セミナリー
単元11—第4日,モーサヤ5-6章


単元11—第4日

モーサヤ5-6章

はじめに

モーサヤ5章では,モーサヤ2章で始まったベニヤミン王の民への説教が終わります。民はベニヤミン王の言葉を信じた結果として,心に大きな変化を生じました。そして,神と聖約を交わし,イエス・キリストの()()を受けました。モーサヤ6章に記録されているように,ベニヤミン王は王国を息子のモーサヤに譲り,モーサヤはその父が示した模範に従って国を治めました。

モーサヤ5:1-4

ベニヤミン王の民,大きな変化を経験する

次の質問について考えましょう—「自分自身について何か変えることができたらと思ったことがあるでしょうか。そのことについて,どのようなことを行ったでしょうか。」

十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は,わたしたち一人一人が人生において大きな変化を経験する必要があることについて次のように述べています。「イエス・キリストの福音の真髄には,わたしたちの性質の根本的で永続的な変化が伴います。この変化は『聖なるメシヤの功徳と(あわ)れみと恵み』に頼ることによって可能となります(2ニーファイ2:8)。主に従うことを選ぶとき,わたしたちは自分が主によって変えられること,すなわち霊的に新しく生まれることを選んでいるのです。」(「あなたがたは再び生まれなければならない」『リアホナ』2007年5月号,20)

聖典のモーサヤ5:2のそばに次の言葉を書き込んでおくとよいでしょう—「主に従うことを選ぶとき,わたしたちは自分が主によって変えられることを選んでいるのです。」

イエス・キリストに従うことを選ぶとき,どのように変えられることを選んでいると思いますか。

ベニヤミン王の説教のおもなテーマを思い出すために,モーサヤ3章モーサヤ4章の前書きを読みましょう。説教の終わりに,ベニヤミン王は自分がイエス・キリストの(しょく)(ざい)について教えてきた言葉を信じているかどうかを民に尋ねました(モーサヤ5:1参照)。モーサヤ5:2-4を読み,王の言葉に耳を傾けた後,民の心の中で何が変化したのかを調べましょう。読むときに,「性癖」(モーサヤ5:2)とは個人の態度や望みや気質を指していることを知っておくとよいでしょう。

デビッド・A・ベドナー長老の次の言葉を読みましょう。「イエス・キリストの福音は,生活の中の罪や悪影響を避けたり,克服したり,清めたりすることだけにとどまらず,善を行い,善良な者となり,より善い人となりたいという思いを必然的に伴います。……聖なる()(たま)によって心に変化が生じ,ベニヤミン王の民のように『悪を行う性癖をもう二度と持つことなく,絶えず善を行う望みを持つように』なることこそ(モーサヤ5:2),わたしたちが聖約により受け入れた責任です。この大きな変化は,単に,これまで以上に働いたり,自己を鍛錬したりした結果としてもたらされるものではありません。それはむしろ,わたしたちの望みや動機,性質が根本的に変化することで生じるものなのです。これは主なるキリストの(あがな)いにより可能になります。わたしたちの霊的な目的は,罪と,罪を犯したいという望みの両方……を克服することなのです。」(「手が清く,心のいさぎよい者」『リアホナ』2007年11月号,81-82)

  1. 次の質問に対する答えを聖典学習帳に書きましょう。

    1. 心の中に「大きな変化」を経験するとはどういう意味だと思いますか(モーサヤ5:2)。

    2. イエス・キリストに従うことを選ぶとき,自分の振る舞いだけでなく性癖を変える必要があるのはなぜでしょうか。

    3. わたしたちの中で変化が起きるためにはイエス・キリストの贖罪が必要です。それはなぜだと思いますか。

モーサヤ5:2,4を研究し,何が民の心の中に大きな変化を起こしたのか探しましょう。それらのことに印を付けるとよいでしょう。ベニヤミン王はイエス・キリストの贖罪の力について語り,民はその言葉を深く信じたということを思い起こしましょう。

これらの節から学べる原則の一つは,「わたしたちはイエス・キリストを信じる信仰を働かせて聖なる御霊を受けるときに,心の大きな変化を経験できる」ということです。

  1. モーサヤ5:1-4と先ほど学んだ原則について研究したことを踏まえて,救い主を信じる信仰をより働かせるためにあなたができることを,聖典学習帳に書きましょう。信仰をより働かせることにより,生活の中で心に大きな変化が生じるように促し,その変化を保てるようにするために,今日(きょう)から具体的にどのようなことができるでしょうか。

モーサヤ5:5-15

ベニヤミン王の民は神と聖約を交わし,新しい名を与えられる

心に大きな変化を経験した後,ベニヤミン王の民は主と聖約を交わすことを望みました。モーサヤ5:5の中で,この聖約を交わして守ることに対するベニヤミン王の民の決意の強さを示している語句を見つけましょう。

わたしたちが神と聖約を交わすときには,神が聖約に関する条件をお定めになり,わたしたちはその条件に同意します。すると神は,わたしたちの従順さに対して特定の祝福を約束してくださいます(教義と聖約82:10参照)。聖約を交わすことは,わたしたちが主に仕えたいと心から望んでいることを主に示す一つの方法です。

  1. 次の質問に対する答えを聖典学習帳に書きましょう。

    1. モーサヤ5:5の中で,わたしたちが(せい)(さん)を取る度に更新する約束を思い起こさせてくれる言葉はどれでしょうか。

    2. 聖約を交わして守ることによって,大きな「心の変化」を保つためのどのような助けが得られると思いますか。

前に戻ってモーサヤ1:11-12を読みましょう。ベニヤミン王が民を集めた目的の一つは,民に一つの名を与えることでした。モーサヤ5:6-7を読み,民が主と聖約を交わした後でベニヤミン王が民に与えた名に印を付けましょう。

これらの節では,次の原則が教えられています。「わたしたちは神聖な聖約を通してイエス・キリストの名を受ける。」モーサヤ5:8-14を読み,イエス・キリストの名を受けることがわたしたちにとって必要であるのはなぜかを調べましょう。

イエス・キリストの名を心に記しておくことで,どのような祝福がもたらされるでしょうか。

その名があなたの心やだれかの心から「消えてなくな〔る〕」とすれば,どのような原因が考えられるでしょうか。

モーサヤ5:15を読み,聖約を守る人に主が与えておられる約束を探しましょう。

  1. 聖典学習帳に,自分の心にイエス・キリストの名が記されていることについて思うときどのように感じるかを書きましょう。この名を保ち,決して失いたくないとあなたが思う理由を一つ以上書きましょう。

モーサヤ6:1-7

モーサヤ,王として統治を始める

モーサヤ6:3を読み,ベニヤミン王が群衆を解散させる前に行ったことを見つけましょう。

民が自分たちの交わした聖約を思い起こせるように助けるため,ベニヤミン王はどのようなことを起こったでしょうか。

  1. 聖典学習帳に,あなたが聖約を守れるように神権指導者や教師がどのように助けてくれているかを書きましょう。

ベニヤミン王は説教を行った3年後に世を去りました。モーサヤ6:6-7を読み,モーサヤ王が義にかなった指導者としての父の模範にどのように従ったかを調べましょう。

  1. 聖典学習帳の今日の課題の下に,次のように書いてください。

    _月_日,モーサヤ5-6章を研究し,このレッスンを終了しました。

    教師に伝えたいこと(質問,思ったことや分かったこと)。