マックスウェル:ダニエルさん,先週の水曜日分の給料をいただきに来たのですが。
ダニエル:もう払いましたよね?確かに払いましたよ。
マックスウェル:いいえ,まだいただいていませんが。別のところでも働いているんですが,そこの人はいつも記録してますよ。わたしへの給料支払の記録はないのですか?
ダニエル:記録はないですけど,払ったと思いますよ。
マックスウェル:記録もしていないのにどうやって分かるんですか?
ダニエル:そうですね。……分からないですね。
ジェームス:ダニエルさん,こんにちは。ビジネスはどうですか?
ダニエル:忙しいです。
ジェームス:忙しいことはいいことですよ。利益は出ていますか?
ダニエル:ええ……多分。
ジェームス:多分?どういう意味ですか?
ダニエル:それが,ちゃんと記録してなくて。家具を作るのに忙しいんです。頭の中で覚えておいて,あとはなんとかなると思ってるんです。
ジェームス:本当ですか。収支を記録して,利益や損失を計算していないんですか。
ダニエル:してませんよ。わたしは会計士ではなくて,家具職人ですからね。
ジェームス:ビジネスオーナーなら記録を取らなければいけませんよ。それ以外にビジネスがうまくいっているかどうかが分かる方法はないんですから。もう一度聞きますよ。利益は出ているんですか。
ダニエル:ええと……分かりません。
ジェームス:先月より収入は増えているんですか,それとも減っているんですか。
ダニエル:分かりません。
ジェームス:お願いですから,ちゃんと把握しておくためにわたしの言うことを聞いて記録をつけてください。
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