1 主なる神であるわたしは、モーセに語って言った。「あなたがわたしの独り子の名によって命じたあの①サタンは、②初めからいた者である。彼はわたしの前に来て言った。『御覧ください。わたしがここにいます。わたしをお遣わしください。わたしはあなたの子となりましょう。そして、わたしは全人類を贖って、一人も失われないようにしましょう。必ず③わたしはそうします。ですから、わたしにあなたの誉れを与えてください。」
2 しかし見よ、初めからわたしが愛し①選んだ者であるわたしの愛する②子は、わたしに、『③父よ、あなたの④御心が行われ、⑤栄光はとこしえにあなたのものでありますように』と言った。
3 あのサタンはわたしに①背いて、主なる神であるわたしが与えた、人の②選択の自由を損なおうとしたので、またわたしの力を自分に与えるように求めたので、わたしは独り子の力によって彼を③投げ落とさせた。
4 そして、彼はサタン、すなわち、あらゆる①偽りの父である悪魔となって、人々を欺き、惑わし、またまことに、わたしの声を聴こうとしないすべての者を自分の意のままにとりこにする者となった。
5 さて、主なる神であるわたしが造った野の生き物のうちで、蛇が最も①狡猾であった。
6 そこで、サタンは(すでに多くのものを引き寄せて自分に従わせていたので)蛇の心の中に思いを入れ、①エバもだまそうとした。彼は神の思いを知らなかったので、世を滅ぼそうとしたのである。
7 彼は女に言った。『①園のどの木からも取って食べてはならないと、ほんとうに神が言われたのですか。』(彼は蛇の口を通して語った。)
8 女は蛇に言った。『わたしたちは園の木の実は食べることを許されています。
9 しかし、園の中央に見える木の実については、取って食べてはならない、触れてもならない、死んではいけないから、と神は言われました。』
10 すると、蛇は女に言った。『あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。
11 それを食べる日に、あなたがたの①目が開け、神のように善悪を②知る者となることを、神は知っておられるのです。』
12 女がその木を見ると、それは食べるに良く、目には美しく、賢くなるには①好ましいと思われたから、その実を取って②食べ、また、ともにいた夫にも与えたので、彼も食べた。
13 すると、二人の目は開け、自分たちが①裸であることを知った。そこで、彼らはいちじくの葉をつづり合わせて、前掛けとした。
14 日の涼しいころ、彼らが園の中を①歩いていると、主なる神の声が聞こえた。そこで、アダムとその妻は主なる神の面を避けて、園の木の間に身を隠した。
15 主なる神であるわたしは、アダムに呼びかけて言った。『あなたはどこへ①行くのか。』
16 すると、彼は答えた。『園の中であなたの声を聞き、恐れて、身を隠しました。自分が裸であるのを見たからです。』
17 主なる神であるわたしは、アダムに言った。『あなたが裸であるのを、だれが知らせたのか。食べてはならない、食べれば必ず①死ぬ、と命じておいた木から、あなたは取って食べたのか。』
18 そこで、人は答えた。『あなたがわたしに与えてくださって、わたしとともにいるようにと命じられた女が、その木の実をくれたので、わたしは食べました。』
19 そこで、主なる神であるわたしは、女に言った。『あなたは何ということをしたのか。』すると、女は答えた。『蛇がわたしを①だましたのです。それでわたしは食べました。』
20 主なる神であるわたしは、蛇に言った。『おまえはこのことをしたので、すべての家畜、野のすべての獣のうち、最も①のろわれる。おまえは腹で這い回り、一生、ちりを食べるであろう。
21 わたしは恨みを置く、おまえと女との間に、おまえの子孫と女の子孫との間に。彼はおまえの頭を砕き、おまえは彼のかかとを砕くであろう。』
22 主なる神であるわたしは、女に言った。『わたしはあなたの産みの苦しみを大いに増す。あなたは①苦しんで子を産む。それでもなお、あなたは夫を慕い、彼はあなたを治めるであろう。』
23 また、主なる神であるわたしは、アダムに言った。『あなたが妻の声に聞き従い、取って食べてはならないとわたしがあなたに命じた木の実を食べたので、地はあなたのためにのろわれ、あなたは一生、苦しんで地から食物を得るであろう。
24 地はあなたのために、いばらとあざみを生じ、あなたは野の草を食べるであろう。
25 あなたは顔に①汗してパンを食べ、土から取られたので、ついに土に帰る。あなたは必ず死ぬであろう。あなたは②ちりであったから、ちりに帰るのである。』
26 さて、アダムはその妻をエバと呼んだ。彼女がすべての命ある者の母であったからである。主なる神であるわたしは、①数多くいるすべての女の最初の者をこのように呼んだ。
27 主なる神であるわたしは、アダムとその妻に皮の衣を作って①着せた。
28 そして、主なる神であるわたしは、独り子に言った。『見よ、①人はわたしたちの一人のようになり、善悪を②知る者となった。彼は手を伸ばして、③命の木からも取って④食べ、永久に生きるかもしれない。』
29 そこで、主なる神であるわたしは、彼を①エデンの園から追い出して、彼自身が取り出された土を耕させることにした。
30 主なる神であるわたしが生きているように確かに、わたしの①言葉が無に帰することはあり得ない。それはわたしの口から出ると、成就しなければならないからである。
31 そこで、わたしは人を追い出し、エデンの園の東に、①ケルビムと、あらゆる方向に回る燃える剣を置いて、命の木の道を守らせた。」
32 (これらは、わたしが僕モーセに語った言葉であり、まことにわたしの望むとおりに真実である。わたしはあなたにこれを語った。わたしがあなたに命じるまで、あなたは信じる者のほか、だれにもこれを示してはならない。アーメン。)