2010–2019
動かされないようにしなさい
脚注
テーマ

動かされないようにしなさい

確固として,揺らぐことなく,「真理と義を守〔り〕」,証人として立ちましょう。世の規範となりましょう。聖なる場所に立ちましょう。

今夜,預言者,聖見者,啓示者,そして神の王国の娘たちを前にこの説教壇に立つときに,わたしは聖なる場所に立っています。今,地上において若い女性でいられるこの瞬間はすばらしいときです。皆さんは天の御父の選ばれた娘たちです。わたしは皆さんが自分は何者であるか,そして天の御父にどれほど愛されているかに気づいてほしいと思います。主は皆さん一人一人を愛しておられ,わたしも皆さんを愛しています。

わたしの執務室の机の上には,クリスティーナという若い女性のレプリカのブロンズ像が置いてあります。元になった等身大のクリスティーナの像は,デンマークのコペンハーゲンの埠頭で海の向こうのシオンを望むようにして立っています。クリスティーナにとって教会に入り,家を出るという決意は簡単なものではありませんでした。彼女に反対する風が激しく吹き荒れる様子は想像に難くないことでしょう。しかしクリスティーナは確固として立ち,困難ではあっても自分が正しいと信じたことを行いました。彼女がその日下した決断が,幾世代にもわたって大きな意味をもたらしたことを子孫が感謝して,クリスティーナを記念するためにその埠頭に像を立てたのです。

わたしには,クリスティーナの像が皆さん一人一人に見えます。クリスティーナのように,皆さんは多くの大切な決定を抱えて,ぎりぎりのところに立って日々選択をしています。選択の中には皆さんの未来だけではなく,何世代もの人々の行く末をも左右する難しいものもあります。皆さんも,教えに反すること,困難,友人からの圧力,道徳的な汚れなどの猛烈な風に直面しているのです。でも皆さんはこの世の荒れ狂う嵐に直面しながらも,動かされることなくしっかりと立ち,福音に生きています。クリスティーナのように皆さんは聖霊に導かれ,正しい選択をしています。皆さんは忠実な,神の王国の娘なのです。

「聖なる場所に立ち,動かされないようにしなさい」1という,愛ある天の御父から皆さん一人一人への勧告以上に大切な勧めを思いつきません。天の御父は,確固として,揺らぐことなく,2「真理と義を守〔り〕」,3証人として立つ4ように言っておられます。世の規範となりましょう。聖なる場所に立ちましょう。皆さんへのわたしのメッセージはシンプルです。「動かされないようにしなさい。」

第1に,正義を選ぶときに動かされないようにしてください。この末日にあって,小さな決断というものはありません。今,皆さんがしている選択は非常に重要なのです。選択の自由,または選ぶ能力は,神の子供たちへの最も偉大な贈り物の一つです。それは皆さんやわたしが前世で選び,擁護した幸福の計画の一部を成しています。聖霊に耳を傾け,その声を聞くことのできるような生活をすれば,正しい選択ができるように聖霊は皆さんを助けてくださるでしょう。実際に聖霊は「あなたがたがなすべきことをすべて」告げてくださるでしょう。5

数週間前,わたしは久しぶりに自分の出身高校に行きました。その講堂で開かれたステーク大会を訪問したのです。廊下を歩いていると,思い出が洪水のようにわたしに押し寄せてきました。若い女性として学校に通っていたときに感じた気持ちがそのままよみがえってきました。わたしは不安で,自分に自信が持てず,自意識過剰だったので,何とか溶け込もうとしていました。講堂に入ると,再び思い出が洪水のように押し寄せました。わたしは講堂の隅から隅までよく知っていました。ただ一つ変わったものがありました。それは自分でした。

その日,わたしは高校の生徒会役員として何度も立った同じステージに立つ機会がありました。聴衆の中には昔のクラスメートも何人かいましたし,デートした相手もいました。でも今回は,集会を司会するのではなく,高校の講堂で,救い主イエス・キリストについての証人として立ち6,証を述べる特権にあずかりました。

若い女性の皆さん,今から40年たっても恥ずかしい思いをしなくて済む友人関係を築いてください。友達から圧力をかけられても,受け入れられなくても,人気者になれなくても,妥協するだけの価値はありません。皆さんの与える影響は,若い男性が神権の力を保ち,神殿の聖約や,伝道に出るのにふさわしくなる助けとなるでしょう。そしてもしかすると,今から40年後,高校の講堂でだれかがあなたのところにやって来て感謝するかもしれません。あなたのおかげで,栄えある伝道に出るふさわしさを保つことができ,神権の義務を果たすことができました,と。ひょっとすると皆さんはこれらの若い男性の妻から感謝の手紙を受け取るかもしれません。はるか昔,高校時代にあなたが彼とその将来の家族に及ぼした影響に感謝します,と。皆さんの選択にかかっています。皆さんが今,選ぶことは,皆さんに影響を与えるだけでなく,周りの人々にも影響を与えるのです。それは永遠の意味を持ちます。動かされないようにしてください。

第2に,徳高く,道徳的に清くありたいという望みと決意を持ち,動かされないでください。徳を大切にしてください。皆さんが肉体を清く保てば,最も大きな力の源になります。皆さんが地上に生まれたとき,肉体という尊い贈り物を授かりました。皆さんの肉体は心によって管理されており,選択の自由を行使するために神から与えられた贈り物なのです。この贈り物はサタンには与えられなかったものです。ですからサタンはほとんどすべての攻撃を皆さんの肉体に対して仕掛けてきます。サタンは皆さんが肉体を大切にせず,悪用し,不正に使うことを望んでいるのです。慎みがないこと,ポルノグラフィー,不道徳,入れ墨,ボディーピアス,薬物の乱用,あらゆるものへの依存症はこの尊い贈り物を奪い取ろうとする意図があり,皆さんが選択の自由を行使できないようにするものです。パウロはこう尋ねています「あなたがたは神の宮であって,神の御霊が自分のうちに宿っていることを知らないのか。」7

皆さんの肉体は神の宮です。それはなぜでしょうか。それは皆さんの肉体は皆さんの永遠の霊を宿す場所となるだけでなく,永遠の家族の一部として,この地上に生を受ける子供たちの永遠の霊を受け入れる場所となるからです。ダリン・H・オークス長老は次のように教えました。「この世に生命を送り出す能力は神がその子らに賜った至高の力です。」8皆さんの役割は至高の役割なのです。神は皆さんに神聖な信頼を寄せておられます。皆さんは,これからの世代の母親となる備えをしているのです。自らを清くふさわしく保ち,「あらゆるものに勝って最も大切で貴いもの」―徳と純潔を守ってください。9天の御父に選ばれた娘である皆さん一人一人に与えられた賢明な勧告は,「徳の道を歩」みなさい,ということです。10

徳は神殿への黄金の鍵です。ですから第3に,聖約を交わし,守るときにふさわしくあって,動かされないでください。 皆さんがバプテスマのときに交わす聖約は,毎週聖餐を取って聖約を新たにすることにより,皆さんを徳と幸福の道に結びつけてくれます。皆さんがバプテスマの聖約を守るならば,皆さんは世の人とは違って見え,服装も異なり,行動も違ったものとなるでしょう。聖霊に導かれるようになります。聖なる場所に立ち,御霊を伴侶とすることができなくなるような環境や音楽,メディア,交わりに近寄ることのないようにしてください。11皆さんが自分の聖約を守るならば,ふさわしさを保ち,主の神聖な神殿に参入する備えができるでしょう。

最後に,救い主の贖罪を心に刻んで,動かされないでください。贖罪は皆さんのため,そしてわたしのためのものです。それは人に能力を授け,人を贖う力です。もし自分には聖なる場所に立つふさわしさがないと感じても,その重荷を引きずらないでください。死すべき世では皆,間違いを犯します。救い主はあなたを心から愛しておられるので,間違いを犯した後でも,変わることができ,悔い改めることができるようにしてくださいました。サタンは,あなたに自分は変われると思わせたくないのです。12サタンはもう希望はないとあなたに思い込ませようとします。それはうそです。あなたは戻れます。あなたは悔い改めることができます。救い主の無限の贖罪があるので,あなたは清く,神聖な者となれるのです。

では最後に,これまで語られた中で最もすばらしい愛の物語を話して終わりにしたいと思います。多分「愛の物語が聖なる場所に立つこととどういう関係があるの」と思われることでしょう。ところが聖なる場所に立つことと大いに関係があるのです。これはリベカという若い女性の話です。13

この話の中で,アブラハムは,息子イサクの妻にふさわしい若い女性を見つけて来るように僕に言いつけます。その女性は結婚の聖約にふさわしい,徳高く,清い,立派な女性でなければなりません。そこで彼は僕をハランと呼ばれる場所に遣わします。長い,危険な旅路です。そこに行かなければならない理由は明白です。互いに支え合うために,聖なる男性には聖なる女性が必要だからです。僕はナホルの町に近づくと,らくだに水を飲ませるために井戸に立ち寄り,祈りました。選ばれたその若い女性のところに導かれるように,また自分と10頭のらくだに水を飲ませましょうと言ってくれる女性がその人だと分かるように祈ったのです。わたしはかつて,らくだに乗ったことがあり,これだけは知っています。らくだはとてもたくさん水を飲むのです。

創世記にはリベカが井戸に降りて行き,水をくんだだけでなく,この仕事を成し遂げるために「急い〔だ〕」14,または走ったとあります。それから僕はリベカに腕輪や宝石を与え,彼女の父の家には彼が泊まる場所があるか尋ねました。宝石が役に立ったと思います。聖書には次のようにあります。「娘は走って行って,母の家のものにこれらの事を告げた。」15きっとリベカは走るのが得意だったのでしょう。

僕はリベカの家族にこの長旅の目的を告げ,リベカはイサクの妻になることに同意しました。僕は次の日リベカとともに出発したいと思いましたが,家族は娘に少なくともあと10日間はとどまるように懇願しました。彼らはリベカにどうしたいか尋ねると,彼女の答えはただ一言「行きます」16でした。この答えは,預言者トーマス・S・モンソン大管長によって若い男性と若い女性にもっと若い年齢で伝道する機会が与えられるとの発表がなされたとき,「わたしは行って行います」17と確固として答えた多くの若人の答えと似ていませんか。

さて,この愛の物語の教訓と結末です。リベカは聖約を交わし,守り,イサクの聖約の妻となるために備えられ,ふさわしくありました。彼女は自らを備えるために待つ必要はありませんでした。家族から離れる前に,彼女は祝福を受けましたが,その言葉はわたしにとって感動的なものでした。なぜなら彼女は「ちよろずの人の母とな〔る〕」18と約束されたからです。しかしこの愛の物語の最もすばらしいところは,リベカが初めてイサクを見て,イサクも初めてリベカを見たときのことです。聖書には記されていませんが,これは一目ぼれではないかとわたしは思います。なぜなら「徳は徳を愛し,光は光に結びつ〔く〕」19からです。イサクが一行に会おうとやって来たとき,リベカは「らくだからおり」ました。20そして「イサクは……彼女を愛した」とあります。21わたしにとって,ここがため息をついてしまうところです。

リベカとクリスティーナにとって,聖なる場所に立つことは容易ではありませんでした。動かされないようにすることは簡単なことではありません。風は激しく吹きつけ,井戸の水は重く,慣れ親しんだ家や,前の生活から離れることはほんとうに容易ではありませんでした。しかし彼女たちは正しい選択をしたのです。彼女たちは聖霊に導かれました。また高潔な女性でした。聖約を交わし,守るために自らを備えました。救い主はリベカの家系の子孫です。リベカはこのことが起こることを当時知っていたのでしょうか。いいえ。あなたの今の選択は大切ですか。確かにそうです。

若い女性の皆さん,皆さんの選択,純潔,ふさわしい生活に幾世代もの人々の行く末がかかっているのです。動かされないようにしてください。皆さんには偉大な運命が待っています。今があなたの時です。御霊に導かれた一人の徳高い若い女性は,世界を変えることができるとわたしは心から信じています。

救い主が生きておられることを証します。主は皆さんとともにおられ,皆さんを支えてくださるでしょう。そして苦難のときに主の「天使たちはあなたがたの周囲にいて,あなたがたを支える」でしょう。22イエス・キリストの御名により,アーメン。