総大会
主に推薦される
2020年10月総大会


主に推薦される

「主に推薦される」者となれるよう,今行動を起こしてください。そうすれば主の御霊が豊かに注がれるでしょう。

兄弟姉妹の皆さん,おはようございます。救い主イエス・キリストの弟子として,わたしは,世界中の皆さんとこの大会に集えることを楽しみにしていました。

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南アフリカ・ダーバン神殿

かつてない年となっている今年,わたしが大管長会から受けた最初の割り当ては,南アフリカのダーバンで主に聖なる神殿を奉献することでした。わたしはその建物の壮麗さを決して忘れません。それにも増して,この神聖な建物に入るべく準備を重ねた人々の高潔さは記憶に残るものでした。彼らは回復に伴う最高の祝福の一つを得るため,すなわち,主の宮の奉献に参加する備えをしてやって来ました。彼らの心は主と主の贖罪への愛に満ちていました。昇栄に至る神聖な儀式を与えてくださったことを御父に感謝する気持ちに満たされていました。彼らはふさわしさを備えてやって来ました。

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南アフリカ・ダーバン神殿と会員

すべての神殿は世の道より高くそびえ立っています。全世界で168を数える末日聖徒の神殿は,永遠の命を信じる信仰の証,また家族や御父と永遠にともに過ごす喜びの証として立っています。神殿に参入することで,神会と永遠の福音についての理解が深まり,真理に従って生活して真理を教える決意を強め,主なる救い主イエス・キリストの模範に従う意欲を高めることができます。

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聖きを主にささぐ

教会のすべての神殿の外壁に,「聖きを主にささぐ」という,神殿にふさわしい言葉があります。神殿は主の宮であり,世からの避け所です。主の御霊はその神聖な壁の内側で礼拝する人々を包み込みます。主は,わたしたちが主に招かれた者として参入する標準を定めておられます。

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ブレイン・トウィッチェル

わたしは,自分がこれまで知っている最も立派な男性の一人である義理の父,ブレイン・トウィッチェルからすばらしい教訓を学びました。義父が死すべき旅の終わりに近づいたとき,ラズバンド姉妹とわたしは彼を訪ねに行きました。部屋に入ると,ちょうど彼のビショップが帰るところでした。ビショップにあいさつし,わたしはこう思いました。「何とすばらしいビショップだ。ワードの忠実な会員にミニスタリングを行っている」と。

わたしは義父に言いました。「ビショップが来てくださってよかったですね。」

彼はわたしを見てこう答えました。「それをはるかに超えているよ。ビショップに来てもらったのは,神殿推薦状の面接を受けたかったからだ。わたしは主に推薦されて行きたいのだよ。」果たして,そのようになりました。

「主に推薦されて」というその言葉を忘れることができません。教会指導者から定期的に受ける面接への見方が大きく変わりました。神殿推薦状は非常に大切であるため,初期の教会では,1891年まで,それぞれの神殿推薦状に教会の大管長が署名をしました。1

青少年に対しても成人に対しても,神殿推薦状の面接は,すべきこととしてはならないことの確認の時間ではありません。推薦状は,チェックリストやホール・パス〔訳注:授業中に廊下に出てもいいという許可証〕,あるいは特別席のチケットではありません。それは,はるかに気高く,聖なる目的があります。神殿推薦状の栄誉にあずかるためには,末日聖徒イエス・キリスト教会の教えに調和した生活をしなければなりません。

面接では,イエス・キリストと主の贖罪を信じる自分の信仰について自らを省みる機会があります。回復された福音についての証,主の教会を導くよう主から召された人々を進んで支持する気持ち,福音の教義を信じる信仰,家族の責任を果たす気持ち,正直や貞潔,忠実,従順という特質,知恵の言葉と什分の一の律法の遵守,安息日を聖く守ること,これらのことを表明する祝福にあずかるのです。これらは,イエス・キリストとその業にささげる生涯の基本原則です。

神殿推薦状は,主の律法に従って生活し,主が愛されるものを愛するように努めているという,深い霊的な意志を反映するものです。主は,謙遜,柔和,堅固さ,慈愛,勇気,思いやり,赦し,従順を大切にされています。そして,その神聖な書類に自分の名前を署名するときに,皆さんはそれらの標準を守る決意をするのです。

神殿推薦状は,永遠に価値のある儀式を受ける皆さんとほかの人々に天の門を開きます。その儀式とは,バプテスマやエンダウメント,結婚,結び固めなどです。

「主に推薦される」とは,聖約を守る末日聖徒として何が期待されているかを思い起こすことです。義理の父ブレインはそれを,へりくだって主の前に立つ日のためのかけがえのない準備だと考えたのです。

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燃えるしば

モーセがホレブ山に登って,主なるエホバが燃えるしばの中で御姿を現されたときのことをよく考えてみてください。神は言われました。「足からくつを脱ぎなさい。あなたが立っているその場所は聖なる地だからである。」2

神殿の入り口で靴を脱ぐことは,わたしたちを霊的な成長からそらす世俗的な欲望や楽しみから離れ,貴重な現世の生涯を無駄に使わせようとする事柄を避け,争いを好む行動を克服し,聖くなるための時間を求めることです。

神の計画により,神によって創造され,霊の宿る神殿となった人の肉体は,敬虔な気持ちで扱うべきです。「わたしの体は神殿,だから大切にします」という初等協会の歌は真実です。3主はニーファイ人に御姿を現されたときに,「聖霊を受けて聖められ,終わりの日にわたしの前に染みのない状態で立てる」ようにと命じられました。4「あなたがたはどのような人物であるべきか」と問いかけ,次いで,「わたしのようでなければならない」と言われました。5「主に推薦される」ために,わたしたちは,主に似た者となるように努めます。

わたしは,ハワード・W・ハンター大管長の,第14代大管長として最初の総大会の説教を聞いたことを覚えています。「わたしの心からの願いは,すべての教会員が神殿に参入するふさわしさを身につけることです。すべての成人会員が有効な神殿推薦状を受けるにふさわしくあり,しかもそれを所持するなら,主は喜ばれることでしょう。」6限定推薦状はわたしたちの大切な青少年に明確な道を示す,ということも付け加えておきます。

ラッセル・M・ネルソン大管長はハンター大管長の言葉に関連してこう述べています。「1994年6月6日のその日,わたしたちが携える神殿推薦状は,わたしの財布の中で以前とは違うものになりました。それ以前,推薦状は目的を達成する手段でした。主の神聖な宮に参入できるようにする手段でした。しかし,ハンター大管長がその言葉を宣言した後,それ自体が目的となったのです。推薦状は,神の預言者への従順を示すバッジとなったのです。」7

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ノーブー神殿

あなたがまだ推薦状を受け取っていなければ,あるいは推薦状が失効していれば,1846年に初期の聖徒たちがノーブー神殿の入り口に並んだように,ビショップの部屋の入り口に並んでください。8わたしの先祖もその忠実な人たちの中にいました。彼らは自らが建てた美しい町を去って,西へ向かいました。神殿で神聖な経験が待ち受けていることを彼らは知っていました。サラ・リッチは,アイオワでの過酷な道中でこう書いています。「信仰と,あの神殿で授けられた知識がなかったならば,わたしたちの旅は,暗闇の中に飛び込む……ようなものだったことでしょう。」9わたしたちも神殿で約束される霊感と平安なく生きるなら,それは暗闇に飛び込むことと同じなのです。

「主に推薦される」者となれるよう,今行動を起こしてください。そうすれば主の御霊が豊かに注がれ,主の標準によって「良心の安らぎ」を得るでしょう。10

青少年の指導者や長老定員会会長,扶助協会会長,ミニスタリングブラザーやミニスタリングシスターがあなたの備えを助け,またビショップや支部会長が愛をもって導いてくれるでしょう。

最近,神殿が閉館したり使用が限定されたりしています。ネルソン大管長や,大管長の傍らで奉仕するわたしたちにとって,神殿を閉じるという霊感に基づく決断を下すことは,「つらく」「悩み苦しむ」ことでした。ネルソン大管長は自らこう問いかけています。「わたしは預言者ジョセフ・スミスに何と言えばよいだろうか。ブリガム・ヤング,ウィルフォード・ウッドラフ,またトーマス・S・モンソン大管長に至るまでのそのほかの大管長に何と言えばよいだろうか。」11

今,限定的ですが,神殿が再開し,結び固めとエンダウメントを少しずつ行えるようになっていることをうれしく思います。

しかし,神殿に参入するのにふさわしくあることは,中断されてはいません。神殿に参入する機会のあるなしにかかわらず,聖約の道にしっかりととどまるために,有効な神殿推薦状が必要であることを強調させてください。

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ニュージーランドの人々

昨年末,ラズバンド姉妹とわたしは,ニュージーランドでの割り当てを受けて,大勢のヤングシングルアダルトに話をしました。彼らが神殿に参入するのは容易ではありませんでした。ハミルトン神殿は改修中であり,オークランドの神殿は鍬入れ式を待っているところでした。しかしわたしは,神殿推薦状を取得し,また更新するよう彼らを励ますべきだと感じました。

推薦状があれば,神殿で提示できなくても,主の前で自分が清く,主に仕える準備ができていることを示すことになるのです。有効な神殿推薦状にふさわしくあり,主に従って生きるという固い約束をすることによりサタンから守られ,御霊を伴侶とするという約束を頂くことができるのです。

わたしたちは自分の先祖を調べ,その名前を儀式のために提出して,神殿活動を行います。神殿が閉じられている間も,引き続き家族歴史を探求することができています。神の御霊を心に留め,わたしたちは,先祖が「主に推薦される」者となるように代理を務めます。

わたしは神殿部の管理ディレクターを務めていたときに,ゴードン・B・ヒンクレー大管長が次の聖句に言及するのを聞きました。これはノーブー神殿について主が述べられたものです。「わたしの神殿の仕事と,わたしがあなたがたに定めたすべての仕事を継続して行い,中止しないようにしなさい。あなたがたの熱心さ,あなたがたの根気強さと忍耐,またあなたがたの働きを倍加しなさい。そうすれば,あなたがたは決してその報いを失うことはない,と万軍の主は言う。」12

神殿におけるわたしたちの働きは,永遠の報いをもたらします。最近,わたしたちはそれを試されてきました。主は「熱心さ,……根気強さと忍耐」をもって神殿で働くよう呼びかけておられます。13「主に推薦される」者となるには,これらの特質が必要です。わたしたちは,熱心に戒めに従って生活し,根気強く神殿の聖約に注意を払い,主が聖約について教え続けてくださることに感謝し,そして神殿が完全に再開されるのを忍耐強く待たなければなりません。

主は,努力を「倍加」するよう呼びかけることで,わたしたちがさらに義にかなった者となるよう求めておられます。例えば,わたしたちは,聖文研究や家族歴史の探求,信仰の祈りを充実させると,神殿推薦状を受ける準備をしている人たち,特に自分の家族に,主の宮に対する自分の愛を伝えることができます。

わたしは主イエス・キリストの使徒として約束します。皆さんが義にかなった努力を倍加するように努めるときに,父なる神とイエス・キリストへの献身において自分が更新されたと感じ,聖霊の導きを豊かに感じ,神聖な聖約を感謝し,そして自分が「主に推薦される」者であることを知って平安を感じることでしょう。イエス・キリストの御名により,アーメン。