そのころ,黒人男性も女性も,神殿の儀式を受けることは制限されましたが,バプテスマを受け,聖霊の賜物を受けることはまだ許されていました。神権と神殿の制限の起源についてはあまり知られていませんが,ブリガム・ヤング,デビッド・O・マッケイ,ハロルド・B・リーなどの末日の預言者は,人種に関係なくすべてのふさわしい教会員が福音の祝福をすべて受けられるようになるときが来ると教えていました。(see “The Long-Promised Day,” Ensign, June 2018, 34)。
この制限に悩む人々,そして……〔悩む人たちのために〕この制限の理由を知ろうとして調べた人々が経験した苦しみと葛藤を,わたしは見てきました。わたしは理由を調べましたが,出てきた理由のいずれについても正しいという確信が持てませんでした。祈りを込めて調べる中でわたしが学んだのは,一般に主は僕に与えられる戒めや指示について,理由をめったに与えられないということでした。わたしは預言者に忠実になり,この制限がかけられたときから約束されていた通り,だれもが神権と神殿の祝福にあずかる日が来るように祈ろうと決めました。(“President Oaks Remarks at Worldwide Priesthood Celebration”,Be One—A Celebration of the Revelation on the Priesthood,” , June 1, 2018, newsroom.ChurchofJesusChrist.org)
ある日ビリー・ジョンソン兄弟は,つらい一日の仕事を終えて真夜中に寝ようとすると,その前にラジオを聴かずにはいられない気持ちに駆られました。聴いていると,神権の制限が解除されたというニュースが流れたのです。彼は次のように回想しています。「わたしは跳び上がって,泣き叫びながら主を賛美しました。主がガーナやアフリカのほかの地域に宣教師を派遣し,神権を授けてくださる日が来たからです。……ほんとうに幸せでした。」宣教師はガーナに到着し,回復された福音をすでに受け入れていた人たちのグループと会いました。ジョンソン兄弟とその仲間約600人がバプテスマを受けました。「ケープコーストの初代支部会長を務めた後,ジョンソン〔兄弟〕は地方部会長を務め,専任宣教師となり,そしてガーナ・ケープコーストステークの祝福師として奉仕しました。」(see Elizabeth Maki, “‘A People Prepared’: West African Pioneer Preached the Gospel before Missionaries,” history.ChurchofJesusChrist.org)