやすい言語に書き直したりする場合に,この過程において教義上の誤りをもたらしたり,古代におけるその起源についての証拠を曖昧にしたりするという大きな危険性が生じます。これらの危険を未然に防ぐため,大管長会ならびに十二使徒評議会は,聖典を英語からほかの言語に翻訳する作業を直接厳密に監督しており,モルモン書の教義的な内容を,理解しやすい英語あるいは現代英語で表現することを承認していません。(この声明は,教会が子供向けに出版している書物には適用されません。)」(“Modern-Language Editions of the Book of Mormon Discouraged,” Ensign, Apr. 1993, 74)
38.8.9
教会職員
教会職員は,常に教会の標準を守らなければなりません。教会職員として採用されるため,あるいは続けて雇用されるためには,神殿推薦状を持つにふさわしくなければなりません。これは,教会教育システムおよび教会の総合大学・単科大学の職員に関しても同様です。
教会人事部の代表者は,定期的にステーク会長またはビショップと連絡を取って,現職の教会職員あるいは教会での雇用を予定している会員が神殿推薦状を持つにふさわしい状態にあることを確認します。これらの問い合わせは,書面あるいは電話で行うことができます。指導者は,速やかに対応するべきです。
教会職員は,雇用に関連する法律を遵守しなければなりません。教会本部またはエリアオフィスは,関連法規に関する情報を提供することができます。
38.8.10
教会機関誌
大管長会は,教会機関誌を読むように教会員に絶えず勧めてきました。地元の教会指導者は,家庭に教会機関誌を備えるように会員に奨励するべきです。これらの機関誌には,末日の預言者たちを通して与えられる主の導きが記されています。教会機関誌は,救い主を信じる信仰を強め,個人的な問題に対して霊感を受けた導きを与えてくれます。
ステーク会長やビショップは,教会機関誌の購読促進活動を調整するように幹部書記に割り当てることができます(33.3.4および33.4.4参照)。ビショップリックは,ワード教会機関誌代表者を召し,またその補佐を割り当てることもできます。ワード教会機関誌代表者が召されている場合,教会機関誌キャンペーンを計画して指導するのを助け,会員が定期購読を開始あるいは更新するのを助け,また教会機関誌を定期購読することの利点を会員に教えます。
会員は,教会配送センターを通じて教会機関誌を定期購読することができます。教会機関誌のウェブページ上の定期購読申込みフォームに記入して予約できる地域もあります。
38.8.11
教会の名称とロゴタイプ
教会の名称とロゴタイプは,教会を他と区別する重要な識別子です。これらは商標登録されるか,そのほかの方法で世界的に法的な保護を受けています。教会の名称とロゴタイプは,以下の指針に従って用いるべきです。
次の条件をすべて満たしている場合,地元のユニットは教会の名称(ロゴタイプではない)を印刷物や掲示物に用いることができます。
名称に関連した活動または行事が,教会のユニットにより正式に主催される(例:聖餐会のプログラム)。
教会の名称とともに,地元の教会ユニットの名称が使用される(例:末日聖徒イエス・キリスト教会キャニオンビューワード)。
書体は公式のロゴタイプを模写あるいは似せて作成したものではない。
教会の公式ロゴタイプ(本手引きの表紙参照)は,教会本部のコーリレーション部によって承認された項目のためにのみ使用しなければなりません。下記はその例です。
公式の教会出版物および便せん。
宣教師の名札。
集会所外部の表示板。
ロゴタイプは,装飾素材やコンピューターのスクリーンセーバー,デスクトップの背景として使用することはできません。また,家族歴史の書籍,Tシャツ,バッジ,バナーなど,私的,商業目的,または事業促進を目的に使用することもできません。不明な点は下記に問い合わせることができます。
Intellectual Property Office
50 East North Temple Street
Salt Lake City, UT 84150-0005
電話:1-801-240-3959または1-800-453-3860(内線2-3959)
ファックス:1-801-240-1187
38.8.12
コンピューター
教会の管理評議会の承認を得て,一部の教会ユニットには,記録の作成と家族歴史などを目的としてコンピューターが導入されています。ステーク会長は,ステークにおけるコンピューターの設置と利用を監督します。教会のコンピューターの入手と管理に関する指針は,教会本部またはエリアオフィスから入手できます。これらの指針には,下記の問題についての情報が記載されています。
ハードウェアとソフトウェア。
寄贈されたコンピューター。
インターネット接続。
修理。
コンピューターの処分。
コンピューターの盗難または破損。
セキュリティ。
会員による使用。
必要であれば,ステーク会長は,会員が家族歴史プログラムを使用するために,ワードとステークのコンピューターを利用できるように手配します。そのほかの私的な目的でワードとステークのコンピューターを利用することは,認められていません。
コンピューター上の内密情報を保護するために,指導者および書記は,教会記録作成システムのパスワード機能を使用するべきです。教会の財務システムにアクセスするための個人のパスワードは,決して共有してはなりません。内密情報の保護に関する追加の指示については,33.8および33.9に記載されています。
コンピューターは,ビショップリックと書記が会員の毎週の献金を人の目に触れないで処理できる場所に設置するべきです。
コンピューターソフトウェアの複製に関する制限については,38.8.13を参照してください。
ステーク会長会は,ステーク書記補佐をステーク技術支援スペシャリストとして割り当てることができます。必要であれば,ステーク書記にこの割り当てを与えることができます。ステーク技術支援スペシャリストは,家族歴史センターにあるものも含め,ステーク内にある教会のコンピューターを管理します。これらの責任は,33.3.3.2に概説されています。
38.8.13
著作権のある資料
創作品とその使用許可を規定する法律は,国によって異なっています。本セクションで概説されている教会の方針は,大部分の国で適用できる国際条約と一致しています。分かりやすくするため,本セクションでは,創作者の権利を「著作権」と呼ぶことにします。ただし,これらの権利の一部は,国によっては別の呼称で呼ばれていることがあります。
著作権とは,著作者の有形のオリジナル作品に関して著作者に与えられる法律による保護を指します。下記が含まれます。
文芸作品,音楽作品,脚本,舞踊作品。
絵画,写真,彫刻作品。
視聴覚作品(映画,ビデオ,CD,DVDなど)。
コンピュータープログラム,またはゲーム。
インターネットやその他のデータベース。
教会員は著作権法をすべて厳密に守るべきです。通常は,作品の複製(複写),配付,公演,展示,派生品を承認できるのは,著作権所有者だけです。著作権所有者の承認を受けずに,これらのいずれかの方法で作品を使用することは,教会の方針に反しており,また教会や使用者を法的に不利な立場に置く可能性があります。
作品を使用する人は,作品が著作権によって保護されていることを考慮に入れるべきです。出版物には通常,「©1959 John Doe」というような著作権の表示があります。(音響録音の場合は℗が用いられます)。ただし,法的な保護を受けるのに,著作権の表示は必要ありません。同様に,出版物が絶版になっても著作権は無効となるわけではなく,許可なしに複製,配付,公演,展示,派生作品の制作をすることは認められません。
教会の知的財産事務所(IPO)は,著作権のある教会資料やプログラムの使用を申請する手続きを支援します。その中には,Intellectual Reserve, Inc.(IRI)が著作権を所有する資料も含まれます。IRIは,教会が使用する知的財産を所有している独立した非営利団体です。教会が所有している資料の使用申請に関する追加の情報は,ChurchofJesusChrist.orgの「利用規約」のリンクから見ることができます。
以下の質問と回答は,会員が教会や家庭で著作権のある資料を使用する際に,著作権法を理解し,守るための助けとなるでしょう。これらの指針から回答を得られない質問がある会員は,下記に問い合わせることができます。
Intellectual Property Office
50 East North Temple Street
Salt Lake City, UT 84150-0005
電話:1-801-240-3959または1-800-453-3860(内線2-3959)
ファックス:1-801-240-1187
電子メール:cor-intellectualproperty@ChurchofJesusChrist.org
「教会機関誌の絵や写真を複写することはできますか。」教会出版物の絵や写真は,通常,教会,家庭,家族による非営利的な使用のために複写することができます。しかし,IPOの書面による特別な許可なしに,営利目的で複写することはできません。複写を禁じている絵や写真には,「複写は禁じられています」などの言葉が絵や写真の著作権表示に記されています。
「出版されている教会の資料を複写することはできすか。」教会出版物は,通常,教会,家庭,家族による非営利的な使用のために複写することができます。IPOの書面による特別な許可なしに,教会資料を営利目的で使用することはできません。
「楽譜をコピーすることはできますか。」楽譜には特有の著作権法が適用されます。賛美歌または歌に著作権制限が特に記載されていなければ,教会,家庭,家族は非営利目的で使用するために,『賛美歌』,『子供の歌集』,教会機関誌から楽譜をコピーすることができます。印刷された楽譜や録音された音楽を著作権所有者から承認を得ないで複写や複製することは,教会の方針に反します。この方針に反して複写・複製した楽譜や音楽は,教会のために使用してはなりません。
「教会制作の視聴覚資料を作り変えたり,コピーしたり,分割したりしてもいいですか。」IPOからそのような使用の承認を特別に得ていないかぎり,行ってはなりません。教会制作の視聴覚資料は,その資料の指示書やパッケージに記載されている指示に従って使用するべきです。
「教会が所有していない資料をコピーすることはできますか。」一般的に,行ってはなりません。著作権法は,個人が所有する資料の使用も規制しています。通常,一般の人が教会外の資料をコピーする前に従わなければならない条件を示す制限事項があります。通常,このような制限は出版物の巻頭近くに記されています。会員は著作権法のすべてを厳密に守るべきです。
「市販の視聴覚作品を教会の集会で上映することができますか。」一般的に,行ってはなりません。教会員は,市販の視聴覚作品に記載された注意書きや制限に違反するべきではありません。市販の視聴覚作品を教会の集会で使用する場合,一般的に,著作権所有者の許可が必要です。
「教会で使うために,コンピューターのソフトウェアやその他のプログラムをダウンロードしたり,コピーしたりすることができますか。」一般的に,行ってはなりません。コンピューターのプログラムやその他のソフトウェアは,すべてのライセンスを適正に購入していなければ,コピーやダウンロードをしてはなりません。例外として,教会家族歴史プログラムは,無料でダウンロードすることができます。
「教会のウェブサイトで見つけた資料をダウンロードしたり,配付したりすることができますか。」教会は,ChurchofJesusChrist.org, ComeUntoChrist.org, FamilySearch.orgなど,ウェブサイトを幾つか開設しています。教会所有のウェブサイトにある資料はすべて,映像,テキスト,アイコン,ディスプレー,データベース,一般情報を含めて,特に表示がなければ,教会,家庭,家族が非営利目的で使用するためであれば,閲覧,ダウンロード,印刷することができます。これらのサイトの資料は,IPOの許可なしに,ほかのウェブサイトやコンピューターネットワークに掲示,転写,あるいは配信してはなりません。
教会所有のサイトとサイト上の情報は,情報提供者の名前や住所も含め,商品やサービスの販売または販売促進,顧客勧誘,そのほかの営利目的のために使用してはなりません。
追加の情報については,各ウェブサイトの利用規約を参照してください。
「ミュージカルや演劇作品を上演するには,どのような許可が必要ですか。」教会またはIRIが所有する作品は,教会本部の許可がなくても教会の集会で上演することができます。著作権で保護された作品が教会所有でない場合,教会の集会でその作品の全体または一部を上演する会員は,著作権所有者の許可を得なければなりません。通常,著作権所有者は,たとえ上演が無料で行われても,報酬または使用料を要求します。すべての上演には地元の神権指導者の承認が必要です。
38.8.14
教科課程の資料
教会は,会員がイエス・キリストの福音を学び,実践するのを助けるために,聖典や手引き,書籍,そのほかの資料を利用できるようにします。
指導者は,家庭での福音学習をサポートするために,聖典と『わたしに従ってきなさい—個人と家族用』を入手するよう会員に勧めます。
指導者は,教師が定員会やクラスのレッスンで教会の承認した資料を使っていることを確認します。『教科課程に関する指示』には,日曜学校のクラスを組織する方法と,レッスンで使用する資料に関する情報が記されています。
38.8.15
独身会員にデートや交際を仲介する業者
デートや交際を仲介する業者がしばしば,教会の独身会員を勧誘することがあります。教会の集会所,クラス,あるいはプログラムは,デートや交際を仲介する業者とその営業活動を含め,民間企業の事業促進のために使用することはできません。そのような業者に,教会のグループの名簿や教会員に関するそのほかの情報を開示するべきではありません。
38.8.16
住所録
ステークおよびワードの住所録は,以下の指示に従って公表することができます。
氏名,住所,電話番号は,一般の電話帳に掲載されている場合にかぎり,住所録に載せることができます。電話帳に掲載されていない場合は,会員の許可が必要です。電子メールアドレスも,会員の許可がある場合にのみ掲載できます。
住所録の作成費用は,ステークまたはワードの予算基金から支払います。住所録には広告を掲載してはなりません。
指導者は,住所録をステークまたはワードの管轄区域外に配付してはなりません。また,営利目的や政治目的に利用するのを許可してはなりません。
個々の住所録の冒頭に,教会の用途のみに使用し,ビショップまたはステーク会長の許可なしに複写できないことを明記するべきです。
38.8.17
神権指導者あての電子メール
教会は,神権指導者との連絡や,神権指導者同士の連絡のために,電子メールシステムを構築しています。このシステムを利用できる神権指導者には,その旨が通知されます。
38.8.18
会員の移民
一般的に,会員は自国にとどまって,教会を築き,強めるように奨励されています。世界中のどの地域でも,教会活動に参加し,福音の祝福を受けて分かち合う機会は著しく増大しています。会員が自国にとどまって,その地で教会を築くように努めるときに,大いなる祝福が会員個人と教会にもたらされるでしょう。世界各地のステークとワードは強くなり,さらにより多くの天の御父の子供たちに福音の祝福を分かち合うことができるでしょう。
過去の事例によると,移民した人は,言語や文化や経済面で障害に出遭い,その結果失望して,個人と家族が苦難に陥ることが往々にしてあります。
宣教師は,自分の親や親族,そのほかの人々に,他国への移民を希望する会員の保証人になるように要請してはなりません。
他国に移民する会員は,該当する法令を遵守するべきです。
学生ビザや観光ビザでアメリカ合衆国やその他の国に渡航する会員は,入国後に職を見つけることや永住ビザを取得することを期待するべきではありません。
どの国においても,教会職員として雇用を検討される人は,移民と帰化に関連する法令の要件をすべて満たしていなければなりません。教会は,教会職員として雇用することで移民の保証人となることはありません。
38.8.19
断食日
断食日を正しく守ることには通常,24時間の中で連続した2回の食事の食べ物と飲み物を断つこと,断食証会に出席すること,また援助を必要とする人々を助けるために惜しみなく断食献金を納めることが含まれます。
38.8.20
資金獲得活動
20.6.8を参照してください。
38.8.21
ギャンブルと宝くじ
教会は,公営の宝くじを含むあらゆる形のギャンブルに反対しています。
38.8.22
話者または講師の招待
ほとんどの教会の集会での話者および講師は,地元のワードまたはステークに属する人であるべきです。
定員会,扶助協会,日曜学校,若い女性,初等協会を含め,ワードの集会に話者や講師を招くには,ビショップの承認が必要です。ステークの集会において同様の招待をするには,ステーク会長の承認が必要です。
ビショップまたはステーク会長は,招待する話者または講師について,また彼らの話や講習のテーマについて慎重に調べるべきです。これには,本人のビショップと連絡を取ることが含まれます。ビショップまたはステーク会長は,下記の事柄を確認します。
内容が教会の教義と一致している。
話者または講師は,報酬を受けず,参加者を勧誘せず,商品購入や仕事の依頼を要請しない。
話者または講師の交通費は,地元ユニットの予算交付金や私的な寄付金から支払われない。
話や講習の内容が,教会の施設を使用する際の指針に添ったものである35.4参照)。
38.8.23
所得税
教会の会員は信仰箇条第12条にのっとり,居住する国の税法に従うことを義務づけられています(教義と聖約134:5も参照)。税法に異議のある会員は,新たな法律の制定や法律改正を通じて税法の変更を求めることができます。反対意見に十分な法的根拠がある会員は,税法への異議を法廷に申し立てることができます。
納税申告書の提出や,支払うべき所得税の支払い,または納税に関する法廷の最終判決に従うことなどを拒否する教会員は,法律と教会の教えに真っ向から対立していることになります。このような会員は,神殿推薦状を受ける資格に欠ける可能性があり,教会の重要な職に召されるべきではありません。会員が故意に税法に違反して重罪判決を受けた場合,教会会員資格評議会が必要となります(32.6.1.5参照)。
38.8.24
インターネット
慎重に使用するならば,インターネットは,教会の働きを調整し,信仰を強め,ほかの人々の必要を満たすために役立てることができます。インターネットはまた,人々が互いに連絡を取り合ったり,教会の情報を友人や家族と分かち合ったりする助けにもなります。ただし,可能であれば,電子手段による連絡をじかに接する機会の代わりにすべきでないことを,会員は覚えておくべきです。
38.8.24.1
公式の教会インターネットリソース
教会は,広く一般に使用できるように幾つかの公式ウェブサイトとそのほかのインターネットリソースを提供しています。これらのウェブサイトとリソースは,教会ロゴの使用あるいはその他の方法により,公式のものであることが明確に示されています。これらはまた,法律上の要件と,教会の知的財産およびプライバシーに関する方針に従っています。
神殿,伝道部,訪問者センターは,ウェブサイトの作成を認められていません。
38.8.24.2
教会の召しにおける会員のインターネットの利用
会員は,教会や教会の見解を代弁したり代表したりするために,ウェブサイトやブログ,ソーシャルメディアのプロファイルを作成してはなりません。しかし,自分の召しを果たすために必要なウェブサイトやブログ,またはソーシャルメディアのプロファイルを作ることはできます。その際に会員は,「本サイトは末日聖徒イエス・キリスト教会の公式ウェブサイトではありません」というような断り書きを入れなければなりません。また,次の指針に従わなければなりません。
最初に,地元の神権指導者が召しに関連したウェブサイトやブログ,ソーシャルメディアのプロファイル作成を承認しなければなりません。
教会ロゴは,使用も模倣もできません。
そのウェブサイトやブログ,ソーシャルメディアのプロファイルに責任を持つ会員の名前と連絡先情報を掲載しなければなりません。
会員は,教会がそのオンラインリソースのコンテンツや画像,その他の資料を後援あるいは推奨していると述べたり,ほのめかしたりしてはなりません。
教会所有の絵画,動画,楽譜,その他の資料は,教会の公式ウェブサイトの「利用規約」ページで,あるいは教会の知的財産事務所から,使用の明確な承諾を得ていないかぎり,掲示してはなりません。
そのほかの個人の写真や個人情報は,本人の同意がないかぎり載せるべきではありません。
所有しているソーシャルメディアは,不適切なコンテンツが迅速に削除されるように適切かつ積極的に管理とチェックを行わなければなりません。
ウェブサイトやブログ,ソーシャルメディアのプロファイルには,教会ユニットの名称を付けることはできません。例えば,「第一ワードニュース」や「第一ワードの友」といった名前は容認されますが,「第一ワード」は容認されません。
ほかの例や詳しい説明については,internet.ChurchofJesusChrist.orgを参照してください。
カレンダーや住所録,またChurchofJesusChrist.orgにあるほかのツールについて助けが必要な場合は,tools.ChurchofJesusChrist.orgにアクセスしてください。
38.8.24.3
個人のインターネットの使用
会員は,救い主と回復された福音に対する証で地を満たすために,インターネットを活用するように勧められています。キリストを信じる信仰に伴う平安と希望と喜びのメッセージを広めるにあたり,ブログ,ソーシャルネットワーク,そのほかのインターネット技術を,その声を大きく広めることができるツールとして捉えるべきです。
会員は自分自身の言葉や画像,メディアと同様に,教会の公式ウェブサイトとソーシャルアカウントのメッセージを分かち合うように勧められています。会員が自分の考えや気持ちを表す際,それが教会の見解を示している,あるいは教会の後援を受けているという印象を与えるべきではありません。
会員は主の業を速めるためにインターネットを使用する際,礼儀正しさの模範を示し,称賛に値するメッセージを分かち合って,そこで触れ合う人々を強めることに焦点を当てるべきです。
そのほかの指針については,ChurchofJesusChrist.orgで「会員のためのインターネット使用に関する支援」を検索してください。
38.8.25
国の法律
会員は,自分が居住している国や旅行先の国の法律を守り,尊び,支えるべきです(教義と聖約58:21-22,信仰箇条1:12参照)。これには,伝道を禁じる法律も含まれます。
38.8.27
教会本部からの郵便物
教会の公式な通信物であるかのような広告類を地元の指導者あてに送付している企業や個人がいます。教会の公式な連絡は必ず下記のいずれかの方法で伝えられるため,ほかの連絡と区別することができます。(1)教会の指導者から個人的に伝えられる,(2)教会のレターヘッドが付いた教会指導者からの手紙によって伝えられる,(3)教会出版物で発表される。教会指導者はこれらの事柄だけに注意を向け,対応することが求められています。
38.8.28
教会本部あての郵便物
地元の指導者は,教会本部への送付に用いた封筒に差出人の住所を記すだけでなく,その手紙およびそのほかの通信物にも返信先の住所を記すべきです。
38.8.29
教会本部と会員との連絡
教会員は,教義の問題や個人的な事柄で,中央幹部に電話をかけたり手紙を書いたりすることは勧められていません。教会員数のかつてない増加に伴い,中央幹部がこのような問い合わせに直接に返答することは,ほとんど不可能であり,また中央幹部に託されている義務を遂行する妨げとなります。中央幹部は,教会員を愛しており,教会員が必要な支援も導きも得られないと感じることがないように願っています。しかし,すべてのことは賢明に秩序正しく行う必要があります。
主は御自分の教会を組織して,すべての会員が,霊的な助言者およびこの世の事柄に関する相談役として奉仕するビショップや支部会長,ステーク会長,地方部会長,伝道部会長と親しく接することができるようにしておられます。これらの地元の指導者は彼らの召しに基づき,識別の霊と霊感を受ける資格が与えられており,管轄区域内の会員に助言を与えることができます。
霊的な導きを必要としている会員や重大な個人的問題を抱えている会員,あるいは教義上の疑問を抱いている会員は,自分自身で解決策と答えを見いだすために,真剣な祈りと聖文の研究を含め,一生懸命に努力するべきです。教会員は,個人の生活や家族の責任,教会の責任について助けを得るために,聖霊の導きを求めるように勧められています。
会員は,それでもなお助けが必要であれば,まずビショップに相談するべきです。必要であれば,ビショップはステーク会長に問い合わせることができます。
ほとんどの場合,中央幹部にあてた会員からの手紙は,地元の指導者に差し戻されます。教義上の事柄やその他の教会に関する事柄について助言が必要なステーク会長は,会員に代わって大管長会に手紙を書くことができます。
38.8.30
会員の仕事,職業,所属組織
教会に加入するためのバプテスマ,神権の聖任,神殿推薦状の発行は,地元の神権指導者により行われる入念な面接によって証明された各個人のふさわしさに基づいて執り行われます。教会員は,良心に恥じることなく主の祝福を求めることができる活動や職業,また福音の原則と救い主の教えに調和している活動や職業に携わるように努めるべきです。
38.8.31
障害のある会員
教会員は救い主の模範に従って,障害のある人々に希望を与え,彼らを理解し愛するように奨励されています。指導者は,障害のある人々と知り合い,心からの関心と思いやりを示すべきです。
また指導者は,障害のある親,配偶者,子供,兄弟姉妹がいるために,特別な助けや配慮を必要とする可能性のある会員を特定します。障害のある人が家族にいる場合,その世話をすることは家族にとって信仰を築く精錬の過程となり得ます。しかし,それは同時に財政的な問題や夫婦間の問題,および家族のチャレンジをもたらす可能性もあります。
また指導者は,家族から離れてグループホームなどの施設に住んでいる障害のある会員を捜し出します。
38.8.31.1
障害への認識と理解を増す
指導者や教師,そのほかの会員は,本人の障害と,それに付随して必要になる事柄について理解するように努めるべきです。本人やその家族と話をすることによって,理解を深めることができます。また,教会の指導者の話や教会機関誌の記事を読み,disability.ChurchofJesusChrist.orgでオンラインの資料を読むこともできます。
38.8.31.2
援助を与える
指導者は,障害のある人や介護をしている人の必要を見極めます。そして適切であれば,ワードまたはステークの援助手段をどのように使って必要を満たすことができるか判断します。指導者は,会員が愛と友情をもって援助を与え,手を差し伸べるように奨励します。ビショップリックまたはステーク会長会は,ワードまたはステークの障害者スペシャリストを召して,個人や家族を支援することができます。
また指導者は,障害のある人やその家族の助けとなる地域のリソースを特定することもできます。
障害のある人の援助に関してさらに情報が必要な場合,指導者や会員はdisability.ChurchofJesusChrist.orgにアクセスすることができます。また指導者は,ファミリーサービス(利用可能な場合)に問い合わせることもできます。
指導者や会員は,障害というチャレンジがその家族に与えられた理由を説明しようとするべきではありません。障害が神からの罰であると示唆するようなことは,決してすべきではありません(ヨハネ9:2-3参照)。また,障害のある子供を持つことは祝福であると示唆するべきでもありません。
38.8.31.3
儀式を施す
精神的な障害を持つ人に対して儀式を執行するかどうか検討する場合,神権指導者は18.1にある指針に従います。
38.8.31.4
奉仕し,参加する機会を与える
障害のある会員の多くは,ほとんどすべての教会の割り当てを行うことができます。指導者は,各人の能力と望みについて祈りをもって考慮し,そのうえでふさわしい奉仕の機会を与えます。指導者は本人の家族と評議し,教会の召しが本人や家族,世話をしている人に与える影響について考慮するべきです。
障害者の世話をしている人に教会の割り当てや召しを与えることを検討する場合,指導者は本人とその家族の状況を慎重に考慮します。
指導者や教師は,障害のある会員をできるかぎりすべての集会やクラス,活動に参加させるべきです。レッスンや話,教授法は各人の必要に合わせたものに調整するべきです。レッスンの調整について詳しくは,disability.ChurchofJesusChrist.orgを参照してください。
ビショップリックは,クラスで障害のある人を助ける教師補佐を召すことができます。またビショップリックは,集会または活動でその人を助けるように,だれかに依頼することもできます。
本人が集会やクラス,活動に参加できない場合,指導者と教師は本人の必要を満たす方法について家族に相談することができます。ステーク会長やビショップは,障害のある会員のために特別なクラスやプログラムを組織することを承認できます(38.8.31.5参照)。教会の集会に出席できない人には,レッスンや話の印刷資料や録音を提供することができます。
神権指導者は,適切な場合,神権を持つ男性が儀式に携わるように奨励します。すでにバプテスマと確認を受けているふさわしい神権者と若い女性は,12歳になる年の1月から,神殿において死者のためのバプテスマと確認の儀式を受けることができます。障害のある会員が自身の神殿儀式を受けることに関する指針は38.2.1.8および38.2.1.9に記載されています。
38.8.31.5
特別なクラス,プログラム,ユニットを組織する
障害のある会員や特別な支援が必要な会員は,教会プログラムが組織されている養護施設に住んでいる場合を除き,所属ワードで日曜日の集会に出席するように勧められています。
同じような障害をもつ会員が一つまたは複数のワード内,あるいは一つまたは複数のステーク内にいる場合,指導者は彼らのために特別な活動プログラムや初等協会のクラスを組織することができます。指導者はまた,特別な日曜学校クラスやそのほかのクラスを組織することもできます。このようなクラスやプログラムは,本人の所属ワードのプログラムを補足するものです。
複数のステークを対象とした特別クラスやプログラムを組織するには,地域会長会の承認が必要です。これらの指導者は,クラスやプログラムの立ち上げおよび継続的な実施を一定期間監督するよう,代表ステーク会長を任命します。
複数のワードを対象とした特別クラスやプログラムを組織するには,ステーク会長会の承認が必要です。これらの指導者は,クラスやプログラムの立ち上げおよび継続的な実施を一定期間監督するよう,代表ビショップを割り当てます。
代表ステーク会長や代表ビショップは,参加しているほかのステーク会長やビショップと評議して,これらのクラスやプログラムのための財政的な支援について方針を定めます。交通手段の手配については,両親または世話をしている人の責任とします。
複数のステークを対象とするクラスやプログラムを組織する場合,参加する各ステークの会長は,参加希望者の登録,指導者および教師の提供,代表ステーク会長が定めた財政方針の管理運営などの調整を助けるために,高等評議員を割り当てることができます。
特別クラスや特別プログラムで奉仕する会員は,代表ステーク会長または代表ビショップによって,あるいは彼らの指示の下で召され,任命されます。これらの指導者は,通常の教会の手順に従って召しと解任を行います。特別クラスや特別プログラムの指導者と教師は,会員の活動や達成の情報を所属ワードの指導者に伝え,そこでは永久記録を保管し,表彰を行うことができます。
代表ステーク会長や代表ビショップから招かれた場合,特別クラスや特別プログラムの指導者は,ステークやワードの指導者会に出席することができます。また,クラスやプログラムの活動を計画するために,独自の集会を開くこともできます。
指導者は,教会教育システムにおいて障害のある会員のために設置できるクラスについて知るために,宗教教育セミナリー・インスティテュートの管理者に問い合わせることができます。
聴覚障害のある会員のためにワードまたは支部を創設することができます。あるいは,ワードが主体となって,指定された地域内に住む,聴覚障害者のグループを組織することができます。そのようなワードや支部,グループは,聴覚障害のある会員が奉仕や福音の学習に十分参加できるように助けます。これらのユニットを組織するための指示は,37.7に記載されています。
手話を使う会員とその家族は,次のいずれかのユニットに教会員記録を置くことができます。(1)所属ワード(2)聴覚障害のある会員のためのグループを主催するように指定されたワード(3)聴覚障害のある会員のために組織されたワードまたは支部。
38.8.31.6
聴覚障害のある会員のための通訳
聴覚障害のある会員は,福音の教義や原則を学ぶ際に意思疎通の障壁に直面します。手話を用いる人が,教会の集会や神権の儀式,神殿活動,証,面接,活動などに十分に参加するには,通訳者の助けが必要です。
聴覚障害のある会員は,自立するように,そして必要な通訳サービスの手配について自分から神権指導者に働きかけるように勧められています。個人面接や教会会員資格評議会など内密事項を扱う状況の準備として,神権指導者は本人と相談し,通訳者を利用するかどうか決定します。その場合,指導者は(可能であれば)本人の家族以外の通訳者を探し,内密事項を口外しないように念を押すべきです。
十分な数の通訳者がいない場合,指導者はその地域で用いる手話を教えるクラスをワードまたはステークで組織することができます。指導者は,ふさわしい会員を召して手話クラスを教えてもらうことができます。このクラスの教師としては,聴覚障害者であって,日常言語として手話を用いている会員が最初に考慮されるべきです。役に立つリソースとして,Dictionary of Sign Language Terms for The Church of Jesus Christ of Latter-day Saints(末日聖徒イエス・キリスト教会のための手話用語辞典)があります。
聖餐会,神権会,および面接では,ふさわしい会員のみが通訳を行います。神権会で通訳する神権者が見つからない場合,管理役員は女性に通訳を依頼することができます。会員たちが通訳技術を伸ばすまでは,活動やそのほかのほとんどの集会において,教会員でない通訳者をボランティアとして一時的に起用することができます。
聴覚障害のある人が儀式または祝福を受ける場合,管理役員はその儀式または祝福の言葉の通訳を神権者に依頼することができます。神権者がいなければ,管理役員は女性に通訳を依頼することができます。
クラスや集会中,通訳者は教室や礼拝堂の前列にいるべきですが,壇上にいるべきではありません。また,通訳者は話者の横にいて,視覚的に人々の気を散らすことのないようにするべきです。話者の唇や身ぶりを見ることによって理解が促進されるので,聴覚障害のある会員は通訳者が見えるとともに,話者や教師も視界に入る位置に座るべきです。十分な人数の通訳者がいる場合,指導者は通訳者に,疲労を避けるために30分ごとに交代するよう要請します。
神権の儀式や面接の際,通訳者は儀式執行者や面接を行っている人のすぐそばにいるべきです。
手話を用いない聴覚障害のある会員が,読唇を助ける通訳者を必要とする場合,指導者は手話を用いる通訳者を見つけるのと同じ手順に従います。
38.8.31.7
プライバシー
指導者は,個人の必要について話し合う指導者会において,またその後において,障害のある会員のプライバシーを尊重するべきです。
38.8.31.8
資料
障害のある会員と家族,その世話をしている人,指導者や教師のための資料はdisability.ChurchofJesusChrist.orgに掲載されています。このウェブサイトには,以下の事柄が記されています。
障害のある人が直面している問題について理解を深めるのに役立つ情報。
具体的な障害の項目と,よくある質問に対する答え。
障害のある会員やその家族にとって慰めとなるような聖句や引用,有益な情報へのリンク。
障害のある会員がイエス・キリストの福音に従って生活し,教会で奉仕するために役立つ資料のリスト。
障害のある会員のための教会の資料は,disability.ChurchofJesusChrist.orgおよびstore.ChurchofJesusChrist.orgに掲載されています。
障害のある会員のための資料については下記に問い合わせることができます。
障害のある会員
50 East North Temple Street
Salt Lake City, UT 84150-0024
電話:1-801-240-2477
38.8.32
ほかの宗教
ほかの多くの宗教には,精神を鼓舞し,気高く,最高の尊敬を集めるのにふさわしい要素が数多く見られます。宣教師ならびにその他の会員は,ほかの人々の信条に対して慎重な配慮と尊敬の念を持ち,また彼らの感情を害することのないようにしなければなりません。他の宗教との関係について質問があるステーク会長および伝道部会長は,地域会長会に問い合わせるべきです。そのような質問があるそのほかの地元の指導者は,ステーク会長または伝道部会長に問い合わせるべきです。
38.8.33
宿泊を伴う活動
20.6.12および35.4.13を参照してください。
38.8.34
政治活動および公民活動
教会員は市民として,自分が選ぶ政党に関与することを含め,政治上または行政上の事柄に参加するように勧められています。また会員は,地域社会を改善して生活と家族の養育のための健全な場所とするために,ふさわしい目的を掲げた活動に積極的に参加するように勧められています。
会員は,それぞれの政府の法律に従って,有権者登録をし,論点や志願者を慎重に検討し,また誠実に正しい判断力をもって行動すると思われる人に投票するように勧められています。末日聖徒には,正直で,善良で,賢明な指導者を探し求め,投票し,支援する特別な義務があります(教義と聖約98:10参照)。
教会は,政治問題や社会問題に関する表現の自由を肯定しながらも,政党,政策綱領,公職への立候補者に関して中立の立場を取っています。教会は,いかなる政党や立候補者も後援しません。また会員に投票の仕方について助言も行いません。ただし,例外的な事例において,教会は特定の法律の制定に関して,特にそれが道徳的な問題に関係する場合,教会の立場を表明します。特定の法律の制定への支援や反対について,または司法問題への介在について,教会を代表して語ることができるのは,あるいは教会に委ねることができるのは,大管長会だけです。その場合以外,ステーク会長ならびにほかの地元の指導者は,政治的な事柄に関与するために会員を組織化したり,会員が関与する方法に影響を与えようとしたりするべきではありません。
教会員は,地方自治体や国の政府で,選挙による選出または指名に基づく公職に就いて働くことを考えるように奨励されています。公職への立候補者は,教会または教会指導者の支持を受けて立候補しているかのようにほのめかすべきではありません。教会指導者および会員は,教会がいずれかの政党や政策綱領,政策や候補者を支持していると解釈されるような言動を慎むべきです。
会員は,社会の道徳的基盤を強化する政策,特に社会の基本単位としての家族を守り強めることを目指した政策を支援するように勧められています。
教会の記録,住所録,およびこれらに類する資料を政治目的で利用してはなりません。
教会の施設を政治目的で使用してはなりません。しかし,ほかに適切な場所がない場合,有権者登録所または投票所として使用することはできます(35.4参照)。
38.8.35
郵便法
アメリカ合衆国およびそのほか一部の国では,郵便受けの中あるいは上に,切手のはっていない物を置くと,郵便法違反となります。この規定は,ワードやステークの回報,発表,ちらし,そのほかの教会関係資料にも適用されます。教会指導者は,会員と宣教師に,そのような物を郵便受けの中や上に置かないように教えるべきです。
38.8.36
会員のプライバシー
教会指導者は,会員のプライバシーを守る義務があります。教会の記録,住所録,およびそれに類する資料を,個人的な目的や営利目的,または政治目的で利用してはなりません(38.8.16も参照)。
38.8.37
私的な出版物
会員は,教会に関連する書籍やそのほかの教会に関連する文書について,中央幹部または地域七十人に共同執筆を依頼したり,推薦を求めたりするべきではありません。
38.8.38
中央幹部および地域七十人の話または説教の録音や録画
教会員は,ステーク大会,宣教師集会,そのほかの集会における中央幹部ならびに地域七十人の話や説教を録音・録画するべきではありません。ただし,総大会の放送は,営利目的でなく個人で使用するために家庭用の機器を使って録音や録画をすることができます。
38.8.39
教会と教会員の呼称
教会の名称は,1838年に啓示によって次のように預言者ジョセフ・スミスに与えられました。「わたしの教会は,終わりの時にこのように,すなわち末日聖徒イエス・キリスト教会と呼ばれなければならない。」(教義と聖約115:4)
このため,教会について述べるときは,可能であれば常に正式名称を用いるべきです。正式名称を最初に述べた後,短縮した呼称が必要な場合は,「教会」または「イエス・キリスト教会」という言葉が推奨されています。「回復されたイエス・キリストの教会」も正確であり,推奨されています。
教会員について述べる際は,「末日聖徒イエス・キリスト教会の会員」,「末日聖徒」,「イエス・キリスト教会の会員」という言葉が正確であり,推奨されています。「末日聖徒」という称号は,主が末日に聖約の民に与えられた名前です。教会の会員をこのように呼ぶことで,イエス・キリストと主の教会の会員との間につながりがあることを示すことになります。教会員を「モルモン」や「LDS」などのほかの称号で呼ぶことは推奨されていません。
「モルモン」は「モルモン書」などの固有名詞で正しく用いられています。また,「モルモン・トレイル」のような歴史的表現で形容詞として用いられる場合もあります。
「モルモン教」という言葉は不正確であり,推奨されていません。教会特有の教義や文化,生活様式を合わせて説明する場合,「回復されたイエス・キリストの福音」という言葉が正確であり,推奨されています。
38.8.40
教会における調査活動
教会が承認している調査機関は,コーリレーション部のコーリレーション・リサーチ課だけです。この課の代表者は,中央幹部が重要視している事項に関する情報を入手するため,アンケートと面談を実施します。教会が承認する調査員は,会員に連絡する場合,教会の無料通話番号と本部の担当者名を伝えます。さらに彼らは,必ず,回答者が調査上の質問事項の一部または全部について答えないという選択もできるようにします。
承認を受けていない人や機関が,教会の集会を使って情報を収集することはできません。教会員の氏名をそのような個人または機関に提供するべきではありません。地元の指導者は,アンケートやインタビューが承認を受けたものかどうか確認したい場合,コーリレーション・リサーチ課に連絡するべきです(1-801-240-2727,または1-800-453-3860,内線2-2727)。
38.8.41
教会福祉事業における安全性
多くの教会福祉事業所には,正しく扱わないとけがをする可能性のある機器や機械が設置されています。福祉事業の代表ステーク運営委員会およびマネージャーは,職員とボランティアの安全を図るようにするべきです。作業に携わる人々には定期的に安全作業について指導を行うべきです。作業環境を定期的に点検し,健康や安全を脅かす事柄を是正するべきです。作業に携わる人々が指示に従い,工具や機器を正しく扱い,危険な行為を避けるように,常に適切な監督を行うべきです。
通常,福祉事業所で働く人は16歳以上であるべきです。機器を操作する人は,成熟しており,適切な訓練を受け,機器の操作に熟練しているべきです。動力付きの機器を操作してよいのは成人だけです。
事業マネージャーは,事故が起きた場合,教会本部の福祉部(1-801-240-3001,または1-800-453-3860,内線2-3001),ならびに危機管理課に報告します(35.3.6にある連絡先情報を参照)。
38.8.42
販売員
地元の指導者は,商品を販売するために地元の指導者や会員を訪ねる許可を教会あるいは教会指導者から得ていると主張する販売員の言葉を受け入れるべきではありません。
38.8.43
衛星放送およびビデオ機器
教会の衛星放送およびビデオ機器は,ステーク会長会またはビショップリックによって承認された,教会に関連する非営利の目的だけに使用することができます。この機器を使用して,教会が主催していないテレビ,ケーブルテレビ,または衛星放送のプログラムを録画してはなりません。また,教会の衛星放送機器を使用して,教会と無関係なプログラムを視聴してはなりません。会員は,教会本部の承認を受けずに衛星放送用のアンテナを規定の通信衛星や中継装置から別の方向に向けてはなりません。
機器の取り扱いは,訓練を受けた人だけが行うことができます。青少年は,監督者がいるときに限って操作を手伝うことができます。
すべての機器は,使用しないときは,鍵のかかる場所に安全に保管しなければなりません。家庭や個人で使用するために建物から機器を移動してはなりません。
38.8.44
資金提供の要請
教会は,ふさわしい個人や適切な事由に対して財政援助を提供するプログラムを確立しています。教会による援助は,状況に精通し,援助の重複や乱用を防止できるビショップによって実施されます。したがって会員は,教会本部または地元の指導者や会員に,追加の財政援助を求めるべきではありません。
このような資金の要請を受けた人は,確立された教会福祉の原則に従って援助資金を提供するために所属ワードに献金していることを告げて,その要請に対処することができます。
38.8.45
教会指導者の言葉であるとする声明
時々,教会指導者の言葉であるとする不確かな声明が流布されることがあります。そのような声明の多くは,現行の教会の教えを歪曲したものであり,うわさや中傷的なものに基づいています。それらは決して公式に発信されるものではなく,口伝え,電子メール,そのほかの非公式な手段で流されます。公式声明,連絡事項,出版物など,教会が承認した発信元からの情報であると確認できない声明は,人に教えたり伝えたりしないようにするべきです。
中央幹部,地域七十人,または中央の教会役員がステーク大会やそのほかの集会で話した場合,そのときのいかなる記録も,話者の承諾なしに配布してはなりません。個人的なメモは,個人用としてだけ使用します。
38.8.46
刑務所,病院,その他の施設にいる会員への支援
ステーク会長は,管轄区域内にある刑務所,病院,その他の施設にいる会員を支援するように勧められています。ステーク会長は,神権組織を通じて,また教会と該当施設が設けている指針に従って,これを行うべきです。
ステーク会長は,各施設に提供する支援を決定します。また,そのほかの地元の神権指導者の助けを受けて支援活動を管理します。管轄区域内の施設に対して奉仕を提供するステークが援助を必要とする場合,地域会長会は,近隣の一つまたは複数のステークに援助の割り当てを与えることができます。
ステーク会長または割り当てを受けたビショップは,これらの施設にいる会員に対する支援を監督するために,一人の神権者を召すことができます。刑務所では,通常,男性が男性入所者に働きかけるために召されます。ただし,男性入所者に働きかけるために夫婦を召すこともできます。女性入所者に対しては,少なくとも二人の男性,または二人の女性,あるいは夫婦を支援者として召すべきです。入所者を支援する男性と女性は,彼らと二人だけになるべきではありません。
刑務所,病院,その他の施設にいる会員のための礼拝行事は,関係者の必要を満たすために,状況に応じて簡素化することができます。これらの礼拝行事は通常,刑務所の受刑者には聖餐を執り行わないことを除き,聖餐会と同じ様式に従って行われます。教会の方針の一つの例外として,刑務所で礼拝行事を行う場合,信仰している宗教や,教会における立場に関係なく,入所者は祈りや話を行うことができます。
これらの施設にいる会員に提供できるそのほかの支援としては,カウンセリング,ミニスタリングブラザーとミニスタリングシスターからのサポート,日曜学校クラス,家庭の夕べ,セミナリーまたはインスティテュートのクラス,そのほかの特別プログラムなどがあります。
福祉部には,教会本部の神権部と協力して,更正施設にいる人々とその家族を援助するための資料と専門的な支援手段を提供する責任があります。援助について,神権指導者は,福祉部(1-801-240-2644または1-800-453-3860,内線2-2644)に問い合わせることができます。
刑務所,病院,そのほかの施設における福祉関連の援助について,ステーク会長は,地域会長会に問い合わせることができます。ステーク会長は,前述の電話番号で福祉部に直接問い合わせることもできます。
38.8.47
討論会(シンポジウム)ならびにそれに類する集会
教会は,(1)神聖な事柄を非難し,嘲笑し,軽視するような,またはそのほか不適切に扱うような内容を含む,あるいは(2)教会を傷つけ,教会の使命を損ない,または会員の福利に脅威を与えるような内容を含む討論会ならびにそれに類する集会に参加しないように会員に警告しています。会員は,そのような集会を奨励するために,あるいは推薦していると思わせるために教会における職や立場が利用されることを許すべきではありません。
38.8.48
課税対象となる活動
ワードならびにステークの指導者は,地元の教会活動によって,非課税措置が適用されている教会の立場を危うくすることのないように注意するべきです。指針については,34.10.1を参照してください。
38.8.49
神殿衣とガーメント
地元の指導者はエンダウメントを受けた会員に,神殿の儀式を受けるときに使用するために自分の神殿衣を購入するように勧めます。この神聖な衣服は教会配送センターを通じて購入できます。一部の神殿には,貸し出し用の神殿衣も用意されています。神殿に貸し出し用の神殿衣が用意されていない場合,会員は神殿衣を持参する必要があります。
会員は,認可されたエプロン刺しゅうと縫製キットを使用する場合にかぎり,自分自身の神殿エプロンを製作できます。このキットは教会配送センターから入手できます。そのほかの神殿の儀式用衣服や神殿ガーメントは,自分で製作することはできません。
エンダウメントを受けた教会員は,神殿で与えられた指示に従ってガーメントを着用するという聖約を交わしています。神殿推薦状を発行するとき,神権指導者はガーメントの着用に関する大管長会の声明を声に出して読むべきです。
神殿ガーメントを身に着けることは神聖な特権です。これを身に着けることで,救い主イエス・キリストに従うという内なる決意を表すことになります。
ガーメントは,神殿で交わした聖約を思い起こさせるものです。生涯にわたって正しく着用するならば,誘惑と悪に対する守りとなるでしょう。
ガーメントは上着の下に着用するべきです。神殿ガーメントの下にほかの下着を着用するかどうかは,個人的な好みの問題です。
ガーメントを着用したまま無理なく行える活動であれば,ガーメントを脱ぐべきではありません。また,様々なスタイルの衣服に合わせるためにガーメントに手を加えるべきではありません。
ガーメントは神聖であり,敬意をもって扱うべきものです。エンダウメントを受けた会員は,ガーメントの着用に関する個人的な質問について答えを得るために,聖なる御霊の導きを求めるべきです。
会員は,着古した神殿のガーメントを処分する場合,マークを切り取って破棄するべきです。その後,残りの布地を切り刻み,ガーメントであることが分からないようにします。
着古した神殿の儀式用衣服を処分するときは,布地を切り刻んで本来の使用方法が分からないように形を変えて破棄します。
着られる状態にあるガーメントや神殿衣は,エンダウメントを受けたふさわしい会員に譲ることができます。ビショップはこのような衣類を必要としている人々を紹介することができます。会員は,神殿や慈善団体に,ガーメントや神殿衣を寄贈すべきではありません。
特殊な状況にある会員向け(軍務に就いている会員,寝たきりの会員,障害のある会員など)の神殿衣やガーメントの注文に関する情報は,38.10.8および27.3.6に記載されています。
38.8.50
移動に関する方針
男性と女性は,二人が結婚しているか,どちらも独身である場合を除き,教会の活動や集会,割り当てのために二人きりで移動するべきではありません。移動に関するそのほかの方針については,20.6.24を参照してください。
38.9
ステーク祝福師
本セクションには,ステーク祝福師に対するステーク会長の責任が概説されています。また,ステーク祝福師の召し,聖任,指導,監督に関する指針も記載されています。祝福師の祝福に関する情報については,以下の資料を参照してください。
38.9.1
ステーク祝福師の召し,支持,聖任
十二使徒定員会は,ステーク祝福師の召しについて指示を与えます(教義と聖約107:39参照)。ステーク会長は,祝福師として召す人を推薦することができます。推薦は「指導者と書記のためのリソース」を通してオンラインで提出するべきです。この推薦を行うに当たって,ステーク会長は,御霊の導きを得られるように断食し,祈るべきです。推薦については,顧問の同意を得るべきです。
ステーク会長がステーク祝福師として推薦する男性は,ふさわしいメルキゼデク神権者であるべきです。また,福音と教会にあって成熟した状態にあり,自分の家庭においてふさわしい夫および族長であり,御霊の導きに敏感な人であるべきです。その男性は,自分の祝福師の祝福を受けており,通常は55歳以上であるべきです。また,既婚者でなければなりません。
十二使徒定員会が推薦を承認した場合,ステーク会長は,その祝福師を面接して召し,次のステーク大会の一般部会,または次のステーク神権会で賛意の表明を得るために氏名を提示し,その祝福師を聖任する権限が与えられることがあります。祝福師の召しはメルキゼデク神権の職であるため,新しく召された祝福師は,まずその職に聖任され,そののちに特定のステーク内で奉仕するように任命されます。
ステーク会長は,祝福師の聖任を顧問に割り当てることができません。また,祝福師の聖任のときに按手に参加するようにほかの人を招くべきではありません。
祝福師が聖任後,祝福師のためのオンラインツールにアクセスできるようにするには,この情報を「指導者と書記のためのリソース」に記録しなければなりません。
38.9.2
二人目のステーク祝福師の召し
十二使徒定員会は,通常,一つのステークに二人の祝福師を召すことを承認しません。ただし,現在召しを果たしている祝福師が要請される祝福の数にこたえられない場合は,この限りではありません。十二使徒定員会は通常,単にステークが地理的に広いという理由や,ステーク内に多数派の言語を話せない会員がいるという理由だけでは,二人目の祝福師を召すことを承認していません。ステーク内に異なる言語を話す会員がいる場合,ビショップとステーク会長会は,その会員の言語で祝福を授けることができる近隣ステークの祝福師のもとへ行く許可を与えることができます。
38.9.3
新しく召されたステーク祝福師への指導
ステーク会長は,新しく召された祝福師が祝福を授け始める前に,この職が神聖で,啓示に基づいて果たすべき務めであることを指導します。ステーク会長は,その祝福師とともに『祝福師への情報と提案』および『世界指導者訓練集会—祝福師』に記されている指示を注意深く検討します。
38.9.4
ステーク祝福師の働きを監督する
ステーク会長は『祝福師のための情報と提案』に概説されているように,ステーク祝福師を管理し,彼の働きを監督します。この責任は顧問に委任するべきではありません。祝福師がステーク会長との間に密接な関係を築くことは有益です。
ステーク会長は,少なくとも年に2回,祝福師と面接を行います。また,少なくとも年に2回,祝福師が授けた祝福を吟味します。必要に応じて,ステーク会長は,祝福師の祝福の内容について一般的な提案を与えることができます。ステーク会長はまた,祝福師がこの業について抱いている気持ち,家族の健康状態と福利,そのほか祝福師が助言を求めている事柄や必要としている事柄について話し合います。
ステーク会長は,筆記された祝福文が,祝福を受けた会員に速やかに届くようにします。また,祝福文がすべて教会本部に提出されるようにします。祝福文は,ChurchofJesusChrist.orgにある「祝福師の祝福システム」を通じて提出するべきです。このシステムにアクセスできない地域では,少なくとも半年ごとに,祝福文を下記の住所に宛てて,教会本部に郵送するべきです。
Church History Library
Attn: Patriarchal Blessings
15 East North Temple Street
Salt Lake City, UT 84150-1600
召しを果たせる状態にある祝福師は,大祭司定員会の一員であり,年次定員会集会に参加します。
38.9.5
召しを果たせない状態にあるステーク祝福師
祝福師の聖任は生涯にわたるものであるため,祝福師が解任されることはありません。ただし,召しを果たせない状態にあると認められた祝福師は,祝福を授ける務めを免除されます。
祝福師が高齢または病気のために召しを果たせないとステーク会長や祝福師自身が判断した場合,ステーク会長は祝福師が召しを果たせない状態であることを承認するよう十二使徒定員会に提案します。ステーク会長は,「指導者と書記のためのリソース」を通じてこの提案書を提出します。召しを果たせない状態にあるという提案が承認された場合,ステーク大会で教会役員の支持を行う賛意の表明の際,その祝福師の名前は提示されなくなります。ステーク会長は,その祝福師のもとに会員たちを送らないようにビショップに通知します。ステーク会長はまた,38.9.4に記載されているように,祝福師が与えたすべての祝福文が,祝福を受けた会員と教会本部に速やかに送付されるようにします。
祝福師は,伝道に出るためにステークを離れる場合や,その他の理由で家を空ける場合,ほかのステークに転出する場合,教会の管理の役職への召しを承認された場合(38.9.7および38.9.8参照)も,召しを果たせない状態にあると認められます。このような場合,ステーク会長は「指導者と書記のためのリソース」を通じて十二使徒定員会に通知し,前述の指示に従います。祝福師が宣教師としての奉仕やその他の教会の割り当てを終えても,自動的に召しを果たせる状態には戻りません(38.9.6参照)。
召しを果たせない状態にある祝福師は,ステーク会長が可能であると判断した場合,引き続き直系の子孫(子,孫,ひ孫)に祝福師の祝福を授けることができます。ステーク会長はこれらの祝福文を確認し,38.9.4に記載されているように,教会本部に提出されるようにします。
38.9.6
召しを果たせる状態に戻る祝福師
祝福師を召しを果たせる状態に戻すには,ステーク会長は本人と注意深く面接を行い,「指導者と書記のためのリソース」を通して十二使徒定員会に推薦書を提出します。推薦が承認されたら,ステーク大会の一般部会,またはステーク神権会で,賛意の表明を得るために祝福師の氏名を提示します。支持を受けた祝福師は,そのステーク内で奉仕するために任命される必要があります。
38.9.7
ほかのステークへ転出する祝福師
祝福師がほかのステークへ転出すると,自動的に召しを果たせない状態となります。その祝福師は,礼儀として,転出先のステーク会長に連絡して,新しい住所を知らせるべきです。転出先のステーク会長は,その人に祝福師として奉仕してもらいたい場合,以前のステーク会長に連絡して,その祝福師のふさわしさと過去の働きを確認します。その後,38.9.6にある手順に従います。
ステーク会長がその祝福師を新しいステークで奉仕するように推薦しないと判断した場合,38.9.5に説明されているように,その祝福師は召しを果たせない状態のままとなります。
38.9.8
教会のほかの役職に召される祝福師
祝福師は,十二使徒定員会から事前に承認を得ない限り,ビショップ,高等評議員,ステーク会長などの教会の管理の職に召されることはありません。承認された場合は,38.9.5に説明されているように,その祝福師は召しを果たせない状態となります。
38.9.9
祝福師の祝福の内密性
祝福師の祝福の内密性を守るために,ステーク会長は,祝福師が完成した祝福文の写しを本人に渡し,教会本部に提出し,本部から受領の確認を受けた後,すべての音声,電子データ,紙の写しが確実に削除または破棄されるようにします。これにはコンピューターや携帯用記憶装置に保存されているコピーも含まれます。
祝福師のコンピューターを売却,再利用,またはその他の用途のためにほかの人に引き渡す場合,祝福師は,削除済みの祝福文がどのような技術手段を講じても復元できないようにしておくべきです。そのためには,ハードドライブを再フォーマットするか,文書の回復を不可能にするクリーニング・ユーティリティーを実行する必要があります。
38.10
軍人関係とチャプレンサービス
ステーク会長とビショップは,軍務に就いている会員が教会に出席することで得られる祝福を享受できるように支援します。本章で概説されているように,教会の軍人関係・チャプレンサービスプログラムは,下記の項目で構成されています。
ステークとワードからの支援。
軍に入隊する会員のための教会オリエンテーション。
ワード,支部,または末日聖徒軍人会員グループの組織。
末日聖徒のチャプレンの推薦とチャプレンからの支援。
軍隊でのガーメントの着用。
特定の軍事施設に割り当てられた夫婦宣教師からの支援。
38.10.1
ステークの軍人関係指導者
ステーク内に軍事施設があるか,軍務に就いている会員がいる場合,ステーク会長会は,本セクションで概説されている責任を負います。そのような施設がステークではなく伝道部内にある場合,伝道部会長がこれらの責任を果たします。
ステーク会長会の一員は,ステークにおける入隊前の教会オリエンテーションを監督します。ステーク会長会の一員は,軍に入隊するすべての会員が確実にオリエンテーションを受けられるようにします。ステーク幹部書記は,このオリエンテーションの調整を行うことができます。
教会の礼拝が軍事施設で行われる場合,軍事施設があるステークの会長は,軍人とその家族のために,ワード,支部,または軍人会員グループを組織します(38.10.4参照)。ステーク会長は,各ユニットのためにビショップリック(大管長会から承認を受けた場合),支部会長会,または軍人会員グループリーダーと補佐を召して任命し,監督します。ステーク会長は,教会の軍人関係・チャプレンサービス課にこれらの指導者の連絡先を提供します。ステーク会長はまた,各軍人会員グループを支援するワードを指定することができます。
軍人のために教会のユニットが一つ以上設立されている地域では,ステーク会長は軍人関係・チャプレンサービス課と調整して,各ビショップ,支部会長,またはグループリーダーに任命の手紙を交付します。この手紙は,その責任を概説し,ユニットの管理と集会の実施を承認するものです。施設のチャプレンにこの手紙の写しを渡すべきです。
ステーク会長会の一員は,ステーク内の各軍事施設に駐在する先任チャプレンとの協力関係を築きます。また,軍事施設が管轄区域内にあるワードのビショップも同じように協力関係を築けるようにします。これらの指導者は,ワードの集会スケジュール,集会場所,連絡先をチャプレンに知らせて,チャプレンが軍事施設の会員にこの情報を提供できるようにします。
ステーク会長は,ステークの管轄区域内に住んでいる末日聖徒チャプレンと年次面接を行います。この面接の目的は,チャプレンの福利と奉仕するふさわしさを確認することです。ステーク会長はまた,毎年,それぞれのチャプレンの配偶者も個別に面接します。
末日聖徒のチャプレンとその配偶者は,ワードまたはステークの召しを持つべきです。メルキゼデク神権を持つ末日聖徒は,召しが軍務の妨げにならないかぎり,高等評議会において,または軍人ワード,支部,軍人会員グループの管理チャプレンなどにおいて,指導者としての召しで奉仕することができます。しかし,チャプレンは伝道活動を行う必要のある役職で奉仕するように召されるべきではありません。
ステーク会長は,教会ユニットの活動と軍事施設での活発化の取り組みについて報告してもらうために,ステーク評議会集会に出席するようチャプレンを招くことができます。チャプレンは,軍の指導者とステーク会長との間の連絡係としての役割を果たす場合もあります。また,ステーク会長が軍にいる会員を確認して軍人会員グループリーダーとして奉仕するように召すのを助け,軍にいる会員の活発化の取り組みを支援することもできます。
軍では,チャプレンが軍事施設で行われる宗教行事を監督することを求めています。軍事施設に末日聖徒のチャプレンがいる場合,通常,軍はそのチャプレンに,そこで集会する教会ユニットを監督する割り当てを与えます。チャプレンは,ビショップ,支部会長,あるいは軍人会員グループリーダーとして召されないかぎり,礼拝行事で管理をしませんが,礼拝に出席して参加することが期待されています。
38.10.2
ワードの軍人関係指導者
ビショップリックの一員は,ワードの会員が入隊する前に面接を行います。ビショップリックの一員は,会員が入隊前の教会オリエンテーションに出席する機会を得られるようにします。
会員が入隊する場合,あるいは新しい任地に移る場合,ビショップリックの一員は,その会員が新しい配属地に最も近い教会ユニットの所在地を見つけるのを助けます。軍事施設での教会の礼拝の集会時間と場所についての情報は,「集会所またはワードを見つける」や,教会の軍人関係・チャプレンサービス課から入手することができます。
軍隊に入隊した会員の会員記録は,その会員の最初の常駐基地が決まるまで,所属ワードに保管しておくべきです。彼らの会員記録は,基本訓練基地や上級訓練基地にある教会のユニットには移動しません。
所属ワードの神権指導者は,軍務に就いているワードの各会員と定期的に連絡を取るべきです。また,軍務に就いている家族の一員が『エンサイン』(Ensign〔英語〕)または『リアホナ』を確実に受け取る手配をするように家族に勧めます。英語を読む人には,『チャーチニューズ』(Church News〔英語〕)も入手できます。
各ビショップは,ワードの管轄区域内にある軍事施設の教会員に対して責任を負っています。ビショップは,その軍事施設の先任チャプレンと協力できる良好な関係を築きます(38.10.1参照)。
38.10.3
入隊前の教会オリエンテーション
入隊する予定の会員は,入隊前の教会オリエンテーションで,軍隊における教会の礼拝行事と活動に関して想定されることを学びます。オリエンテーションは,ステークまたはワードレベルで行うことができます。ステーク会長会またはビショップリックの一員は,できれば最近まで軍隊生活の経験をしていた人を講師に召して,このオリエンテーションを実施します。
オリエンテーションでは,ビデオ『自国に仕える』(Serving Your Country〔英語〕)や『あなたがたの心を騒がせないようにしなさい』(Let Not Your Heart Be Troubled〔英語〕)を見せるとよいでしょう。軍人用聖典セット,末日聖徒認識票,ならびに小冊子『自国に仕える』(Serving Your Country〔英語〕)を会員に渡します。会員が基礎訓練前にオリエンテーションを受けていなかった場合,訓練中の会員に対して責任を負っているビショップ,支部会長,軍人会員グループリーダーは,その会員が基地に到着次第できるだけ早くこのオリエンテーションを実施します。
38.10.4
軍人会員のための教会ユニット
軍務に就いている会員は通常,軍事施設の近くにあるワードや支部に参加します。ただし,以下のような状況においては,ステークまたは伝道部の会長は,軍事施設の軍人とその家族のために,ワード,支部,または軍人会員グループを組織することができます。
教会員が赴任している軍事施設からほどよい距離に組織されている教会ユニットがない。
軍人が外国にいて地元のワードまたは支部で使われる言語を理解できない。
軍人が訓練上の要件またはその他の規制のために軍事施設から出られない。
緊急事態のために,教会員の所属部隊が,教会の組織されていない場所,言語が異なるため地元の教会ユニットがその会員に対応できない場所,または地元の集会への出席が難しい場所に配属されている,または今後配属される。
教会員が予備役または州兵の部隊に所属し,週末訓練や年次演習に参加している。
軍事施設のワードおよび支部の設立は,第37章に概説されている手続きに従って行われます。
一般的に,軍務に就いている会員とその家族の両方を支援する必要がある場合は,軍人会員グループではなく,ワードまたは支部を設立します。また,基礎訓練や上級訓練を受けている会員,あるいは遠隔地の軍務に就いている会員に,教会の礼拝行事やプログラムを長期にわたって提供する必要がある場合も,ワードまたは支部を設立できます。軍は,軍と関係のない教会員が軍事施設を使用するワードや支部に所属することを通常は認めていません。
様々な状況から軍事施設にワードや支部を設立することが適切でない場合,ステークまたは伝道部の会長は,軍人会員グループを設けることができます。軍人会員グループは,教会の集会を行い,また会員の世話をする小規模の教会ユニットです。しかし,グループリーダーは神権の鍵を持っていないため,什分の一や献金を受け取ったり,重大な背罪について会員に助言を与えたり,会員特権を制限したり,鍵を必要とするその他の責務を果たしたりする権限はありません。軍人会員グループについての情報は,軍人関係・チャプレンサービス課に問い合わせるか,military.ChurchofJesusChrist.orgにアクセスしてください。
孤立した地域にある軍人会員グループの指導者は,教会の軍人関係・チャプレンサービス課に連絡することにより,教会の物資や資料を入手できます。
軍事施設で集会を行うワード,支部,または軍人会員グループにおける教会のプログラムは,軍人会員の必要に応じて規模と内容を制限することができます。
軍事施設に教会のユニットが設けられている場合,集会時間と基地施設の利用に関して,施設の先任チャプレンと調整する必要があります。基地に割り当てられている施設チャプレンがいない場合,ステーク会長は司令官と相談します。
38.10.5
遠隔地域または交戦地帯におけるグループリーダー
ステークまたは伝道部の会長は,通常,軍人会員グループリーダーを召して,按手任命します。しかし,遠隔地域または交戦地帯ではこれを行えないことがあります。グループリーダーは,その召しとともに神権の鍵を与えられることはないので,按手任命がなくても指名が認められます。その地域について責任を受けている神権指導者は,ビショップとステーク会長に本人のふさわしさを確認した後,一人のふさわしいメルキゼデク神権者をグループリーダーとして奉仕するように指名することができます。その地域に末日聖徒のチャプレンがいる場合,神権指導者は,グループリーダーを召して任命する権限を彼に与えることができます。
配属された軍人会員がほかの教会員から孤立している場合,その会員がアロン神権の祭司であるか,メルキゼデク神権を持っていれば,聖餐を執行して聖餐を取る許可をビショップから得ることができます。配属された場所に会員が複数いる場合,教会の礼拝行事を行い,聖餐を執行するためにグループリーダーを召すべきです。
グループリーダーが召されたら,教会の軍人関係・チャプレンサービス課に通知するべきです。任命の手紙がグループリーダーに送付されます。グループリーダーが教会の礼拝行事を行う前に,この手紙を入手することが軍により義務付けられています。
38.10.6
伝道と兵役
徴兵が義務づけられている国では,ステーク会長やビショップは,伝道に出ることを希望している個人に対して,法律がどのように適用されるか考慮しなければなりません。合衆国の軍隊では,伝道前に軍務に就いた者は兵役服務期間を完了しなければ伝道に出ることはできません。予備役や州兵の部隊にいる人は,基礎訓練と上級訓練を完了した後,伝道に出ることができます。詳細については,指導者が教会の軍人関係・チャプレンサービス課に問い合わせることができます。
38.10.7
末日聖徒のチャプレン
教会の軍人関係・チャプレンサービス課は,政府および民間の様々な組織で奉仕する男性および女性のチャプレンについて,中央からの保証・推薦を与えます。これらの組織には,軍隊,病院,ホスピス,刑務所,拘置所,警察署および消防署,国境警備隊,市民組織および退役軍人組織,単科大学や総合大学などが含まれます。各組織においてチャプレンの学歴や職歴の要件が定められていますが,大半の機関では,チャプレンとして奉仕するには,教会の保証・推薦が必要となります。
チャプレンは,末日聖徒を含め,あらゆる宗教団体の人々に仕えます。チャプレンは,個人が信教の自由を得られるようにし,仕える人々の宗教上の必要を満たせるように,あるいはそれに対応できるように助けを与えます。
チャプレンが提供する奉仕の業の範囲と種類は,状況に応じて大きく異なります。例えば,チャプレンには,下記の事柄が許可されています。
特定の宗派に属さないキリスト教の礼拝行事を指揮する。
民事結婚を執行する。
死亡通知について指揮官を支援する。
葬儀と追悼式を執り行う。
悲嘆や死別に苦しむ人へのカウンセリングを行う。
自殺予防訓練を実施する。
軍人会員とその家族に対する霊的な世話とカウンセリングを行う。
末日聖徒のチャプレンが民事結婚を執行することに関しては,38.3を参照してください。
チャプレンは,神権指導者の指示の下で悔い改めの過程にある教会員を助けることがあります。しかし,会員は,重大な背罪については,ビショップまたはステーク会長とともに解決しなければなりません。
交戦地帯または孤立した地域のチャプレンは,教会指導者の指示の下で別の責任を果たすことがあります。例えば,メルキゼデク神権を持つチャプレンは,軍人会員グループリーダーの召しと任命を行うことができます。教会指導者の承認を得た場合,チャプレンは,様々な状況から専任宣教師や軍人会員のビショップまたはステーク会長が近くにいない場合に,バプテスマ,確認,アロン神権またはメルキゼデク神権の聖任のために軍人会員と面接することもできます。
チャプレンとしての務めを果たすために所属ワードの集会に出席できない場合,チャプレンは,別のワードの礼拝行事に出席する承認をステーク会長から得るべきです。
38.10.8
軍務に就いている間のガーメントの着用
軍務に就く会員がすでにエンダウメントを受けている場合,ビショップは,彼らが次の指針を理解していることを確認します。
可能な場合,軍務に就いているエンダウメントを受けた会員は,ほかの会員と同様にガーメントを着用するべきです。ただし,ガーメントは,その意味を理解していない人々の目にさらすことは避けるべきです。様々な状況からこれが困難な場合,会員は,御霊の導きを求めると同時に,機転や分別,知恵を働かせるべきです。一時的にガーメントを着用しないで,状況が許すようになったときに再度身に着けることが最も良い場合もあります。ただし,ガーメントを着用することが単に不便だからという理由で,着用しないことを正当化することはできません。
軍の規則によってガーメントの着用を禁止されている場合は,会員本人がふさわしい状態にあるかぎり,その会員の会員資格に影響を与えることはありません。軍務に就いている会員が,軍の規則や自分ではどうにもできない状況によってガーメントを着用できない場合,状況が許せば直ちに着用する特権と権利と義務がその会員にあります。
軍務に就いている会員は,色やネックラインの形状など,下着に関する具体的な条件について所属する隊に助言を求めるべきです。教会ならびにアメリカ合衆国陸軍と空軍の基準を満たす特別な軍人用ガーメントは,教会配送サービスを通じて入手できます。このツーピースのガーメントは,コヨーテタン色で,丸首のTシャツタイプです。軍の規則により要求された場合,戦闘用の迷彩服とともに着用します。Tシャツは制服の一部と見なされるので,迷彩服を着ないでTシャツを着る場合は,他の人々に見られないように,マークが内側にステンシル印刷されています。
コヨーテタン色以外のTシャツタイプの着用を求められる軍の会員は,承認されている軍用Tシャツを購入し,ビーハイブ衣料に送って個別にマークを付けてもらうことができます。白またはコヨーテタン色のガーメントのボトム(下半身用肌着)と,軍で指定された色のトップ(上半身用肌着)を一緒に着用することができます。
特定の合成繊維を肌に直接着ることは,航空兵や火にさらされる可能性のある兵士にとって非常に危険です。ナイロンとポリエステルの合成繊維はすべてこれに該当します。軍当局は,これらの兵士には木綿の方がはるかに安全であると指摘しています。このような状況では,綿100パーセントのガーメントを着用するべきです。
ガーメントを特別注文する場合,会員は,配送サービスに連絡するか,「儀式用ガーメント注文書」を使用することができます。
38.10.9
シニア夫婦宣教師
退役軍人の夫婦は,地元の神権指導者が活発化と定着に取り組むのを支援するために,特定の軍事基地でシニア夫婦宣教師として奉仕するように召されます。また,家族が別居している間,配属された軍人会員の家族を支援します。
38.10.10
そのほかの情報
軍人会員の会員記録については,33.6.8を参照してください。
軍人会員の祝福師の祝福については,38.2.12.3を参照してください。
孤立した地域での軍人会員の聖任については,38.2.5.4を参照してください。
孤立した地域において神殿推薦状を与えることについては,26.2.3を参照してください。
教会指導者は,軍関係について質問があれば,下記に問い合わせることができます。
Military Relations Division
50 East North Temple Street, Room 2048
Salt Lake City, UT 84150-0020
電話:1-801-240-2286