ライブラリー
第156課—黙示12-13章


第156課

黙示12-13章

はじめに

ヨハネは,龍が女性とその子供を脅かしている示現を見ました。それは主の教会とその忠実な教会員を滅ぼそうとするサタンの企みを象徴しています。ヨハネは,天での戦いと,神に従う者たちに対して戦いを挑むこの世の国々について書きました。

教えるための提案

黙示12章

サタンとその使いたちが常に主と主の教会に対して戦いを挑んできたことがヨハネに示される

クラスが始まる前に,ホワイトボードに次の組み合わせ作業を書き写しておきます。レッスンを開始してから,数人の生徒に,左側の欄に挙げてある危険な兆候への対抗措置を,右側の欄に挙げてあるものの中から選び,線で結んでもらいます。

危険な兆候

危険な兆候への対抗措置

日焼け

黙示12章にある真理

敵の兵隊

薬あるいは休息

病気

日焼け止め,あるいは衣服

罪と罪悪感

悔い改めとイエス・キリストへの信頼

サタンの影響

戦争の武器

  • これらの危険な兆候のうち,あなたが最近対抗しなければいけなかったものはどれですか。どれが一番危険だと思いますか。それはなぜですか。

黙示12章を研究しながら,サタンの影響に対抗する助けとなる真理を見つけるよう生徒たちに勧めます。黙示12-14章では,第七の封印に関わる出来事についての説明が中断されており,ヨハネの示現の合間の出来事が記録されていることを説明します。「この世の国」と「われらの主……の国」(黙示11:15)という言葉の意味をヨハネが理解できるよう,主が助けられたのかもしれません。

画像
woman with dragon

添付されている背後に龍のいる女性の絵を生徒たちに見せます。これらの象徴がどのようなことを表しているのか,生徒たちに考えてもらいます。

一人の生徒に黙示12:1-2,5を声に出して読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,その女性に起こった事柄を見つけてもらいます。ジョセフ・スミス訳では,5節が2節の直後に配置されていることを説明します。

  • その女性はどうなりましたか。(女は「すべての国民を治めるべき」男の子を産んだ〔5節〕。)

  • 「鉄のつえをもってすべての国民を治める」とはどのような意味だと思いますか(5節)。(その子は,福音,神権,神の言葉と力を象徴すると思われる鉄のつえを用い,義を持ってこの世のあらゆる国民を治めます〔ブルース・R・マッコンキー,Doctrinal New Testament Commentary,全3巻(1965-1973年),第3巻,517参照〕。)

一人の生徒に,黙示12:3-4を声に出して読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,これらの聖句で説明されている象徴を見つけてもらいます。

  • 1-5節で説明されている象徴は,何を意味していると思いますか。

生徒に,ジョセフ・スミス訳黙示12:7-8(『聖句ガイド』内「聖書のジョセフ・スミス訳〔抜粋〕」)を黙読してもらいます。龍,女,子が表していることを見つけてもらいます。

  • ジョセフ・スミス訳黙示12:7-8によると,ヨハネの示現の中の龍,女,子は何を意味していますか。(龍はサタン〔8節参照〕を表し,女は「神の教会」を,子は「神とそのキリストの王国」〔7節〕を表しており,それは主が全ての国民を治める福千年に主御自身が打ち立てられる民の王国である。〔これらの聖文の象徴についてのさらに詳しい説明は,New Testament Student Manual(教会教育システム手引き,2014年),550-552を参照してください。〕)

  • 黙示12:4によれば,龍の意図は何でしたか。サタンは,なぜ神とキリストの王国をしつこく破壊しようとするのだと思いますか。

一人の生徒に,黙示12:6を声に出して読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,龍が脅かすために,女性が何をしたかを見つけるように言います。

  • その女性はどうなりましたか。これはどのようなことを象徴しているでしょうか。(荒れ野に逃げ込む女性は,使徒たちの死後,教会が大背教に陥り,神権が地上から取り上げられることを意味します〔教義と聖約86:3も参照〕。)

ヨハネは,龍が女性とその子供を脅かしているのを見た後,サタンと神の聖徒たちとの間の天での戦いを見たことを説明します。数人の生徒に,ジョセフ・スミス訳黙示12:6-11(『聖句ガイド』内「聖書のジョセフ・スミス訳〔抜粋〕」)を順番に声に出して読んでもらいます。クラスの半分の生徒に,天での戦いでサタンがどうなったかを見つけてもらい,残り半分には,神の聖徒たちはどのようにしてサタンとそれに従う者たちに打ち勝ったかを見つけてもらいます。

  • サタンとそれに従う者たちはどうなりましたか。(黙示12:4には,龍がその尾で「天の星の三分の一を掃き寄せ〔た〕」と述べていることを指摘するとよいでしょう。これは,サタンに従うことを選んだ,天の御父の霊の子供たちの数の多さを象徴しています。また,「ミカエルとその使いたち」〔ジョセフ・スミス訳黙示12:6〕とは,アダムと他の義にかなった神の霊の子供たちであることも説明するとよいでしょう。)

  • 11節によれば,義にかなった天の衆群は,どのようにしてサタンに打ち勝ったのでしょうか。(『小羊の血……によって』すなわち救い主の贖罪を通して,そして福音に対する自分の証に忠実であり続けることによって。これらの答えをホワイトボードに書きます。)

  • 8-9節によれば,反逆の後,サタンとそれに従う者たちはどこに送られましたか。

一人の生徒に,ジョセフ・スミス訳黙示12:12,17(『聖句ガイド』内「聖書のジョセフ・スミス訳〔抜粋〕」)を声に出して読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,天から追い出された後,サタンは誰に対して戦いを挑んだかを見つけてもらいます。

  • 天から追い出された後,サタンは誰に対して戦いを挑んだのですか。

  • 11節から分かることに基づくと,今日サタンの影響や攻撃に打ち勝つために,わたしたちにはどのようなことができますか。(次のような原則を見つけられるよう,生徒たちを助けます。わたしたちは,救い主の贖罪や,福音の証に忠実であることによって,サタンの影響に打ち勝つことができる。ホワイトボードにこの原則を書きます。)

一人の生徒に,七十人のジェームズ・J・ハムラ長老の次の話を声に出して読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,サタンがどのようにして自分たちの世代を攻撃しているかを見つけてもらいます。

画像
Elder James J. Hamula

「この末日に生を受け,御父と御子のために働くように取っておかれたのが,御父の息子,娘の中で最も勇敢で気高い霊たちです。彼らの勇気と気高さは,前世のサタンとの戦いで証明されています。……

神の王国が地に回復され,皆さんが地上にやって来たことから,サタンは『自分の時が短いのを』知っています〔黙示12:12〕。だからこそ,サタンはあらゆる手段を駆使して,皆さんを背きの道に誘い込もうとしているのです。皆さんを背きの道に引きずり込めば,専任宣教師として伝道したり,神殿結婚をしたりするのを妨げることになるでしょうし,将来の子供たちを信仰によって守れなくなるのを知っているからです。これは全て,皆さん自身だけでなく教会を弱めることになります。サタンは,神の王国が『民の背きのほかに』打ち倒されることがないのも知っています〔モーサヤ27:13〕。間違いなく,今や,この戦いの焦点は……皆さんに当てられています。」(「悪との戦いに勝つ」『リアホナ』2008年11月号,50-51)

  • サタンとそれに従う者たちは,どのようにしてわたしたちを弱めようとするでしょうか。

サタンは生徒たちに一人一人に対して,どのように戦いを挑もうとするかを考えてもらいます。

  • イエス・キリストを信じる信仰を増し,主に対する自分の証を強めるために,どのようなことができるでしょうか。(生徒たちの回答をホワイトボードに書きます。)

次の二つの文を読み上げて,生徒たちにそのうちの一つに対する答えを,クラスノートか聖典学習帳に書いてもらいます。

  1. 救い主の贖罪に対するあなたの証と信仰が,サタンの影響に対抗する助けとなった経験について書きます。

  2. イエス・キリストの贖罪についてのあなたの証を記録し,サタンとそれに従う者たちに対する戦いにおいて,贖罪がわたしたちをどのように助けるかを説明します。

十分な時間を与えた後,数人の生徒に書いたことを発表してもらいます。

ホワイトボードに書かれたアイデアのうち幾つかを選び,サタンとそれに従う者たちに対するあなた自身の戦いにおいて,それらを応用するよう励まします。

黙示13章

ヨハネ,サタンから力を得る地上の国々について書く

黙示13章の要約として,ヨハネは,サタンによって支配された邪悪なこの世の国々を表す,恐ろしい様相の獣の示現を見たことを説明します。ヨハネはまた,これらの国々を通し,サタンが地上の住人たちを欺くために大いなるしるしを行い,偽りの奇跡を起こすのも見ました。

画像
scripture mastery icon
マスター聖句の復習

セミナリーの最終週の間にマスター聖句の最終テストをすることを考えておきましょう。生徒が自宅で,またはテストの直前に勉強するよう励ますとよいでしょう。以下はテストとして利用できる見本です(これらの案を生徒たちの必要に合わせて調整してください)。

引用テスト—マスター聖句のヒントを幾つか挙げます。それらのヒントは,キーワード,教義や原則,聖句の要約などです。ヒントを一つ与えるごとに,紙にそのヒントが示すマスター聖句を書いてもらいます。

教義テスト—ホワイトボードに基本的教義を書きます。それぞれの教義の下に,対応するマスター聖句を挙げてもらいます。生徒がこれを行うときには,記憶に頼っても,マスター聖句のリストを用いてもよいでしょう。

暗唱テスト—マスター聖句から暗記した語彙や原則を使って,基本的教義を説明してもらいます。自分の説明を書き出して,クラスで読み上げてもらいます。

マスター聖句と基本的教義をマスターするための努力を褒めることを忘れずにしましょう。わたしたちがマスター聖句や教義をマスターすることで得られる霊的な力や証について証します。

注釈と背景情報

黙示13章恐ろしい様相の獣

その獣がこの世の王国を表すという知識を除いては,その獣について主からはどのような解釈も与えられていません。黙示録の不可解な部分について語ることに関して,ジョセフ・スミスは次のように述べています。

「いかなる種類のものであれ,神がある象徴的なもの,獣,形あるものを示現として授けられる場合,神は常にその示現の意味について啓示なり解釈なりを与える責任を負っておられる。そうでなければ,わたしたちはそれをどう考えるかに関して責任を問われることはない。……

獣の示現や自分が理解していない事柄に決して手を出してはなりません。」(History of the Church,第5巻,343,344で引用)

黙示13:8「〔世の初めから〕ほふられた小羊」

「ほふられた小羊(英語では『世の初めからほふられた小羊』)」(黙示13:8)という表現は,イエス・キリストと主の贖罪を指しています。「世の初めから」とは,この世が創造される前の,前世を指しています。ですから,わたしたちはこの聖句から,救い主の贖罪の効力はイエスがお生まれになる前からあったことが理解できます。例えば,キリストの時代以前に生きていた人々は,救い主がお生まれになる前でさえも,キリストを信じる信仰を働かせ,悔い改め,主の贖罪の力を通して罪を赦されることができました(教義と聖約20:25-26)。