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第10課 クラス準備資料:イエス・キリストの従順の模範に従う


「第10課 クラス準備資料:イエス・キリストの従順の模範に従う」『イエス・キリストとその永遠の福音 教師用資料』(2023年)

「第10課 クラス準備資料」『イエス・キリストとその永遠の福音 教師用資料』

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祈っている若い男性

第10課 クラス準備資料

イエス・キリストの従順の模範に従う

皆さんの周りで,「従順で,柔和で,謙遜で,忍耐強く,愛にあふれ……,子供が父に従うように,主がその人に負わせるのがふさわしいとされるすべてのことに喜んで従〔う〕」(モーサヤ3:19)人を思い浮かべることができますか。こうしたキリストのような特質は,それを求める人はだれでも得ることができます。救い主は,天の御父の御心に従うことについての完全な模範であられます。学ぶ際,エズラ・タフト・ベンソン大管長(1899-1994年)が述べた次の言葉の重要性について考えてください:「自分の人生をささげて神のみこころをなそうとする人は,神が当のわたしたちが考えている以上に,わたしたちの能力を引き出して多くのことを成し遂げられることに気づくでしょう。」(「イエス・キリスト—賜と私たちへの期待『聖徒の道』1987年12月号,4)

セクション1

謙遜さと柔和さは,どのようにわたしに力を与えてくれるのでしょうか

謙遜さは弱さの表れだと思っている人がいます。そのような人は,謙遜な人は心配性で臆病な人だと考えているかもしれません。しかし,そのような言葉は,謙遜と柔和の完全な模範であられるイエス・キリストを表すものではありません。

救い主の強さや勇気,大胆さについて,次のような例を幾つか考えてみましょう:御自分の命が危険にさらされたときでも,御自分のまことの姿を確信をもって宣言された(ヨハネ8:54-59参照)。神殿が汚されたときに大胆に神殿を清められた(マタイ21:12-13ヨハネ2:14-17参照)。虐げられている人々を勇敢に擁護された(ヨハネ8:1-11マルコ2:14-17参照)。非難や批判に遭っても恐れなかった(マタイ16:1-12ルカ20:19-26参照)。

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宗教指導者から尋問されるイエス

謙遜さは,どのように個人の力と強さにつながるのでしょうか。わたしたちは,次のことが学べます。「謙遜であるとは,自分が主に頼っていることを感謝しつつ認めること,すなわち,自分が常に主の支えを必要としていることを理解することです。……

……この世で教導の業に携わる間,イエス〔・キリスト〕は,御自身の力が御父に頼ることで得られるものであることを常に認めておられました。イエスはこう語っておられます。『わたしは,自分からは何事もすることができない。……わたし自身の考えでするのではなく,わたしをつかわされたかたの,み旨を求めているからである。』(ヨハネ5:30)」(福音トピックス「謙遜」,topics.ChurchofJesusChrist.org

救い主が御父の御心に謙遜に従われていることは,救い主の柔和さとも関連しています(マタイ11:29参照)。十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は次のように教えています:

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デビッド・A・ベドナー長老

「柔和さは贖い主がどのような御方かを決定づけている重要な特質であり,義にかなった態度で応じ,進んで従い,自らをしっかりと制することによって表されます。……

大いなる贖い主は,『万物の下に身を落とし』〔教義と聖約88:6〕,『すべての不義からわたしたちをきよめ〔る〕』ために苦しみ,血を流し,亡くなられた御方であり〔1ヨハネ1:9〕,御自分の弟子たちのほこりまみれの足を優しくお洗いになりました〔ヨハネ13:4-5〕。そのような柔和さは,僕,また指導者としての主の顕著な特徴です。

ゲツセマネで激しい苦しみを受けたとき,イエスは義にかなった態度で応じ,進んで従うことの究極の模範を示しておられます。

『〔イエスは〕いつもの場所に着いてから,〔弟子たち〕に言われた,「誘惑に陥らないように祈りなさい。」

そしてご自分は,……ひざまずいて,祈って言われた,

「父よ,みこころならば,どうぞ,この杯をわたしから取りのけてください。しかし,わたしの思いではなく,みこころが成るようにしてください。」』〔ルカ22:40-42

この永遠に不可欠であって極度の苦痛を伴う経験の中で救い主が示された柔和さは,自分自身の知恵よりも神の知恵を優先することの大切さをわたしたち一人一人に示しています。」(「柔和で心のへりくだった者『リアホナ』2018年5月号,32)

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「ゲツセマネの祈り」デル・パーソン画
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クラスに備えて深く考える

イエス・キリストが柔和に「初めから,すべてのことについて御父の御心に従ってきた」(3ニーファイ11:11)ことで,あなたの人生はどのように祝福されてきましたか。どうすれば神の御心にもっと従順になれるでしょうか。

セクション2

聖約を交わして守ることは,神の御心を行ううえでどのような助けとなるでしょうか

自分の生活を振り返るとき,一体どうすれば救い主のように謙遜で柔和になれるのだろうかと思うかもしれません。ありがたいことに,イエス・キリストはわたしたちの思いを神に従わせる方法を示してくださいました。

教導の業を始められたころ,イエスはバプテスマの儀式を受けるためにバプテスマのヨハネのもとへ行かれました。最初ヨハネはためらい,「わたしこそあなたからバプテスマを受けるはずですのに,あなたがわたしのところにおいでになるのですか」と言いました。イエスはヨハネに,そうするのは「すべての正しいことを成就する」ためにふさわしいことであると告げられました(マタイ3:13-17参照)。この話についての学習を深めるために,「イエスのバプテスマ」(2:53)を見るとよいでしょう。

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クラスに備えて学ぶ

ニーファイが救い主の謙遜の模範について述べたことを学ぶために,2ニーファイ31:6-7,11-13を読んでください。謙遜に神の御心に従うために行うことのできる,実践的なステップを見つけてください。

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Baptism II(「バプテスマII」), by J. Kirk Richards

バプテスマの儀式を受けることで,わたしたちは聖約の道を歩むことになります。この道を歩むとき,わたしたちは戒めを守るように努め,神の御心に従うのです。ラッセル・M・ネルソン大管長は聖約の道について,次のように述べています:

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ラッセル・M・ネルソン大管長

「主と聖約を交わして救い主に従う決意をし,それらの聖約を守るとき,世界中の男性,女性,子供たちのために備えられた,あらゆる霊的な祝福と特権を享受する門戸が開かれるのです。」(「ともに前進するにあたり『リアホナ』2018年4月号,7)

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クラスに備えて深く考える

福音の聖約を交わして守ることを通して主の御心に従うことによって,人生でどのような祝福を受けてきましたか。またはどのように祝福されると思いますか。

セクション3

生活の中で神に勝利を得ていただくために何ができるでしょうか

聖文の中でも,今日でも,主の聖約の民は度々イスラエルの家と呼ばれています。ネルソン大管長は次のように教えています:

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ラッセル・M・ネルソン大管長

イスラエルという言葉のヘブライ語の意味〔は〕『神に勝利を得させよ』で〔す〕。したがって,イスラエルという名前はまさしく,人生の中で進んで神に勝利を得ていただこうとする人を指すのです。この概念に魂を揺さぶられました!

進んで』という言葉は,『イスラエル』という言葉のこの解釈において非常に重要です。だれもが選択の自由を持っています。……人生の中で神に勝利を得ていただくかどうかを選べます。神に,人生の中で最も強い影響力となっていただくかどうかを選べます。……

あなたは人生の中で進んで神を最も重要な影響力としていますか。神の言葉や戒め,聖約の影響を日々の行いに反映させていますか。神の声を何よりも優先させますか。あらゆる野心よりも,神から行うよう求められることを進んで優先させていますか。進んで自分の意志を神の御心にのみ込まれるがままにしていますか。」(「神に勝利を『リアホナ』2020年11月号,92,94)

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祈っている若い女性

聖文や現代の弟子たちの生活から,わたしたちは生活の中で神に勝利を得ていただく選択をするときにもたらされる機会や困難,祝福について知ることができます。

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クラスに備えて学ぶ

神に勝利を得ていただいた人の以下の例を一つ以上調べ,その後の質問について深く考えてください:

  • 重い皮膚病にかかったナアマンは預言者エリシャに助けを求める:列王下5:9-14

  • マリヤは天使の訪れを受け,自分がイエスの母となると告げられる:ルカ1:26-38

  • エノクは民に悔い改めを呼びかけるために主に選ばれる:モーセ6:31-34,37-39

  • ヒュー・B・ブラウン長老(1883-1975年)は,神の御心に従うことの大切さについて学ぶ:「神の御心」(3:02)。

    • その人が神の御心に従うよう招かれたとき,どのような困難が伴いましたか。

    • その人は神に勝利を得ていただくために何をしましたか。

    • その人は神の御心に従ったことでどのような祝福を受けましたか。

生活の中で神に勝利を得ていただくための自らの努力について考える際,元中央若い女性会長のボニー・L・オスカーソン会長の次の証について考えてみましょう:

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ボニー・L・オスカーソン会長

「わたしたちが進んで御父に,『それでも,あなたさまの御心が行われますように』〔教義と聖約109:44参照〕と言い,自分の思いを主の御心に従わせるとき,大いなる祝福が用意されていることを証します。……これは人生における試しです。これをさらにうまく行えるようになると,わたしたちはより大きな幸福を見いだし,個人の啓示を受ける能力が増し加わり,周りの人に仕える能力が高まり,試練に直面したときにさらに助けを得られ,よりキリストのような人格に近づくことができるのです。」(“Leaders Address Importance of Conversion at BYU Women’s Conference,” May 9, 2017, ChurchofJesusChrist.org

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自分の考えを記録する

生活の中でもっと神に勝利を得ていただけるようにするために,何を始めるべき,あるいはやめるべきだと感じますか。主の御心にもっと完全に従うことで,どのように主の助けを招くことができるでしょうか。