総大会
信仰をもって将来を待ち望む
2020年10月総大会


信仰をもって将来を待ち望む

備えができていて,主の御手に使われる者としての備えを怠らない人には輝かしい未来が待っています。

記憶に残るすばらしい集会です。愛する姉妹の皆さん,今晩皆さんとともに過ごせることを光栄に思います。この数か月,皆さんのことを度々心にかけてきました。皆さんは800万人以上の勢力です。皆さんは世界を変えるだけの人数がいるだけでなく,霊的な力も持っています。皆さんがまさにその力を発揮していることを,わたしはこのパンデミックの渦中で見てきました。

皆さんの中には,突然,わずかしかない物資や新しい仕事を探し求めることになった人もいるでしょう。子供に勉強を教えたり,近所の人の安否を確認しに行く人も多くいました。宣教師として予定より早く伝道から帰還した子供を迎えた人もいれば,家庭が宣教師訓練センターとなった人もいます。皆さんはテクノロジーを使って家族や友達とつながり,孤独を感じている人にミニスタリングを行い,『わたしに従ってきなさい』をほかの人たちと一緒に勉強しています。安息日を喜びとする方法を新たに見つけています。そして,何百万枚ものマスクを作りました!

愛する人を亡くした多くの女性たちに,心からの哀悼の意と愛をお伝えします。わたしたちは皆さんとともに涙します。そして皆さんのために祈っています。人の健康を守るためにたゆまず働いてくださっているすべての人たちを称賛し,彼らのために祈ります。

若い女性の皆さんも,すばらしいです。誹謗中傷であふれるソーシャルメディアで,皆さんの多くは人を励まし,救い主の光を分かち合う方法を見つけています。

姉妹の皆さん,皆さんは皆,英雄です。皆さんの力と信仰に,わたしは驚いています。皆さんは困難な状況でも勇敢に進み続けることを示しました。皆さんを愛しています。主も皆さんを愛し,皆さんが成し遂げている偉大な業を見ておられます。ありがとうございます!繰り返しますが,皆さんは文字どおり,イスラエルの希望です!

皆さんは,25年前の1995年9月にゴードン・B・ヒンクレー大管長が中央扶助協会集会で「家族―世界への宣言」を発表したときに女性たちに抱いていた希望を,体現しています。1ヒンクレー大管長がこの大切な宣言をまず教会の姉妹たちに紹介したことには,深い意味があります。そうすることによってヒンクレー大管長は,主の計画の中で女性がかけがえのない影響力を持つことを強調したのです。

さて,皆さんが今年何を学んだか,わたしはぜひとも知りたいと思います。主に近づきましたか。それとも,主から離れたように感じますか。現在起こっていることを見て,未来がどうなると感じていますか。

確かに主は,今の時代について厳格な言葉で語られました。この時代には「人々は気落ち〔し,〕」2真の選民すら惑わされかねない3と主は警告しておられます。「平和​が​地​から​取り去られ」,4災いが人類に下る5と,主はジョセフ・スミスに言われました。

しかし主は,この神権時代がいかにすばらしいかという展望も与えてくださっています。預言者ジョセフ・スミスにこう宣言するよう霊感を与えられました。「この終わりの時における……業は, 非常に重要であって,……その栄光は筆舌に尽くし難く,その壮大さはあらゆるものをしのいでいます。」6

壮大という言葉は,この数か月のことを言い表すのに皆さんが選ぶ言葉ではないかもしれません。現代に関する暗い預言と輝かしい宣言の両方に,わたしたちはどう対処すべきでしょうか。主は,その方法を簡単ですが驚くべき言葉をもって教えて安心をくださいました。「備えて​いれ​ば​恐れる​こと​は​ない。」7

何とすばらしい約束でしょう!文字どおり未来に対する見方を変えてくれる約束です。わたしは最近,ある女性の力強い証を聞きました。パンデミックと,ソルトレーク盆地で起こった地震を通して,自分は思ったほど備えができていないと感じたそうです。わたしが,食糧貯蔵のことなのか,それとも,証のことかと尋ねると,彼女は笑って,「両方です!」と答えました。

この神権時代と未来に臨むための鍵が備えだとしたら,どうすれば最善の備えができるのでしょうか。

数十年にわたって主の預言者は,不測の事態のために食料と水を貯蔵し,貯金するようにと勧めてきました。現在パンデミックを経験して,それが賢明な勧告だったことが改めて分かりました。段階を踏んで物質的な備えをするようお勧めします。しかし,わたしは皆さんの霊的および情緒的な備えによりいっそう関心があります。

この点については,司令官モロナイから多くを学ぶことができます。ニーファイ軍の総司令官として,自分たちより強く,数が多く,しかも非情な敵と対峙していました。そこでモロナイは,3つの重要な方法で民に備えをさせたのです。

第一に,「防御の場所」と呼ぶ安全な場所を作らせ,8 第二に,「主​……​に​忠実​で​ある​よう​に​民​の​心​を」​​備え​させました。9そして第三に,民に,物質的,霊的な備えの手を決して緩めさせなかったのです。10この3つの原則について考えてみましょう。

原則1:防御の場所を作る

モロナイは,ニーファイ人のすべての町を土手ととりでと石垣で守りました。11攻めてきたレーマン人は,「ニーファイ人​が​防御​の​場所​を​備える​に​当たって​知恵​を​働かせた​こと​に​非常​に​驚〔きました。〕」12

同様に,不安が周りで激しく渦巻くとき,わたしたちは自分たちが身体的にも霊的にも安全を確保できる場所を作る必要があります。家庭が御霊のとどまる場所,つまり自分にとって信仰の聖所になるとき,家庭は防御の最前線になります。

同様にシオンのステークは「嵐​……〔から〕の​避け​所」です。13神権の鍵を持って神権の権能を行使する人が導いているからです。自分たちを導く権能を主から与えられている人たちの勧告に従うならば,皆さんはさらに安全を確保できるようになります。

主の宮である神殿は,ほかのどんな場所とも異なる防御の場所です。そこで姉妹の皆さんは神権の力によってエンダウメントを受け,聖なる神権の聖約を交わします。14そこで皆さんの家族は永遠に結び固められます。今年は神殿参入の機会が非常に限られてしまいましたが,それでも,皆さんはエンダウメントを受けているのですから,主と交わした聖約を尊ぶならば常に神の力を受けることができます。

端的に言えば,防御の場所とは,どこであろうと,皆さんが聖霊を感じ,聖霊の導きを受けられる場所のことなのです。15聖霊がともにおられるならば,たとえ世間に広まっている主張に逆行するものであろうと,真理を教えることができます。そして,啓示の受けられる環境で,福音に関する心の底からの疑問について深く考えることができるのです。

愛する姉妹の皆さん,防御の場所となる家庭を作ってください。皆さんに改めてお勧めします。神権の力と神殿の聖約と祝福について,さらによく理解してください。避難できる防御の場所があれば,信仰をもって将来を待ち望むうえで助けとなります。

原則その2:神に忠実になるよう心を備える

わたしたちは,ソルトレーク神殿の耐用年数を延ばし,収容人数を増やすという大きなプロジェクトに取り掛かりました。

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建設中のソルトレーク神殿

そんな大掛かりな工事をする必要があるのかと疑問を抱く人もいました。ところが,今年初めにソルトレーク盆地がマグニチュード5.7の地震に襲われたとき,この歴史的な神殿は大きく揺れ,天使モロナイ像のラッパが落ちてしまいました!16

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天使モロナイと落下したラッパ

ソルトレーク神殿という建物の基礎に自然災害に耐えられるだけの強度がなければならないように,わたしたちの霊的な土台も堅固でなければなりません。堅固であれば,人生が地震で揺さぶられても,信仰があるので「確固​と​して​揺らぐ​こと​なく」17立つことができます。

「研究​に​よって,また​信仰​に​よって​学問​を​求め〔る〕」ことによって信仰を強くするようにと,主は教えておられます。18主の戒めを守り,「いつも​御子​を​覚え〔る〕」努力をすると,イエス・キリストを信じる信仰が強くなります。19さらに,主を信じる信仰を働かせる度に,信仰は強くなります。これが,信仰によって学ぶということです。

例えば,世間でもてはやされる意見と対立するときでさえ,信仰を持って神の律法に従う度に,または,聖約を破る行動を称える娯楽や思想を退ける度に,わたしたちは信仰を働かせています。そうする度に信仰が強くなるのです。

さらに言うと,モルモン書を定期的に熱心に読むこと以上に信仰を築くことのできる方法は,まずありません。イエス・キリストについてこれほど力強く,しかも分かりやすく証している書物はほかにないのです。この書物を書いた預言者たちは,主から霊感を受けて現代を見ており,最もわたしたちのためになる教義と真理を選りすぐっています。モルモン書は,末日を生き抜くためのガイドブックなのです。

もちろん究極の防御は,天の御父とイエス・キリストとともにくびきを負うことです。神を受け入れない生活には恐れが満ち,神とともに歩む生活には平安があります。それは,忠実な人には霊的な祝福が注がれるからです。個人の啓示を受けられることは,その祝福の最たるものです。

求めるならば「啓示​の​上​に​啓示​を」受けると主は約束しておられます。20啓示を受ける能力が高まると主が皆さんの生活にさらに多くの導きと,限りない御霊の賜物を与えてくださるようになることを,わたしは約束します。

原則その3:決して備えの手を緩めない

状況が良くても,司令官モロナイは民に引き続き備えをさせました。やめることは決してありませんでした。これでいいと思うことは決してなかったのです。

敵は攻撃の手を緩めません。ですから,決して備えの手を緩めることはできないのです。物質的,情緒的,霊的に自立すればするほど,サタンからの容赦ない攻撃を防ぐ備えができます。

愛する姉妹の皆さん,皆さんは自分と愛する人のための防御の場所を作る名人です。しかも,皆さんには神から授かった賜物があり,ほかの人に感銘を与えてその人の信仰を育てることができます。21そして,決して手を止めることがありません。皆さんは,そのことを今年もまた示してくれました。

どうか,努力し続けてください。皆さんが油断せずに家庭を守り,愛する者たちの心に信仰を植え付けていけば,その祝福は,何世代にもわたって注がれるでしょう。

愛する姉妹の皆さん,わたしたちには待ち望んでいることがたくさんあります。主がこの時代に皆さんを送られたのは,末日の最後の時期の困難に対処する能力が皆さんにあることを御存じだったからです。皆さんが主の業の壮大さを把握してそれを成し遂げる強い意志を持っていることを,主は御存じでした。

行く手に困難がないと言っているわけではありませんが,備えができていて,主の御手に使われる者としての備えを怠らない人には輝かしい未来が待っていることを,わたしは約束します。

愛する姉妹の皆さん,今のこの時期を,ただ堪え忍ぶのではなく,信仰をもって将来を待ち望もうではありませんか!激動の時代は,霊的に成長するチャンスです。平穏な時代よりもそうした時代に,わたしたちの影響力は人の心を貫きます。

防御の場所を作り,神に忠実になるよう心を備え,備えの手を緩めなければ神が祝福してくださることを,わたしは約束します。主は「わたしたちを救〔い〕,……わたしたちの霊に平安を告げ,わたしたちに大いなる信仰を授け,また主によって解放されるという望みをわたしたちに抱かせてくださ〔いま〕す。」22

信仰をもって将来を待ち望めるよう備えるならば,この約束は必ず成就します!このことを証し,皆さんを愛し,皆さんを信頼していることをお伝えします。イエス・キリストの聖なる御名により,アーメン。