神殿への備え
レッスン6:聖なる神殿に参入する備え


レッスン6

聖なる神殿に参入する備え

目的

生徒たちがふさわしい状態で神殿に参入できるように備える。

レッスンの提示

開会の祈りをしてもらう。

質問があるかどうか生徒たちに尋ねる。たまの導きに従い,必要なだけの時間を取ってできるかぎりすべての質問に答える。神殿の業の中には神殿外で話し合ってはならない事柄もあることに留意する。

一人一人が神殿参入に備えなければならない

神殿の祝福を余すところなく受けられるように準備をする責任は,その人自身にあることを説明する。

以下の5つの概念について簡単に話し合う。各概念は,神殿参入に備える方法を示している。一つ一つ黒板に書き出しながら話し合ってもよい。

1.ふさわしくなければならない。

教義と聖約97:15-17を読んでもらう。

  • ふさわしい状態で神殿に参入することの大切さについて,この聖句は何を教えているでしょう。

ハワード・W・ハンター大管長は,「神殿建設の準備をしていたカートランドの聖徒たちに,主は,預言者ジョセフ・スミスを通して勧告を与えられ……その中に挙げられている態度や義にかなった行動について」考えてみるように教えた(「教会員の大いなる象徴」『聖徒の道』1994年11月号,3参照)。

この勧告は教義と聖約88:119にある。この聖句を読んでもらう。

ハンター大管長の次の質問も考えてもらう。「これらの態度や行動は,わたしたちが『こうなりたい』と望み求めている姿勢と一致しているでしょうか。」(「教会員の大いなる象徴」『聖徒の道』1994年11月号,3)

2.謙遜けんそんでなければならない。

人は皆,高い所から教えを受けたいと望み,謙遜になって神殿に参入するべきである。

  • 神殿で働き,学ぶ際に謙遜さがそれほど大切とされるのは,なぜでしょうか。

教義と聖約136:32-33を読んでもらう。

  • 謙遜けんそんさの重要性について,この聖句は何を教えていますか。神殿に初めて参入するとき,この教えをどのように応用できるでしょうか。

3.永遠の命を得るために,神殿の儀式と聖約を受けることが必要不可欠である。だれもがこれを理解しなければならない。

ハロルド・B・リー大管長はこう言っている。「神殿の儀式は,神とキリストの住まわれる日の栄えの王国で昇栄する機会を逸することがないように,賢明な天の御父がわたしたちのために人生の道案内,守りとして計画され,この末日に啓示されたものである。」(“Enter a Holy Temple,” Improvement Era1967年6月号,144)

ジョセフ・フィールディング・スミス大管長は次のように述べている。「これらの祝福は,わたしたちが忠実であれば,主の高価な真珠を確約する。なぜなら,これらの祝福は現世で得られる最も大きな祝福だからである。教会に加入することはすばらしいことである。しかし,主の宮で聖約を交わし,主の宮以外で今日こんにち地上のほかのいかなる所でも得られないかぎと権能を受けなければ,昇栄を得ることができない。」(『救いの教義』ブルース・R・マッコンキー編,第2巻,232)

4.神殿のガーメントを着用することの大切さを理解する必要がある。

神殿の儀式を受けた人は,神聖な神権のガーメントを着る特権を頂くことを説明する。教会の声明の中で大管長会はこう言っている。

「神殿の中でガーメントを着用した教会員は,生涯それを身に着けるという聖約を交わしています。この聖約は,昼夜を問わずガーメンンを肌着として身に着けるという意味に解釈されています。……

基本原則は,ガーメントを常に身に着け,やむを得ない場合以外は脱がない,というものです。……ガーメントを脱ぐ必要がある場合でも,……できるだけ早めに再び着用してください。

この聖約の中には身体を適度に覆うという慎みの原則が含まれており,身につける衣服はすべてこの標準に合ったものでなければなりません。神殿で聖約を交わした教会員は,主と交わした神聖な聖約のしるしとして,また,誘惑と悪から身を守る物としてガーメントを身に付けています。ガーメントをどのように着用するかにより,各自がどれほど強く救い主に従いたいという気持ちを抱いているか分かります。」(大管長会からの手紙,1988年10月10日付)

5.個人的で,神聖な礼拝のために備えなければならない。

神殿では,儀式中にも,儀式の前後にも,めいそうする機会や,天の御父とイエス・キリストにいっそう近づく機会がある。だれでも,疑問に出会ったときには答えを見つけたい,重荷を負ったときにはその重荷を軽くしたい,問題に直面したときにはその問題を解決したいと願う。そんなとき,この世から離れて天の御父と心を通わせる場所として,神殿が与えられていることに感謝している人たちが大勢いる。そして多くの人々が神殿で答えや平安,喜びを見いだしている。

ゴードン・B・ヒンクレー大管長は,こう述べている。「皆さんには問題や気がかり,心配事がありますか。心に平安を求めていませんか。主と親しく交わり,主のこころを静かに考える機会を必要としていませんか。だとしたら,主の宮に入り,そこで主のたまを感じ,主と交わってください。そうすれば,ほかのどこでも見いだせないような平安が得られることでしょう。それを活用してください。何とすばらしい祝福でしょうか。」(「神殿の祝福を享受する」『リアホナ』2002年12月号,33)

神殿では,特別な必要を抱えた人々の名前を提出することができる。神殿参入者がこれらの人々のために一致して信仰と祈りを行使できるようにするためである。

初めて神殿に参入するときの特別な準備

初めて神殿参入に必要な準備をすべて整え,霊的に高められる経験にするには,次に挙げる情報が役に立つだろう。生徒たちに状況に当てはまるものについて話し合う。

  1. 神殿推薦状。神殿推薦状を受ける。神殿には有効な推薦状を持った人しか入れないので,必ず神殿に携帯するようにする。ふさわしくさえあれば,この推薦状で2年間,何度でも,教会のどの神殿にも参入することができる。神殿推薦状の更新には,毎年,ビショップリックの一員または支部会長,およびステーク会長会の一員または伝道部長会の面接を受けなければならない。

  2. 参入計画と予約。エンダウメントまたは結び固めの儀式を受けるため,神殿へ行く前に電話で予約を入れる。何時に神殿に到着したらよいか,どのくらい神殿内にいることになるか,何を持参すべきかを調べておく。必要であれば,通訳の助けを依頼する。

  3. 神殿までの行程の計画。神殿から遠く離れて住んでいる場合は,次ぎのことを考慮に入れるべきである。

    • 旅行手段,宿泊,食事の手配を事前にする。できるなら,グループで旅行するとよいかもしれない。

    • 必要なら,神殿がある国の通貨に両替する。

    • すべての経費を負担するに足る金額を持参する。ガーメントを余分に買ったり,神殿衣を借りたり,宿泊費や旅費を支払ったりする必要があるかもしれない。(以下のことに留意する。多くの神殿では,神殿衣を借りることはできない。大管長会は,すべての会員が自分の神殿衣を購入するように勧めている。)

  4. 衣服。日曜日の集会に集うときの服装をするよう計画する。女性はズボンを着用して神殿に行くべきではない。

  5. 付き添い。初めて神殿に参入する人は皆,付き添いの人と一緒に参入すべきである。この付き添いは,すでに神殿に参入したことのある同性であれば,しんせきでも友人でもよい。あるいは,神殿の職員がこの役を務めることもできる。また,神殿職員は,いつでも親切に案内役を務めてくれる。

  6. 結び固め。もし,亡くなった先祖のために結び固めの儀式をしたいときは,記入済みの「家族の記録」を神殿に持参する。配偶者との結び固めを受ける場合,または子供との結び固めを受ける場合は,自分自身の「家族の記録」を持参しなければならない。結婚をするのであれば,地元の法律による条件を満たすとともに,有効な結婚許可書を持って行かなければならない。(訳注-日本の場合は,「結婚届」を役所に提出後,「受理証明書」を神殿に持参する。)生者と死者双方の神殿儀式を手配する方法に関する詳細な情報については,『神殿・家族歴史活動に関する会員ガイド』(34697 300)を入念に読む。参入しようと計画している神殿の神殿レコーダーに問い合わせることもできる。

  7. 子供の世話。結び固めの儀式に加わる子供を神殿に同伴する場合は,結び固めの部屋で両親と一緒になるまで,神殿の託児室で世話を受けることができる。儀式のための子供用の白い神殿衣は,神殿で用意されている。結び固めが終わったら,子供たちは再び託児室に戻って,両親を待つことになる。神殿では,結び固めに加わらない子供達の世話はしていない。

  8. 神殿のガーメント。神殿参入前に1,2着の神殿ガーメントを買っておく必要がある。神殿に行く前にガーメントを着ることは許されない。エンダウメントを受けて,希望のサイズと布地を確認したうえで,追加購入できる。人によっては,最初のガーメントを一度洗ってサイズが合うのを確認してから,追加購入する人もいる。また,神殿のガーメントは教会が製造しているもので,教会配送センターを通して購入できる。

  9. 神殿衣。大管長会は自分用の神殿衣を購入し使用するように奨励している。神殿によっては,少額のレンタル料を支払って神殿衣を借りることもできるが,自分用の神殿衣を所有し管理するのが望ましい。この神殿衣の購入場所についてはビショップまたは支部会長から情報を入手することができる。

    神殿結婚の場合,姉妹たちはウェディングドレスを着用できるが,ドレスは白地に長袖で,デザインと衣地が慎み深いものでなければならない。後ろに長く引いたすそや凝った装飾があってはならない。

まとめ

神殿の儀式の神聖さについてあかしする。神殿参入に備える生徒たちの姿を見て幸せな気持ちを感じていることを伝える。

閉会の祈りをしてもらう。

このレッスンが終わってから,可能な地域であれば,教師は生徒たちと一緒に神殿に参入すべきである。