2010–2019
救助に向かう―わたしたちはできます
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救助に向かう―わたしたちはできます

主は,あまり活発でない会員や会員でない友人の救助に向かうために,わたしたちが必要な全ての手段を用意してくださっています。

救い主は,天の御父の子供たちを救助するという御自身の使命をはっきりと理解しておられます。次のように宣言しておられるからです。

「人の子は,滅びる者を救うためにきたのである。……

〔なぜなら〕これらの小さい者のひとりが滅びることは,天にいますあなたがたの父のみこころではない〔からである。〕1

わたしの愛する母,ジャスミン・ベニオン・アーノルドは,自分の子供たちや孫たちを含め,傷ついたり迷ったりしている天の御父の羊の救助に携わるという自分の役割をはっきりと理解していました。孫たちの生活の中で,祖父母はすばらしい役割を果たすことができます。

母はたいてい,姉妹たちの中でも信仰上の問題で苦しんでいる人や,あまり活発でない家族のことやパートメンバーのために悩んでいる人たちを家庭訪問する割り当てを受けていましたが,母の羊の群れには,訪問する割り当てを受けてはいない姉妹も何人か含まれていました。ほとんどの場合,母の訪問は月に一度きりではなく,静かに耳を傾け,病人をそっと見舞ったり,愛にあふれた励ましを与えたりしていました。母は生涯の最後の数か月は外出できなかったので,何時間もかけて姉妹たちに手紙を書いたり,愛を伝えたり,証を述べたり,見舞いに来てくれた人々の心を鼓舞したりしました。

わたしたちが救助に向かうとき,神はわたしたちに力と励ましと祝福を与えてくださいます。わたしたちの多くが恐れているように,イスラエルの子らを救助するよう神に命じられたモーセも恐れました。モーセは次のような言い訳をしました。「わたしは……言葉の人ではありません。わたしは口も重く,舌も重いのです。」2

主はモーセを励まして言われました。

「だれが人に口を授けたのか。……主なるわたしではないか。

それゆえ行きなさい。わたしはあなたの口と共にあって,あなたの言うべきことを教えるであろう。」3

つまり,主はモーセに次のようにおっしゃったのです。「あなたはできます!」ですから,わたしたちもできるのです!

わたしたちの救助活動に役立つ4つの原則を紹介しましょう。

原則1―救助に向かうのを先延ばしにしてはならない

かつて地域七十人であったアレハンドロ・パタニア長老は,ダニエルという弟の話をしています。ダニエルは他の乗組員とともに漁に出ました。しばらくすると,ダニエルは大嵐が急速に近づいているという緊急警報を受信しました。すぐに,ダニエルと他の乗組員は港に向かいました。

嵐がひどくなったとき,近くにいた漁船のエンジンが故障しました。ダニエルの船の乗組員は動けなくなった漁船に太綱をかけ,安全な場所までけん引しようとしました。そして無線で助けを求めました。嵐がますます強まる中,緊急に援助が必要だということが分かっていたからです。

家族が心配して待つ中,沿岸警備隊,漁協,海軍の代表者たちが,最善の救助方法を模索するために集まりました。すぐに助けに行こうと言う人々もいましたが,計画ができるまで待つように言われました。漁師たちが荒れ狂う海で助けを願い続ける間,この代表者たちは適切な手順や計画に意見を統一しようと会議を続けました。

ようやく救助隊が組織されたとき,最後となる必死の救助要請が届きました。荒れ狂う嵐で2隻をつないだ太綱を引きちぎられたので,ダニエルと乗組員は戻って,仲間の漁師を救えるかどうかを試してみるという知らせでした。結局,両方の船が沈没し,パタニア長老の弟ダニエルを含む乗組員は全員亡くなってしまったのです。

パタニア長老はこの悲劇を,次のような主の訓戒になぞらえました。「あなたがたは弱った者を強くせず,……迷い出た者を引き返らせず,うせた者を尋ね〔ない〕。……わたしは……わたしの羊を〔あなたがた〕の手に求め〔る〕。」4

パタニア長老はこう説明しています。わたしたちは評議会や,定員会,補助組織,そして個人でも,計画的に物事を行わなければなりませんが,救助に向かうのを先延ばしにしてはならないのです。特別な助けを必要としている家族や個人を支援する方法について話し合っている間に何週間もたってしまうことがあります。誰が訪問するか,どのような方法を取るかについて慎重に検討します。その間,わたしたちの迷える兄弟姉妹は助けを必要とし続け,時には助けを叫び求め,懇願し続けているのです。先延ばしにしてはなりません。

原則2―決して諦めてはいけない

救助に向かうよう高らかに呼びかけたトーマス・S・モンソン大管長は次のように言っています。「見込みがないとみなされてきたあまり活発でない会員に関して言えば,遅すぎるということは決してないことを会員には思い出してもらう必要があります。」5

皆さんの多くもそうでしょうが,わたしが福音を紹介した人々の中にはすぐにバプテスマを受けたり,活発になったりする人もいますが,他の人々,例えば,教会員ではない友人のティムと,あまり活発でない会員である妻のシャーリーンのように,はるかに時間がかかる人もいます。

25年以上にわたり,わたしはティムと福音について話し,ティムとシャーリーンを何度も神殿のオープンハウスに連れて行きました。他の人々もこの救助に参加しましたが,ティムは宣教師と会うことをことごとく断りました。

ある週末,わたしはステーク大会を管理する割り当てを受けました。わたしはステーク会長に,誰を訪問すべきか断食して祈るように頼んでおきました。会長から友人のティムの名前を手渡されたとき,わたしは驚きました。ティムのビショップとステーク会長と一緒にドアをノックすると,ティムはドアを開け,わたしを見て,ビショップの方を向いてからこう言いました。「ビショップ,誰か特別な人を連れて来ると言っていませんでしたか!」

それからティムは笑いながら言いました。「入りなよ,マービン。」その日,奇跡が起こりました。今ではティムはバプテスマを受け,シャーリーンと神殿で結び固められています。決して諦めてはいけないのです。

原則3―一人でもキリストのもとに導くならば,あなたがたの喜びはいかに大きいことか

何年も前の総大会で,わたしは,ホセ・デ・ソーザ・マルケスがどのように救い主の次の言葉を理解したかについて話しました。「あなたがたの中で御霊において強い者がいれば,その人は弱い者を伴って行きなさい。それは,……彼らも強くなるためである。」6

マルケス兄弟は自分の祭司定員会に所属する全ての羊の名前を知っており,フェルナンドが集会に来ていないことに気づきました。マルケス兄弟はフェルナンドを捜しに彼の家に行き,それから友人の家に捜しに行き,さらには海岸にまで行きました。

ようやくフェルナンドが海でサーフィンをしているのを見つけると,ダニエルの話のように,船が沈んでしまうまで待ちはしませんでした。彼は失われた羊を救助するためにすぐに水の中に入り,喜んで連れ戻したのです。7

それからマルケス兄弟は,フェルナンドが二度と再び群れを離れることがないように,確実に仕え,教え,導き続けたのです。8

それでは,フェルナンドの救助の後日談を紹介し,たった一匹の失われた羊を救助したことからもたらされる喜びについてお話ししたいと思います。フェルナンドは恋人のマリアと神殿で結婚しました。今や彼らには5人の子供と13人の孫がいて,全員が教会に活発に集っています。その他の親戚や家族の多くも教会に加わりました。彼らは神殿の儀式のために合わせて数千人分の祖先の名前を提出してきました。そして,祝福は今もとどまることを知りません。

フェルナンドは現在,3度目のビショップを務めており,自分が救助されたのと同様に,他の人々を救助し続けています。最近,次のように述べました。「わたしたちのワードには,アロン神権を持つ32人の活発な若い男性がいます。そのうちの21人は,ここ18か月で救助された若者です。」個人として,家族として,定員会として,補助組織として,クラスとして,ホームティーチャーや訪問教師として,わたしたちはできます!

原則4―年齢を問わず,わたしたちは全員,救助に向かうよう召されている

ヘンリー・B・アイリング管長は次のように宣言しています。「年齢や能力,教会での召し,または住んでいる場所に関係なく,わたしたちは主の再臨前の人の刈り入れの業に,皆等しく召されているのです。」9

日がたつにつれ,子供,青少年,ヤングシングルアダルト,成人会員などあらゆる年齢の,ますます多くの皆さんが,救助に向かうようにという救い主の高らかな呼びかけに従っています。皆さんの努力に感謝します。幾つかの例を挙げさせてください。

7歳のエイミーは,年に1度行われる初等協会の聖餐会での子供の発表に,友人のアリアナとその家族を招きました。数か月後,アリアナと家族はバプテスマを受けました。

ヤングシングルアダルトのアランは,ソーシャルメディアを使って教会のビデオやモルモンメッセージ,そして聖句を友人全員に分かち合うよう促しを感じました。

リーブズ姉妹は販売のために電話をかけて来た人に福音を分かち合い始めました。

ジェームズは,娘のバプテスマ会に教会員ではない友人のシェーンを招きました。

スペンサーは,あまり活発でない妹にラッセル・M・ネルソン会長の大会説教のリンクを送りました。そしてこう報告しています。「妹はそのお話を読んでくれました。心の窓が開いたのです。」

主は,あまり活発でない会員や会員でない友人の救助に向かうために,わたしたちが必要な手段を全て用意してくださっています。わたしたちはできます!

わたしは全ての皆さんに,救助に向かうようにという救い主の呼びかけに従うようお勧めします。わたしたちはできます!

わたしは厳粛に証します。イエスは良い羊飼いであり,わたしたちを愛しておられ,わたしたちが救助に向かうときに祝福してくださることを知っています。主が生きておられることを知っています。はっきりと知っています。イエス・キリストの御名により,アーメン。

  1. マタイ18:11,14,強調付加

  2. 出エジプト4:10

  3. 出エジプト4:11-12

  4. エゼキエル34:4,10

  5. トーマス・S・モンソン,October 2015 General Authority Leadership Meeting,許可を得て掲載

  6. 教義と聖約84:106

  7. ルカ15:5参照

  8. マービン・B・アーノルド「兄弟たちを強めなさい」『リアホナ』2004年5月号,46-47参照

  9. ヘンリー・B・アイリング「わたしたちは一つです」『リアホナ』 2013年5月号,62