神殿への備え
レッスン7:神殿参入の祝福を続けて受ける


レッスン7

神殿参入の祝福を続けて受ける

目的

生徒たちの初めての神殿参入の体験を聞き,生涯にわたって神殿参入に備えられるように助ける。

準備

  1. このレッスンを分かち合いの場とするように準備する。生徒のほとんどは,初めて神殿に参入した経験について話し合いたいと思うはずである。

  2. 生徒の一人に,教義と聖約110:1-10を読んで感想を分かち合うように割り当てる。

  3. 生徒の一人に,『聖なる神殿に参入する備え』の23-24,26ページに提示されているエリヤに関する記述を要約するように割り当てる。

  4. 初めての神殿参入で生じた質問に答えられるように,準備しておく。しかし,神殿内でなければ話せない質問や情報に言及してはならない。そのような質問がある場合は,もう一度一緒に神殿に参入する計画を立てるように勧める。

レッスンの提示

開会の祈りをしてもらう。

質問があるかどうか生徒たちに尋ねる。主のたまの導きに従い,必要なだけの時間を取って,できるかぎりすべての質問に答える。神殿の業の中には神殿外で話し合ってはならない事柄もあることに留意する。

神殿奉仕の喜びを維持する

  • 神殿の中では,どのような気持ちがしましたか。

神殿に頻繁に参入する人には,神殿奉仕により,絶えず祝福が生活の中に注がれることを説明する。神殿での経験がまだ新鮮なうちに,印象を日記に書き留めるように勧める。自分の感じたことを書き留めるのはよいが,神殿の業の詳細,すなわち,神殿外で話し合ってはならない事柄については書き記すべきではないことを思い起こさせる。

  • 生涯を通じて神殿奉仕の喜びを維持するには,何ができるでしょうか。

生徒たちの意見を黒板に書く。次の意見を提示してもよい。

1.毎日神殿での経験について思い巡らす。

神殿に参入する頻度は,個人によって異なることを説明する。しかし,いったん神殿参入を果たしてたまを感じたからには,毎日,神殿の儀式について思い巡らし,交わした聖約を思い起こすべきである。それによって,毎日,よりいっそう義にかなった思いを抱いて行動する励みが得られる。

神殿について何もかも記憶することはできないが,参入の機会がある度に,できるだけ記憶に残すように心がけなければならない。加えて,神殿に関する聖文や預言者の言葉を研究する必要がある。一部は,このコースの中で学習済みである。

生徒の一人に,「聖なる神殿に参入する備え』の10-11ページに記された,次の言葉を要約するように頼んでもよい。

「最初の神殿参入のときには,神殿の儀式を十分に理解できないでしょう。ほんの一部分しか,理解できないかもしれません。何度も,繰り返し参入してください。何度も学んでください。悩んでいたこと,……不可解に思われていたことが,徐々に分かってくるでしょう。……

エンダウメントのセッションに入るときや,結び固めの証人になるときには,眼前で繰り広げられることの意味を深く考えてください。これからは,神殿に参入するときにはいつもこの点を心に留め,静かに祈りをもって諸儀式を反すうしてください。そうすれば,知識が増すことに気づくでしょう。

神殿参入の大きな意義の一つは,地球に関する神の目的が広大なパノラマになって眼前に繰り広げられることです。一度神殿に参入すれば(もちろん何度も参入すれば記憶を新たにできますが),人生の中の出来事は,神の計画の中に仕組まれたものであることが分かります。自分がどこにいるのか,どのようなときに道を外れるのかを,すぐさま見て取ることができます。

2.神殿でのすべての礼拝の中心は,救い主,イエス・キリストであることを覚えておく。

聖文では,神殿建設の重要な理由は,「人の子がその民に御自身を現す場所を得られる」ためであると教えている(教義と聖約109:5)。神殿の象徴や儀式は,わたしたちの注意を救い主に向ける助けとなる。

救い主が確かにカートランド神殿に姿すがたを現されたことを説明する。主がジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに御姿を現されたのは,神殿を御自身の宮として受け入れられるためであった。この訪れは,教義と聖約110:1-10に記録されている。割り当ててあった生徒に,この聖句を読んで感想を述べてもらう。

  • 神殿を建てて,そこに参入する人々に,救い主はどのような祝福を約束されたでしょうか。

家族は神殿で永久に結び固められる

マラキ4:5-6を読んでもらう。

割り当ててあった生徒に,『聖なる神殿に参入する備え』の23-24,26ページにあるエリヤに関する記述を要約してもらう。

エリヤがこの地に戻り,神殿で家族を永遠に結び固める神権のかぎを回復したことを説明する。

教義と聖約110:13-16を読んでもらう。続いて,生徒の一人に『聖なる神殿に参入する備え』の28ページに記された次の引用を読んでもらう。

「こうして1836年4月3日,まさにその日から子孫の心はその先祖に向けられるようになりました。以後,教会で行われる諸儀式は一時的なものではなく,永遠に続くものとなりました。結び固めの力は,わたしたちとともにありました。どのような権威もその効力においてこの力に勝るものはありません。この力は,生者に対しても死者に対しても正当な権威をもって行われるもろもろの儀式に,意義と永遠の効力を与えるものなのです。」『聖なる神殿に参入する備え』28)

マタイ16:19に記録されているように,救い主は,使徒ペテロに結び固めの力について説明された。この聖句を読んでもらう。

教会の預言者である大管長が,現在もこれと同じかぎを持っていることを説明する。「その神聖な結び固めの力は,現在教会にあります。この権能の重要性を知っている人々にとってこれほど神聖視しているものはありません。また,これほど身近に存在しているものはありません。この結び固めの力を保有している男性は,どの時代でも地上において比較的少数でした。しかし現在どの神殿にも結び固めの力を授かっている兄弟たちがいます。この力は,預言者,聖見者,啓示者である末日聖徒イエス・キリスト教会の大管長または大管長から委任された人々からしか授かることはできません。(『聖なる神殿に参入するためにする備え』26)

結び固めの儀式には,夫婦を互いに結び固める儀式と,両親と子供の結び固める儀式があることを説明する。両親が神殿で結び固められていれば,二人に生まれる子供たちは,両親の結び固めの聖約の下で生まれたことにより,両親に結び固められる必要はない。

  • 神殿で受けた結び固めは,家族の日々の思いと行動に,どのような影響を与えると思いますか。

  • 神殿の結び固めによって,家族はどのような祝福が得られると思いますか。

ゴードン・B・ヒンクレー大管長はこう語っている。「今だかつて,心から女性を愛した男性で,あるいは心から男性を愛した女性で,二人の関係が死を超えて続くようにと祈らなかった人がいたでしょうか。子供を亡くした親で,愛する子供が次の世でも自分たちのものになるという確信が欲しいと願わなかった親がいるでしょうか。永遠の命を信じる人であれば,天の神が,永遠の時の中に,人生で非常に貴重な特性であり,家族間で最も意義深く現れる,愛を与えられないと考える人はいないはずです。論理的にも家族関係は死を超えて続くものである点に疑問の余地はありません。人の心がそれを何よりも望んでいるのです。そして,天の神がそれを確保できる方法を啓示によって教えてくださったのです。それが,主の宮で行われる神聖な儀式です。」(“Why These Temples?” Temples of The Church of Jesus Christ of Latter-day Saints〔1988年〕,4)

神殿は亡くなった人々に奉仕する機会を与えてくれる

オバデア1:21を読んでもらう。

預言者ジョセフ・スミスは,どうしたら教会員たちがシオン山に救い手になれるか説明している。

「どうしたら〔聖徒たちが〕シオン山の救い手になれるだろうか。それは 神殿を建ててバプテスマフォントを造り,この世を去ったすべての先祖の身代わりに進み出て,バプテスマ,確認,洗い清め,油注ぎ,神権の聖任の儀式を経て,結び固めの力をそのこうべに受けることによって,第一の復活にあずかり,ともに栄光の座に昇栄できるよう,彼らをあがなうことである。父の心を子らに,子らの心を父に結びつける鎖はここにある。そして,それによってエリヤの使命が全うされる。」(History of the Church第6巻,184)

救いの計画の一端として,天の御父は,福音の救いの儀式を受けることなく亡くなった人々が,それらの儀式をうけられる道を備えられたことを説明する。霊界にいる人々には福音を聞く機会が与えられている。彼らが霊界で福音を受け入れることはできるが,霊界では自分のために福音の儀式を受けることはできない。主はわたしたちに,彼らの身代わりとして聖なる神殿でその儀式を受けるように命じられた。わたしたちは自分自身の先祖に代わって儀式を受けられるよう,家族歴史活動に特別な努力を傾けなければならない。

神殿内で行われる死者のための儀式には,バプテスマ,確認,神権への聖任,エンダウメント,夫婦・親子のそれぞれの結び固めがある。

わたしたちは死者のために働けるように,状況が許すかぎり頻繁に神殿に参入すべきである。わたしたちは奉仕する相手を祝福するだけでなく,自分の生活にも祝福をもたらすことができる。家族歴史活動の実施方法と先祖のための儀式執行方法に関する情報は『神殿・家族歴史活動に関する会員のガイド』(34697 300)に記載されている。

トーマス・S・モンソン管長はこう言っている。

「神殿のエンダウメントと結び固めの儀式に対する感謝の気持ちは,家族の結び固めを強め,亡くなった愛する家族にも同じ祝福を味わってほしいと家族一人一人が願うようになるはずです。……

神殿で行われるこの身代わりの儀式は,主が身をもって示された無私の愛と犠牲の精神で執行されなければなりません。主を忘れさえしなければ,このきわめて重要な業におけるわたしたち個人の責任を果たしやすくなるはずです。聖なる宮を仰ぎ見る度に,自分のためだけでなく,死者のためにも,その内側にある永遠の機会について思い出せますように。」(Pathways to Perfection〔1973年〕,260-207)

まとめ

神殿に参入することで,人々に奉仕し,いつまでも霊的な視野を広げていけることを強調する。以下の引用を読む。

「神殿の業と,それを支える系図探求の仕事ほど,この教会にとって大きな守りとなるものはありません。またいかなる業もこのわざほどに,人の霊を磨き,人に力を与えることはできません。加えて,これほど高い標準が要求される業もありません。……

神殿の儀式に関する啓示を受け入れるなら,そして,一日延ばしにしたり言い訳をしたりせずに主の契約の下に入るなら,主はわたしたちを守ってくださるでしょう。わたしたちは人生に立ち向かうに十分な霊感を受けます。……

どうぞ神殿に参入してください。そして,祝福を受けてください。神殿の業は,聖なるわざなのです。」(『聖なる神殿に参入する備え』38)

互いにあかしをしてレッスンを終わる。しばしば神殿に参入して,主のたまによって学ぶように勤める。

クラスの生徒に,教会配送センターからビデオ『主の山』(53300 300)を入手し,家庭で視聴できることを伝えるとよい。上映時間73分のこのビデオには,ソルトレーク神殿建設にまつわる物語が収められている。

生徒の一人に閉会の祈りをしてもらう。