永遠の家族
    脚注

    永遠の家族

    神権の義務により,わたしたちは自分の家族と周囲の家族のことを最も気に掛けているのです。

    今晩,末日聖徒イエス・キリスト教会の中央神権部会で皆さんとともに過ごすことができ,うれしく思います。今は教会歴史の中で大いなる時です。182年前の1834年,オハイオ州カートランドで,全ての神権者がおよそ4メートル四方の丸太造りの塾に集められました。その集会で預言者ジョセフ・スミスはこう述べたと記されています。「皆さんはこの教会と王国の行く末について,母親の膝にいる幼子ほどしか知っていません。皆さんはまだ理解していません。……今夜ここで皆さんが見ているのは,わずか一握りの神権者だけですが,この教会は南北アメリカを満たし,世界を満たすでしょう。」1

    110以上の国にいる何百万もの神権者が,今この部会に集っています。おそらく預言者ジョセフが予見したのは,この時代と,まだ先にある輝かしい未来だったのでしょう。

    今夜わたしはその未来について,また,天の御父が用意された幸福の計画に加わるための必須事項について描写したいと考えています。生まれる前,わたしたちは昇栄された永遠の天の御父と家族として住んでいました。御父はわたしたちが御自身に似た者となれるよう,計画を作られました。それは御父の愛の証でした。その計画の目的は,わたしたちに天の御父のように永遠に生きる特権を与えることでした。この福音の計画は,試しを受けるためのこの世の人生を与えてくれました。イエス・キリストの贖罪を通して,福音の律法と神権の儀式に従うなら,御父の最大の賜物である永遠の命を受けるという約束が与えられました。

    永遠の命とは,永遠の御父である神が持っておられる命です。神は「人の不死不滅と永遠の命をもたらすこと」が御自分の目的であると言われました(モーセ1:39)。ですから神権者一人一人の目的は,人々が永遠の命を得られるように助ける業を助けることなのです。

    神権の業,神権の儀式はどれも,イエス・キリストの贖罪を通して,天の御父の子供たちが変化を体験し,完全な家族の一員になることを意図しています。それゆえに,「各自の最も大切な業は,福音を信じ,戒めを守り,永遠の家族を築き,家族を完全にし」2,またそうできるように人を助けることなのです。

    それが真実なので,わたしたちは日の栄えの結婚を最大の目的として全てを行います。神殿で永遠の伴侶との結び固めを受けるために努力すること然り,夫婦と子供たちが,この世から永遠にわたって結ばれるために必要な聖約を交わして守るように,人々を励ますこと然りです。

    老いも若きも,大祭司も執事も,父親も息子も,皆にとってなぜこのことがそれほど大切なのでしょうか。それは神権の義務により,自分の家族と周囲の家族のことを最も気に掛けているからなのです。重要な決定は全て,家族が天の御父とイエス・キリストとともに住む資格を得られるかどうかが基準になります。神権の業の中で,これ以上に大切な事柄はありません。

    家族の一員であり,また,定員会の一員である執事にとって,これは何を意味するのでしょう。

    彼の家では,家族の祈りや家庭の夕べをしているかもしれませんし,していないかもしれません。父親が義務を感じて,祈りや聖典勉強のために家族を呼び集めるときに,この執事はすぐに笑顔で参加することができます。きょうだいたちを励まし,参加したときには彼らを褒めることができます。学校が始まったときや,必要なときに,父親に祝福を求めることができます。

    父親はあまり熱心でないかもしれません。しかし,彼が心から望むなら,彼自身の信仰により,周囲の人に天の力をもたらすことができるのです。彼らは,その執事が心から願う生き方を求めるようになります。

    教師は,ホームティーチングの割り当てを,主を通して家族の生き方を改善する助けの機会だと考えることができます。主は教義と聖約の中で次のように言われました。

    「教師​の​義務​は,常に​教会員​を​​見守り,彼ら​と​ともに​いて​彼ら​を​強める​こと​で​あり,

    教会​の​中​に​罪悪​が​ない​よう​に,互いに​​かたくな​に​なる​こと​の​ない​よう​に,偽り,陰口,​悪口​の​ない​よう​に​取り計らう​こと​で​あり,」(教義と聖約20:53-54

    同様に,祭司は次の義務を与えられています。

    「祭司​の​義務​は,説き,​教え,説き明かし,勧め,バプテスマ​を​施し,聖餐​を​執行​する​こと​で​あり,

    また​各​会員​の​家​を​訪れて,彼ら​が​​声​に​出して​​祈り,ひそか​に​も​祈る​よう​に,また​​家庭​に​おける​すべて​の​義務​を​果たす​よう​に​勧める​こと​で​ある。」(教義と聖約20:46-47

    わたしが教師や祭司のときにそうだったように,君たちもこのチャレンジに一体どう応えたらよいのか知りたいでしょう。ある家族を怒らせることも批判することもなく,永遠の命に向かうように励ますことなどわたしの力では無理でした。わたしは,人の心を変えることができるのは聖霊だけであることを学びました。家族の完璧な一員であられる救い主について証するときに,最もよく聖霊の助けを受けます。主に対する愛を中心に置くときに,訪問する家庭の調和と平安が増します。聖霊がともにその家族に仕えてくださるのです。

    若い神権者は,祈りや話し方,適切な励ましにより,家族一人一人の思いと心に,救い主の影響力と模範を,もたらすことができます。

    ある賢明な神権指導者はそのことを理解していました。彼はわたしの息子に,あるホームティーチングを任せました。彼はこう言いました。「あの家族はわたしが勧告をしても聞かないでしょうが,若い神権者のシンプルな教えと証なら心に響くかもしれません。」

    若い長老は,永遠の家族を築く助けとして何ができるでしょうか。彼はもうすぐ伝道に出るかもしれません。彼は,家族を見つけ,教え,バプテスマを施せるように,心から祈ることができます。わたしは今でも,ある若い父親が,美しい妻と二人の愛らしい娘たちとともに,わたしと同僚の隣に座ったときのことを覚えています。聖霊が来られて,イエス・キリストの福音が回復されたことを証してくださいました。彼らには「聖餐会で見た幼児の祝福を,わたしたちの幼い娘たちに施してくださいますか」とわたしたちに尋ねるほどの信仰がありました。彼らは子供たちに祝福を望みましたが,より高い祝福は聖約を交わした後で神殿の中でだけ与えられるということを,まだ理解していませんでした。

    永遠の家族の約束を受けていないあの夫婦と,今は大きくなった幼い娘たちのことを考えると,今も胸が痛みます。その両親は,娘たちが得られる祝福をうすうす感じていたはずです。どこかで,何らかの方法で,永遠の家族となる機会が彼らにもたらされるように願っています。

    伝道に行く他の長老たちは,わたしの息子マシューのように良い経験をするでしょう。息子と同僚は,11人の子供がいる,夫に先立たれ,質素な環境で生活していた女性と出会いました。皆さんと同じように息子も,彼らが永遠の家族となることを望みました。当時の息子には,それはほとんど不可能に思えました。

    息子が彼女にバプテスマを施して何年も後にその街を訪れたわたしは,彼女からぜひ家族に教会で会ってほしいと言われました。子供たちのほとんどが近隣の幾つかの教会堂から大勢の孫を連れて来るというのです。一人の息子はビショップリックで奉仕していましたし,子供たちの多くは,神殿の聖約を受け,彼女は永遠の家族として結び固められていました。彼女に別れを告げたとき,彼女はわたしの腰に腕を回して言いました。(彼女はわたしの腰にやっと腕が届くほど小柄でした。)「わたしが死ぬ前にチリに戻って来なさいって,マシューに言ってくださいね。」忠実な長老たちのおかげで,彼女は神の最も大いなる賜物を頂くという期待に胸を膨らませていたのです。

    伝道から戻った長老には,自分と愛する人の永遠の命を求めるという義務がありますが,それを果たすために,行うべきことが幾つかあります。この世と永遠において,結婚ほど重要な義務はありません。伝道を終えたらすぐに結婚を優先するという賢明な勧告を聞いたことがあるでしょう。忠実な神権者はこのことを賢く行います。

    結婚とは自分の子供たちの親と,子供たちが受け継ぐ伝統を選ぶことに他ならないのです。真剣に自分の想いを確認しながら,祈りの気持ちで深く考えます。理想の家族像を共有し,主が定められた結婚の目的を確信していること,また,子供たちの幸福を喜んで託すことのできる女性であることを確認します。

    N・エルドン・タナー管長はこう勧告しました。「あなたが誰よりも敬うべき親は,将来のあなたの子供たちの親です。この子供たちは,最高の親,すなわち清い親を得る権利を持っています。」3清さはあなた自身と子供たちにとって守りとなります。その祝福を与えるのは,あなたの義務です。

    さて,夫や父親である兄弟たちも,今夜話を聞いてくださっているはずです。皆さんには何ができるでしょうか。いつか日の栄えの王国に住むために生活を改善したいという願望が強くなっていることを願っています。妻と協力して,家族みんながその日を楽しみにすることができるように,一人一人の心に働きかけてください。家族とともに聖餐会に出席してください。家族会議を開いて,そこに聖霊を招くようにしてください。家族みんなで祈ってください。そして,自分自身を備えて,家族を神殿に連れて行ってください。家族とともに,永遠の家族へと続く道を前進してください。

    天の御父があなたを大切にしてこられたように,妻と子供を大切にしてください。家族を導くときに,救い主の模範と教えに従って,主の方法で導いてください。

    「いかなる​力​も​影響​力​も,神権​に​よって​維持​する​こと​は​できない,あるいは​維持​す​べき​で​は​ない。ただ,​説得​に​より,​寛容​に​より,温厚​と​柔和​に​より,また​偽り​の​ない​愛​に​より,

    優しさ​と​純粋​な​知識​に​よる。これら​は,​偽善​も​なく,偽り​も​なし​に,心​を​大いに​広げる​もの​で​ある。

    聖霊​に​感じた​とき​は,その​とき​に​厳しく​​責め​なさい。そして​その後,あなた​の​責めた​人​が​あなた​を​敵視​しない​ため​に,その​人​に​いっそう​の​​愛​を​示し​なさい。」(教義と聖約121:41-43

    主は,神権を持つ父親にどのような夫になるべきか教えられました。「あなた​は​心​を​尽くして​妻​を​​愛し,妻​と​​結び​合わなければ​ならない。その他​の​もの​と​結び​合って​は​ならない。」(教義と聖約42:22)主は夫と妻に次の戒めを与えられました。「あなた​は​​……​姦淫​を​して​は​ならない。……これ​に​類する​こと​を​して​は​ならない。」(教義と聖約59:6

    青少年のために,主は標準を与えられました。「子たる者よ。何事についても両親に従いなさい。これが主に喜ばれることである。」(コロサイ3:20)「あなたの父と母を敬え。」(出エジプト20:12)

    主は家族全員に対して,互いに愛し合い,互いに支え合うようにと勧告しておられます。

    「〔家族〕一人一人が完全な生活を送れるように助け,弱い者を力づけ,道をそれた愛する者を取り戻し,霊的な強さを取り戻すの見て喜び」4なさいと,主はわたしたちに求めておられます。

    主はまた,亡くなった親族が永遠の家族の一員となれるように,できる全てを行うよう求めておられます。

    人々が先祖を探求してその名前を神殿に持って行くように熱心に助けている大祭司グループリーダーは,亡くなった人々の救助をしています。そのような大祭司たちや,儀式に携わった人たちは,次の世で感謝されるでしょう。彼らは霊界で待っている家族のことを忘れていないからです。

    預言者たちは言っています。「あなたが行う最も大切な主の業は,あなた自身の家庭という囲いの中にあるのです。ホームティーチング,ビショップリックの責任,そのほかの義務はどれも大切ですが,もっとも大切な業は,あなたの家庭の中にあります。」5

    家にいるときや神権の奉仕をしているときに,最も価値あることは,自分と愛する人たちが永遠の命を得る助けとなる小さな行為なのです。この世では小さく見えるそれらの行為は,永遠において尽きることのない祝福をもたらします。

    御父の子供たちが天の故郷に帰れるように助けるというこの働きを忠実に果たすとき,皆が心から願っている次の言葉を受けるにふさわしい者となることでしょう。「良い忠実な僕よ,よくやった。あなたはわずかなものに忠実であったから,多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。」(マタイ25:21)

    「多くのもの」の中には,子孫が永遠に続くという約束も含まれています。わたしたち皆が,御父とその愛する御子イエス・キリストが待っておられるその家で,その無上の祝福を受けるにふさわしい者となり,他の人もふさわしくなれるよう助けることができますように。イエス・キリストの聖なる御名により,アーメン。

    1. 『歴代大管長の教え―ジョセフ・スミス』137

    2. ブルース・R・マッコンキー,Conference Report,1970年4月,26

    3. N・エルドン・タナー,Church News,1969年4月19日付,2

    4. ブルース・R・マッコンキー,Conference Report,1970年4月,27

    5. ハロルド・B・リー,Decisions for Successful Living(1973年),248-249