2010–2019
目覚めて務めを行う
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目覚めて務めを行う

わたしたちは目覚めて自らの務めを行い,贖罪の持つ,人を慰め,強め,能力を増し加え,癒す力にあずかりながら信仰をもって前進し続けなければなりません。

中央扶助協会会長会に召されてから,過去に奉仕してきた女性たちについて知りたいと思いました。そして,第2代中央扶助協会会長会の第一顧問だったジーナ・D・ヤング姉妹の教えに感銘を受けました。彼女はこう語りました。「姉妹の皆さん,しっかり目覚めてわたしたちの務めを行いましょう。」1わたしは「目覚める」という言葉と「務め」という言葉について深く考え,聖典をさらに詳しく調べました。

新約聖書の中で,パウロは当時の聖徒にこう教えました。

「あなたがたの眠りからさめるべき時が,すでに来ている。なぜなら今は,わたしたちの救が,……もっと近づいているからである。

夜はふけ,日は近づいている。……光の武具を着けようではないか。」2

モルモン書では,神と聖約を交わす人々の神聖な務めについて,アルマが民にこう教えています。

「あなたがたは神の羊の群れに入って,神の民と呼ばれたいと願っており,重荷が軽くなるように,互いに重荷を負い合うことを望み,

また,悲しむ者とともに悲しみ,慰めの要る者を慰めることを望み,……いつでも,どのようなことについても,どのような所にいても,……神の証人になることを望んでいる。

まことに,わたしはあなたがたに言う。あなたがたが心からこれを望んでいるのであれば,主からますます豊かに御霊を注いでいただけるように,主に仕えて主の戒めを守るという聖約を主と交わした証拠として,主の御名によってバプテスマを受けるのに何の差し支えがあろうか。

人々はこの言葉を聞くと手をたたいて喜び,『それこそわたしたちが心から望んでいることです』と叫んだ。」3

わたしはヤング姉妹の言葉とこれらの聖句を読んで,今日わたしたちが目覚めて行うべき「務め」は何だろうと考えました。

バプテスマを受けると,聖約を交わします。ロバート・D・ヘイルズ長老はこう教えています。「聖約を交わして守るとき,わたしたちは世を離れて神の王国に入ります。」4

わたしたちは変化を経験します。身なりが変わり,行動も変わります。聴く音楽や読む本,言葉遣いが変わり,服装も変わります。わたしたちは神の娘となり,聖約によって主と契約をするからです。

確認の儀式を受けると,わたしたちは聖霊の賜物を授かります。すなわち,神会の御一方の影響を常に受け,導きと慰めと守りを得る権利を持ちます。わたしたちが誘惑に負けて聖約を無視し,世に引き戻されそうになると,聖霊は警告を発してくださいます。ボイド・K・パッカー会長は「大きな間違いをしそうになるときはいつでも,まず最初に聖霊の導きによって警告を受ける」と教えています。5

この賜物を受け,常に御霊を受けるには,ふさわしさを保ち,注意深く心の状態を確認しなければなりません。わたしたちの心は和らげられているでしょうか。謙遜で,素直に教えを受け入れる,優しい心が備わっているでしょうか。それとも,次第に心がかたくなになり,この世の騒音に邪魔されて,明らかに御霊から来ている優しい促しが聞こえないふりをしているでしょうか。

バプテスマを受けたとき,わたしたちの心は変わり,神に目覚めました。この世の人生を歩む中で,わたしたちは定期的にこのように自問しなければなりません。「もし〔わたしが〕心の変化を経験しているのであれば,……今でもそのように感じられるか。」6もし感じられないとすれば,それはなぜでしょうか。

初期の聖徒の多くは,「心の中に,この大きな変化を経験し」ました。7この心の変化は,神殿の祝福を受けられるように,聖徒たちを目覚めさせました。神殿の祝福を受け,務めを果たすために強くなるという,目の覚めるような経験をしたのです。ノーブーにいた初期の聖徒たちは西部へ向かう前に儀式を受け,聖約を交わすために「夜も昼も神殿」に行きました。8

ノーブーの扶助協会の姉妹だったサラ・リッチはこのように述べています。「わたしたちは主の宮でたくさんの祝福を受け,それによってすべての悲しみのただ中にあっても喜びと慰めを得,神を信じる信仰を持つことができました。これから始まる未知の旅の間,神が導き,支えてくださることを知ったからです。」9

救い主への信仰によって心を変えられ,主の贖罪がもたらす力に頼った聖徒たちは,目覚めて実行しました。彼らの苦しみを理解してくださる御方,すなわち救い主がおられることを心から確信していました。主は,ゲツセマネの園と十字架の上で彼らのために苦しまれたので,彼らの苦しみがお分かりになるのです。主は聖徒たちの恐れや疑い,痛みや孤独を感じておられました。彼らの悲しみ,迫害,飢え,疲労,失ったものを御存じでした。そして御自身もそれらを味わわれたからこそ,こうおっしゃることができたのです。「すべて重荷を負うて苦労している者は,わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう。」10

そして聖徒たちは,ユタに来たのです。預言者に信頼を寄せて従いました。彼らは旅路が長くなることも,務めを行うことが困難になることも分かっていました。犠牲を求められることを承知していましたが,自分たちの信仰に支えられ,聖約を固く守ることで,霊的に備えられました。

ノーブーを離れる前,聖徒の一団が,放棄される神殿の集会所に次のようなメッセージを書き残しました。「主はわたしたちの犠牲を御覧になりました。わたしたちの後に続いてください。」11

最近,わたしのワードの若い男性,若い女性とともに開拓者と同じ道を歩く活動に参加しました。毎朝わたしはこう自問しました。「わたしの犠牲は何だろうか。どのようにすれば,開拓者の後に続けるだろうか。」

旅の2日目,すでに手車を8マイル(13キロ)引いて進み,開拓者の道の「ウーマンズ・プル」と呼ばれる地点に着きました。男女に分かれ,男性たちは先に丘の上に行きました。女性陣が手車を引いて登り始めたとき,わたしは丘の上にいる神権者の兄弟たちを見上げました。老いも若きも,道の両側に立ち,帽子を脱いで女性たちに敬意を示してくれました。

初めは楽な道でしたが,すぐに砂地に入り,勾配がきつくなっていきました。わたしが頭を下げて全力で押していると,だれかが手車をぐいと引くのを感じました。見上げると,若い女性の一人でわたしの近所に住んでいるレクシーがいました。レクシーは自分の手車を丘の上まで引き終わって,わたしたちが助けを必要としているのを見て駆けつけて来てくれたのでした。頂上にたどり着いたとき,わたしは後に続いて登って来る姉妹たちを助けたいと心から思いましたが,呼吸が乱れ,どうきがかなり激しく,心臓発作の文字が何度も頭をよぎりました。そこで,ほかの若い女性たちが頂上で手車を置き,助けに駆け寄る姿を,わたしは感謝しながら見守りました。

全員が頂上に着いたとき,時間を取って,感じたことを日記に書きました。わたしはこう書きました。「肉体的に十分に備えていなかったので,後に続く人を助ける力がなかった。もう手車を引く必要はないかもしれない。でも,霊的な意味で姉妹たちをがっかりさせたくない。絶対に!」

霊的に目覚め,家族やほかの人に対しての務めを思い出す,神聖な経験でした。旅の間中,自分が学んだことをよく考えました。

まず考えたのは,手車を独りで引いて来た,あるいは今も引き続けている姉妹たちについてでした。かつての手車隊にいた20パーセント近くの女性が一時的に独りでした。未婚であったり,離婚したり,または夫に先立たれた姉妹たちでした。たくさんの姉妹は独りで子供を育てていました。12皆協力して働きました。聖約の娘として,様々な生活状況にあって,老いも若きも,同じ道を同じ目標に向かって進んだのです。

わたしは助けの必要な姉妹たちのもとに駆けつけた姉妹たちを見て,見える所と見えない所の両方で,助け手となっている人のことを思い出しました。よく目を配っていて,必要なことにすぐ気づいて行動します。

主の次の言葉について考えました。「わたしはあなたがたに先だって行こう。わたしはあなたがたの右におり,また左にいる。わたしの御霊はあなたがたの心の中にある。また,わたしの天使たちはあなたがたの周囲にいて,あなたがたを支えるであろう。」13

道の両側に立っていたのは,忠実で従順な,聖約を守る男性たちでした。彼らの神権の力,すなわち神が御自身の子供たちを祝福するために用いられる力は,わたしたちを鼓舞し,強め,支えてくれました。彼らは,わたしたちが独りではないことを思い出させてくれました。わたしたちが聖約を守るときに,この力をいつも持つことができます。

わたしは,家族と分かれて旅をした男性たちのことを考えました。留守の間,家族だけで手車を引きました。たくさんの男性が旅の途中で亡くなりました。中には,母国に伝道に行くために残った息子たちもいました。先にソルトレーク盆地に移住し,家族が到着する前に準備をした人もいました。別の男性は聖約を守らないことを選んだために,いませんでした。

先人たちのように,今日も多くの姉妹が理想的ではない状況の中で生活しています。わたしたちが理想を教え,それを実現しようと努力し続けるのは,努力を続けることで道に沿って前進し続けられること,そして「主を待ち望む」ときに,約束されたすべての祝福を受ける準備ができることを知っているからです。14

だれもが人生で逆境を経験してきましたし,今後も経験することでしょう。この世の人生は試しの時であり,わたしたちは確実に訪れる逆境から何を学ぶかを自由に選択し続けることができます。

神の娘であるわたしたちは,信仰をもって道を進みます。なぜなら,トーマス・S・モンソン大管長の次の言葉を認めているからです。「いつの日か永遠の家族として天の御父のみもとに戻れるようにし,高い所から祝福と力を授けてくれる神殿の救いの儀式には,あらゆる犠牲と努力を注ぐ価値があ〔り〕ます。」15

旅を続けるだけでは不十分です。わたしたちは目覚めて自らの務めを行い,贖罪の持つ,人を慰め,強め,能力を増し加え,癒す力にあずかりながら信仰をもって前進し続けなければなりません。

姉妹の皆さん,皆さんを愛しています。皆さんの多くを個人的には知りませんが,わたしは皆さんが何者であるかを知っています。わたしたちは聖約を守る,主の王国の娘であり,聖約を通して力を授けられ,務めを行う準備ができています。

扶助協会は女性たちを霊的に目覚めさせ,信仰と個人の義を増し加えられるようにすることで永遠の命の祝福に備えます。まず自分から始めましょう。今いる所から始めましょう。今日から始めましょう。霊的に目覚めれば,より良い方法で家族や家庭を強め,ほかの人々を助けることができるでしょう。

これは救いの業で,これを実行できるのは贖罪の持つ,人を強め,能力を増し加える力のおかげです。目覚めて,自分が何者であるかを知ってください。目覚めて,務めを果たしてください。わたしたちは天の御父の娘であり,御父に愛されています。これらのことをイエス・キリストの御名により証します,アーメン。

  1. ジーナ・D・ヤング,Woman’s Eponent”1877年10月15日,74

  2. ローマ13:11-12

  3. モーサヤ18:8-11

  4. ロバート・D・ヘイルズ「慎み深さ―主への敬意」『リアホナ』2008年8月号,36

  5. ボイド・K・パッカー「敵陣で生き抜く方法」『リアホナ』2012年10月号35

  6. アルマ5:26

  7. アルマ5:14

  8. 『わたしの王国の娘―扶助協会の歴史と業』(2011年),29

  9. サラ・リッチ,『わたしの王国の娘』30で引用

  10. マタイ11:28

  11. 『わたしの王国の娘』30で引用

  12. ジョリーン・S・アルフィン“Tell My Story, Too”第8版(2012年)参照

  13. 教義と聖約84:88

  14. イザヤ40:31

  15. トーマス・S・モンソン「聖なる神殿―世界に輝くかがり火」『リアホナ』2011年5月,92