アルマ30－31章

「神の言葉の力」

アルマは神の言葉の「力強い影響」について証しました（アルマ31：5）。アルマ30－31章を読みながら，神の言葉の力強い影響を感じるときに，その印象を書き留めてください。

印象を書き留める

アルマ30－31章で述べられている話は，善と悪の両方の働きにおける言葉の持つ力を明確に示しています。コリホルという名の偽りの教師による「へつらい」や「大言壮語」は，「多くの人を滅びに至らせる」恐れがありました（アルマ30：31，47）。同じように，ゾーラムというニーファイ人の離反者による教えは，大勢の人々を「大きな過ち」に陥らせ，「主の道を曲げ」させました（アルマ31：9，11）。

対照的にアルマは，神の言葉が「剣やそのほか，……〔コリホルやゾーラムの言葉も含め〕どのようなことよりも民の心に力強い影響を及ぼ〔す〕」という揺るぎない信仰を持っていました（アルマ31：5）。アルマの言葉は永遠の真理を伝え，コリホルを黙らせるに至る天の力を引き寄せ（アルマ30：39－50参照），ゾーラム人を真理に連れ戻すためにアルマとともに出て行った者たちには天の祝福を招きました（アルマ31：31－38）。「大言壮語」や「大きな過ち」が再び民の心に力強い影響を及ぼす時にあって，これらの話は，今日キリストに従う者にとって貴重な例となります（アルマ30：31；31：9）。けれどもアルマが行ったように，「神の言葉の力」を信頼することによって真理を見いだすことができます（アルマ31：5）。

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個人の聖文研究のためのアイデア

アルマ30：6，12

反キリストとは何か。

アルマ30：6では，コリホルは「反キリスト」と呼ばれています。反キリストとは，キリストに従っていると見せかけながら実際にはキリストに反している人のことであり（1ヨハネ2：18－22；4：3－6；2ヨハネ1：7参照），また「人や事物を問わず真実の福音の救いの計画を装うもの，また公然か否かを問わずキリストに敵対するすべてのもの」（「反キリスト」『聖句ガイド』）を指しています。

今の世の中で「真実の福音……を装うもの」としてどのようなものがあるでしょうか。例えば，前中央扶助協会会長のジュリー・B・ベック姉妹は次のように教えました。「〔わたしたち〕が聞く世の原理や原則で反家族的なものも，すべて反キリスト……です。」（「家族の教義を教える」『リアホナ』2011年3月号，35）

アルマ30：6－60

モルモン書は，欺こうとする者の影響に立ち向かうのを助けてくれる。

アルマ30：6－31を読むとき，コリホルの教えは聞き覚えのあるものかもしれません。それは，エズラ・タフト・ベンソン大管長が教えたように，モルモン書が「今日の悪魔の企てや戦略，教義」を明らかにし，それに対抗できる力を与えてくれるからです。モルモン書に登場する背教者は，今日の背教者によく似ています。わたしたちが誤りを見抜き，今日の教育や政治，宗教，哲学の誤った概念とどう戦ったらよいかを知ることができるように，神は実に無限の先見の明をもってモルモン書を備えられたのです。」（『歴代大管長の教え—エズラ・タフト・ベンソン』〔2014年〕，124参照）

アルマ30：6－31でコリホルが教えた偽りの教義のリストを作ってみてもよいでしょう。これらの教えを信じたことで招いた結果にはどのようなものがあるでしょうか。例えば，「人が死ねばそれで終わりである」ということを信じた結果はどのようなものでしょうか（アルマ30：18）。コリホルのどの偽りの教えが，あなたが気づいた今の世の偽りの教義と似ているでしょうか。

コリホルとアルマのやり取りを読むことで，あなたを欺こうとする状況に備える助けとなります。コリホルがどのように欺かれたかを理解するのに，アルマ30：29－60を研究すると助けになるかもしれません（特に52－53節を参照）。コリホルの教えに対してアルマの取った行動から何を学べるでしょうか（アルマ30：31－35参照）。

アルマ31章

神の言葉は人々を義に導く力がある。

ゾーラム人がニーファイ人から分かれた問題は，一部の人にとっては政治的あるいは軍事的な解決法が必要と思われたかもしれません（アルマ31：1－4参照）。しかしながら，アルマは「神の言葉の力」を信頼することを学んでいました（アルマ31：5）。アルマ31：5から，神の言葉の力について何を学べるでしょうか。神の言葉が「民に正しいことを行わせる」ように導くのを目にしたことがありますか（アルマ31：5）。愛する人を助けるために，神の言葉をどのように「使〔えば〕」（試せば）よいか深く考えてください。

アルマがほかの人々を救うために使った方法をさらに理解するためには，アルマ31章で述べられているように，アルマの態度，気持ち，行動をゾーラム人のものと比べてみるとよいでしょう。次のような表が助けとなるかもしれません。どのような違いに気づきましたか。自分がもっとアルマのようになれるということについてどう思いますか。

ゾーラム人	アルマ
ゾーラム人自分たち以外の者は地獄に落とされると信じた（アルマ31：17）。	アルマゾーラム人は「同胞」であり，「貴い」人々であると信じた（アルマ31：35）。
ゾーラム人高価なものに執着していた（アルマ31：24，28）。	アルマイエス・キリストのもとに人々を連れ戻すことを望んだ（アルマ31：34）。
ゾーラム人	アルマ

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家族の聖文研究と家庭の夕べのためのアイデア

家族とともに聖文を読むとき，家族の必要を満たすためにどのような原則を強調して話し合えばよいかを，御霊の助けによって知ることができます。幾つかのアイデアを紹介します。

アルマ30：44

外へ散歩に行ったり，神の創造に関する絵を見たりしながら，アルマ30：44について一緒に読んだり話し合ったりしてみてください。目にするもので，神を証しているものを家族で分かち合うことができるでしょう。これらのもの，あるいは経験してきた事柄はどのようにして神が実在する御方だと分かるように助けてくれるでしょうか。

アルマ30：56－60

アルマ30：56－60から，悪魔が自分に従う者たちをどのように扱うかについて何が学べるでしょうか。悪魔の影響から家庭を守るためには何ができるでしょうか。

アルマ31：20－38

家族とともにアルマ31：20－38を読んだ後，次の質問について話し合うことができます：アルマの祈りはゾーラム人の祈りと比べてどのように異なっていましたか。個人や家族の祈りで，どのようにアルマの模範に従うことができるでしょうか。

小さい子供は枕の下に石を置いて，朝晩に祈ることを思い出せるようにしてもよいでしょう。また，その石に模様をつけて楽しむこともできるかもしれません。

アルマ31：23

神について学んだり，話したりするために，日々家庭で行っていることは何でしょうか。

子供を教えるためのそのほかのアイデアについては，『わたしに従ってきなさい—初等協会用』の，今週の概要を参照してください。

個人学習を改善する

周りの状況を整える。「周りの状況は真理を学び，感じ取る能力に大きな影響を及ぼすことがあります。」（『救い主の方法で教える』，15）聖霊の影響を招き入れることのできる場所を見つけ，そこで聖文研究をするように心がけましょう。心を高める音楽や絵画も御霊を招きます。