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第5課:神権の儀式の執行
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テーマ

第5課

神権の儀式の執行

目的

神権の儀式を執行する方法を学ぶ。

導入

主は次のように述べておられる。「それゆえ,今や人は皆,自分の義務を学び,任命されている職務をまったく勤勉に遂行するようにしなさい。」(教義と聖約107:99)神権者は神権の儀式を執行する方法に熟知し,儀式を執行する際に聖霊の導きを得られるように自らをふさわしく保たなければならない。

人々の生活に神権の祝福をもたらす能力は,わたしたちの忠実さと従順さによって決まる。ジョセフ・フィールディング・スミスは次のように述べている。「もしわたしたちが〔教会の会員としての義務を果たして神に対する信仰を表し〕それらの根本的な真理にもう少し忠実に従って生活するなら,例えば病人のいやしなどの面でもっと豊かに神の御霊みたまの現れを受けていたであろうと……確信している。」(『救いの教義』2:288)

神権者としての働きは,祈りによっても高められる。神権の儀式を執行する前に,わたしたちは祈りによって主に導きを求める。特別な状況のときには,断食が必要な場合もある(『神権の義務と祝福A』第31課「断食と祈り」参照)。祈りと断食の精神をもって主に近づき,最大の力を発揮できるように天の御父の教えに従って生活するならば,御霊は神権を行使するわたしたちを導いてくれるであろう。

どのような儀式を執行するか

神権の職を通してわたしたちはどのような儀式を執行できるだろうか。話し合う際に,以下の説明を参考にする。

執事

執事は聖餐せいさんの儀式で聖餐を教会員に配る。

教師

教師は聖餐の儀式のために聖餐の準備をする。また,執事がいない場合に聖餐のパスを行う。

祭司

祭司は聖餐の儀式で聖餐のパンと水を祝福する。また必要に応じて聖餐の準備とパスを手伝う。監督または支部長が認可した場合,バプテスマの儀式を執行し,アロン神権を授け,アロン神権の職に聖任できる。

メルキゼデク神権者

メルキゼデク神権者はアロン神権のすべての儀式を執行できる。そのほか,子供の命名と祝福,教会員への確認と聖霊の賜物たまものの授与,油の聖別,病人への癒しの祝福,墓の奉献,家族に与える父親の祝福,慰めと導きを与える祝福などの儀式を執行することができる。また,ステーク会長または伝道部長から認可された場合,メルキゼデク神権を授ける。長老は長老の職に聖任,大祭司は大祭司の職の聖任を行うことができる。

神権者が執行する儀式の詳細については,『神権の義務と祝福A第5,6,7,9課を参照する。

儀式の執行方法

バプテスマと聖餐の儀式を除き,神殿の外で施される神権の儀式には執行する際の定められた言葉がない。しかし,バプテスマ,聖餐,確認,神権の授与,子供の祝福と命名などの儀式は,かぎを持つ人の指示の下に威厳のある方法で行わなければならない。また,すべての儀式は,イエス・キリストの名と神権の権能により執行される(本書第3課参照)。わたしたちが神権の儀式を執行するときは,救い主に代わって行動していることを自覚すべきである。

以下の儀式の中から幾つか選んで詳しく検討し,実演する。生徒に儀式の執行方法を練習させる。クラスの中に近々儀式を執行する予定の神権者がいれば,その生徒のために該当する儀式を復習するとよい。

注:アロン神権者は,メルキデゼク神権者が行う儀式を練習してはならない。

以下に挙げるのは,神権者により執行される基本的な福音の儀式である。

子供の命名と祝福

管理する権能を持つ神権者の指示の下,メルキゼデク神権者のみが子供の命名と祝福の儀式を執行する(教義と聖約20:70参照)。メルキゼデク神権を所有するふさわしい父親には,自分の子供に祝福を与えるよう奨励すべきである。

新生児を祝福する場合は,神権者は集まって輪を作り,新生児のしたに手を添える。子供が大きければ神権者は子供の頭に手を置く。祝福を施す人は以下のようにする。

  1. 天の御父に呼びかける。

  2. メルキゼデク神権の権能によって儀式が執行されることを宣言する。

  3. 子供に命名する。

  4. 御霊の導くままに祝福の言葉を述べる。

  5. イエス・キリストの名により終える。

バプテスマ

バプテスマは,ふさわしい祭司あるいはメルキゼデク神権者が次の順序で施す。

  1. バプテスマを受ける人とともに水中に立つ。

  2. (便宜と安全のため)左手で志願者の右手首を持ち,志願者の左手で執行者の左手首を持たせる。

  3. 右腕を直角に挙げる。

  4. 志願者の姓名を呼び,バプテスマの祈りを言う(教義と聖約20:73参照)。

  5. (便宜上)志願者の右手で鼻をつまませ,神権者は志願者の背の上部に右手を当て,志願者を完全に水中に沈める。

  6. 水中から上がるのを助ける。

バプテスマの儀式は,二人の祭司かメルキゼデク神権者の証人が必要である。証人は儀式が正確に執行されたかどうか確認する。バプテスマの祈りの言葉が正確でなかった場合,執行者は祈りの言葉を繰り返し,志願者をもう一度水に沈める。バプテスマを受ける人の体や衣服の一部が水に沈まなかった場合は,バプテスマの祈りの言葉をもう一度繰り返し,それから志願者を再度完全に水中に沈める。

確認と聖霊の授与

新会員の確認と聖霊の授与は,メルキデゼク神権者が次の順序で行う。

  1. 確認を受ける人の頭に手を置く。

  2. その人の姓名を呼ぶ。

  3. 権能(メルキゼデク神権)によって儀式が執行されることを宣言する。

  4. 末日聖徒イエス・キリスト教会の会員に確認する。

  5. 「聖霊を受けなさい」といった言葉で聖霊を授ける。

  6. 御霊の導くままに祝福の言葉を述べる。

  7. イエス・キリストの名により終える。

聖餐

聖餐式は非常に神聖な儀式であり,その集会を管理する神権役員の指示の下に執行される。

聖餐のパンは清潔な皿に載せて小さなテーブルの上に置く。また,少量の水を入れた小さなコップか容器をテーブルの上に並べる。コップは出席人数分用意する。そしてパンと水を清潔な白の布で覆っておく。パンを祝福する前にその覆いを取り,パスを終えたら直ちに再び覆いをする。水についても同様である。

神権者は聖餐の賛美歌が歌われている間に,パンを裂く。賛美歌を歌い終えたら,神権者はひざまずき,パンを祝福する(教義と聖約20:77参照)。祝福されたパンを教会員に配る。

パンを配り終えたら,神権者はひざまずき,水を祝福する(教義と聖約20:79参照。「ぶどう酒」を「水」と言い換える)。祝福された水を教会員に配る。

聖餐の祈りは主が明らかにされたものであり,正確に述べられているかどうか神権指導者が確認しなければならない。万一神権指導者が間違いを指摘する必要がある場合は,執行者を戸惑わせたり儀式の神聖さを損なわないように注意を払う。

聖餐は集会終了後速やかにテーブルから片付ける。残ったパンは食用にしてもよい。

祭司とメルケゼデク神権者は聖餐を祝福することができるが,教師と執事にはその権能が与えられていない(教義と聖約20:58参照)。聖餐をパスする割り当ては,祭司やメルキゼデク神権者だけでなく,教師や執事にも与えることができる。聖餐に携わるすべての人は,執行される儀式の神聖さを反映するような服装をすべきである。

神権の授与と神権の職への聖任

アロン神権の職への聖任は,神権指導者か,または彼の指示を受けた人が行う。祭司は,神権指導者の指示があれば,ほかの人をアロン神権の職に聖任することができる。メルキゼデク神権の職への聖任は,ステーク会長あるいは伝道部長か,または彼の指示を受けた人が行う。聖任は次の順序で行う。

  1. 頭に手を置く。

  2. 姓名を呼ぶ。

  3. 権能(メルキゼデク神権またはアロン神権)によって儀式が執行されることを宣言する。

  4. 以前に授与されていなければ,メルキゼデク神権またはアロン神権を授ける。

  5. アロン神権あるいはメルキゼデク神権の所定の職に聖任し,その職にかかわる権利,力,権能を与える。

  6. 御霊の導くままに祝福の言葉を述べる。

  7. イエス・キリストの名により終える。

油の聖別

病人に油を注ぐ際に使うオリーブ油をあらかじめ聖別しておかなければならない。純粋で良質のオリーブ油を入手し,メルキゼデク神権者がその聖なる目的のため聖別する。これ以外の油は使用してはならない。

聖別は次のように行う。

  1. オリーブ油の容器を開けて持つ。

  2. 祈りにおけると同じように天の御父に呼びかける。

  3. 権能(メルキゼデク神権)によって油が聖別されることを宣言する。

  4. 病める人や苦しむ人に注がれ,祝福を与えるべきものとして油(容器ではない)を聖別する。

  5. イエス・キリストの名により終える。

病人への癒しの祝福

この儀式は,二つの部分から成る。油注ぎと結び固めである。

油注ぎは一人のメルキゼデク神権者が行う。

  1. 少量の油を病人の頭に注ぐ。

  2. 病人の頭に手を置き,名前を呼ぶ。

  3. 権能(メルキゼデク神権)によって儀式が行われることを宣言する。

  4. 聖別された油を注いでいることを宣言する。

  5. イエス・キリストの名により行っていることを宣言する。

通常,二人以上のメルキゼデク神権者が病人の頭に手を置き,そのうちの一人が次のように結び固めの言葉を言う。

  1. 病人の名前を呼ぶ。

  2. 権能(メルキゼデク神権)によって儀式が執行されることを宣言する。

  3. すでに行われた油注ぎを結び固め,確認する。

  4. 御霊の導くままに祝福を宣言する。

  5. イエス・キリストの名により終える。

同じ病気で病人に何度も油を注ぐ必要はない。もし同じ病気で複数回儀式を請われたら,神権者は2回目以降は油を注ぐ必要はないが,按手をして神権の権能により祝福を施すとよい。

墓の奉献

これは家族と相談のうえ,監督または支部長に指名されたメルキゼデク神権者によって行われる。

  1. 祈りにおけると同じように天の御父に呼びかける。

  2. 権能(メルキゼデク神権)によって儀式が執行されることを宣言する。

  3. 埋葬の地を遺体の休息の地として奉献し,聖別する。

  4. 適当であると思われたら,その体が復活し,霊と再び結合するまで,この地が神聖にされ,守られるよう主に祈る。

  5. 家族に慰めが与えられるよう主に願い,御霊の導くままに祈りの言葉を言う。

  6. イエス・キリストの名により終える。

父親の祝福と,そのほかの慰めや助言を与える祝福

父親(家族のために)やそのほかのメルキゼデク神権者は,慰めと助言を与える祝福を授けることができる。子供が兵役や学校,伝道で家を離れるときなど,特別な状況にあるときに,父親は子供に祝福を与えることができる。家族は父親の祝福を家族の記録のために書き記すことができるが,教会の記録には保管されない。父親の祝福は慰めと助言を与える祝福と同様の方法で与える。

この種の祝福を授ける際の手順は次のとおりである。

  1. 祝福を受ける人の頭に両手を置く。

  2. その人の姓名を呼ぶ。

  3. メルキゼデク神権の権能によってその祝福が授けられることを宣言する。

  4. 御霊の導くままに,感謝,助言,訓戒,約束を与える。

  5. イエス・キリストの名により終える。

    メルキゼデク神権者にそれぞれ自分か,または家庭で必要とする人のためにオリーブ油を聖別してさせる。

まとめ

神権者は必要なときに儀式を執行できるよう備えておかなければならない。神権の儀式に備えるとは,力の及ぶ限り戒めに従って生活し,儀式を執行する方法に熟知することである。そのような備えをすれば,自分ばかりでなく周囲の人々にも祝福をもたらすことができる。

チャレンジ

  1. 儀式を執行する手順に通じる。毎週一つずつ学ぶ目標を立てる。

  2. 儀式を執行する神権者としてふさわしくあるために,生活の一分野で改善できる点について考え,実際に改善することを決意する。

参照聖句

マタイ3:13-16(イエスのバプテスマ)

マルコ6:13(病人に油をぬって癒す)

マルコ16:17-18(病人に手を置く)

ヤコブの手紙5:14-16(病人に油を注ぐ教会の長老たち)

3ニーファイ11:22-26(バプテスマを施す方法)

モロナイ2:2(按手により聖霊を与える)

教義と聖約42:11(権威を持つ者によって聖任を受ける者)

教師の準備

レッスンの前に以下のことを行う。

  1. 『神権の義務と祝福A』第4課「神権定員会」と第31課「断食と祈り」を研究する。

  2. 純粋なオリーブ油の小瓶をクラスの家族数に合わせて用意する。これは各家庭に聖別された油を置き,メルキゼデク神権者が祝福を与えるときに使用するためである。

  3. 近々儀式を施す予定のある生徒がいるかどうか確認する。いる場合は,その儀式について完全に説明できるように準備する。

  4. レッスンの最初の部分は速やかに終えて,儀式の執行方法に関する話し合いに十分な時間を取れるように計画する。

  5. レッスンの中で話や聖句を読むよう生徒に依頼する。