「情報源の信頼性を評価する」『聖文研究のスキル』
情報源の信頼性を評価する
定義する
ダリン・H・オークス管長の次の言葉を掲示します。
「わたしたちは,情報が大いに広まり普及した時代に生きています。しかし,こうした情報のすべてが真実とは限りません。真理を探し求め,その過程で頼る情報源を選ぶ際には,慎重になる必要があります。」(ダリン・H・オークス「真理と計画」『リアホナ』2018年11月号,25)
あるいは,オークス管長の説教「真理と計画」(『リアホナ』2018年11月号,25-28)のタイムコード0:18から2:18までを見せてもよいでしょう。生徒に,様々な情報源から真理を探すときの指針となる原則を見つけてもらうとよいでしょう。
情報源の信頼性を評価する助けとなる質問の配付資料を生徒に配ります。
情報源を評価するための質問
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著者の資質や,考えられる意図や偏見にはどのようなものがあるでしょうか。
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この情報源の中の教えや出来事は,その時代,場所,状況を適切に考慮して話されていますか。
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著者は説明されている出来事とどれほど密接に関係していますか。
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この情報源の考えや教えは,ほかの信頼できる情報源によって裏付けられているでしょうか。
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この情報源の考えや教えは,聖文や現代の預言者が教えている,イエス・キリストの回復された福音の真理と比較するとどうでしょうか。
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聖霊が与えてくださった印象や促しは,何と言っていますか。
モデルを示す
次の例を使うか,自分で考えたものを使ってこのスキルを実際にやって見せるとよいでしょう。
次のシナリオを生徒に提示します:あなたはジョセフ・スミス—歴史1:14-20にあるジョセフ・スミスの最初の示現の話を研究していると,天の御父が実際にジョセフ・スミスの目に触れられたと主張するインターネット上の記事を見つけたとします。記事によると,それによりジョセフ・スミスは救い主を見ることができたというのです。あなたは,この詳細についてそれまでに聞いたことはなく,それが真実かどうか考えています。その記事には,証拠として次の情報源が引用されています:
「〔1893年〕2月に断食集会に参加した。……ジョン・アルジャー兄弟は預言者ジョセフについてこう言った。ジョンが〔オハイオ州カートランドで〕少年だったころ,預言者ジョセフが御父と御子にまみえた話をするのを聞いた。ジョセフは,『神が指でジョセフの目に触れ,「これはわたしの愛子である,彼に聞け」と言われた』と言った。主が指でジョセフの目に触れられたとたん,ジョセフは救い主を目にした。……〔その〕集会の後,何人かの人がこの件について〔アルジャー兄弟〕に尋ねた。……それは教会歴史で見聞きしたことのないものだったため,わたしたちはその会話を大いに楽しんだ。」(Diary of Charles Lowell Walker [1980], 2:755–56)
配付資料の質問の幾つかを使って,この情報源を評価する方法を実際にやって見せます。以下はその例です。
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質問 |
評価 |
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質問 著者の資質や,考えられる意図や偏見にはどのようなものがあるでしょうか。 | 評価 既知の話に基づくと,アルジャー兄弟は忠実な教会員でした。アルジャー兄弟が話をした意図は,ジョセフ・スミスの最初の示現が現実に起こったことに対する信仰を強めることであったようです。 |
質問 著者は説明されている出来事とどれほど密接に関係していますか。 | 評価 この情報源は,ジョセフ・スミスの示現から70年以上経った又聞きの記録であるため,読者はその正当性を評価する際に注意する必要があります。 |
質問 この情報源の考えや教えは,ほかの信頼できる情報源によって裏付けられているでしょうか。 | 評価 最初の示現に関するそのほかの記述は,神が預言者の目に触れたという記述を裏付けていません(福音のテーマの論文「最初の示現の記録」, topics.ChurchofJesusChrist.org参照)。 |
練習する
生徒に,聖文と福音の教えをさらによく理解するために使う情報源を発表してもらいます。あなたが聖文研究や福音研究で使っている情報源を紹介してもよいでしょう。前述の情報の中から評価する情報源を一つ選択するか,以下の例から選択してください。生徒たちに,配付資料の質問を使って,情報源を評価する練習をしてもらいます。この練習は,二人一組でも,少人数のグループでもクラス全体で行ってもかまいません。
このスキルを練習する際に使えるその他の情報源:
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ドナルド・W・パリー「旧約聖書におけるイエス・キリストの贖い」『リアホナ』2022年4月号,40-43
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ゲイ・ストラサーン「マリヤ,イエスの母」『リアホナ』2019年1月号,12-17
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ジェフリー・G・キャノン「オリバー・カウドリの賜物」『啓示の背景』15-19
以下のリソース(英語で利用可能)には,このスキルをやって見せたり練習したりする際に使える情報源の例も掲載されています。
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“Links to Gospel Study Resources,” ChurchofJesusChrist.org
注:上記のウェブサイトの一部は,必ずしも教会と提携していない第三者によって維持されています。このコンテンツにリンクされていることは,末日聖徒イエス・キリスト教会による是認を意味するものではありません。
招き,フォローアップする
生徒に,聖文研究と福音研究を行う際に,情報源の信頼性を評価するよう招きます。1週間を通してフォローアップを行うとよいでしょう。次回のレッスンで,生徒が聖文をよりよく理解するために使った資料を発表する時間を取るとよいでしょう。その情報源の信頼性をどのように評価したかを話し,それがどのように聖文の研究を向上させたかを説明するとよいでしょう。